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ホロー荘の殺人
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ホロー荘の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 1~20 1/2ページ
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男2人女4人による恋愛をからめながら進んで行くストーリーに、ずっと引きつけられたまま最後まで読むことができました。ポアロものでいつも長く感じる事情聴取がごく短いのが良かったです。 ミステリ色は薄い作品ですが人物描写に優れ、特にミッジ、ヘンリエッタ、ガーダという3人の女性の描写が素晴らしく、それぞれが持っている弱さに共感してしまいました。そのうち2人から愛されるジョン…そんなに魅力的?ただのモラハラ夫ではないかと思っていましたが、ラストでやや印象が変わったかな。でもあんな夫は嫌ですね。 | ||||
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・DスーシェのTV版が面白くて小説も読んでみた。(TV版はヘンリエッタ役が抜群に美しい) ・TVではほとんど見れなかったミッジとエドワードの恋愛物語部分が結構あってとても良いデキ。 ・4人の女性の生きざまが生き生きと描かれてる。 (これほんとに80年前に書かれたの?現代とあまり変わらないですね^_^) ・オリ急と同じくらい気に入りましたよ。 | ||||
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傑作だと思う。クリスティーの作品は女性たちが魅力的だ。男性たちはオマケで、ポアロは謎解きのツールに過ぎない。親類関係にある4人の女性、一人一人が全く異なった生い立ちと性格を与えられ、緊張感のある四角形を作り上げている。貴族階級の末裔ルーシーは天真爛漫な身勝手さで誰からも愛され使用人たちは彼女を守るためなら何でもする。彫刻家のヘンリエッタは強い感性を持ちながら自分自身と距離を置いて、自分の愛や苦しみでさえ芸術として表現する冷徹な意志を持っている。愚鈍な女と思われ周囲にみくびられ助けられて生きてきたガーダは、実はその愚鈍さを武器として利用することに目覚めるほどに賢いのだ。働かなくては生活できない庶民階級に堕ちたミッジは、社会の理不尽に苦しみ垣間見る貴族の暮らしに憧れながらも、自分の力で生きることに強い誇りを持つ現実的な女性だ。 ルーシーの館に招かれた客の1人、ガーダの夫、ジョンがプールの脇で射殺される。4人の女性たちのうち3人が機会も動機もあり、わざと捜査を撹乱して真犯人から警察の目を逸らそうとするのだ。そこへポアロが自慢の灰色の脳細胞で‥‥という展開だ。 ここではトリックや謎解きは問題ではない。4人の女性の生き様に惹きつけられる。ドラマも風景が美しくキャストも素晴らしく時間尺の許す限り大変よくできてはいるが、人物を描きこむことでは遠く原作には及ばない。じっくり読むことをお勧めする。 クリスティーは最高の女性作家だと思う。女性を描けるのはやはり女性である。 | ||||
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クリスティーの作品のなかでも特に贔屓にしている作品で、それは今回久しぶりに再読してみて揺るぎないものとなりました。 まず、アンカテル家の人たちが好きです。 ルーシー・アンカテル、エドワード・アンカテル、ヘンリエッタ・サヴァナクの三人がいいんですよ。殊に、妖精めいてとらえどころがなく、天真爛漫なルーシー・アンカテルの魅力的なことといったら。この人が次に何を言い出すものやら、興味津々で見守るしかありませんでした。 舞台となるホロー荘界隈の風景も、とっても素敵なんですよね。秋のイングランド郊外の風景の美しさ! 本書97頁の風景描写を読んでいたら、ジョージ・ギッシングの『ヘンリー・ライクロフトの私記』のなかに描かれている英国の田園地帯の絵のような素晴らしき景色が思い出されましたよ。 ヘンリエッタがいたずら描きする〝イグドラシル〟て木の絵もチャーミングで、気に入ってます。本文庫の104頁に絵が載ってます。 妙に忘れられない絵です。 本書の原題は、『THE HOLLOW』。1946年刊行の作品。その近辺には、『五匹の子豚』(1942年)、『ゼロ時間へ』『春にして君を離れ』(いずれも、1944年)、『忘られぬ死』(1945年)と、クリスティーならではの傑作、名作が目白押しです。 おしまいに、エルキュール・ポアロが珍しく、テニソンの詩なんぞ口ずさんでるんで、それを引かせていただきましょう。 《いとわしき森の奥なる暗き洞窟(ホロー) そは赤き血のヒースに縁どられ 赤く畝なす岩棚に恐怖の血、音もなく滴る なにを求むるも木霊(こだま)の答えるは、ただ『死』》p.299 ここでポアロがつぶやく〝死〟という文句と、本書214頁でヘンリエッタが会話の中で発する《死ぬ──死ぬ──死ぬ──死ぬ。ジャングルのなかで打っている太鼓(トムトム)の音みたいじゃない? 死ぬ──死ぬ──死ぬ──死ぬ──死ぬ》の言葉は、妙に共鳴し合う気がしたのですが。 | ||||
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先に映像見ての購入でしたので、登場人物が頭の中でくっきり浮かび、さらに心理描写が深く入ってきて、時間忘れて楽しめました。 | ||||
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魅力的な男性はモテる。そしてその結婚相手の女性は同様な人物だったら自分を見ているようでイヤなのだろうか?支えてあげたいと思う女性を選ぶがそれも関係は難しい。だから今回の事件が起こった。男性は妻を愛していたってなってるが近場の女性と関係を持つのは駄目だな。 | ||||
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推理小説ですが、登場人物の心理描写も丹念に描けれ、楽しめます。 | ||||
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BBCのドラマシリーズを見返していて、この作品だけは何故か気になって原作を購入。読んで良かったです。ドラマ版では描き切れていなかった人物の造型がはっきりして深みが全く違う。クリスティの卓越した力量を感じる。 | ||||
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目立たない労働者(でも現代人とまるで同じ生活スタイルよね)なミッジに幸せになってほしい…と祈るように見守り読みました。 想いが通じ会えるか、諦め離れてしまうかどうかの瀬戸際が様々な関係の中に表現され、哀しみと安堵の織りなす深い話だった。 超然とした偶像的な人間を信じ崇拝する者、偶像を見出し造ることに情熱を燃やす者、過去の思い出に囚われた者、その思い出を掛け外して現実に還る者たち… 我にかえる、人の単純な温かみに立ち戻る文脈には唸らされた。 ポワロのドラマを何度か観て筋を知って居たけれど、心理描写が本当に巧みでグイグイ読み込まされた。 どこまでも気取らず、しかし単調であったり表面的でない、心のあり様を掘り下げた表現が素晴らしくて。 現代の現実でもあり得そうな磁場のある人物達で…。 ヘンリエッタの芸術家の誇りや偏りを描きつつ、ミッジのような庶民の苦労や健康みを描いてみせる。ガータの心労にも何故かしら共感出来てしまう。 心の中と、外の言葉や行動との乖離について特徴的な人物達が登場する話だった。 心の中を横に置いて行動でき、目の前の人達が望むことを出来る人。 心の中は忙しくせめぎ合っているのに、外の言葉や行動にはまるでうまく反映出来ない人。 「物言えぬ証人」の犯人とどこか重なる印象の犯人だったのは、あちらの犯人は心の中を隠し、見える印象を操り繕う人だったからだな、と思った。あちらは積極的に演じるタイプで、こちらはただ心の動きが沈み込み見えない、しかし外から見えないことも意識出来ている…という沼のようなタイプだった。 どんな登場人物の考えにもつくづく筋が通って息づいており、だからクリスティはあらゆる国で読まれるのだなぁと再確認。 | ||||
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アガサクリスティが好きで文庫を全て揃え、今はデジタル化しようと思いKindle版で買い直しています。 ホロー荘も凄く好きな話で何度も読み直しました。 最初に読んだ時はええ!この人が犯人なの!?と思い、それに関わる人達の行動なども納得のいくというものでした。 始まり方、終わり方が本当に上手く何度も読みたくなる気持ちにさせてくれるアガサクリスティ。 殺人現場によくありがちな場面を見せられたポアロ、それが本当の殺人事件でありそこから関係者の行動や言動が本当に面白くしてくれます。 | ||||
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ちょっと甘過ぎなそしてその底にドライアイスが隠れていたみたいな。大好きな一冊です。 | ||||
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映画のような鮮やかな本です。 私もキャスティングしながらよみました。 恋愛小説としても、一級品。 | ||||
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1946年の作品。ポアロの活躍する場面が少ないような気がしますが、一癖も二癖もある登場人物たちと渡り合い試し合う中で、彼は真相を見抜き、最後は未然に殺人を防ぎます。被害者の男性をめぐる複数の女性たちとの関係性、女性たちの性格の違いをよく書き分け、それが事件の伏線にもなっています。 | ||||
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意外な犯人、追い詰めるポアロ、余韻のあるエンディング。 面白いですよ。いいんですけど、このシリーズの表紙、どうにかなりませんか。完全にネタバレですよね。見まい見まいとしても目に入っちゃうんですよ。分厚いからブックカバーもしっくりこないし・・・・ どなたか英語力のある方、ぜひ苦情を書いて下さい〜〜〜〜 | ||||
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小説で近年ぶっちぎりのNo1。 アガサクリスティという人は流石に世界的な文筆家だと心底思い知った。 類稀な洞察と、それを物語として展開させる力を持っている。 何度も、読みながら作者の力量に感動し、裏表紙のアガサクリスティの肖像写真に「参りました」と頭を下げました。 これはポワロシリーズの中で、最も文学的と言われる異色の作品なのですが、これがもう、下手な文学小説などより重厚で胸に迫ってくるものがあります。 作者自身、後で「この作品にポワロを登場させるべきじゃなかったかもしれない」と思ってとても悩んだそうで、実際僕が読んだ感想でもポワロの存在はかなり余計に見えました。 でも、そんなん抜きで面白い。というか文学としての凄味がある。 この作品が凄いのは全く「ストーリーありき」に見えない事。 通常、ミステリー本というものはどうしても筋道が先に出来上がり、その後キャラクターを配置して行くからでしょう、そのストーリーを生み出す人物の動機や性格描写は後付バリバリで薄っぺらいものが殆どでは無いかと思います。 しかし、この作品は、完全に人物主体に見えるのです。 それぞれのキャラクターが本当に作品の中で生きており、各個人の性格からの言葉や行動が、ごく自然につむぎ出される感じなのに、 それぞれの思惑や過去の傷から生まれるちょっとしたズレから、本当に奇妙なドラマが生まれていく。 それが神業としか思えない。 そして、その人達の心の奥の機微まで見抜いたような絶妙な心理描写に何度も打たれました。 それぞれの各人はちゃんと自分を生きているのに、それによって不可避的に事件がおきて、奇妙な結果として表れ、そして最終的に解決されていく。 それらが一切無理がなく、全部ごく自然。 どうしてここまで色んな人の心が手に取るように分かり、それを再現し、ドラマとして見せられるか、 神の視点でしかあり得ない。 あまりに凄すぎて、何度も椅子からズッコケ落ちそうになった程でした。必読。 | ||||
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クリスティは暇つぶしにちょうどいい、読んだ時間分は確実に楽しませてくれる作家、というイメージ。 いくつかの超有名作品のトリックはさすがミステリーの女王!と思うけれど、 それを除けば気の利いた小噺あるいはバカ話を器用に手際よくまとめて、ハズレはない、けど感動もない。 たとえ破綻してたり途中でこけてても心にグサッときてずっと忘れられないような小説とは対極にある。 と思ってた私がまさかクリスティで泣くとは思わなかった、しかもごきぶりで(笑)。 もちろんいちばんじーんときたのはジョンの「ヘンリエッタ」の意味が分かるところだけど。 読み終えた瞬間にはこの作品についてはミステリーは目的でなく手段なのだなと思えた。 なにか書きたいものがあってそれを読ませるための手段としてのミステリー。 そういうのじゃなくミステリーそのものを楽しみたいんだ!という人には冗長と感じられるかもしれない部分、 個性的な人物の造形、それぞれの心の揺れの丹念な描写、その結果としての不思議な行動、それがこの作品のメインだと。 でも、はたから見れば奇妙に思える行動をとってしまう人の心そのものがなによりミステリーなのだ、と気がついた。 やっぱりミステリーの女王だわ、クリスティ。 ひとつ前に読んだ『メソポタミヤの殺人』とは、レビューでは同じ高評価でも方向はまるっきり逆。 あれを読んで「しょうもねえなあこれがバカミスか」と苦笑したばかりだったのでびっくりですよ。 | ||||
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クリスティのポワロものを読むのは本作で7冊目ですが、その中で一番謎解き要素が薄いと感じる作品でした。途中からは推理をせず、普通の小説を読む姿勢で読み進めてしまいました。 また、クリスティには珍しく、お話上もトリック上もほとんどスポットライトが当たらない、また特に彫り下げられないキャラクター(ヘンリー卿やデイビッド)がいたのも、少し物足りなかったかなと思います。 ポワロの出番も本当に少ないですね(<モナミ>ヘイスティングスは名前さえ出てこない)! クリスティの推理ものは、謎解きの面白さと人物描写の上手さのバランスの素晴らしさが好きなのですが、今回は写実主義の恋愛小説にちょっと推理がからんでいるだけと言っていいくらい、文学部分の比重が大きいです。なので、直球の<探偵ポワロの名推理>ものを読みたい!!という方には、個人的に本作は余りお勧めしません。 ただ様々なタイプの愛や、すれ違う恋人たちの心の描写に関する洞察や観察の細かさは、さすがクリスティだなと思わせられました。 それにしても、ルーシーのキャラクターは心に残りますね! | ||||
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たとえば、クリスティ作品の感想で時々「なかなか殺人が起こらなくて読むのが苦痛だった」などと書かれているのを見ると、なら別にクリスティを読まなくてもいいじゃないか、と思ってしまう。 それこそヴァン・ダインなどのもっとパズル的要素の強いものを読めばいいじゃないか、と。 中期以降のクリスティ作品において殺人やトリックはむしろ添え物として考えたほうがいいのではないかと思うような作品がある、この「ホロー荘の殺人」もそんな作品の1つだ。 殺人事件が起きるまでにかなり長い時間を費やしているけれど、それまでに描かれる登場人物の描写のなかに犯人を特定するための手掛かりや動機とかかわりのありそうな事柄がいくつも明記されている。 殺人のトリックそのものは単純と言えば単純だが、それでいて心理的な盲点を突くものであり無理なく効果的に組み込まれている。 ある人物は被害者を完全に束縛しようとし、ある人物は被害者を盲目的に崇拝していた、そしてある人物は被害者を”ありのままの姿”でしか見ようとしなかった。 被害者は死の間際にようやく自らが本当に必要としていたものが何であったのかを知ったのだろう。 クリスティの得意とする人間の内面の描写、それとミステリとを融合させた作品として本作は高く評価できると思う。 ただ、やはり「パズル的」なミステリを期待する人々にとっては退屈かもしれない。 | ||||
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ポアロシリーズの中でもかなり好きな作品です。ミステリー描写は控えめですが、人物造形が素晴らしく、恋愛描写も盛りだくさんです。ラストの登場人物の心情は、クリスティー自身の気持が投影されているような気がします。 | ||||
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ポアロシリーズの中でもかなり好きな作品です。ミステリー描写は控えめですが、人物造形が素晴らしく、恋愛描写も盛りだくさんです。ラストの登場人物の心情は、クリスティー自身の気持が投影されているような気がします。 | ||||
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