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ひらいたトランプ
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ひらいたトランプの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 21~37 2/2ページ
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アガサ・クリスティーといえば、登場人物がズラッと1ダースくらい(しかも属性もバランスよく)出てきて、「一番意外な人物」が犯人、というのがお約束、と読者は期待しているかもしれない、けど、あたしゃあそんなワンパターン外の作品も書けるわよ!という、クリスティー女史からの挑戦状的序文から本書は始まります。序文で先に言っとくけど、容疑者はたったの4人で全員超怪しい、それでも意外性のある面白いミステリーを組み立てることが出来るか?OK、クリスティーには出来る!そういう実験的挑戦的試みに溢れた1作です。 型としては、コンパクトでパズル的なミステリー。無駄のない展開と、本筋と並行して語られる「燻製ニシン(=煙幕サブストーリー)」もきっちり描かれ、それほど長くない作品ということもあり、密度が高いです。 実験的とはいっても、殺されても読者が悲しまない「嫌われ死体属性」の人物が最初にすっきり殺されてくれる・ページ数がいよいよ少なくなってきてからのどんでん返しなど、読者が喜ぶミステリーの旨みはしっかり詰め込まれています。 重要要素として、日本人には馴染みの薄い「ブリッジ」が登場しますが、これはゲームを理解できれば一番良いですが、まぁ、分からなくてもストーリーは十分楽しめると思います。私も、解説を読んでもブリッジ自体はイマイチ飲み込めませんが、ストーリーのなかでブリッジがどういう役割を果たすか、ということで読んでいけば、なるほど、と最終的にはスッキリ収まります。 ポアロ物としては、代表作だとか大傑作だとかは呼べないかもしれませんが、考えられうるあらゆるミステリーの「型」を、クリスティーは一つ一つ書き倒していこうとしていたんじゃないかと思える意欲作の一つですね。でも「これってアンフェアじゃ?」と言われてしまうほどまでは飛び出さない、あくまでもキッチリと「フェア」の範囲を厳守している感があり、そういう所からもコンパクトなパズル感が醸し出されていると思います。ミステリー好きならぜひ読んでおいて! | ||||
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ブリッジは知りませんが、作品のはじめに添えられたクリスティーの言葉のとおり、 この作品は意外な人が犯人になる、ということはない。私はそこをぞんぶんに楽しめた。 さらにいうと、10代のころ、何回も何回も読み返すことができた。何回読んでも、おもしろい、のである。 正直たくさんクリスティーのミステリーを読んでいると、犯人やトリックを忘れてしまうことがしばしばあった(「もの言わぬ証人」は何度読んでも犯人を毎回忘れるというすごい話)。 だけどこの「ひらいたトランプ」は、容疑者も4人である。犯人は忘れようもない。 それでも、何度も楽しめるというのは、探偵役も4人いて、その謎解きや迫って行く過程を楽しめるライブ感があったから、 と、今にして分析する。 そして、謎解き型、トリック型のミステリーが、世間の思うところのミステリーなのだろうけど、 クリスティーは、自作を読む読者がそこで得る喜び、ごちそうが、 トリックの妙ではない、というところに挑戦したんだなあと思う。 これを読むなら年末です。すっきりした気持ちで年明けを迎えられるはず。 | ||||
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ブリッジを題材にしたミステリー。 このブリッジ、日本ではなじみがないが、世界的には有名なトランプを用いたのゲームのひとつである。 この話は、このブリッジのゲーム中に殺人がおこり、ブリッジは、ストーリー展開において、需要な役割を果たしている。 ブリッジを知る人には大変面白い! 最後のポアロの事件解説は、やはり、熱心に読んでしまう。 ブリッジを知らない人は、ブリッジの概要を調べてか読むことをお勧めする。 | ||||
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序文にクリスティ女史が「意外な犯人」といったものを期待しないでほしいと書いているとおり、犯人はさほど意外ではない。 もともと本作品は人間の生まれもった性質から犯人を突き止めるという趣向の物語なのだから意外な犯人を期待するならば別の作品を読んだ方がいい。 ブリッジのルールを知らなければ楽しめない作品というわけでもないと思う。 まぁ、知っていればもっと楽しめるのでしょうけれど。 ポアロはブリッジの得点票などをもとに4人の容疑者の心理、生まれもった性質を分析していく。 そして、4人の人物はそれぞれ過去に殺人を犯したのではないかという疑い。 もし、本当にそれが殺人ならそどの殺人が今回の殺人と一番似た性質を持っているのか。 そのあたりが私には面白かった。 はじめ犯人が指摘された時は「この人物の過去の殺人(と思しき死)と今回の殺人のどこに共通点があるんだろう」と思ったのだが、ポアロの推理に納得。 | ||||
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クリスティは第1ページ目からあなたを騙している! 個人的には「アクロイド殺し」「オリエント急行の殺人」より本書の方が傑作だと思った。 こういう作品は古今東西どんなミステリー作家でも書けない、おそらくクリスティにしか書き得ないだろう。 「推理小説は競馬と同じで当たらないと思った馬、すなわち犯人らしからぬ人物が犯人になることが多いですが 本書の読者には呆れられてほしくないので最初にことわりますが本書はそういう小説ではありません」 この言葉を信じるか信じないかはあなた次第! 私は見事に騙されました(笑)。 どんな大技などんでん返しやトリックよりもこういう小さな”ひねり”の積み重ねがミステリーを面白くするのだ!! | ||||
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本書は作者作品中、随一の豪華キャストが揃っている。 主役のポアロに、『チムニーズ館の秘密』『七つのダイヤル』やのちに『ゼロ時間へ』などで活躍するバトル警視、『茶色の服の男』やのちに『ナイルに死す』などに登場するレイス大佐が登場し、さらにはのちに『マギンティ夫人は死んだ』などに登場するオリヴァ夫人も登場している。 本書は容疑者が4人と絞られる中、ギリギリで意外性が楽しめるし、ブリッジに関するポアロの推理にも説得力がある。 しかし、なぜ最初から容疑者が4人に絞られたのか? ポアロが何の根拠も推理もなく(バトル警視、レイス大佐はともかくとしても)オリヴァ夫人を捜査側に加えた設定はまずいと思う。 殺人の起きた部屋(4人の容疑者たちがブリッジをしていた部屋)には「誰も」出入りしなかったと確認はしているが、その「誰も」にオリヴァ夫人たちが間違いなく含まれないということを(部屋の見取り図にはトイレがどこにあるのか示されていないが、例えばトイレに行くために通り抜けさえしなかったということを)、きちんと明記していないのは作者の手落ちのように思う。 なお、オリヴァ夫人の著作として『書斎の死体』が挙げられているが、のちに同タイトルの作品を書く予告だったのかも知れない。少なくとも作者はその構想を既にもっていたのだろう。 | ||||
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本書の評価はおおむね2つに分かれる。 ひとつは本格推理または心理的な推理が楽しめる佳作、もうひとつはブリッジのルールが分からないと楽しめない。対して私の見解はどちらでもない。 前者の評価に対しては、ヘイスティングズが非常に単調だと言ってるとおりで、本書は最初から4人の容疑者に絞られた時点で結末のサプライズが期待できない。実はその4人以外の誰かが犯人だったとなれば一級品だが。また推理の手がかりがないに等しく、その点でも本書を高く評価する理由が分からない。 一方、ブリッジのルールはこれを知っていればより楽しめるという程度のもので、本書を読む上で必須のものではない。だから、ブリッジのルールが分からないと楽しめないという人は、本当はルール云々に関係なくこの作品はよくなかったと言っているのと同じだと思う。 そういう意味では、私も後者と同じ評価だな。 | ||||
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オリジナルは1936年リリース。原題は『Cards on the table』。つまりは『手の内は見せている』とブリッジを絡めた洒落た題名である。2001年に早川書房が実施した『アガサ・クリスティーと女性作家フェア』における最も好きな作品のアンケートにおいてこの作品は5位にランキングしている。 この作品でポワロは徹底して人間観察に専念して推理を行う。それ故にやや的外れに負われる質問を連発することになるのだが、その意味を最後に知るに至って、いつものように感心してしまうのだ。そこが嬉しかったりするのだから困ったものである。また、本作は登場人物にアガサ自身を連想させるような探偵作家アリアドニ・オリヴァ夫人が登場し、ポワロの謎解きに参加するのだが、その台詞にアガサの本音のような言葉が出てきて苦笑してしまった。 そして第一次世界大戦中に薬剤師として働いていたキャリアから、広範な毒薬の知識があって、そのリアリティがより作品を魅力的にしている。1936年は当たり年だな、と思う。 | ||||
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ブリッジをしていた4人の中に犯人がいるという仮説のもとに話が進展します。さらに4人の捜査側の人もいるという設定です。 自殺の可能性についても、最初に言及があります。ミステリマニアか、ブリッジマニアなら、とても面白く読める作品です。 犯人側の4人の心理に焦点をあてたポアロの推察は、ミスマープルとも共通部分をなすクリスティの作品の特徴だと思いました。 ブリッジの規則を知らなくても、ミステリとしての構成が分からなくなることはないと思います。 犯人候補の4人に対して、捜査側の4人の行動もとても面白く、うまい組み合わせになっています。 詳細が気になる方は、巻末にブリッジの解説があるので読みながら確認したり、読んでから再確認するのによい。 ポアロのファンなら、ポアロがよく知っているはずの、ブリッジのルールをもっと調べてみようと思うでしょう。 ネットでいろいろ調べらるのも楽しいかもしれません。 | ||||
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「そして誰もいなくなった」と「アクロイド」を別格として、それ以外のクリスティ作品ではこれが一番好き。 とにかく容疑者は4人しかいないんですからね、いくら頭の悪い僕でも犯人は当たるわい(あてずっぽうでも)、と思って読んでましたが、いやー、クリスティってやっぱすごいんだ・・・と再認識。これは騙される。 ラストに向かってどんどん高まるテンションで、「ちょっと待てよ?」と考えさせるヒマを与えない。 僕は、カーやクイーンをむさぼり読んでいた頃、登場人物が多いほど喜んでいたので(そのほうが、「意外な犯人」に出会えそうでしょ)、本作は読むのが遅れました。そうとうなマニアになってから読んで、「ははー、恐れ入りました」と素直に脱帽。 絶対のお勧め!。 | ||||
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やはり、ブリッジをやってないとツライものがありました。 解説で書いてあったのですが、海外ではこの作品、A級ランクの高評価らしいですから、この辺文化の違いでしょうか。 しかし、この作品、犯人を当てるのは難しいです(苦笑)。 いかにも本格推理的な展開といいましょうか、二転三転するプロットなんですよね。 そこで、犯人を推理する時、ブリッジをやったことないものとしては、フェアじゃないように思うんです。 | ||||
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パーティのホスト殺人で4人が容疑者として出てきます。 その後、ポアロの「心理テスト」などが行われていく中で、 この4人の性格、心理状態そして過去が明らかとなっていきます。 そして「この人が犯人に違いない」と何度もぼやいた後に、 最後には「ポアロ劇場」で解決となります。 読者に簡単に犯人を見つけさせてなるものかという アガサ・クリスティ女史の執念を見ることができました。 | ||||
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本作の主要な要素にコントラクト・ブリッジ(セブン・ブリッジではない。以下単にブリッジと記す)がある。ブリッジはイギリスでは日本の将棋・囲碁(あるいはそれ以上)のようなポピュラーなゲームで、クリスティは何のためらいもなく取り入れたのだろうが、普通の日本人には馴染みがなく、クリスティの思惑通り楽しめるかどうかは難しいところだ。私はたまたま学生時代からブリッジを知っていたのでスムーズに読めたが、解説者が「犯人はゲーム中で絶妙なタイミングで犯行に及んだ」と言っても、何が絶妙なのかブリッジのルールを知らないと理解できないのではないか。登場人物の設定、ストーリー展開のうまさは水準を保っているのだが、上記のような問題がある。クィーンの「Yの悲劇」で、犯人が何故凶器にマンドリンを選んだかを理解するには原語(=instrument)で読まないと分からないと同様、ミステリにも文化・国籍の壁があることを教えてくれた一作。 | ||||
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ブリッジを知らないととっつきにくいというイメージから、評価が不当に低いような気がします。私がはじめて読んだときには、ブリッジをまったく知りませんでしたが、かなり楽しめました。思うに、作品中自分が理解できないファクターがあるのが我慢できない人はいらいらしてしまうのかもしれません。実際のストーリーにはトランプはそこまで関係してこないんで、偏見を持たないでじっくり読んでほしいなぁとおもいます。クリスティの作品はみんなそうですが、ともかく登場人物が魅力的なんです♪探偵4人と容疑者4人、どれも個性的で面白いですよ~。 | ||||
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(;'Д`)ハァハァ あとがきの前の方にトランプゲームの説明なんかが書いているが、分かりにくいうえ難しい…。正直 理解できなかったし、娯楽小説に、頭を使いたくないホッカルさんにとっては腹ただしい限りだ。いちいち、こんな難解かつマイナーで 普通 日本じゃあやらねぇやうなトランプのルールなんかを覚えてまで、推理小説を読む必要などないのである。UNOとかババ抜きとかのトランプゲームにしときゃあ良かったんだよ。7並べでもいい。ダウトでもOKだwうほほっ?! | ||||
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4人でテーブルを囲むブリッジというゲーム。ほとんどなじみがなかったのですがこの作品は面白く読めました。殺されたシャイタナ氏の奇妙なパーティ。4人の容疑者と4人の探偵という設定も面白いし、ブリッジの点数表を手がかりに全員の人間性から謎を解いていくポアロの手並も鮮やかです。結末も一筋縄ではいかないので、飽きません。 | ||||
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コントラクト・ブリッジ・パーティーでホストが殺される。犯人はブリッジをしていた4人の誰か。ポアロは、4人の性格とブリッジのスコアを分析して、犯人を割り出す。ブリッジ・ファンにはこたえられない。私はブリッジ・ファンだが、この本のおもしろさは、ブリッジを知らない人にはピンと来ないのではという気がする。でも、ブリッジを知らない母も友人も、おもしろいと言っているので、心配無用なのかもしれない。ブリッジ・ファンには、原書で読む事を強くお薦めする(原題は "Cards on the table")。邦訳版は、ブリッジ用語の訳が全然いいかげんで、読むに耐えないからだ。かと言え、ブリッジを知らない人に配慮した訳にもなっていない。たとえば、"ワン・スペード" が "スペードの一組"と訳されているが、 "ワン・スペード" は"スペードを切り札にして7組(1+6)取る"という意味なので、どうせなら思い切って"スペードの7組" と意訳すれば良いのに。 | ||||
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