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深い疵
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深い疵の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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実はナチの親衛隊だった者が殺したユダヤ人の名を騙りのうのうと生き延びている、このストーリーは小説やドラマでも別に珍しくは無い。 アメリカのコールド・ケースという人気ドラマでもあった。 だが、この本はドイツ人が書いているので他と比べて深いし骨太になっている。ドイツばかりじゃなく、ポーランド、東プロセインやらスイス、イタリア等との関わりも細かく描かれている。 まあ、敢えて言えばレーガン大統領の顧問になるような人間が身体検査曖昧だったってのだけ現実味に欠けるかな?(笑)つまりアメリカ人の書いた本じゃないからアメリカのそこら辺が詰めが甘い。もう少し小物にしておけば完璧だった。 | ||||
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日本では著者の最初の訳出となった本書。 当然ここから読んでもシリーズ読破に影響は感じませんが、人間関係が多少混乱するかも。 主人公二人を含め、シリーズキャラも巻を追うごとに変化します。 登場人物が多くてキャラクターを把握するのに時間がかかりますが、それだけに読み応え満点! 面白かったです。 第二次大戦とナチズムがもたらす悲劇はドイツ社会に今でも暗い影を落としている。 それを小説の設定に使っても不自然を感じないことがドイツ人の戦争認識の強さを物語っている。 日本ではそれこそ横溝正史あたりで終わっていますよね… 訳文がどうにも硬いと感じるので星一つ減。 これは翻訳者の力量なのか基の文章からしてそうなのかはわかりません。 厳しいようですが、小説世界への感情移入を妨げることが何度もあったので。 | ||||
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アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。 | ||||
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ドイツの警察物ミステリー。 アマゾンでおすすめされて、レビューの評判もよかったので期待して読みましたが、評判どおりの面白さでした。 上流階級出身の首席警部・オリヴァーと、女性刑事・ピアのコンビが活躍。 二人の間にラブはありませんが、お互いを信頼し合い、欠点を補いあって捜査を進めるところが、エリザベス・ジョージ作の「ふさわしき復讐」などのトマス・リンリー警部とバーバラ・ハヴァーズ刑事のコンビシリーズに似た雰囲気と思いました。 リンリー警部シリーズが好きな方には特にお勧めします。 | ||||
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刑事オリバー&ピアを読むのは今回が2回目です。 内容的には面白いことがわかりますが、とても疲れる作品です。ドイツの人名に馴染みがないことも 疲れる原因の一つです。米、英、北欧系ミステリはよく読みます、ほかのドイツの作者の作品も読みますが 特に刑事オリバー&ピアシリーズは読むのに疲れる作品です。 本作品は 現代ドイツ人が ナチスや過去の歴史についてどのようなタブーな感覚を持っているのかが書かれているところが 興味深い。過去に対する反省ゆえに非常にナチス的なものを過敏に排除してきた戦後の弊害がだんだん浮き彫りになっている現在ドイツ社会のありさまを垣間見ることができた。 | ||||
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ネレさんの3作目。 ナチスの暗躍する暗い時代を過ごしてきた人物たちを扱った話なので、読んですっきりとした読後感があるわけではないけれど、繰り返し読んでみたいと思う。 事件の進め方にスピード感あり、多くの容疑者が個性的でわかりやすい。捜査を進めるオリバー、ピアら警察のチーム力も力強い。 特にピアの前向きな生き方に好感が持てる。 | ||||
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以前、NHKのドイツ語講座で翻訳家の酒寄さんがこちらの本を紹介しており、気になって手にしました。 長編ですが、スラスラ読め、どんどん引き込まれてしまいましま。 今、違う作品を購入して、到着待ちです。 楽しみです♪ | ||||
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確かに登場人物の多さ、ドイツの名前で、 どうしても最初は読みにくさがある。 前半は「重い」感じがするのは否めない。 戦争を知らない世代が、ナチスの時代を理解できないまま読んでいるので、 余計に重く感じるのかもしれない。 後半に入ってくると、謎が少しずつ解かれていき、読みやすくなってくる。 このあたりからは、相関図や名前に慣れが出てくるためだろう。 ドイツ人の友達はいるが、未だにドイツでは微妙な東西の分かれ目があるように感じる。 民族第一主義なのは、昔も今も同じ。 独自の文化を築いている。 その辺りが理解できると、もっと面白くなるのだろう。 よく練られた重厚なミステリー。 | ||||
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「オリヴァー&ピア」シリ-ズの三作目の由だが、日本では最初に邦訳され、私も本作を最初に読んだ。シリ-ズの代表作をまず邦訳という意図なのだろうが、確かに力作である。冒頭で92歳のユダヤ老人が射殺されるが、実はその老人が元ナチ親衛隊員だった事が判明し、以下、これと関連した連続殺人が起こるという物語。未だに「ナチスの亡霊」が生きているドイツの作家ならではの作品である。 本作の中心となるのは、「カルテンゼー家」というドイツの名門一家。本文の前に「カルテンゼー家」の系図が載っている。読者としては当然、連続殺人の動機は元ナチ親衛隊員に対する復讐だと思うし、それと、「カルテンゼー家」の系図・歴史がどう対応するのかが見所である。作者はこれに捻りを加えている(幾つかのミスリードもある)が、ミステリ的には弱い感がある。それよりも、物語が進むに連れ、第二次世界大戦中のナチ親衛隊員の非業・残虐な行ないと、「カルテンゼー家」の系図・歴史が一皮ずつ捲れて行く過程に本作の醍醐味があると思う。個人的感想だが、「カルテンゼー家」の系図の一部は「カラマーゾフの兄弟」に影響を受けているのではないか。 警察小説として見ると、「オリヴァー&ピア」の推理・捜査手法に特に冴えた所はない(特にピアの親友から重大な過去の情報を得ている辺りは安直過ぎる)のだが、作者としては、表題(直訳)通り、ドイツに今なお残る「深い疵」を描きたかったのだと思う。特に前半、人物が次から次へと登場し、場面転換も速いので、取っつき難い面もあるが、それに応える後半の充実振りである。歯応えのある小説を好む方にお薦めの重厚な作品である。 | ||||
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連続殺人事件の背景にある半世紀前のナチス時代の出来事。半世紀も過去を背負った人々、半世紀も周囲を欺いた人々。主人公の活躍で、徐々に過去の出来事と現代の事件の真相が明らかになります。歴史的背景を持つミステリーは奥行きというか懐というか深いです | ||||
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他の方がおっしゃるように、最初はたくさんの人間が出てくる上、いくつもの短いエピソードが交互に出てくるのでくらくらしていましたが、読み進めるうちに、それがだんだんつながって、非常に緻密に伏線の張られた物語に引き込まれていきました。 第二次世界大戦、ナチス、ユダヤ人、辛い過去とそれゆえのトラウマの連鎖、ラストは「深い疵」という題名に納得。 たぶんドイツの作家という日本であまりなじみのない分野を売り込むのに、いかにもドイツらしい話題がメインの(というのもへんな言い方ですが)、たぶん出来もよいこの作品からお披露目となったのかなあ、と思います。 この一作単独でも十分に楽しめますが、ところどころ第一作、第二作を読んだほうがよりわかるのかな、という部分もないではないです。 第四作も訳されているようなので、読んでみたいなと思います。 | ||||
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<八方ふさがりだ。謎だらけで、裏を取るべき関係者も多すぎる。あるのは役に立たない糸口ばかり> ドイツの女流ベストセラー作家「レネ・ノイハウス」日本初登場である。ドイツ中西部の地方警察警部オリヴァーと同僚女性警部ピアが活躍するシリーズ第3作目 プロローグで語られるダーヴィト・ゴルトベルクの謎の独白。60年以上の歴史と過去の何不自由ない生活。そして<死という人生最大の大事業を目前に控えた>今を、オープニング3頁で語ってしまう作者のうまさは見事だ。そしてこの冒頭だけでこれから始まる長大な物語の数多くの糸口がかいまみえるのだ。 最初の事件は老人が死体で発見される。射殺されたのはゴルトベルクだった。彼の正体はアウシュビッツ収容所から解放された後、アメリカに渡り歴代の大統領顧問を歴任したVIPだった。なぜ92歳にもなる老人が射殺されねばならなかったのか。 オリヴァー&ピアが捜査を開始するが、あまりに多くの登場人物、その関連性がまるでサブストーリーのように錯綜し、読者の頭を混乱させるがこれが作者の練達さによるものだと気付くのは本書の最後の頁を閉じた後である。 そして第二の事件が起きる。<ゴルトベルクと同じように膝をついて、処刑されるみたいに後頭部を撃ち抜かれていた>のだ。被害者は80歳を越えており司法解剖の結果左腕に血液型の入れ墨がみつかる。ナチ親衛隊がいれていたものだった。しかも彼らの死体のそばには犯人が被害者の血で書いた数字「16145」が残されていた。その意味とは。 だがこの町のユダヤ人の間で彼は有名だったのだ。<ユダヤ関係の組織に多額の寄付をしていたしドイツ人とユダヤ人の和解のために尽力していた>ことで。 彼らには共通の友人がいた。その人物も「反追放センター」を長年支援しており、皆ヒトラーと第三帝国を憎んでいることが唯一の共通点だった。 実はここまでは物語の発端にすぎない。この五〇〇頁を超える大作はドイツの一地方に住むラウエンブルグ家とカルテンゼー家の、複雑怪奇な血にまみれた年代記なのだ。 女性実業家のヴェーラ・カルテンゼー、夫オイゲン、息子エラルド、娘ユッタ、その他オイゲンの隠し子から従業員、秘書まで各々の実像が語られる。さらに彼らにかかわる人間たち、建築修復士トーマス・リッター、その妻クリスティーナ、祖母アウグステまで登場する壮大な年代記に圧倒される。しかしすべての人々が登場したあと、厚い人間たちの壁を突破すると急速に真実が明らかになってくるのだ。 後半、女性警部ピアの鋭い洞察と推理が冴えわたる。 <普通の暮らしという仮面の裏に救いようもないほどばらばらの家族が隠れている>ものなのだ。 <あなたは怯えた。自分の命ではなく、なによりも大事な名声を失う>ことを。 今なお残るドイツ国内でのナチスによる戦争と生きのびたユダヤ人たちの苦悩と恐怖。敗戦後の混乱期にかれらに何があったのか。 この作品は作者ノイハウスの名人芸ともいえる考えぬかれた騙りのうまさにより、巧妙精緻に描かれたミステリの傑作である。 <60年以上かかってついに輪が閉じたのだ。> | ||||
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ホロコーストやポーランド、ドイツ、ソ連の関わり合いのようなものがわかるような気がしました。 少し暗い話ですがドキドキして読めました。 にわかドイツファンのわたしにはカルテンゼーやボーデンシュタインといったドイツ風の人名に苦戦しつつも人物相関図とにらめっこしながら読むのが楽しかったです。 | ||||
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ストーリーは諸氏が紹介している通りです。日本人にはドイツ人の名前になじみが薄いことと登場人物が非常に多いことから最初はなかなか読みにくく、巻頭の人物一覧や名前一覧をかなり参照しながら読み進めました。第一次大戦で消え失せた東プロシアで起こった貴族一家の惨殺とこの一家の一員に成りすました元ナチス親衛隊のメンバーのその後の人生が物語の通奏低音です。 興味がわいたのはこのような重厚なストーリーの展開と複雑な登場人物にも拘わらず、ドイツでベストセラーになっていることはドイツ人の特徴がよく出ているのではないかということです。米ならそれほど多くの人が読むのかなと思います。また東プロシアの地での混乱が今もドイツ人にどのような思いで受け止められているのかという点です。この点は訳者があとがきで触れてほしかった点です。 | ||||
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Nele Neuhausは気に入っていて、このシリーズは6作とも読みました。たしかに、その中では本作と「白雪姫」は力作と呼べるものであり、この2作が取り上げられるのも無理もないとは思われます。が、PiaとOliverのそれぞれの事情が作品の一部になっている訳ですし、そこのところは1作目から読まないと分からないと思うのです。出来れば、順番どおりに出して欲しかった。 | ||||
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推理小説や探偵小説、警察小説など好きな人は読んでも損しないと思います。 | ||||
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ストーリーはかなり良く練られています。 元ナチの老人たちへの連続殺人・現場に残された犯人からのメッセージ・ 複雑な人間模様・誰もが犯人となり得るミスリードなどなど・・・ ミステリーに要求されるものが、高い質でまとめられています。 いわゆる本格ミステリーのトリックものではないので その辺りを期待する方はやめたほうがよいでしょう。 現在と過去の事件がリンクしていくのは、ミステリーの定石ですが、 そこにナチスが絡んでくることで、より一層の深みが増しています。 また登場人物も多いのですが、人物描写・心理描写がしっかりしているので 感情移入しやすいでしょう。 マイナス1点の理由 これは仕方のないことですが、登場人物が多い上に、覚えにくい名前が多いので 読むのに苦労します。人によっては投げ出したくなるかもしれません。 原文ではファーストネームとラストネームの使い分けがされているかもしれませんが 翻訳ではファーストネームに統一してもらえると読みやすくなるのになあと思います。 また、60年前の事件や、ナチスが絡んでくるわりには 重要な人物が狭い範囲にかたまりすぎているように感じました。 とはいえ、これほど重厚なストーリーは久々ですので 興味のある方はぜひ読んでみてください。 | ||||
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2007年4月、92歳のゴルトベルク氏が射殺体で発見される。現場には「16145」という謎の数字が残されていた。氏はアメリカ大統領顧問まで務めた高名なユダヤ人だったが、司法解剖の結果わかったのは、彼が実はナチスの親衛隊員だったということ。そしてさらに第2、第3の殺人が続き、いずれも高齢のドイツ人が犠牲となった。やがてすべての被害者がヴェーラ・カルテンゼーという実業家老婦人につながっていることが判明する…。 ドイツで大ベストセラーとなった、ボーデンシュタイン主席警部とピア警部の二人が活躍するホームハイム刑事警察署シリーズの第3弾です。日本ではこの第3弾と第4弾が最初に翻訳されることになったとの由。 被害者と重要参考人の数が膨大な上、警察署に勤める人々の関係も多岐にわたるため、壮大な群像劇となっています。最初の百ページは、巻頭の家系図と登場人物一覧とを頻繁に参照しながらページを繰る必要があるでしょう。それでも、人物相関図が頭に刻み込めればしめたもの。あとはこの500頁を超える大部の作品も一気呵成に読むことができます。 ゴルトベルク氏は本当にユダヤ人に偽装していた元親衛隊員なのか。2人目、3人目の犠牲者も同じく元ナチなのか。さらに続く殺人事件の背景には何があるのか。そしてヴェーラ・カルテンゼーという女性は一体何を隠しているのか。 最後に見えてくるのは、なんとも悲しくも深い疵の跡です。 戦後60年以上が過ぎ去ろうという時代にあっても、ナチスの亡霊はしきりとドイツの人々に深い疵を負わせずにはいられないようです。謎が謎を呼ぶ、息をつく暇もあたえない展開が心地よいと同時にほろ苦い読書体験を与えてくれます。 そしてなんといっても酒寄進一氏の円熟の翻訳には今回もうならされました。ドイツ語から日本語へと移し変える氏の見事な翻訳手腕は、すでにフェルディナント・フォン・シーラッハの二つの犯罪小説『犯罪』と『罪悪』で証明済み。『犯罪』は2012年に本屋大賞の翻訳小説部門を受賞していて、氏の活躍は広く知られています。今回もその技量をいかんなく発揮して、実に見事な翻訳ミステリーを私たちに届けてくれました。 訳者あとがきによれば、ホームハイム刑事警察署シリーズの第4弾『白雪姫には死んでもらう』の翻訳は氏によってすでに完了しているとのこと。それほど日を置かずに手に取ることができることでしょう。その日が待ち遠しく感じられます。 | ||||
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著者のネレ・ノイハウスは1967年生まれ、ドイツの女性作家。 2007年、本格的にデビューし今までに5作のミステリーを刊行。 本作『深い疵』は第3作目です。登場人物の多さとドイツ名の複雑さに 最初はとまどうものの、それに慣れてからは重厚かつスピード感の あるストーリーに圧倒されながら、最後まで一気に読んでしまいました。 主人公は貴族出身の主席警部オリヴァーと40歳前の女性ピア・キルヒホフ警部 (二人は恋愛関係にあるわけではなく、あくまで上司と部下です)。 ピアの前夫で監察医のヘニングを含む個性的なメンバーが 奇怪な連続殺人の謎に挑みます。 誉れ高いドイツの大実業家一族の抱える闇がそのまま 第二次世界大戦さなかのナチスの悪行につながる面白さ。 ドイツにいまだ残るナチスの爪跡の深さ、敵国と地続きである故の 戦争の惨禍の描写に慄然としつつも、 後半の怒涛のような展開にはページを繰る手ももどかしいほどでした。 娯楽性が高く、しかもドイツの歴史・文化をしっかり踏まえた本作が 本国で大ベストセラーになったというのもうなずけます。 ドイツではいまだに帝政時代の貴族階級が存在するというのも 新しい発見でした。 シリーズ第4作『白雪姫には死んでもらう』の刊行も予定され、 最新刊『風に種を蒔く者』には風力発電などの環境問題も登場するそうです。、 力量あふれる作家ノイハウスの今後の邦訳を読むのが実に楽しみです。 | ||||
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ドイツで大ブレイクしているミステリ作家の 本邦初訳だそうで、大変楽しみにしておりました。 場面のカットも短く、テンポはいいのですが、 その分、登場人物の多さと相まってなかなか 人物把握に戸惑いました。 事件は次々に起きます。 謎も早々に提示されます。 ですから、興味は尽きないのですが、 いかんせん、世界に入っていくのに時間が かかってしまいました。 このあたりはシリーズものの第三作(だったかな?)を 最初に紹介された、という点も影響しているのかも 知れませんね。 でも、登場人物が頭に入り、主人公の刑事2名と 親しくなってくると、どんどんドライブがかかり、 後半は一気読みしました。 ナチスの絡みなので、歴史的背景なども詳しく 知っていればよりおぞましいところも味わえるの かもしれませんが、そうでなくても常識レベルで 十分にミステリとして楽しめました。 ドイツ風の控えめなユーモアの他にも 家族の愛憎、ロマンス、同僚間の協調と反目など かなり全部盛り感のある作品で、次回の紹介作品も かならず読もうと思いました。 | ||||
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