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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数738件
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暴走している内容で
ぐちゃぐちゃしたエログロ小説なのに、 そんなに陰鬱にならない。 昔、夢野久作を読んだ時に味わったような 幻覚を受けた作品でした。 登場人物を"人間"と"化け物"と区分したとき、 見た目と中身が対比されている印象を受けました。 (原始的でとても素直なカッパの存在が ある意味、一番心が綺麗でまともな人間っぽさを受けてしまった) そして話の主軸になる雷太はどちらでもない、 人間と化け物が合わさった存在だなと感じました。 作中でも夢と現実が交差する箇所がありますが、 それがなくても頭に非現実感がたっぷり流れてくる久々のインパクト。 さらに他にはない独特の言葉遊びがとても魅力的。 このシリーズは引続き読んでみたいと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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歴史小説は苦手で、しかも日本史じゃなくて中国物。
ちょっと敬遠していましたが悪い評判を聞かないのと、 普段読まないジャンルなので、たまには良いかなと手に取りました。 中国の秦の時代を舞台とした歴史物語。 登場人物達の名前が中国名なので頭に入り辛かったのですが、 キャラクターのセリフや雰囲気が特徴的な事もあり、 名前ではなく琅邪の人物達の情景が頭に浮かび、 すんなり物語に入り込む事が出来ました。 メフィスト賞作品なので、もしかしたらミステリではなく、 このまま歴史小説なのだろうか……と思った所で、 「鬼の正体」「甦る死体」や「棺の中で成長する女の謎」、「一夜にして消失する屋敷」などなど、 多くの謎が現れ、結果はボリューム多いミステリでした。 久々に苦手な歴史物が面白く感じた作品です。 あと、「琅邪の鬼」が明かされる所がとても印象的で素敵です。 こういうの良いです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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過去に意識だけタイムスリップしてザビエルの身近な人に憑依。
ザビエルに取り巻く事件の謎を解決する。 設定は面白いし、歴史物でも読んでて苦ではなく、寧ろ読みやすく楽しめた。 ……のですが、読了後 特に印象に残るものがなかったのが正直なところ。 好みだったのは、 『第三章 パリの悪魔』 ここまでの舞台設定を生かした、こういう仕掛けは好きです。 |
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伝承や非科学的な妖怪に至っても すべてあった事にして、
そもそもその存在はどうやって発生したのか?を想像してみよう。 という考え方がとても刺激になった。 短編5つでどれも民俗学と絡めてあり楽しく読めた。 ミステリとしては『不帰屋』、 民俗学としては、だいだらぼっちの存在を紐解く『双死神』 が特に楽しかった。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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この作品の面白いと感じたところは、
ミステリ好きな人程、このゲームの主催者と気持ちがリンクしている所だと思いました。 クローズドサークルの舞台は整い、各人に道具も渡された。 これで事件が起こらないはずはないと、 ミステリ好きな読者程 事件を期待するとおもう。 この期待感は主催者=読者だと感じました。 主人公が、どこかで見ている主催者へ 思い通りにならないぞ!。と気持ちを叫んだ所が 自分に対して言われた気がしたのが印象的でした。 物語とは関係ないですが、 ・主人公たちの閉じ込められた世界 ・ゲームの主催者 ・読者 の3つの空間の扱いが面白いと勝手に感じました。 肝心の話の感想についてはネタバレで。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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【ネタバレかも!?】
(2件の連絡あり)[?]
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作品中に漂う個性的な濃さが強烈なインパクトで硬質な印象。
堅物な警察小説を読んだ感じでした。 表題の「第三の時効」含め、どれも質の高い作品でしたが、 何故か読み進み辛く、作風が肌に合わなかったのかなと思う所です。 |
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前作が面白かったので続けて読みました。
職場や仲間が変わったとしても、 主人公の竜崎は警察庁の頃と変わぬ姿勢で我が道を淡々と突き進んでいきます。 周りからは変人扱いされても、正しき事を行っている竜崎に やがて人々が付いてくる姿がとてもカッコ良かったです。 早々に立てこもり事件が解決しますが、 そこから話が尾を引き事件の全貌が明らかになる展開も見事でした。 読み始めたら最後まで一気読みさせられる小説でオススメ。 |
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6編+1つの短編集。
1つ1つの事件に対して、登場人物達が二転三転する推理合戦を行います。 著者が述べている通り、本書の大半がミステリの見所である推理合戦で構成されているのが面白かったです。 ただ、その為か事件はクイズ問題の様に扱われており、 結末はバカミスと言われても仕方がない解答へと落ち着いてしまうのが苦笑いもの。 正直、入門用のクイズ問題を読まされている錯覚になって読み進むのが辛くなりそうでした。 が、最後まで諦めずに結末まで読んで良かったと思います。 評価が俄然変わります。 当初は雑誌連載だったらしいのですが、 連載中は読者から失笑を買ったりしなかったのかな?と思ってしまいました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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登場人物が前作と同じで、話もチャットをして互いの殺人方法を解きあう構成。
前作読んでいただけに、設定が同じだから、 パラレルワールド?時系列が違うのかな? なんて違和感がありましたが、途中に挿入される数行の解説に納得。 よくこんな舞台設定を思いついたものだと驚かされました。 短編集のように各自のトリックが惜しげもなく披露されるのですが、 どれもクオリティ高いし、本作の構成だからできる必然的な仕掛けもあって完成度は高いです。 好みは「ザンギャ君の切り裂きジャック三十分の孤独」かな。 044APDの問題も良く、ミスリード自体は面白いし衝撃的だった。 作品舞台のインパクトは1作目の方がありましたが、それに負けない面白さがあります。 次回作も出て欲しいなと思える作品です。 |
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目を覚ますと辺り一面、見なれない景色。
>サバイバルのためのアイテムを求める者は東へ。 >護身用のアイテムを求める者は西へ。 >食糧を求める者は南へ。 >情報を求める者は北へ進め。 昔、ゲームブックが好きだった事もあり、 それに見立てられたミステリーというのがとても面白く感じました。 見立てなのですが選択肢がある不思議さも良いです。 ゲームの進行には食料の確保、情報の取得、他の参加者との争いなどなど、 終始、緊張感が解ける事がありませんでした。 舞台の全容が明かされた時は、やっぱりそうか。と分かりやすく提示されますが、 明かされると同時に物悲しさが漂うラストでした。 |
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現場の刑事達ではなくキャリア官僚の上層部視点で描かれた
警察小説というのが興味を惹きました。 登場する人物も、参事官や刑事部長、刑事局長など。 現場の刑事さんは殆ど出てきません。 あまり見なれない舞台がとても新鮮でした。 主人公の竜崎もキャリア官僚の1人。 ページの初頭から、 「俺は東大で、東大以外は脱落者」 「国を守るのが俺の仕事だ。」 と、主人公竜崎のエリート思考を突きつけられます。 人を突き放したような性格の主人公ですが、 読み進めると、信念の通った思考と行動がいくつも見られ、 いつの間にかこの主人公に魅了されてしまいました。 ミステリーでお馴染みの興味を惹かせる謎やトリックは皆無ですが、 複雑な組織関係や上層部達の心理模様で最後まで一気に読まされます。 誘惑などの雑念に負けず、自分の信念を貫き、 正しい事を実行していく竜崎がとても格好よかったです。 シリーズ展開されているので続編も楽しみです。 |
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エコール・ド・パリに関する芸術論が舞台の雰囲気作りの為だけではなく
ミステリーと密接に絡み合っている事に驚きました。 作中に出てくる芸術論については大変読みやすく モディリアーニやスーチンなどこの本を読むまではまったく知らなかった画家の絵に興味がでる程です。 繰り返しますがこの芸術論がたんなる薀蓄だけで終わらない所が本当にお見事。 密室や犯人の意外性は弱かったのですが、あの凶器(?)や舞台裏について明かされた所は鳥肌物で、 密室や犯人はさておき、この仕掛けが本書のメイン舞台なんだと感じました。 いくつもの伏線による必然的な舞台づくりの巧さに大変驚きです。 個人的にお薦めの一冊。 |
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