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贖罪の街



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【この小説が収録されている参考書籍】
贖罪の街(上) (講談社文庫)
贖罪の街(下) (講談社文庫)

贖罪の街の評価: 9.00/10点 レビュー 2件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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(8pt)

市警を裏切ったのか、ボッシュ?

ハリー・ボッシュ・シリーズの第18作。ロス市警を生き甲斐としてきたボッシュがリンカーン弁護士・ミッキー・ハラーと組んで強姦殺人の容疑者を弁護するという、変則的な警察・法廷ミステリーである。
定年延長制度中にも関わらず市警を退職させられたボッシュは、異母弟のハラーを代理人に立てて市警への異議申し立てを行い、古いバイクの修理でリタイア生活を過ごそうと計画していた。ところがハラーから、女性公務員が強姦殺害された事件の犯人として逮捕された元ギャング・フォスターの弁護活動の調査員になってくれと頼まれた。被害者に残された精液のDNAがフォスターのものと一致したとして逮捕された上、刑事弁護士に協力するのは警察に対する裏切りになると考えるボッシュは協力を渋っていたのだが、事件の詳細を知るにつれ、冤罪ではないかと疑い始める。さらに、ボッシュが調査を進めると何者かがそれを妨害する事態が頻発し、ボッシュは身の危険を感じるようになった・・・。
強姦殺人の犯人探しと事件の構図を描いた黒幕の追求という、大きな二つの物語がテンポよく進み、最後はリンカーン弁護士の鮮やかな法廷戦術で幕を閉じる。つまり、フーダニットの警察ミステリーとワイダニットの法廷ミステリーの二重奏である。警察からは蛇蝎のごとく嫌われているハラーに協力することで苦悶するボッシュだが、その正義を貫く態度が警察内にも仲間を作り出し、信念を貫き通す美学は本シリーズの真骨頂である。
ボッシュ・シリーズ、リンカーン弁護士シリーズのファン、コナリーのファン、さらに警察ミステリーのファンに自信を持ってオススメする。

iisan
927253Y1

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