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ありふれた祈り



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ありふれた祈り
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ありふれた祈りの評価: 7.33/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.33pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

叙情派の成長小説

講談社文庫「コーク・オコナー」シリーズで知られるクルーガーのシリーズ外作品で、初めて早川のポケミスで発売され、翻訳者も従来とは異なっている。
物語の舞台はオコナー・シリーズと同じミネソタ州だが、北部の森林地帯ではなく、広大な農地が広がる南部の田舎町である。13歳の少年フランクは、牧師の父、音楽や文芸に関心が深い母、音楽の才能にあふれた優しい姉、吃音に悩む弟という家族に囲まれて幸せに暮らしていたが、同い年の少年が列車にはねられて死亡したことをきっかけに、身近な人々のさまざまな死と遭遇し、次々と現れる大人の世界の過酷な現実に否応なく向き合い、大人への階段を上ることになる。
ミステリーとしての本筋は姉の死の真相解明であり、最後の真犯人の判明にさほどの驚きはないものの破綻のない構成で十分に読ませる。だが、本書の魅力は中西部の田舎町のコミュニティの人間関係と、そこで成長する少年の感性のみずみずしさの描写の方にある。amazonのレビューでも触れられているように、トマス・H・クックやジョン・ハートに通じる叙情たっぷりな物語で、しみじみとした読後感が味わえる。
派手なアクションやサイコパスの異常な犯罪に辟易としているミステリーファンにオススメだ。

iisan
927253Y1

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