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闇の記憶



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【この小説が収録されている参考書籍】
闇の記憶 (講談社文庫)

闇の記憶の評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

大成功の実験作

保安官コーク・オコナーシリーズの最新作は、極めて大胆な実験が見事に成功した作品だ。
実験とは、大きな一つのストーリーを二つの作品として完成させること。本作品は本作品として完全に成立しながら(読者に十分な満足を与えながら)、次作への渇望感をかきたてるラストシーンが実験の成功を物語っている。
小説の冒頭にいきなり「結末」の章が出てくるというオープニングに意表を突かれるが、保安官に復帰したコークが偽の緊急通報に呼び出され、銃撃されるところから始まるストーリーは、さらに別の殺人事件とつながり、犯人の追跡、黒幕の追求、さらには愛妻・ジョーの過去やコークの動揺など複雑な要素が絡み合って、どんどん読者をひきつけてゆく。最終的には、捜査は「結末」を迎えるのだが、そこはまた新たな展開(次作)のスタートになっているという、複雑さ。一歩間違えれば、ミステリーとしては「トンでも本」になるところだが、さすがにクルーガー、破たんなく仕上げている。
いつも冷静沈着で意志堅固なコークが、ジョーの過去に嫉妬したり、謎のセキュリティコンサルタントの美女に心を動かされるところが、優柔不断な凡人である私などは個人的に共感できたというのも、また一興、シリーズの新しい側面を見た印象である。

注意:この作品の「あらすじ」は間違って、「二度死んだ少女」のものが掲載されています。

iisan
927253Y1

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