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IQ



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【この小説が収録されている参考書籍】
IQ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

IQの評価: 6.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

IQの感想

アイゼイア・クィンターベイ。通称IQ。探偵役となるこの黒人青年は非常に魅力的でした。一見冷めた性格のようで内情は熱い一面もある。彼の行動を読む所はとても楽しめました。
個人的に馴染みのない黒人社会が描かれており、会話テンポのノリやラップ調なども含めて新鮮な世界観でした。ただ、文化的内容と事件が密接に絡んでくるかというとそういうのではないので、事件外の内容が楽しめるかが好みの別れどころかと思います。自身があまり興味を持てなかったのでノイズに感じたり頭に入らなくて楽しみ辛かったです。
シリーズ化を狙った1作目の為か、主人公の過去や伏線的に気になる内容が未解決で幕を閉じているのも気になるところ。1作で完結しているものが好きなので、色々と好みと逸れていた作品でした。

egut
T4OQ1KM0
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

新たなハードボイルドヒーロー登場

50代後半の日系人作家のデビュー作。2017年のシェイマス賞など3つの新人賞を受賞し、MWA、CWAの最優秀新人賞にもノミネートされたという傑作ハードボイルドミステリーである。
主人公の黒人青年アイゼイア・クィンターベイは、通称IQと呼ばれ、地域の黒人社会から様々な問題を持ち込まれる、便利屋的な無免許の私立探偵である。社会の役に立てばいいというスタンスで仕事をしていたIQだったが、世話をしている身体障害の少年のために大金が必要になり、高校時代の泥棒仲間であるドッドソンの口利きで、大物ラッパー・カルの仕事を請け負った。カルはある夜、自宅で巨大なピットブルに襲われて殺されそうになったので、犯人を捜してもらいたいという。防犯ビデオを見たIQは、巨大な犬を操る男の存在を発見し、この男がプロの殺し屋であると推定。わずかな手がかりから凶悪な犯人を追い詰めて行く。
物語は、ラッパー襲撃犯を追い詰めるパートと、頭のいい高校生だったIQが便利屋的な探偵になるきっかけとなった過去の出来事のパートが交互に繰り返されて展開するのだが、双方のつながりが分かりやすいので読み辛さは全く感じない。というか、物語に奥行きの深さが加えられている。さらに、ラップを中心にした黒人音楽の世界、LAの黒人とヒスパニックのギャングたちの抗争などが彩りを添え、非情に読み応えがある。
すでに第2作は発表されており、今年中に第3作も発売予定というので、邦訳が待ち遠しい。
ハードボイルドファン、テンポのいいサスペンスのファン、軽めのアクションミステリーのファンにオススメだ。

iisan
927253Y1

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