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ありふれた祈り



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【この小説が収録されている参考書籍】
ありふれた祈り
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ありふれた祈りの評価: 7.33/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.33pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

ありふれた祈りの感想

トマス・H・クックの「緋色の記憶」が好みの人にはこの本もお気に入りとなるでしょう。語り手が四十年前のひと夏の記憶を回想する形で書かれたミステリです。丹念に生活の様子や土地の風土と当事の社会情勢
などが描かれ、少年フランクの心の内や弟と過ごす田舎町の毎日が読み手の心に沁み込んで来ます。ミステリといっても、ひとつの家族の物語となっています。父と母のちょっとした感情のすれ違い。吃音で友達のいない弟。芸術家肌の母に似た
姉。ひと夏に三人の人の死に13歳の少年フランクは遭遇し、これまで知らなかった大人の世界を垣間見ることになります。他のレビューにあるとうりもうひとつの「スタンドバイ・ミー」として見る事も出来る上質な物語です。
秀逸なのはエピローグだと思います。過ぎ去ったひと夏、その時間の経過と共に去っていった人たちの様子を語りながら、フランクと弟と父が会うシーンがとても良い余韻となって物語を締めくくっています。
最後の明らかになる真実の様子も無理が無く、地方の小さな町の人間模様がきめ細かな筆致で描かれていてどの人物も確かにそこに生きていた、そう実感できるヒューマンな物語でもあります。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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