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IQ



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【この小説が収録されている参考書籍】
IQ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

IQの評価: 6.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

新たなハードボイルドヒーロー登場

50代後半の日系人作家のデビュー作。2017年のシェイマス賞など3つの新人賞を受賞し、MWA、CWAの最優秀新人賞にもノミネートされたという傑作ハードボイルドミステリーである。
主人公の黒人青年アイゼイア・クィンターベイは、通称IQと呼ばれ、地域の黒人社会から様々な問題を持ち込まれる、便利屋的な無免許の私立探偵である。社会の役に立てばいいというスタンスで仕事をしていたIQだったが、世話をしている身体障害の少年のために大金が必要になり、高校時代の泥棒仲間であるドッドソンの口利きで、大物ラッパー・カルの仕事を請け負った。カルはある夜、自宅で巨大なピットブルに襲われて殺されそうになったので、犯人を捜してもらいたいという。防犯ビデオを見たIQは、巨大な犬を操る男の存在を発見し、この男がプロの殺し屋であると推定。わずかな手がかりから凶悪な犯人を追い詰めて行く。
物語は、ラッパー襲撃犯を追い詰めるパートと、頭のいい高校生だったIQが便利屋的な探偵になるきっかけとなった過去の出来事のパートが交互に繰り返されて展開するのだが、双方のつながりが分かりやすいので読み辛さは全く感じない。というか、物語に奥行きの深さが加えられている。さらに、ラップを中心にした黒人音楽の世界、LAの黒人とヒスパニックのギャングたちの抗争などが彩りを添え、非情に読み応えがある。
すでに第2作は発表されており、今年中に第3作も発売予定というので、邦訳が待ち遠しい。
ハードボイルドファン、テンポのいいサスペンスのファン、軽めのアクションミステリーのファンにオススメだ。

iisan
927253Y1

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