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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数745件
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久々にボリュームが多い本を読みました。なんと言うか圧倒されました。
何処を紡いで感想を書こうか悩みます。 著者はスウェーデンのジャーナリストであった立場を活かして、 主人公ミカエルを同じジャーナリストの立場に置き、 女性犯罪や市場などの深い闇を訴えるメッセージ性の強い社会派小説を描いていると感じました。 社会派小説と言うとアクの強い読まされる本になりがちですが、 本書はそれを古典ミステリの様に限られた容疑者による孤島を舞台にしたり、 人間消失、暗号、被害者のミッシングリングを演出し、 違った一面では、どんな個人情報でも盗み出すハッカーを加えて現代風に味付けしたりと、 社会的テーマが強烈なのにそれを覆えるほど魅力的なミステリとなっているのに驚嘆します。 ミカエルが孤島に足を運び、ハリエットの失踪事件の依頼を受ける際、 『解決するかわかりません』と後ろ向きかつ、 『容疑者が多くて誰が誰だかわからない』と言ったセリフを述べますが、 私自身も同じく読み始め、この本はどんな話か見当が付かず、 登場人物についても40名を超えて頭に入るか不安な心境でした。 それが、上巻の中盤を超えたあたりから、謎が明かされていくにつれて、深い闇を感じていき、 ミカエルやリスベットの気持ち同様、何が起きたか最後まで知りたい。そんな気持ちの読書でした。 三部作なので時間を見つけて2,3作目と手に取って行こうと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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何としても合格したいという目標を持った子に、
仲間たちが知恵を出して支えていく青春ストーリーは爽やかで気持ち良かったです。 デジタル機器などの扱いについて、 本書が2006年出版から6年も経過した事を考えると真新しさを感じないかもしれません。 ただ、本書からは、カンニングの手法や是非を問う話ではなく、 姉の死に引きずられた玲美と教員やそこに関わる仲間達の触れ合いが印象的で、 最後まで十分に惹きこまれました。 内容や意外性などは弱くて物足りなさを感じるかもしれませんし、 ベタベタな要素もありますが、それはそれで単純に好みで良かったです。 人との触れ合いと成長が気持ちよく描かれた作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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タイトルのゴシックに沿う雰囲気とキャラが馴染みなく新鮮で、
たまに出てきた古典ミステリの小ネタ遊びもよいです。 アニメっぽく、とても軽い流れなので、 ミステリを読み始める中高生には、とてもハマると思いました。 著者の作品傾向のイメージが良い意味で変わりました。多彩ですね。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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1作目はそこまで惹かれる作品ではなかったので、続きを読んでいなかったのですが、
各種ランキング本で名前が挙がっており、 新宿鮫シリーズの中での評判が高いので手に取りました。 なるほど。 日本作品なのにアクションやバイオレンス、麻薬やヤクザ、マフィア抗争の裏の部分が描かれていて、 それが描ける『新宿』と言う舞台の混沌に惹かれます。 1作目よりとても魅力的な作品でファンが多い事がわかる気がしました。 新宿を舞台にした小説や漫画、ゲームが思い浮かぶ中、 公開年月日が90年初期の新宿鮫は、 新宿を舞台にした先駆け的な作品だったんだと思いました。 個人的なミステリで好む、推理や意外な真相の要素が無い系統ですが、 人や街の魅力で楽しめた作品でした。 |
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表題作含む4つの短編集。
渋谷にあるホストクラブclub indigoの面々が事件に巻き込まれ 素人探偵さながらの活躍をするお話。 創元推理短編賞を受賞した表題作「インディコの夜」が伏線や謎が明かされる様子、 キャラクターの魅力など、所見の印象が相まってとても面白かったです。 2作目以降の「原色の娘」「センター街NPボーイズ」「夜を駆る者」に至っては、 扱う事件が夜の街にありがちな事件で正直な所、新しさはなかったです。 ただ、ホスト達や夜の街など馴染みのない世界を魅力的に描かれている事や、 オーナーの晶、インディコのホストの面々が王道ホストの遠い所にいる存在というよりは、 読者に近い位置にいる砕けた人々なので馴染み易くとても楽しく読めました。 序盤の読書は、頭の中で漫画の夜王などが浮かんでましたが、 それとは違った路線で良い作品でした。 |
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【ネタバレかも!?】
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"探偵"という単語がでてきますが、いわゆる謎とき本ではなくて、
その探偵の奇特さの設定を生かして世のニートや若者の代弁を描いた話でした。 キャラクターが魅力的で、クスっとくるセリフ回しなど明るくてよいですが、 物語を占める根底が結構重いテーマでして、それの反動表現とも感じました。 普段と違った読書ができたのでこれはこれで良かったです。 哀愁漂い、しんみりしました。 |
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このシリーズは、1,2,3作と、相互にリンクし合う世界観作りな為、順番に読むと良いです。
本作はミステリ要素よりも世界観の物語に比重が大きいのですが、 十分に楽しく堪能できました。 1作目のメンバーが戻ってきての物語であるのも一層楽しさを増しました。 事件は、水晶体に閉じ込められていた夜壬琥姫の死体。 その結晶魔術を扱える容疑者の鉄壁なアリバイ。 また、その容疑者は海賊島に匿われた為、どんな裏が動いているのか。 と言った謎で展開していきます。 ファンタジーの世界なので、 新たな魔法の存在があるのか、どう組み合わせたのかなど、 普段のミステリとは違った感覚を得ながらの謎は刺激になりました。 あと、今回はキャラクターをとても大事に扱っていると感じました。 2作目に登場した防御魔法の使い手のニーガスアンガーやら、 1作目に出てきたムガンドゥだったり、 前後の作品で補足し合いながらの活用のされ方は、 1キャラ毎に相当大事に考えて作られているんだと感じます。 魅力的な世界とEDの軽妙な言葉のやり取りも良かったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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シリーズ2作目。世界観や用語など1作目を読んでいる事が必要な作りでした。
300年前の魔女の決戦で建てられた紫骸城。 その中で毎年行われる大会は国の戦争の縮図を模し、世界各国のエリート魔道士が争う。 そこで不可思議な大量殺人が発生する。 300年前の魔女の呪いか、紫骸城の魔導なのか、もしくは魔法による仕業なのか。。 本格ミステリ・クロニクルに掲載された通り、 しっかりとミステリの謎解きが施されており、 この世界観ならではの大トリックが繰り出しているのは見物でした。 ただ、とても面白いのですが、謎の解明の手掛かりの説明不足感が否めず、 勿体無い印象を受けました。 前作にも感じたのですが、謎解きの詰めが甘い気がします。 世界観が好きなので加点。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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奇面館の予告から数年経って念願の発売。館シリーズが読めるだけで嬉しいです。
数年ぶりとは言え、中身は相変わらずの本格物。 Anotherで少し物足りなさを感じましたが こちらは、期待していた新作を納得して読めた満足感がありました。 著者も参加されていた、 ゲームのトリック×ロジックをプレイしていた事により感じる事ですが、 何気ない文章が伏線に繋がり、かつ、それが深読みしすぎてミスリードになる。と言った ゲームっぽい誤真相(仮説)がとても豊富に感じました。 意識しているかわからないですが、 何となく過去作よりも文章の作り方に遊びを感じました。 仮説の数々で結末を描いてもよい所を あえてそうじゃない所に落ち着かせた捻りが効いているのは、 やりすぎて好みから逸れた感じがしましたが、全体的には面白かったです。 コテコテ要素が満載でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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毎年1冊刊行される倉阪先生のバカミス。
事件や物語の内容そっちのけで今年はどんな事をやっているのか、 ついつい気になって本を手に取ってしまう稀有な作家さんです。 もう、この手の本を読んできた人の為のマニア向けの本になっており、 かつ、その人たちは何を求めて本書を手に取るかは、作家さんも意識している為、 一筋縄ではいかないぞと、回を重ねる毎に複雑化してしまった印象を受けます 複雑故、物語に面白味が無いのが正直な所ですが、 事件中の大トリックやどんでん返しは脱力物で、 そことバカミス技巧を毎度繋げてくるのは面白いというよりは感心して、 今年も走り続けたな。。。とどこか遠くを見つめてしまう気分に浸ります。 年に一度の定期購読本ですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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読後は個性的で論述の新しい楽しさを感じて面白かったと思いました。
本書はとても好みが分かれそうです。 亡霊やら妖怪やら漫画のテイストで進行するストーリーは、 中盤までは色々な事が馴染めず苦労しました。 ただ、 妖怪かまいたちの正体は、真空による皮膚の亀裂というのが、 科学的には根拠がないにも関わらず、世に浸透してしまっている。という、 虚構が現実世界の解答となって浸透している例え話が出てきてから、 この本が一気に面白くなりました。 この世に生まれた亡霊の現象を現実的な解答を提示し、 かつそれを聞く観衆に対してどれだけ魅力的に説得できるかという、 法廷ミステリや探偵演説の大団円の舞台を、 世の若い世代に合わせたストーリーで描かれている作品だと思いました。 事件があって犯人がいて、 その真相にいたる唯一無二の回答を導く数学的ロジックと言うよりは、 可能性を連弾して納得させればよいという点で、 この本の扱いや好みが分かれそうです。 虚構である推理ではありますが、 その展開や結末の落とし所は成否関係なく単純に気持ちが盛り上がりました。 シリーズ物になるのかわかりませんが、 1作目ゆえ、キャラクターや舞台設定の説明が多いプロローグの印象も受けたので、 2作目へと続いて物語を見てみたいです。 |
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古き良き海外古典の名作を感じられました。
その時代の新作を読んだかのような不思議な第一印象です。良い作品でした。 翻訳本のテイストが苦手な人は読書が辛く感じそうですが、 この文章が18世紀ロンドンの世界へ導いてくれて、 物語が楽しめるようになってます。 雰囲気も然ることながら、 手足のない死体、死体消失、謎の死化粧など、 ミステリの謎もお約束も序盤から豊富で贅沢でした。 もう、何が起きているやら犯人は誰やら 良い意味で濃密すぎて視界がクラクラしました。 登場する盲目の判事の気分を味わいました。 最後は綺麗に全貌が明かされ収束し 個人的に爽やかな終わりでしたので、 海外翻訳の雰囲気が苦手でなければオススメしたい1冊でした。 表紙も素敵です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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読む時期が遅かった心境です。
美女たちの活躍、妖しい洋館、麻薬事件など時代を感じられました。 また、緻密な展開というよりは感情的に各々が活躍している印象を受けました。 これだけ皆が動きまわり複雑な真相を設けた中で、 ページ数がこのボリュームで読みやすくまとまっているのが良かったです。 ただ、物語に没入できなかったというか、 客観的に離れた位置から物語を眺めたような印象でした。 |
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