膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。

二十一年前、岐阜県美濃加茂地方で、運送会社を経営する一家が襲われた。

些細な事件が大騒動に発展していく、パニックコメディの大傑作！ 一億の契約書を待つ生保会社のオフィス。

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。

ワールドカップを転戦する日本スキーチームのメンタルコーチ・望月篠子は、同行していた学者から、ある人物に書類を届けてほしいと依頼される。

元裁判官で、現在は大学教授を務める梶間勲の隣家に、かつて無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。

「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。

闇に身を潜め続ける犯人。

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。

堀井香恵は、文具店でのアルバイトと音楽サークルの活動に勤しむ、ごく普通の大学生だ。

青い田園が広がる東北の農村の旧家槙村家にあの一族が訪れた。

鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。

あたしは主人公にはなれない―。関根夏はそう思っていた。

強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。

太古の森をいだく島へ―学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。

懐かしい故人と再会できる場所「アナザー・ヒル」。

シリーズ第一作「MAZE」で非凡な才能を見せた神原恵弥。その彼が北国のH市を訪れた。

革命新政府は「楔が抜けるまでこの状態は続く」と発表。

『あれ』と呼んでいる謎の存在と闘い続けてきた拝島時子。『裏返さ』なければ、『裏返され』てしまう。

アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。 一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。

九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。

新進作家・待居涼司の小説の映画化に、奇才・小野川充が監督起用される。

特殊能力を持つ“在色者”たちが、“途鎖国”の山深くに集まる“闇月”。殺戮の風が、次第に暴れ始める―。

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。

パーティー会場で孤独だった私に、不思議な目をした少女が突然声かける。

瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げた。

巨額の遺産を相続した若い独身女性の家に侵入してみると、なぜかどの部屋のなかも鏡だらけ。

超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

魅惑のウイルスを求め、世界中を飛び回る凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。

過去を変えることはできるのか。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。

『月の裏側』の塚崎多聞、再登場!詩情と旅情あふれる、恩田陸版「怖い話」。

私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ―。

太郎と散多は古道具店を営む兄弟。

立入制限区域のパトロールを担当するロボット「ウルトラ・エイト」たちの居住区に、国税庁から派遣されたという謎の女・財護徳子がやってきた。

六月という半端な時期に夏流に転校してきたミチル。

都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。

舞台の上の、暗がりの向こう。そこには何かが隠されている。

川崎、上野、大阪、呉、六本木…日本各地の旧軍都に発生する「裂け目」。

英国留学中のリセは、十九世紀に建てられた「ブラックローズハウス」でのパーティーに招かれる。

夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦(てるひこ)。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

「何かが教室に侵入してきた」。学校で頻発する、集団白昼夢。

少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。

舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。

ちぎれそうな身体だって、おれの走りをするんだ。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。

中学校にはいろいろな生徒がいる。

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。

山中にひっそりとたたずむ古い洋館―。