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キリング・ゲーム



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【この小説が収録されている参考書籍】
キリング・ゲーム (文春文庫 カ 10-7)

キリング・ゲームの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

シリーズの流れが見えなくなった

カーソン・ライダー刑事シリーズの第9作。邦訳ではシリーズの6作と8作が抜かされているので、7冊目になる。前作「髑髏の檻」がちょっとダレてきたように感じて心配だったのだが、本作は元のシリーズに戻ったような緊張感溢れる作品で安心した。それにしても第6作と8作が何故抜かされたのか?、シリーズ愛読者としては気になるところである。
自転車に乗っていた女子大生、車いすの黒人少年、若い白人男性の介護士が、相次いで殺害された。被害者の社会的属性に共通点は無く、犯行に使われた凶器もバラバラの事件だったが、これは犯人がライダー刑事に挑戦するための犯罪だったことが判明する。市警本部長を始めとする上層部や被害者家族からも「事件を引き起こした』として、いわれなき非難を浴びながら、ライダー刑事は相棒ハリーとともに犯人探しに奔走するのだが、犯人の手がかりはまったく掴むことができなかった・・・。
本作では、これまでのライダー刑事の一人称での語りだけでなく、随所に犯人グレゴリーの語りが挿入されており、犯人探しではなく、警察による捜査と犯行の背景の解明がメインストーリーとなっている。さらに、ライダー刑事の恋愛エピソードが花を添え、サスペンス一辺倒ではないエンターテイメント作品に仕上がっている。また、カーソン・ライダー自身に大きな変化が訪れそうな幕切れになっているのも見逃せない。
犯人の凶悪さが際立っているという点では、サスペンス小説として高ポイントだが、犯人の生い立ちを知ると暗くて重い気分になってしまう。残酷なシーンや嫌悪感を招きかねない描写がいくつもあるので、小説の描写に影響を受けやすい方にはおススメできない作品であり、ことに犯人グレゴリーのパートを読むときは気持ちを強く持って対応することをオススメする。
シリーズの流れに大きく影響しそうな作品だけに、できれば第1作から読むことをオススメしたいが、本作だけでも十分に楽しめることは確かである。

iisan
927253Y1

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