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黄昏に眠る秋
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黄昏に眠る秋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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4点にした。 なにを書いてもネタバレになるから、触れないが、軽く、あまりにも軽くなってしまう。 それは、致命的ですらある。 でも、最後まで読ませるので、2点や3点にはしない。 | ||||
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ゆったりとしたテンポで、過去と現在を交互に書きながら最後に全ての謎がクリアになりました。そういう意味ではスッキリなのですが、それで分かった事実が切なかったです。読後の感想としては、皆さん残された人生を前向きに生きていってくれればいいな、という感じでした。 | ||||
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いろいろと北欧ミステリに手を出してきましたが、この作家は初読です。いかにも北欧ミステリらしく、全体が寒々とした暗い色調に覆われています。荒涼とした灰色と薄青の海と空、スウェーデン南東にあるエーランド島に広がるという石灰岩平原、あちらでは人の肌や髪、目の色も薄いですがが、風景の色も薄く淡いような気がします。 ある時、小さな男の子が忽然と姿を消し行方知れずになります。それから二十数年たっても、残された母親とその祖父はそれをひきずっていて立ち直れていません。殺されたのではないか?そして殺したのは、当時ならず者と言われていた金持ちの息子ではなかったのか?彼は逃げてきたナチスのドイツ兵2人を殺して海外逃亡しました。ストーリーは、そのならず者ニルスの視点から見た過去の出来事と、現代に生きる母親ユリアと祖父イェルロフの話が交差して進みます。祖父イェルロフは年老いて不自由になりつつある体で老人ホームに入居していますが、様々な手がかりからある推測を持っていて、自分なりにあれこれ調べてみようとしますが、どうしても動きが鈍く限られた行動しかできません。それにあわせるかのように小説の進み方もゆっくりしているので、読んでいてじりじりしてくる人もいるかもしれません。実際、とても長い小説で、話をはしょろうと思えば3分の2くらいにはできたと思います。が、過去と現在の話から少しずつ明らかになってくる真相は緊迫感に満ちていて、この過程をじっくり味わうのがこの小説の醍醐味だと思います。 真相はとても意外なものでした。個人的には、ならず者ニルスにも哀れみを感じてしまいました。ただ愚かなだけで本当の悪人ではなかったのでは。そして、主人公ユリアの気持ちを思うとやりきれなくなりますが、最後、未来への希望がほの見えるところが救いでしょうか。人間性を深く描くという点では、作風がややトマス・クックに似ていると感じました。北欧ミステリ好きにはおすすめです。 | ||||
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1990年代なかばのエーランド島の出来事と、過去の出来事が交互に現れ、次第に真実が明らかになってゆく。ミステリを読むのはひさしぶりだが、北欧ミステリは初めて。 これまで読んだミステリの中では、メロドラマに近いかもしれない。北欧という風土が関係しているのだろうか。全体的に暗くて、重苦しい雰囲気があるのは仕方がない。 登場人物がやや多いと感じるのは私だけだろうか? 時折、人物一覧を見ながら、頭の中で相関関係図を作りながら読んだ。 間をおいて『冬の灯台が語るとき』『赤く微笑む春』『夏に凍える舟』も読みたい。 | ||||
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「1972年9月、エーランド島の霧の深い日にユリアの息子イェンスが突然姿を消してしまう。その日ユリアは町へ出掛けていて、家にはユリアの父であるイェルロフと母のエラが居たのだが、かねてから祖父母の庭の外の世界に興味を持ち冒険心を誘われていた6歳のイェンスは祖父母の目を盗み塀を乗越えひとり冒険の旅に出た。 だがその後彼は再び戻ることはなかった。 その事件があってから20数年後まだ深い悲しみに沈んでいるユリアの元にマルサスの高齢者ホームに世話になっているイェルロフから事件の時にイェンスが履いていたらしいサンダルの片方が彼に送られてきたとの電話が入る。今頃なぜ、一体誰が?」 エヘヘ。もっと書きたいのだが、これから読む方の為にはここまでにしておきましょう。 これは面白かったです。 最初は暗く寒々とした重い雰囲気の中で展開していくので、ウンザリしながらも読み続けていたのだが、ニルス・カントという伝説的な男の登場で俄然面白くなりどんどん引き込まれていき久し振りに集中して読めた本でした。 | ||||
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ミステリーというより、普通の小説として楽しめます。荒涼とした島の風景描写がよくて、この土地にちょっと行ってみたくなる…ものすごく寒いだろうけど。 テンポはゆっくりめです。なにせ主人公の一人が80代。スウェーデンも高齢化してるんですね。古い事件の真相を追う話とはいえ、展開の速いアメリカのミステリーに慣れた人はとまどうかもしれません。 | ||||
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エーランド島の風景と人間模様が素晴らしい。おじいちゃん頑張ったなー。 | ||||
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スティーグ・ラーソン、ヘニング・マンケル亡き後、ジョー・ネスポに期待をかけるも暴走についてゆけず。 初めて手に取ったこの物語の主人公は、人生に疲れた中年女と棺桶に片足を突っ込んだ老人。 スェーデンの小島の秋色を帯びた風景の描写や、過去と現在をフラッシュバックさせながら真相に近づいていく手法は目新しくもないが、この物語にぴったりで、最後まで飽きさせなかった。 ゆっくりとしたテンポもまた内容とあいまって沁みた。 難を言えば、最後の部分がそれまでの展開の濃さに合わなかったところか。 しかし、概ね満足である。 他の作品も順次、読んでいくつもり。 | ||||
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最初は父と娘のやり取りがダラダラとしていて、テンポのいいのに慣れた頭にはチョットきつい。 題名のような通奏低音がずっと流れているような…、ワクワクする感じはない。 ずっとモヤモヤ続いているカナシミを終わりにしたいという思いに共感。 それからは、飽きずに最後までいっきに読めた。 読後も悲しい思いはのこる。 | ||||
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北欧もののゆったりとした流れが大好きですが、陰鬱とした始まりに不安を感じました。 しかし、イェルロフの行動力と頭の良さ、意外な展開に夢中で読み進め… 結末にも納得。 シリーズを全部読みたいと思いました。 | ||||
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きめ細かい人物描写とスリリングな展開、スエーデン小説にハマっています。 | ||||
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ヘニング・マンケル亡き後のスウェーデンミステリー界を引っ張るのは、この作家かな。 北欧ミステリー独特の重く、悲しい物語の中、練りに練った筋書、最後のどんでん返し、それと登場人物や気候風土が丁寧に描かれており、素晴らしいの一言です。 | ||||
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しんみりとした上質の北欧ミステリー。 スウェーデンのエーランド島が物語りの舞台。 ネットで検索すると広々とした草原に石灰石岩が点在する風景に心が癒される。 読みながらその風景が常に頭から離れない。 物語りはゆっくりとしたペースで語られてゆく。 過去の出来事を挟み込みながら。 それがラストで繋がるときすべての事実が明かされ、得も言われぬ余韻に浸ることができる。 ジェットコースターミステリーと対極をなすとても好きな作風です。 | ||||
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20年ほど前に息子を亡くした女性が主人公。 主人公の現在進行形の物語と、それよりずっと以前、1930年代~の語りの同時並行。 その戦前の語りがどうにかして息子の死に関わるんだろうなあというのは分かるんだけど、えらくたらたら話が進んで正直読み進めるのを断念しそうになりましたが、最後の数ページの題どんでん返しというか、あ、こいつが結果的に殺したのね。となる瞬間は気持ちよかったです。 しかし、ちょっと冷静になって犯人捜しをしながら読んでたら何となく分かってたのかな。 途中までは☆二つかなってかんじで、最後の数ページで☆四つに格上げ。 あと、冬のこの時期に読むと気が滅入るかもしれません笑 | ||||
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北欧のミステリーに触れるのは 3作品目です。 行間からうつ向きがちな 空虚を自らに抱え込んだ 重たい様子が漂います。 あきらめとも同質で、どうなっていくのか終始気になって読み進めました。 こんなに寄り添うように読むのは 登場人物がお年寄りだったり、怪我だったりというだけではありません。 幼気な命に関わる真相に おずおずと近づく、そんな感じになるのです。 結末は、詰めていた息をゆったりはいて 新たに深呼吸する感じ。 笑顔は少ないかも知れません。 でも豊かな自然と、その土地に関わる人たちとの様々な交流を織り交ぜた、味わい深い作品。満足です。 | ||||
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「冬の灯台が語るとき」と同様に、北欧の歴史と冷たい風がミステリアスな雰囲気をより濃くしていきます。読みながらわたしも霧深い石灰岩の平原に引き込まれていくような怖さがありました。最後は全く予想していなかった展開。おもしろくて閉じられなくなりました | ||||
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陰気くさくて読みづらそうだなという第一印象であったが、中に込められた哀切なドラマと事件を過去から遡って運命の日に迫っていくスリリングな展開に息がつけなかった。 事件を執念で追いかけていく老船長の描写も素晴らしいが、望郷の念にかられたお尋ね者の運命も胸に迫るものがある。 人間ドラマだけでも十分読み応えがあるのだが、推理物としての伏線は張られており、最後の驚きの結末もお見事。 同じ北欧物でも軽いタッチのシリーズ物はホームドラマ的すぎであまり好きになれないが、この作品は全く別格。 | ||||
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とても静かで奥行きのある作品。エーランド島の石灰岩平原の記述が印象的です。 年おいた父とその娘が謎を追っていく筋がきですが、それがいかにも身近に感じられるのです。 取り扱われる事件そのものに突飛さがなく、喪失体験をしたものの悲哀が丁寧に書き込まれています。 派手なアクションや猟奇的な事件を題材にしなくても、人間の心の闇をえぐることはできると いう良いお手本です。 スウェーデンの人々の考え方や感じ方が日本人にもどこか通じるところがあって、 アメリカやイギリスの小説より馴染みやすいです。 | ||||
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私は普段、あまり小説は読まない人で、読むとしてもSF系の作品が ほとんどです。 そんな私が珍しくミステリーであるこの作品を書店で見かけて直感で 「面白そう」と思い購入しました。 派手アクションや凝りに凝ったストーリー展開とかは無いのですが 侘しい島の風景と重ねて丁寧に書き込まれた人物描写が秀逸で 読み進めるうちに、本作の主人公と言えるユリアとイェルロフだけでなく 逃亡を続ける殺人犯のニルス・カントに対しても憐れみというか感情移入 をしてしまいました。 ハッピーエンドの物語ではないので、虚しさや侘しさも確かにあるの ですが、それだけでない不思議な暖かさのある読後感でした。 普段、ミステリーを読まない私には、この作品への専門的で客観的な評価は 出来ないかもしれませんが「読んで良かった」と素直に思える作品だった ということは言えます。 | ||||
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あらすじだけを見ると、べリンダ・バウアーの「ブラックランズ」などに似たコンセプトの良くある物語と思いがちです。まあ実際にブラックランズと似て、過去の事件をきっかけにおかしくなった家族関係が事件の捜査を通じて変わっていくという点は同じです。 ただこちらの作品のほうがより苦く、端正な物語に仕上がっているようです。物語に苦みを与えているのは、探偵役の主人公の老い、そして挿話で描かれる逃亡者の望郷の念ではないでしょうか。 単純に犯人が憎いという話ではなく、もっと深い悲しみを垣間見せる作品は、読後、かなりの時間が経過していますが、深い印象を残しています。 | ||||
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