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点と線
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点と線の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全138件 101~120 6/7ページ
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本当に読みやすい小説。 伏線の回収や展開の仕方が、明察でありながら卒がない。 この小説を、推理小説の範として取り上げることに異論は無いだろう。 トリックを補強する小道具の数々に古さを感じるが、かえって「今の作家には到底書けない」という驚きがある。 古典には重要な記録といった側面もある。 およそ50年前の風俗の記録としての捨て置けない価値を見いだせるのが、こうした古い作品を読む楽しみでもあるのだ。 How done it.つまりは「(犯罪をもしくは偽装を)どうやってやったのか?」というアリバイを解く小説で、犯人と主人公の知恵比べを楽しむ小説。 なのだが、それを楽しむだけなら、少年向きの冒険小説や「名探偵コナン」でも読んでいればいい。 誰が一番悪いやつなのか、最後に笑ったやつが誰なのかということを、最後の章で社会の不条理とともに端的に語る技量は、まさしく文豪の所業であろう。 その内容は人それぞれとはいえ、「読後の余韻と叙情」のみが物語の目的である。 展開や設定の物足りなさを指摘するのは、小説の本来的な楽しみ方ではない。のでは? 解説も必読。 致命的なトリックの盲点を鋭く突いてる。そして、作家と読者の知恵比べの楽しさもまた、嬉々として語られている。 | ||||
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書かれた時期相応の古めかしさはあるものの、 読者に物語を「食わそう」とする誠意が感じられて、非常に読み心地が良い。超読み易い。 清張漁史の風貌には似ても似つかぬ(失礼!)ような良文であった。 純文学系作家の悪習である、難しい言葉で頁を埋めようとする傾向は微塵もない。 珍奇を衒う気が全く感じられず、読み手を引き摺り込むことを第一とした文章は、 個人的に美文ではなく良文と呼びたい。 物語がほぼ捜査する側の世界に終始しており、 物的証拠もかなり限られたものしか見出せなかったのはやや残念か。 まあ、証拠のことは作者自身も物語内で明確に指摘している訳ではあるが。 つまるところは亮子さんの趣味が個性的で、斬新かつ優雅であったのだ。 なお、鳥飼刑事の手紙に出てきた、 『この男の犯行に間違いないと信じたら、二押しも三押しもすることでございます。』 という文句はちょっと……警察のこういう思いが虚偽自白を誘発し、冤罪を生むのでは?という気もした。 余談ながら、平野謙氏のあとがきも面白い。 平野氏曰く、 『島崎藤村なら、わが運命のつたなさに涕くというようなポーズで、読者の同情を集めるところを、 わが松本清張はそんな被害者意識の私小説などに甘ったれないで、いわば犯罪小説すれすれのところまで、 主人公たちを居直らせたり、彼らの人間的呪詛を不合理な社会全体の仕組みのなかに普遍化したりするのである。』 と。 清張漁史と同年生まれの某作家を指しているように聞こえるのは私だけだろうか。平野氏の意図はいざ知らず。 | ||||
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いわゆるアリバイ崩しの作品。 容疑者には鉄壁のアリバイがある。 わずかな手がかりを元に推理し、その裏付けを取ろうと調査すると、逆にそのアリバイを確固たるものにしてしまう。 この絶望感の描写がうまい。 刑事の視点から描かれ、容疑者の心理は一切描写されない。 これも逆に想像が膨らむ。 松本清張はお堅いイメージだったが、そうでもなかった。 すらすら読める本格派。面白かったです。 | ||||
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機械工具商の安田は列車に乗る間際、行きつけの料亭「小雪」の美人 女中お時が男と、向かいのホームから列車に乗り込むのを目撃する。 一方、××省の汚職事件の捜査は大づめをむかえ、省庁の内部にまで 警視庁の手が伸びていたその矢先、玄界灘でその事件の鍵を握る実 務家、佐田が毒薬による情死をとげていた。その相手こそ、安田が先 日目撃したお時その人だったのだ…。 推理小説と二時間ドラマの世界で、没後も燦然とその名を轟かせてい る作家、松本清張。この作品は彼の代表作の一つでありながら、同時 に処女長編作というのだからすごい。おばさま方が見たがる男女の情 愛のもつれや、刑事が出張しまくる必要が生じて、各所観光事業の促 進に寄与することになる時刻表を使ったトリック、なぜだか殺害現場に 選ばれる切り立った崖など、後世に連綿と受け継がれる「二時間ドラマ 的モチーフ」の数々がちりばめられている。 推理小説としてのこの作品の画期性については、解説にて評論家の平 野謙が明瞭に解き明かしてくれている。読めばわかるがこの作品の焦 点となるのは誰が犯人かではなく、「アリバイ崩し」である。そこにこそこ の作品の画期性がある。 だが一方、問題のトリックについては今思えば、そこまでの奇抜さはない。 時代的な限界があるため、アナログな書類管理などには目をつぶるとして、 それでも平野に指摘されているとおりこのトリックにはある「欠陥」がある。 だから、劇中の「犯罪」として完成度はそれほど高くないと思われるが、そ れ以上に作品の「外」へ、後続する作品へ遺した影響は、そのトリックの瑕 疵を忘れさせるほどのものだったのだろうと推測できる。 | ||||
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本書は、推理小説の中で、「アリバイ破り」というジャンルに属するようである。 完全犯罪達成のために一寸の隙もなく用意周到にことを進めた犯人を、いかに読者に面白く伝えながら、追い詰めていくのか。ここは正に著者の筆力が問われている。 地方の老刑事と警視庁の警部補、それに警部補をサポートする主任というキャラクターの配置が、まず面白い。老刑事の着眼点は、最初から事件の解決に大きな貢献をしている。後半部分の手紙で「慢性になった常識が盲点をつく」といった警告をするにとどまらず、同一と思われていた二組の男女を別々であると想像した。あまりにも決定的な思いつきは、状況証拠を固めていく精密な作業よりも、はるかに価値の高いものである。 アリバイを固めるために、日本の鉄道網ほど有難いものはない。時刻表に従って精密機械のように動く日本の鉄道ダイヤは嘘をつかない。例の「四分間の間隙」の着想を、松本清張がいつから温めていたのかは非常に興味深い。 最後に「解説」について付記したい。そこでは「点と線」という推理小説のキズを指摘している。なるほど、言われてみると然りであり、ある最初の設定に合理的な説明が施されていない。推理小説愛好家からの厳しい批判の目を知ると当時に、自分の読者としての素人加減が浮き彫りにされてしまったようで、恥ずかしい限りである。 | ||||
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松本清張初挑戦です。 古い小説ですが、読みにくさのかけらも見当たらないきれいな文章でした。 トリックは突拍子もないものでもなく、いたって普通なところがまたいじらしい。 推理を解いていく流れが、人間らしく現実的で、リアル感の強いものとなっている。 推理を楽しむより警察がトリックを暴いていくところの人間性を読んで欲しい。 | ||||
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清張ものでは、天保図録が好きでしたが、今回有名な本書を初めて読みました。 かなり前に出版されたものにもかかわらず、大変楽しる作品でした。 福岡の地図をネットで見ながら本書みましたが、事件のあった現場海岸と駅とは本当に近いのですね! | ||||
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一気に読めました。 年代のわりには古臭い書き方ではなく、非常に読みやすかったです。 ただ物語の意外性という点では、現代の作品にも一ひねりも二ひねりもある作品 が数多ありますので、それに食傷気味の読者としてはちょっと薄かったかなあ というのが正直な感想です。 しかし、今から40年前にリアルタイムで読んでいたとしたら、 間違いなく何倍もの驚きがあり、傑作と感じることができる作品であることは 想像に難く無いです。読んで損は無いと思います。 | ||||
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社会派推理小説の「原点」と言われている作品です。 確かに、殺人事件の裏にある「高級官僚や政治家の汚職」に対する告発は、この作品のメインテーマのひとつでしょう。 ただ、小説を読み進めるにつれ、作者が本当に言いたいことが別にあるのではないかと思いました。 この殺人計画を発案し、実行の手助けをした人物は「意外」でした。 殺人の動機は、先程言ったように「汚職の隠蔽」です。佐山課長補佐は汚職の全貌を知っている張本人ですから、当然抹殺されなければなりません。単独自殺では疑われるので、犯人の顔見知りである「おとき」が情死の相手に選ばれました。 もうひとりの犯人(本当の黒幕はこのひと)は単に使いやすい理由から「おとき」を情死捏造の相手に選んだのでしょうか。 このひとは、ある理由で「おとき」に代行を頼んでいました。それは金で割り切ったはずでしたが、心のどこかで嫉妬心があったとはずです。その嫉妬心が燃え上がったときに、この凶行を決心したのだと思います。 題名の「点と線」の意味は、点が事件等の出来事、線がそれらを結びつける関係と書かれています。 もう一人の犯人(事件の絵図を描いたひと)は、結局もともと疑われていた犯人を道ずれにして(推定)自殺をとげます。「二人をつなぐ線」をどうしても切りたくなかったのでしょう。たとえ地獄の業火に焼かれても。 | ||||
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初めて松本清張の推理小説を読んだ. 「点と線」というタイトルは非常に興味を引く言葉で,この本を読む前から,日頃自分自身の思索において重要なキーワードとなっていた. したがって,この本を手にしたときには清張が「点と線」をどのように意識し表現し得ているのかに最大の興味を持って読んだ. その結果,「点」で提示されたいくつかの状況を登場人物と一緒に「線」としてゆく作業に没頭することができた. 一気に小説を読破することはほとんどないが,この本は違った. ただし,推理小説の目が肥えた者にはこの作品のプロットはわかりやすすぎるかもしれない.そこがまた自分にとってはよかったところであり,推理小説における一つの基本,素養として,読んでおいてよかったと思えるところでもある. | ||||
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時刻表を見ているうちに、急に気になって、書店へ。 しっかりありました。110刷になってましたね。 一気に読みきりました。 トリック自体は単純といえば単純ですが、それがかえって新鮮です。 何気ない会話などからヒントを得て、それを生かして成功する。 というのは今の時代でも同じですね。 常にアンテナは張っていないと、というのがよくわかりました。 | ||||
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九州福岡の海岸で見つかった心中と思しき 男女の死体。いったんは心中と片付けられた この事件の謎を追う警視庁の刑事三原と 福岡県警の鳥飼。 福岡、東京、北海道、鎌倉・・・。 いろんな場所が点が線で結ばれて、絡まりながら、 謎が解けていく。 社会派ミステリーの推理小説。 ヨメが福岡出身なので、香椎だとか行ったことがある 場所が舞台となっているので、多少イメージしながら 読めました。 だけど、時代背景が昭和30年代なので、ちょっと ピンとこないところのないわけでもない。 青函連絡船も廃され、鉄道も高速化、飛行機も 普通に乗れるようになった今では、この話の 前提も変わってくるでしょうね。 松本清張は以前、「日本の黒い霧」を読んだけど、 ひとつの事件の裏に、何か大きな黒い陰謀が隠されている っていうところに、その共通性もありながら、 それが昭和30年代だったんだなと痛感してみたり。 ある意味、今の中国にも通じるところがあるんだろうけど。 謎解きを終えた後、男の、そして女の執念の恐ろしさを 感じました。 | ||||
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1957〜58年にかけて、とある雑誌に連載された作品というから、本書は、ちょうど50年前に誕生したことになる。刑事の前に巨大な岩壁のごとく聳え立つアリバイを崩してゆく作風であるが、犯罪動機に<社会性>を盛り込んでおり、「解説」にあるように、いわゆる社会派推理小説の原点ともいうべき作品である。 1958年という年は日本が高度経済成長に突入した時期であるが、新幹線はまだ存在していない。東京・福岡間を20時間もかけて移動していた時代だ。本書から強い影響を受けたという森村誠一の『高層の死角』を読んでいたこともあり、鉄壁のアリバイトリック崩しという本書の作風にはさほどインパクトを感じなかったが(最後に真犯人とおぼしき意外な人物がキーパースンとなっている点は新鮮)、50年を経た今日においても本書は決して色褪せていない魅力を有している。本書を読まねば、『高層の死角』への絶大な影響度を知らないままでいたことになる(読む順序が逆であったことがかえって功を奏したか)。 いずれにせよ、われわれは本書が置かれた時代状況を意識して読む必要がある。<勝ち方>にはいろいろあるが、僅かな出張旅費を使って地道な捜査を続けた三原刑事のそれは、むろん<粘り勝ち>だ。決して屈せず、全身全霊を賭けてアリバイ崩しに挑む彼の姿勢は、刑事という職務上、当然といえば当然であるが、私はとても勇気付けられた(東京、福岡そして札幌という地点を結びつけるときに、列車ばかりに気をとられ、航空機の存在をすっかり忘れていたやや間抜けな人柄も記憶に残る。読んでいた私自身が、「飛行機がなかなか出てこないな?」と疑問をもったくらいだ)。 本書の小さなキズ(解説参照)に対して、著者はその後、どのような説明を行ったのか、大いに興味があるところだ。本書から<社会派推理小説>が本格化した以上、本書は必読の作品である。『ゼロの焦点』もいつか読んでみたい。 | ||||
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アリバイ崩しの推理小説です。読みやすいです。 主人公の三原の推理に、「あー、なんでまだ気が付かないの」と歯がゆい思いもしましたが、 最後の種明かしで出てくる女性については意外で「へー」と感心しました。 丁寧に書かれた推理小説のお手本のような作品だと思いました。 | ||||
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「安田辰夫は、…」この小説も人物名から書き出される。登場人物は点であり、人間関係が線。言ってしまえば、推理小説に限らず、あらゆる文学に共通している、あたりまえのことなのかもしれない。それでもあえてタイトルとしたのは、一個の人間とその関係が、推理をすすめるうえでの肝だからだ。 この作品の最も巧妙な部分は、読者を精緻なトリック、汽車や飛行機、連絡線などのダイヤのほうに目を向けさせている点だ。 しかし実際には、社会問題に主眼をおいて推理しなければ、解決がつかないようになっている、そこのところが一番すごい!と私は思う。 さすがに社会派推理小説。松本清張代表作である。 | ||||
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清張氏の代表作のひとつで大ベストセラーということは知っているし、十分おもしろく読んだ。が、いまどきのミステリーを読む感覚でページを繰っていくと、物足りなさを覚える点も。二人の刑事のキャラクターにもう少しアクというか個性があってもいいのにとか、意表を突く殺人トリックを描き周到なアリバイを用意した犯人の怖さがもっと伝わってくればいいのにとか、終わり方があっさりし過ぎて拍子抜け・・・など。 こうしたことを考えながら解説等を読んでみれば、昭和32〜33年に連載された本作は、日常に根ざし、汚職といった社会問題を絡ませた新しい推理小説の原点であり(のちに「社会派推理小説」と称されるようになる)、探偵役の人物設定を身近にいそうなごく普通の人としたことが、読者に親しみをもたらしたのだと言う。・・・なるほど。そして何より本作の魅力はトリックとアリバイ(不在の証明)破り、この点はもちろん異論はなく、それが本作の「主人公」そのものと捉えてみると、自分には一番座りがよかった。 しかし個人的な欲を言えば・・・この殺人事件に関わるある人(敢えて伏せますが)、「燐のような青白い炎」を意識の下に隠し続けていたというその人はいかなる人物だったのか、情念の炎の実体は・・・それが読みたいと思った。あのような書き方で想像をかきたてているからこそ怖さが増すのですよ、という向きもあろうかと思うけれど・・・ 近々ドラマが放映されるので、どう描かれるのか注目。大好きな役者さんが演じるので楽しみだ。 | ||||
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遠方の警察に問い合わせをするために電報の文面を考える場面。出張となれば片道だけで一昼夜となる汽車の旅。「返信が帰ってくるのは明日か」とやきもきする刑事。時代を感じます。 西村京太郎の作品が,作り続けるうちにトリックがエスカレートし,テクニカルな面白さがあったことに比べると,この作品はアリバイ崩しも難しいところは無く,拍子抜けすら覚えます。しかし事件の背景の描き込みは奥深く,それがこの作品を名作たらしめているのでしょう。 この秋ビートたけし主演でドラマ化されるようですね。せっかくの清張作品,安っぽい2時間サスペンスとは別の切り口を期待。 | ||||
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「砂の器」と本作にしか触れていない松本清張ビギナーです。 上2作に共通して感じた魅力は、 我々と等身大の、さして秀でた技能を持つわけでない刑事が、 地道に粘り強く捜査をしていく過程です。 捜査に集中しているなかで、 些細な出来事からひらめきを得る、 また一見難攻不落のアリバイを、 試行錯誤を重ね、喜怒哀楽をあらわにしながらも崩していくという、 刑事の奮闘に魅せられます。 | ||||
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とにかく滅茶苦茶面白くて1日で読み終わってしまいました。 トリックの斬新性と読者を飽きさせない構成は筆者の推理小説の中ではno1でしよう。 | ||||
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青酸カリによる変色した2体の遺体、当時の最先端の科学交通手段を駆使した、そして、読者のすぐ横にあってもおかしくない現実の虚をついたアリバイ、そしてそれを破っていく刑事の日常生活。こういったものが、静かな文体によって語られることによっいっそう生き生きとした現実的なものになって迫ってくる。 清張の社会派推理小説と呼ばれるものの誕生である。そして、こういった語り口は、現在の旗手、宮部みゆきなどにも確実に受け継がれていっているのが分かる。 ミステリ小説としては、現在のバイオレンスミステリと比べるとスピード感が足りないかもしれないが、読み込むほどに効いてくる文学作品だと思う。 | ||||
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