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ソウル・コレクター
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ソウル・コレクターの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.73pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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“ノンストップ・ジェットコースター・サスペンス”、“驚愕のどんでん返し”でアメリカ・ミステリー界を席巻するジェフリー・ディーヴァーが放った<リンカーン・ライム>シリーズ第8弾。今回、ライムと相対するのは電子データを操り、証拠を捏造し、殺人を繰り返す頭脳犯であり、異常者である。彼の手にかかった被害者は、プライベートデータをほとんど把握され、かつ自らは安全圏において、容疑者となる者のデータも改竄され、身に覚えのない罪を着せられる。物語は、ライムのいとこが殺人容疑で逮捕されるところから始まる。“そろいすぎた証拠”、“タイミングの良すぎる目撃者による通報”、“無実を訴える容疑者”に違和感を抱いたライムが調べると、過去にも似たような事件が2件起こっていた。ここからおなじみのライム・メンバーと見えざる敵との闘いがはじまる。しかし、いつものホワイトボードのプロファイリングもなかなか具体性を示さない。ライムの先手を打つ作戦もいつものように思うに任せない。神のごとき強大な力を持つ敵に、ライムと仲間たちはかつてない苦戦を強いられる。ストーリーは、各章末に、読者にスリルを抱かせるスタイルで、なるほどディーヴァーらしいジェットコースター・ライド型で進行してゆくが、お得意の“大どんでん返し”はない。しかし、われわれにとっても他人事ではない、身近な恐怖を感じさせる、まさに現代情報化社会における個人情報保護のありようをテーマにした、最先端をゆく作品である。 | ||||
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今回の敵は個人情報を悪用するサイコパス。最後まで読み進めるには充分のクオリティではある。本作の背景にあるテーマには、企業のデータマイニングであるとか、米国における公的サービスの行き過ぎた民営化などがある。本作、いつものストーリー展開のスピード感、切れはない。インターネットネットワークやコンピュータを主役に据えたのだが、そこで失敗しているようだ。「実はインターネット社会の進展で皆さんの個人情報はここまで盗まれていますよ」という恐怖を描くわけだが、この描写が荒唐無稽。リアリティが足りないので、いつののリンカーンライムもののようにぐいぐいとプロットに引き込まれない。殺し屋やテロリストのストーリーは、こちらに知識がないため、描写の粗が見えないが、インターネットや起業活動に焦点が絞られると、そうはいかない。その点でテーマの難易度が高い。もうひとつ。本作、登場人物、つまりリンカーンライムファミリーが増えすぎて、追いかけるのが大変である。チームが増えて、マンネリ感も増すという、連作ものの宿命から逃れられないように感じた。これはこれで由々しき問題だと感じるのだが。。。 | ||||
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オリジナルは2008年リリース。邦訳は2009年10月30日リリース。リンカーン・ライム・シリーズの第8作。毎年10月の最終週というのは、池田真紀子氏の名訳でジェフリー・ディーヴァーの新作がリリースされる。毎年楽しみで仕方がない。本作は彼には非常に珍しく直球勝負の作品だ。つまり、ほとんどどんでん返しがない。極悪な犯人とストレートに勝負する。うーん、ほんとに珍しい。いつものリンカーン・ライムと違って、独特の表現が出てくる。それをフツーの英語の言い回しと、比較してたりして面白い。しかし若干辛口で言わせてもらえば、スティーグ・ラーソンの『ミレニアム』を読んだ後では、ネットの世界の描き方がやはり知識不足は否めないと思う。例えば画面をコピーできなければデジカメで撮る、というやり方この手の犯人は絶対にしない。もっとカンタンでいい方法があるじゃないか、と思う。そしてあとがきが非常に興味深かった。ジェフリー・ディーヴァーは創作に当たって、リンカーン・ライムのホワイト・ボードみたいなやり方で本を書いているらしいのだ。一室を埋め尽くすかのように並んだホワイト・ボードに、章ごと、シーンごとの登場人物やエピソード、会話の運びなどをことこまかに書き込んだ紙が、テープでびっしり貼られている。ディーヴァーはこの作業に何ヶ月もかけるらしい。で、それを落とし込む原稿書きはだいたい1〜2ヶ月だけ。実におもしろい創作方法だ。捜査で犯人を分析する手法と小説を書き上げる手法は同じ、ということだ。実に興味深い。 | ||||
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リンカーン・ライム&アメリア・サックスシリーズの最新刊。今回は、リンカーンのいとこが殺人罪で逮捕されるが、それが巧妙に仕組まれた偽装である疑いが発覚し、リンカーンが調べ始めるところから始まる。犯人はそれ以外にも同様の事件を重ねており、犯人に仕立て上げられた人の個人情報をつかんでいることが分かり、データマイニングの企業にたどりつく。といった感じで、話は現代米国の個人情報収集ビジネスの裏側が描かれる。「高度情報化社会」におけるデータ収集の危なさについて取りざたされるのは、今に始まったわけではないが、情報処理技術の進歩により、現代は、想像以上に個人情報の収集、利用が容易になった。それが、悪用されるとどういうことになるか...仕事で個人情報保護担当をしたり、今は住民の個人情報を扱うシステムを構築したりしているが、自分たちが持っている「力」に気づいていない。これを利用しようとすればどういうことができるのか。自分の関心のある分野だっただけに、今回の話はとても面白かった。ただ、いつものディーヴァーの小説にしては、後半のどんでん返しもなく、ストレートなストーリー。それが物足りなさも感じさせるが、最近は行き過ぎの感もあったので、丁度いいぐらいかもしれない。この事件と並行して前作「ウォッチメイカー」の犯人もちょっと顔を出してて、またいづれリンカーンと対決する時がきそうな予感。 | ||||
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