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ゼロ時間へ



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【この小説が収録されている参考書籍】
ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ゼロ時間への評価: 4.55/5点 レビュー 53件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.55pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全53件 1~20 1/3ページ
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No.53:
(5pt)

クリスティの本質は、近所の噂好きおばさん&奇想作家じゃなかろうか

ポワロもマーブルも、アガサ・クリスティはそれがシリーズものとして人気を博すようになったあとは、そこはそれあるていどビジネスとして適当なクオリティを安定して出す、という営業を考えて作品を設計していたと思う(それはそれ職業作家なのだから当然である)
しかしエルキュールもジェーンも出ない、シリーズものではない単発もののときは、女王様が「そんなに売れないかもしれないけど、ここぞとばかり好み」をこれでもかと炸裂させた彼女の本質がくっきりと表れた作品となるのではないだろうか。
 その証拠に見よ!「ナイルに死す」でも「ABC殺人事件」でもなく、「そして誰もいなくなった」が彼女で一番の有名作ではないか。
 などとエラそうなことを申してますが、クリスティをかつて読んでいた当時、シリーズものの安定の快楽に身を委ねて、「そして誰もいなくなった」もそしてこの「ゼロ時間へ」も未読でしたが(笑)
 しかし、日本のクリスティファンによるベストテンでも、クリスティ本人によるたわむれの自作ベストテンでも「そして誰も」「アクロイド」「オリエント」「予告殺人」そしてこの「ゼロ時間へ」の5作が期せずして一致していた(他の5作はそれぞれ一致せず)
 ということは、もしかしたらクリスティは、本格的なミステリ作家であるより、現代風に言えばもともとが「奇想」「変格」そのものが意識の本質にあり、現代日本で言えば高村薫や松本清張のような「真面目」な作家であるより、人間心理がかもし出す「偏差」「異常」を、そこはそれ世間知と人生を受け入れて楽しむおばさん感性でもあったために根底にある「常識性」で日常的に読みやすく気軽で手軽でそれでいて印象にのこるような展開で、しかもわかりやすい文章でサラッと書きこなす、という異常性と常識性を併せ持つ、というのが彼女の本質だったのではないだろうか。

 「ゼロ時間へ」に次々と出てくる容疑者たちの展開は異常で、犯人ならまさかそんなバカなことはないだろう、と思わせる物で常識人なら憤然と退けるようなものである。
 しかし最後に出てくる犯人の姿は、周囲の人に意外な変質と影響をもたらしていた、という点でも「なるほど」と思わせる。
 それはのちに同じ英国のヘイモン「聖堂の殺人」に出てくるような、あるいはクリスティ自身の「ポケットにライ麦を」をも彷彿とさせるような意外性を備えており、こうした人物像を造形できるという所は、人間関係のゴシップを楽しむ明るく楽しく小うるさいおばさん体質で覆い隠されているが、クリスティの本質は、それが単体で出た時は、スティーヴン・キングよりも恐ろしいホラーであり、あるいは現代小説に出てくるサイコパスよりも異様な作家ではあるまいか。
 だがしかし、最後にこの作品はロマンス作家としてのクリスティの本質をもとらえており、ラストシーンは同じく異色作にして彼女のトリック作家としての一面を衝いている、なんとエジプト中王国を舞台とした「死が最後にやってくる」とも共鳴する楽しい結末となる。
 こういったロマンの側面は、彼女から見れば晦渋で深刻であるP・D・ジェイムズにも共通するところで(ジェイムズは具体的にはその行為や展開を作品の中には取り込まないが、クリスティよりはるかに大人の関係性や性そのものの性質も書きこなすけれども)この大いなる常識人としての側面に助けられ、かくしてアガサ・クリスティは没後半世紀が経過してなお、一億部を超える大作家として君臨し愛されている。
 …が、この読みやすさと楽しいロマンスと人間関係のおばさん小説の側面に騙されてはいけない。彼女の本質は、人間心理の蘊奥から生み出される恐るべき脅威にあり、その本質は描かれないが人が人を支配するサイコパスの人心収攬術にある。或いは彼女の最大のトリックは、その世間知とおばさんのお喋りで「また始まった」と思わせながら、その人間精神の深い洞察と恐怖を、楽しく明るく面白く、の隠れ蓑で、プレーンな外観のもとで、その人格にひそむ異常性をみごとに隠しおおせたテクニックにあるのかもしれない。
 思春期に読んだら、それは判らなかったことだろう。
 と中年になってクリスティを何の気なしに手に取って、その恐ろしい正体を楽しみながら推し量ったことであった。
ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.52:
(3pt)

古典の割には読めるほう

ただ、半分くらいまでなにも事件が起こらなくて、辛かった。
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No.51:
(5pt)

アガサの小説はなぜ面白いのか

おもしろかったです。
どこが?
殺人犯人が偽装証拠をわざと残したり、偽のアリバイ工作をするところです。

正常なエレベーターに、わざと「故障中」の看板を吊るして、
心臓の悪い、酔った老人に無理に階段を登らせるようにしむけるようなところ。
老人は部屋まで必死で登り、心臓発作を起こして死んでしまいます。
ホテルのオーナーは、看板はだれかのいたずらと答えます。

悪ガキのいたずらのような殺人計画ですが、完全犯罪と言えるかも?
小説ならではの面白いプロットです。

本書『ゼロ時間へ』のタイトルとなっている「ゼロ時間へ」の言葉は、
本書のどこに出てくるか。

「その時にいたる――クライマックスに! ゼロ時間(傍点あり)だ。そう、すべてがゼロ時間に集約されるのだ」(14頁)

「殺人事件自体は物語の結末なのです。つまりゼロ時間」(346頁)
「少し間を置いて、彼は言った。『今がそのゼロ時間です(傍点あり)!』(346頁)

「殺人は事件が起こるはるか以前から始まっているのです! 殺人事件は数多くのさまざまな条件重なり合い、すべてがある点に集中したところで起こるものです」(346頁)

面白いカウント・ダウンです。
5,4,3,2,1,ゼロ!

《備考》
本書『ゼロ時間へ』の表紙カヴァーの写真について

写真に映っているエレベーターは、旧式です。
新式の
「エレベーターは自動式なんですよ、先生。操作する者がいる必要はないんです」(189頁)
表紙カヴァーの写真を見ると、
エレベーターの中に、操作者が座る折り畳み式の丸い小さな椅子が見えます。
昔のエレベーターは、運転手が必要な一種の乗り物だったのです。
蛇腹式のドアも運転手が開け閉めしました。
なつかしいな。
そしてエレバーターの外には、
乗る人のいない時に操作者が寄りかかる木製の手摺が見えます。
この写真のエレベーターには、操作する者が必要なんです。
操作する者が持っているカギがなければ動かすことができない乗り物です。

一方、自動式エレベーターには、
乗る人が自分で押す「上下ボタン」や「階数表示ボタン」が付いているはずです。

そういうボタン類が、写真のエレベーターにはまったく無いのですから、
表紙カヴァーの写真のエレベーターは、自動式ではありません。
操作する者が必要な旧式のエレベーターです。

旧式のエレベーターって、いいですね。
ノスタルジックな雰囲気があって。

しかし、旧式のエレベーターでは、
本書の第一番目の口封じ殺人のトリックが成立しません。

フロントへ行って、
旧式エレベーターを操作できる「ポーターかベルボーイ」(189頁)を呼んでもらえば
いいだけなので。

『ゼロ時間へ』の原作が出版されたのは、1944年。
最初の自動式エレベーターが動いたのは、1890年。
1944年と言えば、1890年から五十年以上経っているころの話なので、
自動式エレベーターはかなり普及していたはず。

そもそも、このホテルには自動式エレベーターが設置されていた、
とホテルのオーナーが言っているんですから。
ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.50:
(5pt)

不穏な話の緊張感に、ぞくぞくしました。そして、犯人の動機が凄ぇ怖かったっす

ぞくぞくする怖さを味わったミステリ。
犯人の正体が分かるまでのスリリングな緊張感もなかなかのものでしたが、それ以上に、この事件を計画した犯人の動機が怖かった。ぞっとしましたね。

序盤の〝扉を開ければ、そこには人々が〟の章で提示される複数のエピソードが、不穏な話の雰囲気を醸し出し、後になって効いてくるところ。著者ならではの演出の妙を感じました。なかでも、「二月十四日」の描写が印象的。ぞくりとする薄気味悪い怖さがあります。

ひとつ、これはちょっとまずいんじゃないかと思ったのは、文庫本カバーの裏に記されている【話の紹介】の文章です。
その第一行目、《殺されたのは■■■■■■■。》と書いてあるんだけど、この登場人物が殺されるのは、作品の半分を過ぎてからなんですよね。そこまで読み進めて分かることを、いきなり【話の紹介】で明かしてしまうのはどんなもんかなあと。
その辺りのことは、霜月 蒼『アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕』(ハヤカワ文庫)の中、本作品紹介文である【おはなし】と読み比べてみれば、これから作品に向かう読み手に対して、どちらがより注意深く記しているかがはっきりと分かります。
できれば、本文庫の表紙裏に記されている【話の紹介】文など読まずに作品に向かったほうが、話をより楽しめるかと思います。
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No.49:
(5pt)

やっぱり面白い

上手い、、面白いです
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No.48:
(4pt)

殺人は事件が起こるはるか以前から始まっているのです

クリスティー自身がベストテンにも上げていることも納得の良質ミステリーで楽しい読書時間を過ごせました。
 まずなにより『ゼロ時間へ』というタイトルがかっこいいですよね。
 ゼロ時間って何?と読む前からワクワクしてきます。
「すべてがある点に向かって集約していく・・・そして、その時にいたる。クライマックスに!ゼロ時間だ」
 登場人物の関係をまずはじっくり描いていくのですが、事件が起こらなくても読者の関心を惹き続ける巧さがあります。
 最初から全力疾走で次から次へと殺人が行われる『そして誰もいなくなった』はクリスティーの最高傑作との声を聴きますが、個人的には本書のような、じっくりとした展開のほうが腑に落ちる感があり、好みですね。
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No.47:
(5pt)

最高でした

こんなに面白いとは。
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No.46:
(4pt)

犯人の見当は中盤でつくが、動機まで見当をつけるのは難しい

ポアロも(言及はあるが)、ミス・マープルも、トミーとタペンスやクィン氏やパーカー・パイン氏も出てこない、バトル警視でずっぱりの唯一のクリスティ作品。

裕福そうに暮らしている老婦人のもとに、万能スポーツマンの紳士ネヴィル氏と別れた旧妻オードリーと新妻ケイが休暇を過ごしに共にやってくる。しかし、このネヴィル氏のマナー外れな言動に老婦人は憤りネヴィル氏と言い争いになる。その後老婦人は殺害され、外部犯の可能性は薄い上、ネヴィル氏のゴルフクラブに血と毛髪がついていたまま、彼女の部屋に放り出されていた。当然警察はネヴィル氏を疑うのだが、彼には鉄壁のアリバイがあり、他方訪問客使用人を含めて皆が動機をもっていることがわかる。その後紆余曲折して…

というものだが、中盤で犯人の見当はついてしまう。ただ、その動機はクリスティらしく凝ったもので、ちょっと推測が困難だーーやや、唐突な感じはあるが、その分クリスティらしく性格描写などは行き届いてはいる。 ただ、事件も終わる頃になって重要証人が出てくるのはアンフェアだろう。

ミステリとしての出来は★★★かもしれないが、物語とその登場人物たちの心理のかき分けとに優れているので★★★★
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No.45:
(3pt)

普通のミステリー

普通に楽しめます。普通です。
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No.44:
(5pt)

誰しもが重要な役割を持っている

「しかし、殺人は結果なのだ。物語はそのはるか以前から始まっている」
その殺人が巻き起こる「ゼロ時間」へ向けて、着実に進んでいく綿密な計画。中盤あたりまでは事件も起こらず、不穏な空気がじわじわと満ちていく人間ドラマが積み重ねられていく。そして、老婦人・トレシリアンの死で堰を切ったように溢れ出す人々の感情と事件の謎たち。そこからラストまで勢いに流されるまま夢中で読んでしまった。

張り巡らされた伏線や、登場人物たちのちょっとした行動が「ゼロ時間」に向けて集約していき回収されていくのは素晴らしいの一言。ミステリとしての面白さに加え、キャラクターの心理描写も実に巧みでドラマへもミステリへも絶妙な味付けをしている。みんな怪しく思えてしまって、犯人は全然わからなかったな(笑)

あと、好きな台詞が二つあるので紹介しておきたい。

「ただそこにいるだけでいいのかもしれない─何かをするのではなく─ただある時に、ある場所にいるだけでいいのかも─ああ、うまく言えないのだけれど、あなたはただ─ある日、ある場所を歩いているだけでいい、それだけで何かとても重要な役割をはたすことになるかもしれない─たぶんあなた自身はそれとは気づかずに」

「人にはたいていなんらかの欠点があるものだ。そしてたいていは、どんな欠点かは一目瞭然だ。子供が欲張りだったり、意地が悪かったり、弱い者いじめをする質だったりしたら、それは見ればわかる。しかし、おまえはいい子だった。とてもおとなしくて、やさしくて、なんの問題も起こさなかった。それでときどき心配になったんだよ。目に見えない傷があるものは、力が加わったときに壊れてしまう恐れがあるんだ」

この物語を象徴するような台詞でもあり、それ自体もとても心に残る。人は目に見えるものばかり追ってしまうけど、こうして自分が気づかないものだったり、目に見えない部分にこそ見逃してはいけない何かがあるんだろうね。
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No.43:
(4pt)

登場人物が演じる心理戦とそれを読み解く警視との攻防がみもの。

ポアロもミス・マーブルも登場しないA・クリステイー晩年の傑作。登場人物の多彩さと展開する物語の意外性、
難問を解決するポアロが居ない分、意外な人物が狂言回しを行うが、そして意外な結末で、大いに楽しめる。
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No.42:
(5pt)

これは傑作!

面白かった!
アガサ・クリスティーのアイデアと構成力に脱帽です。
見事にいろいろ騙されました。
気持ちよく。
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No.41:
(4pt)

タイトルから受けたイメージとは少し違いましたが、やっぱりクリスティは面白い。

読む前にタイトルからから受けたイメージは、犯行が行われる時間=ゼロ時間に向けて、犯人が綿密な計画を立て、周到な準備を行い、ゼロ時間に向けて緊張感の中でひとつひとつを実行していく、そういった犯人視点の話だと思いましたが、そうではありませんでした。
事件が起こるまでは恋愛ドラマ(伏線)、発生後はミステリーといった構成です。

クリスティー作品全般の印象でもあるのですが、登場人物が多く、さらに時にはファーストネームで、時にはファミリーネームで書かれたりするため混乱します。登場人物たちの相関図が付録でついているととってもありがたいのですが。。
それともう一つ、真相解明につながる非常に重要な情報がほぼ最後まで明かされないため、そりゃあ中盤までの犯人予想が当たるわけないわな、という点も残念でした。

でもやっぱり、最後に緻密に張られてきた伏線が見事に回収されていくプロットはさすがです!
いつも思うのですが、クリスティの物語の中には、”ミステリーに関係しない、無意味なエピソードはゼロ”ですね。
だからもう一度読み返したくなる。
面白かったです。
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No.40:
(5pt)

次々と起こる逆転

これから起こるであろう事件への前触れ、登場人物のテンポ良い紹介、事件後、真犯人を次々と推測させる見事な引っ掛け。どんでん返しの連続。読みだしたら止まらない魅力。素晴らしい!
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No.39:
(5pt)

テンポが良い

ゼロ時間。起承転結よりも前、事件の種は撒かれていて…。

バトル警視がかっこいいですね。冒頭近く、娘の危機に周囲の人物をピリリと見抜けるところ、そしてこの経験が彼にも、その後の本編の重要な物の見方を与えるもので。
点在させたエピソードの含みと絡みが上手すぎる。

解説にもあったけれど、サイコパスのお話ですね。外からは良く見える、周りの人を上手に操れる。「あの人は何か、おかしい気がするけれど、こんな風に捉える自分の方が、おかしいのだろか…?」と自分の足元が分からなくなっていく不安や恐怖。
見抜けるのは案外、その輪の中には居ない外側の人間かもしれませんね。

ラストのオチも、急に夢があって嫌いじゃないです。
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No.38:
(4pt)

読み返して

幼い頃から読んだのですが年取ったて読み返してみました。ドキドキ感がありながら、女性陣の心の揺れ・葛藤をさらーと描いててさすがでした。年取って読んでみて改めてクリスティーの作品の奥深さを堪能いたしました
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4151300821
No.37:
(5pt)

初めてのシリーズ以外の物

ポアロ、マープルシリーズが好きで繰り返し読み続けてます。
書籍を全て電子書籍にしたのでポアロやマープル以外の物も読んでみようと思い購入。
ミステリアスな雰囲気などは変わらず読者を楽しませてくれます。
アガサの表現がとてもうまいのでその場の情景を頭に思い浮かべながら読み進められます。
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No.36:
(4pt)

「ゼロ時間」にまつわる言葉や思想がすばらしいと思います。

物語を最後まで読んで、正直「驚き」は、他のクリスティ―作品と比較すると、そんなに大きくありませんでした。
でもいくつかの言葉が強く印象に残りました。

例えば、物語の冒頭で、
自殺に失敗し、「どうして自殺をしてはいけないのか」「自分の命を自分の好きなようにする権利があるはずだ」と言う患者に対して、看護師が次のような言葉をかけるのです。
「ただそこに いる だけでいいのかもしれない――何かをするのではなく――ただある時に、ある場所にいるだけでいいのかも――ああ、うまく言えないのだけれど、あなたはただ――ある日、ある場所を歩いているだけでいい、それだけで何かとても重要な役割をはたすことになるかもしれない――たぶんあなた自身はそれとは気づかずに」

上記の言葉は、本作で起る事件にまつわる重要な概念である「ゼロ時間」につながるものですが、
私は、生きることの意味には、そういうものもあるのかなと、考えさせられました。
「ゼロ時間」という概念を、事件やミステリーの世界に留めず、人生に対する思想に昇華させているところが、クリスティ―のすごいところだと思いました。
ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.35:
(5pt)

最高級ミステリー感動しました

愛憎、犯罪者の人格、巧妙なトリック、ごまかしなしの文章表現、驚きの終演に向けての構成ともに素晴らしい作品だと思いました。
ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.34:
(4pt)

なかなか良い

うーん、面白い。最後の最後が、良いね。クリスティは、人間の心理が書けていてとてもよい。ポアロもマーブルも出てこないけど、良い作品だった。アクロイド殺し、オリエント急行、そして誰もいなくなった。はベスト3として、ベスト、10くらいかなー。いいと思います。
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