二十二年前、妻と姦夫を成敗した過去を持つ地方藩の執政・阿部重秀。

その誇りに、囚われるな―。鉄砲百人組の老武士、山岡晋平。

小さな道場を開く浪人が、ふとしたことで介抱することになった行き倒れの痩せ侍。

藩命により友を斬るための刀を探す武士の胸中を描く「春山入り」。

太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようか―。

切り立った岩の上で独り稽古を積む、藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男・屋島剛(やしまたける)。

どの藩の経済も傾いてきた寛延三年、藩札掛となった奥脇抄一郎は命を賭すにたる御勤めと確信。

『機織る武家』血の繋がらない三人が身を寄せ合う、二十俵二人扶持の武家一家。生活のため、後妻の縫は機織りを再開する。

事件は人間の内にある。 直木賞受賞後、第一長篇。

幼馴染が殺された。伊賀を知らぬ伊賀者だった。

村に染まれず、江戸に欠け落ちた男たち。当時の江戸は一季奉公の彼らに支えられていた。

特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。

囲碁界では有名な老舗旅館で発生した怪死事件。

本屋の私が行商に出向いたのは、孫ほどの娘を後添えに迎えた名主宅。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。

離縁して三年半もたつのに、なぜ元妻は元夫を刺したのか。

「死者の提示する謎を、先生が解き明かしてくださいーー」 推理作家として難事件を解決してきた香月史郎【こうげつしろう】は、心に傷を負った女性、城塚翡翠【じょうづかひすい】と出逢う。

埼玉県天木山山中で発見された白骨死体。

武士が護るべきは、主君か、家族か。

静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。

巣鴨の路地裏にひっそり佇む、遺影専門の写真館。祖母の奇妙な遺言が波紋を呼ぶ(「一つ目の遺言状」)。

橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齢六十七歳。

平穏だった家族が少年事件によって崩れていくさまを描く心理サスペンス。

神紅大学ミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究会の夏合宿に興味を抱き、同じ大学に在席する美貌の探偵、剣崎比留子と共に紫静荘を訪ねた。

密室状況の第一美術準備室で、何者かに襲われた女子生徒が発見された。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。

ようこそ。ここは地球の歴史がいちど終わったあとの新しい世界―弱肉強食の大西部。

いまだ人を斬ったことがない貧乏御家人が刀を抜くとき、なにかが起こる。第18回松本清張賞受賞作。

VS帝国陸軍1000人 たった二人の六日間戦争 小曽根百合――実業家・水野寛蔵の下、幣原機関で訓練を受け、十六歳で実地任務に投入。

「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。

新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。

大切な人を殺された者は言う。「犯罪者に復讐してやりたい」と。

全身に“顔”が発症する奇病“人瘤病”が蔓延した日本。

楽しさを追求したら、こういう小説になりました。

聖女伝説が伝わる里で行われた婚礼の場で、同じ盃を回し飲みした出席者のうち、毒死した者と何事もなく助かった者が交互に出る「飛び石殺人」が発生。

2002年、省都A市でひとりのベテラン刑事が命を落とし、復讐の女神の名を冠す謎の人物〈エウメニデス〉による処刑の序曲は奏でられた。

畠山警視は実技を伴うスカイマーシャルの訓練中、壁に直面する。彼女は共に難事件を乗り越えた竜崎に助言を求めた(「訓練」)。

周囲から「善人長屋」と呼ばれる千七長屋。差配も店子も表向きは堅気のお人好し揃いだが、実は裏稼業を営む悪党だらけ。

助産院に勤める紗英は、不妊と夫の浮気に悩んでいた。彼女の唯一の拠り所は、子供の頃から最も近しい存在の奈津子だった。

娘の嫁ぎ先を攻め滅ぼすことも厭わず、下克上で成り上がる戦国大名・宇喜多直家。その真実の姿とは一体…。

廃病院に集まった十二人の少年少女。彼らの目的は「安楽死」をすること。

之島のホテルで梨田稔(69)が死んだ。警察は自殺と断定。

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。

高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。

一揆から三年、豊後羽根藩の欅屋敷で孤児を見守る女・楓の許に、謎の男・草薙小平太が訪れる。

俊英と謳われた豊後羽根藩の伊吹櫂蔵は、役目をしくじりお役御免、いまや“襤褸蔵”と呼ばれる無頼暮らし。

警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。

「誰の心にも淀みはある。

刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独――。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。

時は元禄、東北の小藩の山村が、一夜にして壊滅した。隣り合い、いがみ合う二藩の思惑が交錯する地で起きた厄災。

有能だが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ第4弾。

英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。

独り身上等! 結婚は初恋のあの人とする。