クリスマス・プディングの冒険
評判
クリスマス・プディングの冒険の評価:
3.90/5点 レビュー 29件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21〜32 2/2ページ
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クリスマス・プディングの冒険の評価:
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今更ですが、このハヤカワ文庫さんのクリスティ文庫は、世界初のクリスティ個人文庫全集ということで編集者さんも気合が入っていて、表紙のデザインもとてもお洒落ですよね。ちゃんと作品の内容をイメージした写真を使っているのも素敵です。他の版よりちょっと値段が高くても、この表紙で揃えたくなります。
クリスティの短編集はミス・マープルものの『火曜クラブ』、ポワロものの『ポワロ登場』(この全集文庫でのタイトル。10年くらい前に私が読んだ版はタイトルが違いました)に続き3冊目でしたが、個人的には本作が一番面白く読めました。
特に、トリックは見抜けたけれどクリスティ得意の<意外性>がしっかり楽しめた『スペイン櫃の秘密』と『負け犬』がお気に入りです。『クリスマス・プティングの冒険』は古風なイギリスのクリスマスの描写が詳細で、聖夜を包むきらきらとした賑やかな雰囲気が楽しく、探偵の登場にはしゃぐ子供たちも活躍しますし、かつ珍しく死人が出ないお話で、爽やかな読後感の秀作。プティングといえば、イギリス生まれの喜劇王チャップリンの映画『独裁者』にも、プティングとその中に入った銀貨を使った面白い場面があったなあ〜、と読みながら懐かしく思い出しました。一般にイギリス料理は美味しくないと言いますが、フィッシュ&チップスとスコーンとプティングだけは一度食べてみたい、とまんまと思わせられました(笑)。
それにしても少ないページ数でこれだけの情報と起伏ある起承転結を盛り込み、かつ決して説明が多いとか、文章がうるさいとは感じさせない作家クリスティの技量に感服します。
ただ本書は、他のレヴュアーさんも書いておられるように、僕等の愛する<ポワロものの良心>ヘイスティングス大尉が出てこないのがやはり寂しいです(笑)。作中の様子を見ると、ポワロもこのノリのいい、想像力豊かな友の不在が寂しいようです。今回は秘書のミス・レモンや従僕ジョージに助手としてスポットが当たりますが、想像力を働かせる習慣のない彼等とポワロの今ひとつ噛み合わないやり取りが、何とも言えず喜劇的で面白かったです。
全体に、<阿房宮>や<スペイン櫃><王家のルビー><塔の部屋>など、子どもが読んでも楽しめそうなワクワクする舞台や小道具の多く登場する短編集だと思います。
今は真夏ですが(笑)いつか<クリスマスにクリスティ>としゃれ込みたいものですね。