スーパーの親爺。ヤクザからは足を洗った。

昭和51年南アルプスで播かれた犯罪の種は16年後、東京で連続殺人として開花した―精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークスが跳ぶ。

江戸は神田の呉服屋の主・幸右衛門の通夜で不可解な事件が。

東京から青森まで―緑まぶしい五月の国道四号線を完全装備の自転車でツーリングする中年グラフィク・デザイナー、桐沢風太郎。

士族出身の上流家庭・花村家にやってきた若い女性運転手。

戦中の台湾、本島人の邸の庭で起きた日本軍人の決闘騒ぎ。一方は銃殺され、一方は頭部を殴られ意識不明の状態で発見された。

カスミは、故郷・北海道を捨てた。が、皮肉にも、北海道で幼い娘が謎の失踪を遂げる。

“私の事を、父は「ガラスの人形」だと呼んでいた。脆い、脆い、透き通ったガラスの人形だと。

巨額の財産を狙った殺人か?旧満州、大連近郊でロシヤ人富豪イワン・ペトロフが射ち殺される事件が起きた!容疑者は三人の甥、アントン、ニコライ、アレクサンドルとその恋人たち。

松本茂樹が死んだ。スピード違反でパトカーに追跡され首都高速から墜落したのだ。

西暦一九九七年、東洋の全体主義国家、大東亜共和国。

平将門の娘・滝夜叉姫の祟りで伯父が殺されます―まったく働く気のない心霊探偵・物部太郎のもとへ依頼人が来た。

華やかな還暦祝いの席が三重殺人現場に変わった！　宮本音禰に課せられた謎の男との結婚を条件とした遺産相続が巻き起こす事件の裏には…。

叔父の命を受け、丸部道九郎が訪れた屋敷は、過去の忌まわしい事件の数々より幽霊塔と呼ばれていた。

名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。

刺す少年、消える少女、潰し合うギャング団…。ストリートの「今」を鮮烈に刻む青春ミステリーのニュービート。

署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。犯人は内部か、外部か。

ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。

鏡の向こうに足を踏み入れた途端、チェス盤のような空間に入り込む―『鏡の国のアリス』の世界を思わせる「アリス・ミラー城」。

営々と築き上げてきた「大坂和平の道」はついに崩れ去ろうとしていた…。執念深い秀忠、愚かな淀君、抗いがたい時代の奔流。

竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。

《自殺か、他殺か、虚飾の女王、謎の死》――醜聞(スキャンダル)にまみれて謎の死を遂げた美貌の女実業家富小路公子。

「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」。西条八十の詩集を持った黒人が、ナイフで胸を刺されて殺害された。

諸君はアッシャー家の崩壊を見いだすだろう―予告の電話は真実を告げていた。

大阪のしがない短大助教授・桑潟のもとに、ある童話作家の遺稿が持ち込まれた。

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。

とざい東西、江戸は神田の橋本町、ものもらいや大道芸人ばかりが住んでいるおかしな長屋に、センセーと呼ばれる推理の特技をもった砂絵かきがいた。

湯田真壁という珍しい名前の男が熱海の旅館で殺された。

「人は誰でも、死にたがっている」「世界は絶望と悲惨に塗れている」でも僕は戦おうと思うんだ。

「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。

その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。1998年、春。

事件は、商産省組合の秘密闘争計画を筒抜けにしたスパイを発見した事が発端だった。

名作の誉れ高い表題作を劈頭に、シャーロック・ホームズばりの叡智で謎を解く名探偵青山喬介の全活躍譚など九編に併せて「連続短回顧」ほかのエッセイを収める。

晩夏酷暑の或る日、郊外の風癲病院の門をひとりの青年がくぐる。

戦地において友軍への誤爆という罪を犯した男―ディムズデイル=ボイルド。

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。

完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。

「あの女が…いた…」そう言って、デパートのエレベーターの中で男が死んだ。手がかりは、落ちていた名刺とこの言葉だけ。

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。

白堊館の建つ岬と、その下に広がる藍碧の海。

CIAの『伝書鳩』とともに、父の仇である『リヴィエラ』を追っていたジャック。複雑怪奇な諜報機関の合従連衡。

森野夜が拾った一冊の手帳。そこには女性がさらわれ、山奥で切り刻まれていく過程が克明に記されていた。

ヴィクトル・ユゴー街のアパルトマンの広間で、血の池の中央に外出用の服を着け、うつぶせに横たわっていた女の死体は、あるべき場所に首がなかった。