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復讐の女神
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復讐の女神の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 21~37 2/2ページ
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『カリブ海の秘密』に登場したラフィールが死亡。 ラフィールの遺志でバスツアーに参加することになったミス・マープル。 『ネメシス』とはマープルのことだった。 ラフィールの息子は婚約者を殺した容疑をかけられ不起訴になったがホームレスになっていた。 婚約者を殺したのは誰か? | ||||
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同じクリステイ女史作の中でも、ポワロと比べマーブル物はトリックの妙や機転よりも、 人間の心の動きを時にはかなり鋭く、しかし淡々とえぐるところがあります。 この淡々さは「冷酷」という表現で作中にもたびたび登場してきます。 情愛の塊であるヘイスティングス大尉のようなコメディレリーフを置かないため、 その面がかなりむき出しになる点で(彼が登場しないポワロ作品もそうですが)、 好き嫌いはわかれるかもしれませんが、私はこちらのクリスティの方がより好きです。 カリブ海の秘密から続くこの(結果として)二部作は、作者自身の肉体的老いがミス・マーブルに 色濃く投影されているらしき点も興味深いところです。 最後に、個人的には乾氏の翻訳は違和感ありでした。そもそも小説の訳として?な部分も多く、 また会話の語調の変化などは意図的なのでしょうが、全く成功していません。 少なくとも「カリブ海~」との二部作のようなシリーズものでは訳者を統一してほしいものです。 前作を見る限り、これも永井氏の訳で読みたかったです。その点で星を減らしました。 | ||||
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昔、読んだ本だが変色していたので処分した。何度も読んだアガサ・クリスティーの本ではあったが、「kindle」を購入した際にまた買ってしまった。CDで見た映像がよみがえって、面白かったです。 | ||||
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この作品は、アガサ・クリスティー末期の作品であり、事実上これがミス・マープルの最後の作品でもあります。 『カリブの秘密』をまだ読んでいない人でも十分に楽しめる作品です。 作品の構成は、中期のスタイリッシュさは抑えめにされていて、その分くどさを感じます。ですから、どんどん転がっているストーリー展開を楽しみたい人にとっては、少しスローペースであると感じるかもしれません。でも、これはミス・マープルというおばあちゃんが主人公であることを考えれば、これぐらいのゆっくりさがちょうどいいのかもしれません。 この作品の主たるテーマは、まさに『愛』です。人々は、愛のために死に、愛のために苦しみました。 マープルは、知人の遺志からこの愛に冷静に冷徹にこの愛の事件の真実を追っていきます。 ミステリーの女王としての貫禄を遺憾なく発揮している作品と言えるでしょう。 | ||||
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本作品では「ポケットにライ麦を」と同じように珍しく能動的にマープルが事件と関わる。 どちらかというと事件に巻き込まれることの多いマープルとしては珍しいパターンかもしれない。 「カリブ海の秘密」で知り合った大富豪、ラフィール氏の残した遺言。 何かの謎を解いてほしいらしいのだが、”何を調べればいいのか?”さえわからない。 そんな中ラフィール氏の手配したバスツアーに参加することとなったマープル。 旅先で知り合う<旧領主邸>に住む三姉妹、クロチルド、ラヴィニア、アンシア。 バスツアーの参加者で、以前女学校の校長をしていたエリザベス・テンプル。 彼女はある少女が「愛」ゆえに死んだとマープルに話す、そして彼女は「愛」という言葉、それは「この世にある最も恐ろしい言葉のひとつですね・・・」とそう付け加えた。 序盤は「カリブ海の秘密」で知り合った人物の後日談的な話(しかも事件の本筋にはほとんど関係がない)が続きます。 バスツアーに参加し、過去にヴェリティという少女が殺されたという事件にたどり着いてからが本番といったところでしょうか。 ツアーの途中にも新たな殺人が起こりますが、メインは過去に起こったヴェリティという少女が殺された事件の謎ではないかと思う。 トリック自体は使い古されたもので、またひねりもないため新鮮味は全くない。 この作品も晩年のクリスティ作品によくあるドラマ性を重視したような内容になっており、「愛」がテーマとなっている。 それは、少女漫画の世界のような夢物語ではなく、人間の本質をついているように思える。 この物語のテーマはすべて、エリザベス・テンプルが”愛”について語った言葉、つまり「愛とはこの世にある最も恐ろしい言葉の一つだ」という言葉に集約されているように思う。 愛ゆえに死んだ少女、そしてその愛ゆえに苦しみを抱き続けなければならなかった犯人。 事件が終わった後にマープルが語る言葉は人間の本質を突いていてかなり深いのではないかと思う。 齢80を超えたクリスティが書いた作品だからこその深み。 本来は、「カリブ海の秘密」と「復讐の女神」は、女史が亡くなったことにより発表されることのなかった「Woman‘s Realm」という作品を含めた3つの作品で完結する予定だったらしい、いったいどんなストーリーになる予定だったのだろうか。 この作品はミステリとしての面白さはあまりないかもしれない、けれども文学作品としてかなり深い物語なのではないかと私は思う。 ところで、邦題の「復讐の女神」はあまり適切なタイトルでないように思う。 原題の「Nemesis」はギリシア神話の女神、日本では復讐の女神とされることが多い。 ただ、ネメシスという言葉は非常に訳しづらいらしく、本来は人間の思い上がった行動に対する憤りと言うような意味らしい。 ギリシア神話におけるネメシスの役割の一つが「テミス(掟)」を破ったものに罰を与えることでもあるわけだから、どちらかといえば「断罪の女神」というようなニュアンスのタイトルの方が話の内容的にも良かったのではないかと思う。 | ||||
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三部作構想の第二作目。前作「カリブ海の秘密」の結末で「復讐の女神」として犯人に立ち向かったマープルが、今回は前作で知り合った奇矯な富豪ラフィールの遺言で「復讐の女神」となる事を強いられ、謎の事件の解決に乗り出すという設定。本作の特徴は、ラフィールが仄めかす事件そのものの実体が不明であるという点。犯人探し以前に事件探しがあるという面白い趣向である。そして、ラフィールが生前手配した邸宅・庭園巡りツアーの招待状がマープルに届く。ツアー同乗者や訪問場所が事件の手掛かりであろうから、二重の意味でミステリ・ツアーの趣きを呈しており、クリスティの衰えぬサービス精神と創作意欲が窺える。ツアーの進行に伴って徐々に明らかになる人間模様。ただし、マープルはラフィールの意図する事件の実体を知らないので、関係者を探ると言っても限度がある。そこを思わぬ人物との邂逅や細かいエピソードを紡いで焦点を絞って行くクリスティの手腕は流石と言える。「ミステリ」という枠を外しても通用する域に達していると感じた。そして、山歩き中のツアー同乗者の元女校長を襲う落石死。事故とも取れるが、殺人の可能性が高い。彼女は生前、「最も恐ろしい言葉は愛」と漏らしていた...。「何が事件か」を探るという新しい趣向の中で、巧みに物語が構成されていると思う。動機や伏線の張り方も巧妙で、大トリックがなくても充実したミステリが創れる実例とも言える。クリスティの晩年を飾る佳作だと思う。 | ||||
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本当の意味でのマープルもの最後の作品。 それだけあり、豪華な内容となっております。 それは最初は明らかにはなりませんが、 後になぜマープルを旅行に出したかの 真相が明らかになります。 それは依頼主の息子をはめたものへの復讐。 過去の事件は明らかにこの息子へ 嫌疑がかかるように仕向けられています。 ただし、口封じをしたことが おっつけた犯人の運のつきでしたね。 しかしながらその真相には 同情をせざるを得ないものがありました。 行過ぎた感情… 何事も一線は越えてはいけないのです。 越えなければ、このような悲劇は起こらなかったのですから。 | ||||
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「カリブ海の秘密」に登場したラフィール氏なる人物の死から物語は始まる。ラフィール氏が生前、自身の死後、ある事件についてマープルに調査してもらおうと手配しておいたバスツアーにマープルは参加する。と、ここまではいいのだが、バスツアーに参加する事なった理由をマープルが知るのは中盤になったあたり…とにかく、ゆっくりしたペースで物語は進む。この点を我慢出来るかどうかがマープルのシリーズを楽しめるかどうかの分岐点といえる。ストーリー自体はマープルシリーズの中でも、よく練られているといえよう。ただ、この作品を読むのなら「カリブ海の秘密」を読んでからにした方がいいだろう。この作品のキーパーソンといえるラフィール氏について、よく理解しておいた方が絶対に楽しめる。 | ||||
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かつて「カリブ海の秘密」で知り合ったらラフィール氏が死去し、彼から遺産の一部を譲り受ける条件として、ある捜査の依頼を引き受けることになったマープル。 何らかの犯罪を解決してもらうことのようだが...。 そうして何もわからぬまま用意された古い館と庭園めぐりのツアーに参加すると、同じ旅行客の中にラフィール氏の名を知る人物が現れ、過去の事件が紐解かれてゆく。 徐々に犯罪が明らかになってゆく過程は、ややじれったさを感じるが、何が起こったのか、そしてどのように解決するのか、読者の興味を最後まで尽きさせない作者の筆致はたいしたもの。 作者晩年の作品はほとんど駄作ばかりかと思っていたが、本書は例外といえよう。 ヘンリー・クリザリング卿の名前が出てくるのも、旧作ファンには懐かしい。 なお、本書は「カリブ海の秘密」と未完の「Woman’s Realm」(女性の王国? それとも女の領分、だろうか?)と合わせて三部作となるはずだったが、惜しいことに作者の死により実現せず、執筆順からすると本書が事実上のマープル最後の事件となった。 | ||||
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映像作品を先にみました。 誰が主人公かも知らずにみたので、1度めは日本語モードでみましたが、チンプンカンプンでした。 2度目に、英語で日本語字幕でみて、ああ、なるほどなるほどとわかりました。 3度目は、英語で英語字幕で見ました。 ミス マープルものは、イギリスの文化、風土とを知るのによい。 特に、牧師がよくでてくるし、牧師の住んでいる家もよくでてくる。 人間性の観察にたけたミス マープルものを呼んでおくと、イギリスでの会話の話題としてはハリーポッタよりもよいと思う。 ハリーポッタは、魔法の世界なので、現実のイギリスの描写が少ない。 海外文学を、その国にいくときの話題のために読むのは邪道でしょうか。 | ||||
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長い。読み終わって思ったこと。 後半、謎解きのシーンはいつもながら楽しませてもらったし、全体を見たら面白い作品。 でも長い。 世界観に入り込むまでに時間が掛かりすぎた。 あと、不謹慎ながら大量殺人の話が好きな私としては物足りないところもあったので星4つ。 | ||||
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「カリブ海の秘密」の続編で、前作で一緒に事件を解決した大富豪のラフィール氏が亡くなり、ミス・マープルにある事件を解決するよう遺言を遺します。ミス・マープルは指示された豪華な団体旅行に参加し、参加者や旅先で出会う人々とのたわいないおしゃべりの中から解決の糸口を様々にみつけていきます。全編に渡ってラフィール氏の影が見え隠れし、亡くなったはずの氏が大きな存在感を発揮しているのが、ラフィール氏ファンには堪えられません。 過去の解決済み事件を、当時の関係者に再度あたりながら再構築していくというこの手法は、ポアロの「象は忘れない」「五匹の子豚」に通じるものがあり、この2作品が好きな私のような読者にはたまらない面白さです。本当は3部作の予定で次の話の構想もあったらしく、確かに伏線らしきものも散見されたのですが、残念ながら遺作となってしまいました。 事件のテーマはミス・マープルの真骨頂といえるもので、「鏡は横にひび割れて」と同様、明らかになった真相は切なく痛々しいものでした。 | ||||
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ミス・マープルが主人公の探偵小説だけど、私的には狂言まわし風な役柄もせおっていると思う。過去の殺人事件を一つ一つ丁寧に探求し、真実を導き出すミス・マープル。それにより一人の女が自殺し、冤罪で投獄されていた男は太陽の下へ戻ってくる。作品の主題はタイトル通り「義理の母娘の愛憎物語」娘離れできなかった母が、娘を永久に自分の元へとどめておくために・・・とった手段は・・・。・・・母の愛は時として、怪奇。 | ||||
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「カリブ海の秘密」「復讐の女神」そして刊行されなかったもう一冊の3部作だったもの。「カリブ海の秘密」も「復讐の女神」も謎解きはそれほど難しくは無いが、それ以上に年をとってますます元気なミスマープルを読めて嬉しい。「復讐の女神」には「カリブ海の秘密」に登場した人物が再び出てくるので、やはり二冊順番に読むことを勧める。「復讐の女神」の結末の爽快さは数あるクリスティ作品のなかでも随一!ちまたでは元気なおばあちゃんの映画も話題なことですし、こちらでもおばあちゃんの凛々しい活躍をいかが? | ||||
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ミス・マープルは、いうまでもなく、ポアロと並び称されるクリスティー創作の二大名探偵なのだが、その名探偵振りには、著しい相違がある。 田舎町に住む、年老いた、素人探偵という設定のミス・マープルは、ゆったりと椅子に座り、編物をしながら推理を巡らす姿が象徴するように、ポアロのように、捜査の前面に立って、全編にわたる大活躍をしてみせることは、まず、ない。終盤でこそ、ポアロに負けない鮮やかな名推理で事件を解決してみせるのだが、そこに至るまでの道中では、専ら事件を捜査する警部や素人探偵役が主役を務め、ミス・マープルはそうした彼らにアドバイスをする程度の脇役として描かれるのがパターンとなっており、作品自体の出来不出来は別として、名探偵の縦横無尽の大活躍を期待する読者は、そのあたりにやや物足りなさを感じてしまうかもしれない。アガサ自身が「ミス・マープルの本領は、特に短編で発揮される」と認めているように、ミス・マープルのような静的キャラを長編で動かすのは難しいのだろう。 そんな中にあって、アガサは、ミス・マープルの事実上の最後の作品となった81歳時のこの「復讐の女神」で、ようやく、ミス・マープルが全編にわたって縦横無尽の大活躍を見せる物語を書き上げてくれたのである。さて、そのストーリーだが、ミス・マープルは、かつて「カリブ海の秘密」で、ともにある殺人事件の解決にあたった大富豪ラフィール氏の遺言で、大金の贈与を受けることになる。ただし、それには、「正義のために、ある犯罪の捜査にあたり、正当な解明を得ること」という条件が付いており、ミス・マープルは、何の手掛かりもないまま、ラフィール氏があらかじめ手配していたパッケージ旅行の特別バスの乗客となる。未知の事件は、いつ、どこで起きるのか?その事件の犯人あるいは被害者は、このバスの15人の乗客の中にいるのか?ミス・マープルの謎解きが始まる。 | ||||
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この話は、『カリブ海の秘密』の続編になっているが、こちらを読んでいなくても入り込みやすいストーリーになっていると思う。クリスティー作品の中では、比較的犯人が判りやすい方ではないかと思うが、ミス・マープルの老齢をあまり感じさせない、体を張った謎解きや、依頼主の手紙などにある隠されたヒントなどが随時に散りばめられていて、マープルファンではなくても一読する価値はあると思う。なお、『カリブ海の秘密』を先に読んでおく方が、やはりストーリーに入り込みやすいので、そちらもオススメ。 | ||||
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ドラマも放送されている「ポアロ」シリーズに比べるとちょっと地味な印象のある「マープル」シリーズだけど、おもしろさは遜色なし。アガサ小説のおもしろさは、人間描写の淡々とした辛らつさというか、アンタそんな顔してよくそんな毒舌を……というような部分だと(勝手に)思ってるんですが、そういうのって、オシャレな小男よりも、見かけはかわいいマープルお婆さんが言った方が似合ってませんか?(性格悪いとかいうのではありませんよ、念のため)入り組んだ仕掛けよりも、人間関係の妙を読むサスペンスが好きな人なら、一度は読んでほしい作品です。リゾート地で巻き起こった殺人事件、ちょっと辛らつでかわいらしいマープルお婆さんは、どうやって「復讐の女神」へ変身して、どう事件を解決するのか……一度読めば、この「女神」の虜になってしまうことは間違いなし。 | ||||
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