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フォックス家の殺人
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【この小説が収録されている参考書籍】
フォックス家の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 1~20 1/2ページ
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すでに犯人が確定した過去の殺人事件を、エラリイが依頼を受けて解き明かす―。あれ、似てない? と、わたしが思い出したのはクリスティーの『五匹の子豚』だ。五匹の~が1942年で、本作が1945年だから、クイーンは絶対意識して書いたはずである。 しかし読んでみるとわかるが、両者はまったく似て非なるものだ。クリスティーがプロットや語りのうまさで読ませるのに対して、クイーンはやはりロジックで読ませる。同じような「回想の殺人」という設定のミステリでも、こんなに味わいが違うのか、と面白い。 このたび越前敏弥氏による新訳版というのを初めて読んだが、旧訳に比べてはるかに読みやすく、ストレスなく楽しめたのは大きかった。クイーン中期の作品群は古書でしか手に入らない時期がしばらくあったが、こうして新訳が続々と出ているのはよいことだと思う。 | ||||
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初のエラリー作品読んだ若者です。 ミステリーとしての謎の深さは浅かった印象ですが、人間味もあり真実を白日の元に晒すことだけではない展開にエラリーらしい探偵性を感じました。 他の作品も読んでみます! | ||||
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過去 VS エラリー | ||||
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前回の「災厄の町」の事件から12年後のライツヴィルが舞台です。今回はエラリイ・クイーンは最初から出てきません。幼少期の父の殺人と、戦争体験を経て、愛する若妻を殺したくなる神経症にかかった若い夫が主人公です。エラリイ・クイーンは若夫婦に依頼され、過去に父親が犯したとされる殺人事件の再調査に乗りだします。ライツヴィルの事件現場である空き家に関係者を集めて事件当日の再現をしていきます。そこで沈黙を続けてきた父親ベイヤードの語る衝撃の真実!その日の晩に強盗が侵入します。強盗が何を盗んでいったのかベイヤードは答えられません。エラリイは父親の無実を証明し、真犯人を挙げられるのか?前回登場した個性的な町の人たちも再登場して楽しめます。肝心のパトリシアとの再会だけは描かれずに終わりました。戦争の暗い影も感じるけど、それ以上に3組の夫婦愛、親子愛が溢れていて、読後感は良かったです。 | ||||
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遥か昔に青田勝訳で読んだ際よりは格段に面白く読めた。さすがに解説曰くのクイーンの裏ベストとまで評価するのは過大だが、中期クイーン、特にライツヴィルものに顕著なテーマである、人間心理を不自然に歪めたりすることのない、モダンな謎解きミステリを達成しようという試みは成功している。登場人物も少なく結末は勘の良い読者なら容易に想像がつくが、第四部におけるエラリイの推論はこの作家を読む醍醐味そのもの。 | ||||
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今まで読んだクィーンの中で一番読みやすく楽しめました。良い意味でクリスティのミステリーを読んでいる様でした。 これって褒め言葉にならないかもしれませんが、クィーンが苦手な人にぜひオススメしたい本です。 | ||||
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1945年発表。いわゆる『ライツヴィルもの』の第2作。全ての章を『きつね』にかけたりしていて『遊び』を感じたりします。 有名な『災厄の町』とぼくの思うクイーンの最高傑作『十日間の不思議』に挟まれて派手さはないですが、戦争という時代背景を見事に映し出していて、その状況下で病んでいった人々の心理をも見事に表現しています。これは他のクイーン作品にはない特徴です。 論理は整然として曇りがありません。正々堂々と謎を投げかけ、正々堂々と解いて見せる。王道のミステリーです。この正々堂々さが大好きです。『ライツヴィルもの』で外せない名作だと思います。 | ||||
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「災厄の街」にくらべると話は小ぶり。だが技の切れは相変わらず。あのタイミングで、何のためにアレを探したのか。わかったときには思わず、うなった。真相の解明はちょっとしっくりこなかったが、経過にちりばめられた技の巧さに感心。 | ||||
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書店で見つけられず、kindleで読みました。 過去の事件を解決すべくエラリーが登場します。 淡々とした雰囲気の中、12年前の事件を検証していきます。 展開のおもしろさには欠けますが、こんな作品もあるんだと感心させられました。 | ||||
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ここ最近、年代の古い順にエラリー物を読んでいるのですが、どちらかと言うと残念感の強い作品が多かったのですが、このフォックス家の殺人は、その反動も大きかったせいか、とても面白く一気に読み終わってしまいました。この作品の前はハリウッド物を続けて読んだせいもあってか、何て言うんでしょうか・・ストーリー的に、派手さ?はないのですが、とても面白かったと思います。まだ買い揃えられない作品も多くありますので、じわじわと収集していこうと思っております。 | ||||
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この作品だけを単純に見ると、可もなければ不可もないといった感じである。正直、フォックス大尉が父の母に対して犯した罪の影響を受け、自身の妻を殺そうと追い込まれるといった設定には、疑問を抱く。ただし、いくつか興味深い点がある。 一つは、同じライツヴィルを舞台にした『災厄の町 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-12)』と同じような事件が扱われること。夫が妻を殺した(『災厄の町』では殺そうとした)と思われ、しかも犯行は夫以外不可能であること。 二つめは、本書は1945年に発表されているが、戦争で多くの人を殺した人間に、精神的な問題が生じることやナチスの残虐性が描かれていること。 三つめは、この後に発表されるライツヴィルを舞台にした『十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)』や同じくライツヴィルが登場する『帝王死す (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-13)』でも見られるように、兄弟の相克が扱われていること。 四つめは、フォックス大尉の母の精神的背景として、都会と地方(田舎)における文化的な差があり、そういった状況に置かれた人間が、様々な“夢想”を抱くことによって生じかねない悲劇を描いたこと。 国名シリーズやレーンものに夢中で、単純に“ミステリー”を追っているころには分からなかったが、年齢を重ねてから再読してみると、本書を含むライツヴィルものにある多様な魅力が分かるようになってきた。 | ||||
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この作品だけを単純に見ると、可もなければ不可もないといった感じである。正直、フォックス大尉が父の母に対して犯した罪の影響を受け、自身の妻を殺そうと追い込まれるといった設定には、疑問を抱く。ただし、いくつか興味深い点がある。 一つは、同じライツヴィルを舞台にした『災厄の町 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-12)』と同じような事件が扱われること。夫が妻を殺した(『災厄の町』では殺そうとした)と思われ、しかも犯行は夫以外不可能であること。 二つめは、本書は1945年に発表されているが、戦争で多くの人を殺した人間に、精神的な問題が生じることやナチスの残虐性が描かれていること。 三つめは、この後に発表されるライツヴィルを舞台にした『十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)』や同じくライツヴィルが登場する『帝王死す (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-13)』でも見られるように、兄弟の相克が扱われていること。 四つめは、フォックス大尉の母の精神的背景として、都会と地方(田舎)における文化的な差があり、そういった状況に置かれた人間が、様々な“夢想”を抱くことによって生じかねない悲劇を描いたこと。 国名シリーズやレーンものに夢中で、単純に“ミステリー”を追っているころには分からなかったが、年齢を重ねてから再読してみると、本書を含むライツヴィルものにある多様な魅力が分かるようになってきた。 | ||||
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私に推理小説という世界の扉を開けてくれたのが、アガサ・クリスティーとこのエラリイ・クイーンだった。この2人の作品を私は貪るように読んだ。特にクイーンが私は好きだった。 この『フォックス家の殺人』は、クイーンの著作の中では突出した名作ではない。ライツヴィル物の中では、『災厄の町』の方が推理小説としてはよくできているし、一般の評価も高い。しかし、私はこの作品がとても好きだ。クイーンの作品の中では3本の指に入るほど。 その理由は、この作品全体に流れる穏やかさと静けさだろう。最後に読者に明かされる真実は、とても残酷だ。にも関わらずこの穏やかさは変わらない。架空の町ライツヴィルの雰囲気を、最も良い面で表しているのがこの作品だと思う。 地味ではあるが、読後にしみじみとした温かい思いが広がる良作である。 | ||||
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アメリカの推理作家エラリー・クイーン(フレデリック・ダネイとマンフレッド・ベニントン・リーの従兄弟同士による合同ペンネーム)の 1945年作。架空都市ライツヴィルを舞台にしたシリーズの二作目。 太平洋戦争で華々しい戦果をあげて英雄としてライツヴィルへ帰ってきたデイヴィー・フォックス。しかし彼は戦争体験による心の傷と、 12年前に父親が起こした母親殺しという忌まわしき記憶とが重なり、逃れられない病的な強迫観念に捉われることになってしまう。 そしてその症状は妻のリンダにまで危害を及ぼすものになってしまう。一方で刑務所に終身刑として服役する父親はもともとのはじめから これは何かの間違いだと強硬に無罪を主張していた。もはやこの親子の愛の再生がなければ、自分達の愛の再生もないと悟ったリンダが エラリーに助けを求めてくるという展開。責任重大のエラリー(笑)。 前作『災厄の町』で無邪気な創造主のごとく人間心理とパズル性をコラージュしてみせたクイーン。本作もそこが素晴らしいし、また ライツヴィルの人々やその町自体がひとりでに潤いを持ち始めるところがまたいいんです! さて、事件の性質上どうしても地味で起伏には欠けるけど、仮借のない率直さでそれ以上でもそれ以下でもない運命の一場面を再構成して みせるエラリー!黒くすすけた過去からぬっと光りながら出てくる未来!それを見事に描いてみせる人間の知性と、そこにおいてしっかりと 地を踏んまえていこうとする人間の逞しさがいいんだよなあ。。 あれだな、未来を輝かせる一番簡単な方法は過去を大切にすることなんだね。個人レベル、社会レベルでも民族レベルでも同じことだろう。 過去に捉われるってこととは全然違って、常に反省という浄化作用をしながら現在進行形の知恵とセンスに繋げた先に創出される新しさ。 不断の努力で前だけを見続ければ間違いないなんて傲慢さじゃ行き詰まるのが目に見えてる。そうなったらそうなったで、このままでは 未来はない!なんてそれこそ嘘吐き狐の戯言みたいな、むしろ脅し文句みたいなものを発する浅はかさ、、過去という基盤を無視して、 というよりもはや忘れて、いやそれでもまだ可愛いほうで、もう完全にすっぽり抜け落ちて思いも至らないなんてものじゃそこに存在できる 未来はまやかしもいいとこ。ないのは未来じゃなくて過去のほう。そんな構造がもたらすゆるやかな自殺、ひいてはひとりでに民族浄化 してるようなもん。それでも新しさを求めるのが人間の性。結局はやり方、態度の問題。 なんか・・・最近ひとりでに白熱し始めてしまって駄目だな(苦笑)。そんなこんなで終わりにしよう!ああでもあれだな〜(笑)、 本作の締めくくり方は最高なんだよ。偽善とは無縁の一種ユーモアを帯びた愛情をもってしてまるまっちい微笑みを浮かべながらの終わり。 読者はちょっとした善人になった気がするふしぎな味わいなのでした。おつかれさまエラリー。 | ||||
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まず、この作品には エラリイのさえわたる推理なんぞは存在いたしません。 その方面を想像なさった方は素直に期待しないほうが よさそうです。 ただ扱う事件そのものはなかなか 手ごわく著者による工夫がなされている 作品だな、と感じました。 特に真相を知ったら 「ああ、そうも受け取れるねー」と思うことでしょう。 殺人もなく、 せいぜいエラリイが襲撃される程度なので ミステリーとしてはかなり物足りないものでしょう。 真相は面白いんですけどね。 | ||||
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まず、この作品には エラリイのさえわたる推理なんぞは存在いたしません。 その方面を想像なさった方は素直に期待しないほうが よさそうです。 ただ扱う事件そのものはなかなか 手ごわく著者による工夫がなされている 作品だな、と感じました。 特に真相を知ったら 「ああ、そうも受け取れるねー」と思うことでしょう。 殺人もなく、 せいぜいエラリイが襲撃される程度なので ミステリーとしてはかなり物足りないものでしょう。 真相は面白いんですけどね。 | ||||
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1945年発表の作品。クイーンのいわゆる『ライツヴィルもの』の二作目。戦争での殺戮行為で精神を病んだデイヴィー・フォックスは妻の首を絞めてしまう。父親が殺人者というトラウマが原因だと絶望するデイヴィーに妻は、高名な探偵エラリィ・クイーンに冤罪を晴らしてもらおうと提案する。困難な十二年前の事件を解明すべく再びライツヴィルに赴くエラリィ。多くの方が指摘の通りに初期作品のような論理のアクロバットや奇抜なトリックは本作にはなく、事件としての謎はもちろんありますが、むしろ小説として各登場人物の描写の素晴らしさが際立っています。個人的には、事件解明のため服役中のデイヴィーの父親のベイアートが一時的に釈放された際の監視役の刑事のハウイーの人物像に強い印象を受けました。常にベイアードの有罪を信じて疑わず無礼な態度を取り続ける彼が、最後にエラリィが謎を説き明かした際に、思わず『解決しちまった!』と間抜けに叫ぶ描写にふと胸が熱くなり落涙してしまいました。本作は派手さはないものの胸に静かな感動が染み渡る名作です。多くの人に読んで欲しいので早川書房サン増刷して下さいね | ||||
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1945年発表の作品。クイーンのいわゆる『ライツヴィルもの』の二作目。 戦争での殺戮行為で精神を病んだデイヴィー・フォックスは妻の首を絞めてしまう。父親が殺人者というトラウマが原因だと絶望するデイヴィーに妻は、高名な探偵エラリィ・クイーンに冤罪を晴らしてもらおうと提案する。困難な十二年前の事件を解明すべく再びライツヴィルに赴くエラリィ。 多くの方が指摘の通りに初期作品のような論理のアクロバットや奇抜なトリックは本作にはなく、事件としての謎はもちろんありますが、むしろ小説として各登場人物の描写の素晴らしさが際立っています。 個人的には、事件解明のため服役中のデイヴィーの父親のベイアードが一時的に釈放された際の監視役の刑事のハウイーの人物像に強い印象を受けました。 常にベイアードの有罪を信じて疑わず無礼な態度を取り続ける彼が、最後にエラリィが謎を説き明かした際に、思わず間抜けに叫ぶある言葉の描写にふと胸が熱くなり落涙してしまいました。 本作は派手さはないものの胸に静かな感動が染み渡る名作です。 多くの人に読んで欲しいので早川書房サン増刷して下さいね | ||||
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1945年発表。いわゆる『ライツヴィルもの』の第2作。全ての章を『きつね』にかけたりしていて『遊び』を感じたりする。有名な『災厄の町』と僕の思うクイーンの最高傑作『十日間の不思議』に挟まれて派手さはないが、戦争という時代背景を見事に映し出していて、その状況下で病んでいった人々の心理をも見事に表現している。これは他のクイーン作品にはない特徴だ。論理は整然として曇りがない。正々堂々と謎を投げかけ、正々堂々と解いて見せる。王道のミステリーである。(●^o^●)この正々堂々さが大好きだ。『ライツヴィルもの』で外せない名作だと思う。 | ||||
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1945年発表。いわゆる『ライツヴィルもの』の第2作。全ての章を『きつね』にかけたりしていて『遊び』を感じたりする。 有名な『災厄の町』と僕の思うクイーンの最高傑作『十日間の不思議』に挟まれて派手さはないが、戦争という時代背景を見事に映し出していて、その状況下で病んでいった人々の心理をも見事に表現している。これは他のクイーン作品にはない特徴だ。 論理は整然として曇りがない。正々堂々と謎を投げかけ、正々堂々と解いて見せる。王道のミステリーである。(●^o^●)この正々堂々さが大好きだ。『ライツヴィルもの』で外せない名作だと思う。 | ||||
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