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幻の女
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幻の女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全104件 101~104 6/6ページ
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私は、ぼんやりとした性格なので、ミステリーを読むとき、いつも肝心のポイントを見逃してしまい、「エーッ!それ、どういうこと?」などと、前のページに戻ったりするタイプの人です。どちらかというと、結論が最初にわかって謎解きするよりは、最後にわかるのが好きです。幻の女は、謎が最後に判明するタイプのミステリーです。ぼんやりとした私は、読んでいる途中、犯人の想像がまったくつかず、とにかく謎を知りたくて、どんどん読み進んでしまいました。最後のどんでんがえしは、意外な展開でした。最後に謎が解明するタイプが好きな方にはオススメです。 | ||||
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面白かった。意外性を充分に楽しむことができました。古典的巨匠作家などと何も知らずに読み始めたウィリアム・アイリッシュの「幻の女」、その大作家であらせられるお姿を垣間見させていただいた気がしました。妻殺しの汚名をきせられそうになった主人公スコット・ヘンダースンが死刑ぎりぎりの攻防でどうなるのか、映画「逃亡者」のごとく主人公が刑務所から脱走して真相究明になってしまうのかと思ったところ、全く異なる展開でドキドキさせられ、その汚名を晴らす幻の女は誰なのか最後まで気になって目が離せずもうただくぎ付け状態になりました。その幻の女に気をとられた時に判明した真犯人は私の浅はかな推理を見事につかれ、意外なところに隠された真相に、あっと驚くばかりで唸るばかりです。近頃のサスペンスドラマになりきった私には最後にどんでん返しをくらわす展開は新鮮であり意外性を見事に突かれました。幻の女の正体そのものは陽炎のごとくふわふわと空想の中で存在するのかと思っていたら、そこはどうなのだろうと読み進めていくと実はこれは別の意味で虚をぬかれました。まるで手品の種明かしをされたようなあっけない気分に陥りました。ただサスペンス映画のごとくドキドキの要素だけを取り出して見せてくれる映像とは異なり小説で読み進めていくのはやや間延びしていると感じてしまうのはどうし様もありません。ですがそれを差置いても主人公の死刑執行ぎりぎりまでの攻防、と其処からたどり着かれる真相は読みごたえ充分でした。見事にあっぱれと言うぐらいに騙されてしまいました。 | ||||
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このお話はとても面白い。もしもあなたが、身に覚えの無い殺人の罪を着せられ、死刑を宣告されたらどうするだろうか?犯行時刻に一緒にいた女性はなぜか名乗り出てくれない。それに、自分はその女性と確かに一緒だったはずなのに、その女性と一緒にいたことを証言してくれるはずの人々がみな「知らない」と言ったら? 死刑執行日がどんどん近づいて来る中で、あなたはどうするだろうか?このお話では、主人公が無実であることを読者の私たちは当然知っている。出ていけるものなら出て行って証言してあげたいくらいであるが、私たちは話の進行を見守ることしかできない。主人公は、無実の罪を晴らし、死刑から逃れることができるのだろうか? 真犯人を捜すことはできるのだろうか? そして、それは死刑執行日までの残された少ない時間の中で達成することができるのか?このお話は、最後まで緊迫感溢れる見事な作品である。ぜひとも読んで欲しい。 | ||||
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タイトルはずいぶん昔から知っていた。評価も高かった。その作品をようやく読むことができた。噂どおりの面白さ、だ。 作品が書かれたのは、1942年。そんな古さはみじんも感じさせない。 妻殺しの罪で死刑判決を受けたヘンダースンは、犯行時刻、「幻の女」と一緒にいた。二人でバーに並び、タクシーに乗り、食事をした。劇場の最前列でショーも見た。その女の証言さえ得られれば、ヘンダースンの無罪は明らかだ。 しかし、ヘンダースンはその女の名前も容貌も思い出すことができなかった。そんなことには関心がなかったからだ。ただ、二人を目撃したという証人が全くいないのが不思議だった。そんな二人連れは見なかったと言うならまだ理解できる。ところが、関係者はなぜか皆、口をそろえて、ヘンダースンは一人でいた、と証言する。 ヘンダースンの言葉を始めて信用したのは、彼を死刑に追い込んだ刑事バージェスだった。バージェスのアドバイスで親友ロンバートの助けを求めるヘンダースン。その時点で、死刑執行までに残された時間は21日間しかなかった。 探偵役は一つ一つ小さな成功を積み重ねて真相に辿り着くものだと思っていた。しかし、この作品は違った。一つのヒントが成果につながろうとする瞬間、キーパーソンが事故死してしまうのだ。そのたびに、手がかりが一つ一つ空しく消えてゆく。果たして本当に事故死なのか? 死刑執行までに真相は明らかになるのか? そんなことを考えながら読み進むと、終盤一気の展開で真相が明らかになる。 死刑執行が刻々と近づく緊迫感とともにニューヨークの雰囲気が作品全体に溢れている。上質のミステリは上質の風俗小説であるのかもしれない。現在の読み手にとってこの結末は意外なものではないのかもしれないが、それを差し引いたとしてもこの作品が一級のミステリであることに間違いはない。 | ||||
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