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刑事マルティン・ベック 消えた消防車



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刑事マルティン・ベック 消えた消防車の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

始まりは派手だけど、意外に地味なストーリー

警察小説の金字塔「マルティン・ベック」シリーズの新訳版、第5作。突然、爆発炎上したアパートから発見された死者の隠された謎を解いていく、警察捜査ミステリーである。
ピストル自殺した男のベッド脇に残された紙にはマルティン・ベックの名前が書かれていたのだが、ベックは自殺した男の名前さえ聞いた記憶がなかった。同じ日、ラーソン警部補が監視していたアパートが爆発炎上し、ラーソンは住人を救い出すべく奮闘したのだが数人が焼死体で発見され、その中に監視対象の男・マルムが含まれていた。ベックたちが捜査を進めると、奇妙なことにマルムは自分の部屋で自殺を図ろうとしていた形跡が見つかった。さらに、通報を受けて出動したはずの消防車が現場に到着しなかった事態も発覚し、事件の謎は深まる一方だった…。
出動したのに到着しなかった消防車、さらにルン警部補が息子に買い与えたのだがいつの間にか姿を消したおもちゃの消防車、という二つの謎が物語全体の通奏低音となり、ゆったりと静かに、しかし着実に進んでいく捜査が意外なきっかけから解決に辿り着き、おまけとして派手なクライマックスを迎えることになる。現在の感覚からするとスローすぎる展開だが、そこに味わいが生まれていることは確かである。お馴染みの登場人物たちの日々の悩みや喜びが丁寧に描写されるのも、一つの楽しみである。
せっかく5作目まで来た新訳版シリーズだが、まだ5作も残して、これで打ち切りになると言うのは残念。いつか再開してもらいたいものである。
マルティン・ベック信奉者、警察ミステリー愛好家にオススメする。

iisan
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