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プレーグ・コートの殺人(黒死荘の殺人)
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【この小説が収録されている参考書籍】
プレーグ・コートの殺人(黒死荘の殺人)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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カーの創造した2大探偵の1人、 ヘンリー・メリヴェール卿の初登場となるのが、 本書「プレーグ・コートの殺人」です。 本書の語り手、ケンウッド・ブレークは、 <プレーグ・コート>の持ち主、ディーン・ハリディに 「幽霊屋敷で一晩を明かしてほしい」と頼まれ、 マスターズ警部とともに邸を訪れることに。 邸に到着すると、敷地内の石室には、 心霊学者のロジャー・ダーワースが悪霊を祓うために籠もっており、 邸の客間には、彼を信奉する4人の人物が集まっていました。 果たして深夜、石室からは危急を告げる鐘が鳴り、 密室状態の石室を開けてみると、 中にはダーワースが血まみれになって絶命しており、 傍らには、ロンドン博物館から盗まれた短剣が・・・。 この作品、事前情報では、 ある有名なトリックが使われているということでした。 読み終えてみると、確かに、聞いたことのあるトリックで、 ちょっとミステリが好きな人なら 知っているトリックなのではないかと思われます。 しかし、この作品は、 そのことで評価が下がるものではないように思えました。 正直なところ、私は、 そのトリックがこの作品で使われていようとは、 最後まで気づきませんでした。 それはこの作品が単なる推理クイズではなく、 優れた長編推理小説として成立しているからでしょう。 冒頭の不可能状況の提示から、 石室と短剣にまつわるオカルト的題材が絡まり、 また、もう一つ殺人事件が起こるという展開、 さらには、不可能興味のハウダニットに加えて、 フーダニットの要素も含まれていく物語は、 最後まで読者を飽きさせない巧みなミステリで、 現代の読者も十分に楽しめる作品だと思いました。 ところで、作中でヘンリー・メリヴェール卿の あだ名が「マイクロフト」だとの記述がありましたが、 ホームズ好きでなくとも、 ニヤリとさせられる設定だと思いませんか? | ||||
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黒死病流行の時代に端を発する奇怪な呪詛に満ちた邸〈プレーグ・コート〉。 この邸で降霊術が行われた夜、庭に建てられた石室に籠った降霊術師は、血の海に横たわる、 無残な姿で発見された。石室の扉には閂が掛かり、窓には鉄格子がはめられていた。さらに、 当夜の雨のため、泥濘の海と化した石室の周囲には、足跡一つさえ残されていなかったのだ。 そして死体の傍らには、ロンドン博物館から盗まれた、邸と因縁の深い短剣が……。 怪奇趣味を煙幕にした、巧妙な誤誘導に基づく密室トリック と、読者の意表を衝く犯人隠蔽のトリックが用いられた本作。 オカルティズムと密室殺人の融合、という意味で、じつにカーらしい作品です。 | ||||
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黒死病流行の時代に端を発する奇怪な呪詛に満ちた邸〈プレーグ・コート〉。 この邸で降霊術が行われた夜、庭に建てられた石室に籠った降霊術師は、血の海に横たわる、 無残な姿で発見される。石室の扉には閂が掛かり、窓には鉄格子がはめられていた。さらに、 当夜の雨のため、泥濘の海と化した石室の周囲には、足跡一つさえ残されていなかったのだ。 そして死体の傍らには、ロンドン博物館から盗まれた、邸と因縁の深い短剣が……。 怪奇趣味を煙幕にした、巧妙な誤誘導に基づく密室トリック と、読者の意表を衝く犯人隠蔽のトリックが用いられた本作。 オカルティズムと密室殺人の融合、という意味で、じつにカーらしい作品です。 | ||||
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自分の無能さを知らしめてくれる推理小説。 今まで犯人をはずしたこと無い、などと言うファンの鼻を見事にへし折ってくれること請け合い。 かなり有名なトリック。なのに真相に気付かない。 あっ、これだったのか。トリック知ってたよ、と思ってしまう。 H・Mが「犯人はあんたらが疑ってもいない人物」と言い放っているが、確かに当たらん。でも、いいか。何せ相手はカーだから……。 | ||||
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本書はディクスン・カーの別名義であるカーター・ディクスン第2作にしてH・M卿初登場作品で、密室殺人、顔のない死体、一人二役、オカルティズム...と、詰め込めるものをすべて詰め込んだ、サービス精神に溢れた作品である。 幽霊屋敷として知られるプレーグ・コートの石室で交霊術師が殺される。しかし、石室は内と外の両方から頑丈に施錠され、しかも周囲は泥の海と化した中、犯人と思しき足跡はどこにも見当たらないという二重の密室殺人であった、というのが本書のメインで、その後、交霊術師の弟子も炉の中で焼き殺される。 縦横に伏線が張り巡らされた全体の構成は複雑だが、これらの伏線を手がかりにして真相を論理的に解き明かすH・M卿の手腕は実に見事で、密室トリックも鮮やかである。 なお、本書は横溝正史に影響を与え、後に『本陣殺人事件』を執筆させることになるが、おそらくクリスティーにも影響を与えたのだろう。クリスティー唯一の密室長編『ポアロのクリスマス』が、現場が血の海であったこととその理由、登場人物がその惨状を目にしたときにつぶやく「こんな老人にこれほどの血があったとはね」という『マクベス』からの引用など、本書の密室殺人と状況がそっくりである。 それと、カーター・ディクスンという名義は、前作『弓弦城殺人事件』から『赤後家の殺人』までは執筆当時カー・ディクスン名義であったものが、その後カーター・ディクスン名義に改められたものである。 | ||||
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ディクスン・カーをひっくり返したようなカーの別名義による第2作にして、ヘンリ・メリヴェール卿初登場作品。ディクスン名義作品なら本書が最高傑作だろう。 周囲に足跡一つない頑丈に内外から施錠された石室内で起こった、博物館から盗まれた短剣による刺殺事件。完全密室と血みどろの室内は、かの密室トリックの名作、ルルーの「黄色い部屋の謎」を髣髴とさせる一方、霊媒や黒死病伝説に彩られた作品全体に漂うオカルティズムは、まさしくカーの真骨頂を示している。 密室トリックと謎解きも鮮やかで、横溝正史が本書に刺激を受けて「本陣殺人事件」を執筆したというのも、大いにうなずける。 | ||||
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H.M.卿の初登場作。カーの特徴と言えば、(1)密室を中心とする不可能犯罪、(2)オカルティズム、(3)ファースの3つである。本作は、このうち(1)と(2)とが絶妙なバランスを保っている。 カーはサービス精神の余り、冒頭でトビッキリの不可能犯罪を持ち出すが、結局は竜頭蛇尾に終ってしまうことも多い。しかし、本作は"霊能力者が密室で殺される"という上記の(1)と(2)を合わせた謎を提出しておいて、しかも合理的に解決している(オカルティズムは全篇に溢れている)。このトリックは、いわゆる"トリックの教科書"に載っている程有名なものになった。 もう一つは犯人像である。勿論、犯人は誰かという点も問題なのだが、作者はそこにもう一つ捻りを加えているのだ。 カーの密室趣味とオカルティズムが見事に融合し、しかも犯人に関する謎も加えられているという代表的傑作。 | ||||
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フェル博士と共にカーが創造した名探偵H・M卿が活躍するシリーズの第1作目です。 プレーグ・コートという館の石室に籠った降霊術師が何者かによって殺されますが、辺りには足跡一つ残っておらず石室の扉も鍵が掛かっていて密室状態だったというお話です。 カーといえば密室ですが、本作でも誰が事件に関係しているかはぼんやりと予想がついても、どうやってやったのかが分からなければ解決になりません。 しかも本作は密室トリックの他にももう一ひねり加えており事件を込み入らせています。 また、カーのもう一つの特徴であるオカルティズムもきちんと作品と結びついており浮いた感じがしません。 本作はカーの特徴が上手くマッチしたバランスのとれた好編だといえるでしょう。 | ||||
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1934年に発表された本作はカーター・ディクスン名義の2作目で、ヘンリ・メルヴィル卿が初登場する作品です。後年の作品を何作か読んだ印象では、ヘンリ・メルヴィル卿はフェル博士と人格の差異は特にないように思っていたのですが、本作では性格がかなり異なり、破天荒な人物像になっているのが面白かったです。事件の方は相変わらず密室ものですが、世間で高い評価を受けているほど優れたトリックだとは感じませんでした。後世の作家たちが本作に影響を受けてより優れたバリエーションを多数発表しているせいかも知れません。むしろ本作ではオカルト趣味の導入の点でカーらしさが存分に発揮されているように思います。なにしろ亡霊が住んでいると言われる館で霊能者が殺されるという内容なので、いやでも怪奇趣味たっぷりになります。インチキ霊能者に対するカーの批判的なスタンスも興味深いです。 | ||||
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ペストねずみを駆逐するために、ナイフで刺し殺し続けた不気味な館で、密室の中因縁のナイフで男が刺し殺される!おどろおどろしい雰囲気の中魅惑的な密室トリックと意外な犯人当てがあいまって最高の作品に仕上がっています | ||||
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たとえトリックを知っていても驚かされることしきり怖くておどろおどろしい伝説で彩られた館で伝説通りに殺される恐怖!あっと驚かされる犯人と見事なだましのテクニックこの作品おもしろいです | ||||
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おどろおどろしい雰囲気の中で繰り広げられる密室殺人に加えて、かつて中性ヨーロッパを襲った黒死病(ペスト)の歴史背景が怪奇色を盛り上げる作品です。なにしろこの作品の影響を受けた横溝正史が『本陣殺人事件』を書き、金田一耕介シリーズをスタートさせたくらいなので、ミステリーファンの間では非常に有名。肝心の密室トリックもかなりばらされてしまってます。が、この作者のこと、それだけではないんですね。トリックは知ってるよという方こそ、ぜひ読んで見てください。かくいう僕もそのひとりでした。 | ||||
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