玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。

強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。

些細な事件が大騒動に発展していく、パニックコメディの大傑作！ 一億の契約書を待つ生保会社のオフィス。

事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。

特殊能力を持つ“在色者”たちが、“途鎖国”の山深くに集まる“闇月”。殺戮の風が、次第に暴れ始める―。

魅惑のウイルスを求め、世界中を飛び回る凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。

シリーズ第一作「MAZE」で非凡な才能を見せた神原恵弥。その彼が北国のH市を訪れた。

青い田園が広がる東北の農村の旧家槙村家にあの一族が訪れた。

太古の森をいだく島へ―学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。

「模倣犯」事件から9年が経った。

パーティー会場で孤独だった私に、不思議な目をした少女が突然声かける。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

舞台の上の、暗がりの向こう。そこには何かが隠されている。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

あたしは主人公にはなれない―。関根夏はそう思っていた。

懐かしい故人と再会できる場所「アナザー・ヒル」。

いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。

「何かが教室に侵入してきた」。学校で頻発する、集団白昼夢。

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。

瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げた。

都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。

突然の閃光と業火―それが路線バスを襲った。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

ぼくは、ぼく自身の戦争をどう終わらせたらいいのだろう―戦争が残した傷跡から回復できないアフリカの少年兵の姿を生々しく描き出した表題作をはじめ、盟友である芥川賞作家・円城塔が書き継ぐことを公表した『屍者の帝国』の冒頭部分、影響を受けた小島秀夫監督にオマージュ

私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ―。

19世紀末―かのヴィクター・フランケンシュタインによるクリーチャー創造から約100年、その技術は全欧に拡散し、いまや「屍者」たちは労働用から軍事用まで幅広く活用されていた。

墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。

『あれ』と呼んでいる謎の存在と闘い続けてきた拝島時子。『裏返さ』なければ、『裏返され』てしまう。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。

耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。

暗号名ソリッド・スネーク。

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。

異母兄が奈良で消息を絶った。たったの二度しか会ったことがない兄の彼女に誘われて、私は研吾を捜す旅に出る。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな―二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。

舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。 一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。

「知りたいですか」。郷土史家を名乗る男は囁く。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。

過去を変えることはできるのか。

高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた平野勇気19歳。林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。

北から南へ、そして南から北へ。

九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。

『月の裏側』の塚崎多聞、再登場!詩情と旅情あふれる、恩田陸版「怖い話」。