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制裁



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制裁の評価: 7.00/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(8pt)

現実に存在している、あまりに不合理な人々

スウェーデンのジャーナリストと服役囚支援者という異色コンビが生み出した「エーヴェルト・グレーンス警部」シリーズのデビュー作。2005年の「ガラスの鍵」賞受賞作で、日本では絶版になっていたのだが「三秒間の死角」、「熊と踊れ」などの人気によって2017年に再文庫化された作品である。
服役中の少女連続殺人犯・ルンドが病院への護送中に脱獄した。警察が全力を挙げて捜索するのだが逮捕に至っていない中、5歳の娘・マリーを保育園に送っていったフレドリックはテレビを見て驚愕する。娘の保育園の前で見かけた男が逃亡犯として映っていた。半狂乱になったフレドリックが保育園に駆けつけるのだが、すでに娘が行方不明になっていた・・・。
ルンドの逃走と犯罪、フレドリックの苦しみと悲しさ、犯人を追いかける警察、さらに刑務所内での憎悪という、4つの物語が並行して進んでいく。全500ページの内、300ページほどでルンドとフレドリックの関係、幼女殺害事件は終止符が打たれるのだが、残りの200ページで犯罪と処罰に関する極めて重い問題が提起される。被害者側の報復感情は、どこまで許容されるのか? 目には目を、報復的処罰は正義なのか?
犯罪に対する厳罰化が当たり前のように声高に語られる現代の日本にも通じる救いのなさと怖さが、恐怖感を生む。
シリーズ第1作だが、グレーンス警部たちが主役ではなく、またキャラクターも確立されていない。従って、グレーンス警部シリーズというより単発の社会派ミステリーとして成立しており、北欧ミステリーファンには安心してオススメできる。

iisan
927253Y1
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

感想

読む人によって、捉え方が大きく異なる物語ではないかと思います。
刑罰の制度が日本とは大きく異なり、スウェーデンでは死刑制度がありません。
と言うか、採用している国の方が世界では圧倒的に少ないのですが、そのことの是非は別にしても、あまりにも人権意識の高さのゆえか、犯罪者に対して寛容すぎるような気がしました。
罪とは何なのか?
虐待されて成長した子どもが犯罪者になってしまった時、それはどこまで情状されるのか、個人の尺度によって大きく違ってくるのだろうなあと。
ただ、復讐やリンチでは何も解決はしないと言うのは間違いないと思うのです。
問題提議としてはすばらしいフィクションですが、これが本当にスウェーデンと言う国の現実なら、ひどいなあと言うか、とにかく救いのない終り方がなんだかなあと思ってしまいました。

たこやき
VQDQXTP1

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