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パンチとジュディ



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パンチとジュディの評価: 3.00/10点 レビュー 1件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt

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No.1:
(3pt)

やりたかったことが理解されなかった作品

結婚式を明日に控えたケン・ブレイクは突然H・Mの要請により、隠密活動を頼まれる。予てより情報部が追いかけていた国際的ブローカー“L”の居場所を現在イギリスに滞在中の元ドイツ・スパイ、ホウゲナウアが知っており、二千ポンドでその情報を売ろうとしているので、その前にホウゲナウアの家に忍び込み、それらの情報を手に入れて欲しいというのだ。
ホウゲナウアの住む町モートン・アボットへ向かい、手違いから現地の警察に追われる身になったケンは苦労の末、ホウゲナウアの住む<カラマツ荘>に辿り着く。しかしその中で観たのは顔に微笑を湛えたまま、息を引き取ったホウゲナウアの姿だった。

道化役を演じたケンの東奔西走する姿が描かれる前半は今までのカー作品と違うドタバタスパイ劇のようで、読者はH・M卿の意図が解らぬまま、ケンと一緒に迷走させられる。やがて物語は大規模な偽札事件へと発展していくのだが、この辺の話は複雑すぎて頭に入りにくかった。
題名の「パンチとジュディ」はドタバタ喜劇の人形劇の名前に由来する。

もう一度読めば、それぞれの事柄について犯人の作為を思い浮かべながら読めるかもしれないが、それは遠慮したい。

ところで18章にて登場人物にさせられる犯人当てはもしかしたらカーなりの“読者への挑戦状”だったのかもしれない。その挑戦に私は敗れてしまったが、果たしてこの犯人を当てられる読者はいるのだろうか?恐らくカーは見破られない自信があったからこそ、今回あえてこのような挑戦状を盛り込んだのはないだろうか。だとしたら、かなりの負けず嫌いだなぁ、カーは。

しかしホウゲナウアとケッペルの殺人事件の真相はちょっとがっかりした。遠距離で起きた2つの同種殺人(どちらもストリキニーネによる毒殺)の謎が非常に魅力的だっただけに残念だった。
この二つの殺人は本作のもっとも際立つ場面であるのに、真相が明かされたら実は単なる物語の末節に過ぎなかったというのが驚いた。これがカーのケレン味なのか?いやはや・・・。

しかし本作で災難なのはケンとイヴリンの二人である。親戚とはいえ、結婚式の前日にこんな困難な仕事を頼むかね~、普通?

▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S

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