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【ウィリアム・K・クルーガー】
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ありふれた祈りの評価:
7.33/10点 レビュー 3件。 B ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点7.33pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
アメリカの田舎町
普通でした。映画になりそうな話でした。
叙情派の成長小説
講談社文庫「コーク・オコナー」シリーズで知られるクルーガーのシリーズ外作品で、初めて早川のポケミスで発売され、翻訳者も従来とは異なっている。物語の舞台はオコナー・シリーズと同じミネソタ州だが、北部の森林地帯ではなく、広大な農地が広がる南部の田舎町である。13歳の少年フランクは、牧師の父、音楽や文芸に関心が深い母、音楽の才能にあふれた優しい姉、吃音に悩む弟という家族に囲まれて幸せに暮らしていたが、同い年の少年が列車にはねられて死亡したことをきっかけに、身近な人々のさまざまな死と遭遇し、次々と現れる大人の世界の過酷な現実に否応なく向き合い、大人への階段を上ることになる。ミステリーとしての本筋は姉の死の真相解明であり、最後の真犯人の判明にさほどの驚きはないものの破綻のない構成で十分に読ませる。だが、本書の魅力は中西部の田舎町のコミュニティの人間関係と、そこで成長する少年の感性のみずみずしさの描写の方にある。amazonのレビューでも触れられているように、トマス・H・クックやジョン・ハートに通じる叙情たっぷりな物語で、しみじみとした読後感が味わえる。派手なアクションやサイコパスの異常な犯罪に辟易としているミステリーファンにオススメだ。
ありふれた祈りの感想
トマス・H・クックの「緋色の記憶」が好みの人にはこの本もお気に入りとなるでしょう。語り手が四十年前のひと夏の記憶を回想する形で書かれたミステリです。丹念に生活の様子や土地の風土と当事の社会情勢などが描かれ、少年フランクの心の内や弟と過ごす田舎町の毎日が読み手の心に沁み込んで来ます。ミステリといっても、ひとつの家族の物語となっています。父と母のちょっとした感情のすれ違い。吃音で友達のいない弟。芸術家肌の母に似た姉。ひと夏に三人の人の死に13歳の少年フランクは遭遇し、これまで知らなかった大人の世界を垣間見ることになります。他のレビューにあるとうりもうひとつの「スタンドバイ・ミー」として見る事も出来る上質な物語です。秀逸なのはエピローグだと思います。過ぎ去ったひと夏、その時間の経過と共に去っていった人たちの様子を語りながら、フランクと弟と父が会うシーンがとても良い余韻となって物語を締めくくっています。最後の明らかになる真実の様子も無理が無く、地方の小さな町の人間模様がきめ細かな筆致で描かれていてどの人物も確かにそこに生きていた、そう実感できるヒューマンな物語でもあります。
普通でした。映画になりそうな話でした。