大川を生首が流れ、その首をのせた板には「獄門舟」と書かれていた。

H製糖株式会社取締役・川手庄太郎は差し出し人不明の脅迫状に悩まされていた。

展覧会場から、はたまた侯爵邸から、まんまと目当ての品物を盗み出す怪人が出没した。

美術商・稲垣平造が女事務員募集の広告を出した。その広告にひかれて稲垣のもとを訪れた里見芳枝は、その日から消息を絶った。

グラスが二つ載ったテーブルを挾み、対峙する二人の男。夏の末以来、塩の湯A旅館に居つづけの湯治客だ。

*収録作品 緑衣の鬼 幽霊塔 自作解説 解題 註釈 解説　　海外作品をもとにしながら手法の異なる二作／山前　譲 乱歩氏一流のお世辞／伊藤秀雄（黒岩涙香研究家） 「君は学校へ行っている頃、原稿を送ってきたことがあったね、あれは歳の割によくかけていたよ」などと

悪魔の子と白鳥の騎士との虚々実々の戦い!巨匠・江戸川乱歩が練りに練った物語のおもしろさを十二分に発揮した傑作怪奇長編!親子二代にわたる因果物語の結末は?明治の末、台湾航路の客船・宮古丸が沈没し、有明友定男爵と親友の大曽根五郎、家扶の久留須左門の3人は果てし

九州の西岸にあるS市の旧家大牟田家のあるじ、子爵の敏清は、当時18歳の美女瑠璃子を妻とし、親友川村義雄と三人でしあわせな日をおくっていた。

D坂の古本屋の細君が殺された!その死体には生傷がたくさんあった!D坂のカフェー白梅軒で知り合いになったわたしと明智小五郎は、犯人さがしに懸命になった。

密室状態での恋人の死に始まり、その調査を依頼した素人探偵まで、衆人環視のもとで殺された蓑浦は、彼に不思議な友情を捧げる親友諸戸とともに、事件の真相を追って南紀の孤島へ向かうことになった。

築地に奇妙な西洋館が建っていた。正方形の敷地を対角線で半分に割り、建物も中央のエレベーターを境に分割されている。

妖美幻想の世界を描く巨匠・江戸川乱歩の代表的名作! 名古屋市のある資産家の次男、青木愛之助は猟奇の徒であった。

蕗屋清一郎が下宿屋をいとなむ老婆を絞殺した。老婆がためていた大金をねらって…。

『江戸川乱歩全集』は昭和三十六年十月十日~昭和三十八年七月二十日発行の桃源社版全集全十八巻を、外函と外カバーを付して限定覆刻したものです。

社交界の花形で、腕に黒いトカゲの刺青をしたその女は、実は「黒トカゲ」と呼ばれる暗黒街の女王、恐るべき女賊であった。

『日本探偵小説全集2江戸川乱歩集』『D坂の殺人事件』につづく乱歩の短編集成。

『算盤が恋を語る話』につづいて、大正十四年七月から十五年十月にかけて発表された十編「百面相役者」「一人二役」「疑惑」「接吻」「踊る一寸法師」「覆面の舞踏者」「灰神楽」「モノグラム」「人でなしの恋」「木馬は廻る」を収録、短編作家時代の掉尾を飾る作品集である。

工学博士・五十嵐東三の大いなる夢は、東京・ニューヨーク間を5時間で飛ぶ超高速機の試作であった。

シナリオ・ライター北村克彦は高利貸し股野重郎の妻あけみと通じ、股野を絞殺した。

大学を出たばかりの青年会社員・神谷芳雄がめぐりあったあそるべき怪事件。

M県のI湾に浮かぶ沖の島に突如として出現したものはなんであったか?富豪菰田源三郎と瓜二つの小説家人見広介は、源三郎が死んだのを幸いに源三郎になりすまし、菰田家の莫大な財産をもって、おのが空想した夢のパノラマ島をつくりあげた。

オープンカーが車輪を石畳の外へと踏み外し、乗せられていた石膏像が投げ出された。

あらすじ 郷田三郎は引っ越したばかりの下宿で、偶然、屋根裏への入口を見つける。

日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。

見るも無残に顔が潰れた死体、変転してゆく事件像(『石榴』)。

実業家小山田六郎氏の夫人静子を脅迫する陰獣・大江春泥のナゾを追求するわたしのまえに展開していった驚嘆すべき真相は何であったか?昭和3年発表の傑作中編「陰獣」と、初期の名作3編を収めた乱歩傑作集!

大正末年から昭和初期に刊行した江戸川乱歩の創作集を完全復刻。生誕100年記念。

外務省書記官夫人である佳子は、美しく才能豊かな女流作家としても知られていた。そんな佳子の元へある日長文の手紙が届く。

本全集には、従来の著者の全集に見られない特徴がある。それは全作品にわたって、著者自身が校訂をしたことである。

わたし、野間五郎は青年時代から物忘れの大名であり、友人から、空気のようにたよりない男といわれ、そこから「空気男」というあだなが生まれていた。

大金を盗んだ紳士泥棒がつかまった。だが金の隠し場所は白状しない。

少年探偵団員からスリの疑いをかけられた玉村銀一君。身に覚えのないその悪事は、実は自分にそっくりの偽者が働いていた。

話は「シドッチの石」に始まる―それは何処に?警部は小岩井、探偵は尾形修平。

大正末期、大震災直後の東京にひとりの異才が登場、卓抜な着想、緻密な構成、巧みな語り口で読者をひきこむ優れた短篇を次々と発表していった。

純真で無垢な少年の姿は、大人の心を洗い清めてくれる―だが、誰しも少年だったころの昔日を思い返してみれば、他者への憎悪や妬み、邪悪で穢れた心の存在も否定できない。

黒い森の中の西洋館。

軽井沢の豪奢な別荘「白樺荘」に、莫大な遺産を相続することになった四人の男女が集まった。

東京の千川上水沿いで連続する“通り魔”事件。いずれも若く太った女性が臀部を切りつけられ、被害者は数を増すばかり。

春田龍介、中学二年。学業優秀、推理抜群。

魚津へ蜃気楼を観に行った帰りの汽車の中、二等車内には「私」ともう一人、古臭い紳士の格好をした60歳とも40歳ともつかぬ男しかいなかった。

唐後期、特異な建築「方壺園」で起きた漢詩の盗作をめぐる密室殺人の他、乱歩賞・直木賞・推理作家協会賞を受賞したミステリの名手による傑作集。

これは悪夢か現実か。独自の美意識に貫かれた淫靡かつ幻想的な世界を築いた異色の作家。

売れないもの書きの廣介は、極貧生活ながら、独特の理想郷を夢想し続けていた。

欧米では、世界の短編推理小説の傑作集を編纂する試みが、しばしば行われている。

珠玉の推理短編を年代順に集成し、1960年初版で以来版を重ね現在に至る『世界短編傑作集』を全面リニューアル! 第3巻にはフィルポッツ「三死人」、クリスティ「夜鶯荘」、ワイルド「堕天使の冒険」、ユーステス「茶の葉」、ウイン「キプロスの蜂」、ロバーツ「イギリス

『黒死館殺人事件』で有名な博覧強記の名探偵・法水麟太郎。

幕末の江戸。