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egut さんのレビュー一覧

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レビュー数738

全738件 661~680 34/37ページ

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No.78: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

素晴らしい作品でした。

読んで良かった。と思えた1冊です。

戦争を知らない若い世代=主人公と設定し、
『戦争を知らせる』のではなく、あくまで『祖父の生涯を知る』事にして
主題をずらし、読者を入りやすくしたストーリー構成は巧いと思いました。

自分自身、主人公と同じで祖父はどんな人だったのか。
ミステリ小説としてどんな仕掛けがあるのだろう?
なんて思いながら本書を手に取り読み始めましたが、
ものの数十ページを読んで意識や考え方がガラリと変わりました。
良い意味で別物です。

ページが進むにつれて言葉でうまく言い表せない
たくさんの気持ちが芽生えました。
読了後に自身の考え方や意識の持ち方まで
響いてくる作品です。

これは本当に良い作品でした。
永遠の0 (講談社文庫)
百田尚樹永遠の0 についてのレビュー
No.77:
(4pt)

フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人の感想

狂気の物語という設定を踏まえて読んでいたので、
不快感は特になく普通に読めました。
表現やミステリとは異なる内容が
好みとは違うものでした。

▼以下、ネタバレ感想
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佐藤友哉デビュー20周年記念復刊企画 フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人 (星海社FICTIONS)
No.76: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

好みの設定ですが、惜しいところがたくさん。

クローズド・サークルでの推理ゲーム。
舞台としてはとても面白いです。

夏の館、冬の館にそれぞれ7名づつ閉じ込められ、
互いの館で連続殺人が発生する。
館同士はTV電話でコンタクトが可能。

問題は夏の館、冬の館の犯人は誰か?
1度のみの解答に対して、正解側の館の人々は賞金を獲得して生還。
解答を外したり相手が先に答えた場合は死が待っている。

相手の館とのコンタクトでの情報提供の心理戦や
少ない手がかりでの犯人探しは好みもあり面白かったです。

ただ、"極限"と名のつくほど緊迫した雰囲気は無く、
登場する人々の思考が感じられない為、
とても軽いゲーム遊びをしている印象を受けました。

ミステリ読みなれている人にはとても物足りなく感じると思いますが、
この系統が好きな人は楽しめる作品だと思います。

▼以下、ネタバレ感想
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極限推理コロシアム (講談社文庫)
矢野龍王極限推理コロシアム についてのレビュー
No.75: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

この世界観は凄い・・・

表題の「独白する…」はタイトルが一品。
また、語り部が地図と言うとんでもない設定。

このミス1位かつ推理作家賞を受賞をしておりますが、
ミステリとは違う作品だと思いました。
では何であるか?と言うと答え辛い。
乱歩を読んだ時の感覚を思い出した気もしますが、
もう、こう言うジャンル。と言った独特な雰囲気を楽しみました。

短編集に収録されているその他の作品は、
暴力的でグロく、気持ち悪さと痛さを錯覚してしまう文体が健在。
これは著者の持ち味で強烈な印象です。
その土台の上で摩訶不思議な世界を覗き楽しみました。

どれも強烈な印象ですが、とくに
「Ωの聖餐」「怪物のような顔の女と時計のような頭の男」
この2作は設定から結末まで巧く構成されていて、
個人的にインパクト高で唸りました。
独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)
No.74: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

新宿鮫の感想

前半は舞台の新宿やそこに住む者達との絡みなど、
鮫島の硬質なハードボイルドっぽさがひしひしと感じましたが、
後半の鮫島には人間味や弱さが見え隠れし、
少し雰囲気を崩した印象を自分は受けました。
それが良さにもなりますが、
好みとしては硬質の雰囲気のまま浸りたかったです。

それにしても登場人物達はどれも印象に残る人々ばかり。
ちょい役を感じさせないぐらいインパクトが残ります。

好みの問題で点数は中間ですが、
とても面白く続きが読みたくなる良い作品だと思いました。
新宿鮫 (光文社文庫)
大沢在昌新宿鮫 についてのレビュー
No.73: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

晩餐は「檻」のなかでの感想

仇討ち制度や集められたメンバーの役割、
殺人者のトラや仇討を実行するヤギは誰か?
などなど、
面白くなりそうな設定が多く期待がいっぱいだったのですが、
読了してみるとあまり活かされていないのが
残念というより勿体なく感じました。

謎や仕掛けの印象が弱いため、
ミステリパートの仇討制度の作中作より、
作家は最後どうなるんだろう?と
オチが読めない小説家の日常パートの方が面白く感じられました。

とはいえ、仕掛けも面白く
個人的になかなか楽しめた1冊でした。

▼以下、ネタバレ感想
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晩餐は「檻」のなかで (ミステリー・リーグ)
関田涙晩餐は「檻」のなかで についてのレビュー
No.72: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

鬱屈した世界

世界観への惹き込まれ方が凄く、
読了後もズシンと重く印象に残る作品でした。

好みで言えば苦手な方なので点数低くしていますが、
爽快感とは無縁で、鬱屈した感じが突き抜けた傑作だと思います。

仕掛けも見事ですが、
明かされても、悲しさが漂います。
こういう印象を受けたのは久々でした。

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向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
道尾秀介向日葵の咲かない夏 についてのレビュー
No.71: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

傑作でした。

舞台となる七海学園や先生達の紹介は前作を読んだ上での展開なので、
『七つの海を照らす星』を先に読んでおいた方が良いと思いました。

児童養護施設・七海学園を舞台に
子供達の独特な環境や悩みから生まれる日常の謎。

扱うテーマは一見悲しく感じるものですが、
どの話にも希望が描かれており、文章から厳しさと優しさを感じました。

ミステリとしても傑作でとても見事です。

▼以下、ネタバレ感想
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アルバトロスは羽ばたかない (創元推理文庫)
七河迦南アルバトロスは羽ばたかない についてのレビュー
No.70:
(4pt)
【ネタバレかも!?】 (4件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

六月六日生まれの天使の感想

記憶を失ってしまった女と、同室にいたゴムマスクの男。
この最初の謎の提示や主人公の女同様、
何が起きているか分からない世界に入りこんだ奇妙さは面白かったです。

この謎の気になる度合いから最後まで読みましたが、
構成が複雑化しすぎて読み辛かったのが残念でした。


▼以下、ネタバレ感想
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六月六日生まれの天使 (文春文庫)
愛川晶六月六日生まれの天使 についてのレビュー
No.69: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

脱力した。。。世界崩壊。

前バカミスの三崎黒鳥を読んでいたので、
ある程度の身構えをしつつ手に取りました。

今回も何かが仕掛けられている事は明らかな文体。
おかしい。不自然すぎる。一体何が仕掛けられているのだ?
とヤキモキさせる読書感は健在。

文体以外にも特徴的なのは、
ノベルスの上下2段を活用し、
上段がアメリカ、下段をイギリスを舞台に
物語が同時進行する手法。

これは『本』に価値を持たせている事や、
文庫化して販売経路を増やす事が念頭にない作品づくりには
敬意を表します。

新世界が崩壊する真相が明かされた時は、
バカミスと身構えているにも関わらず失笑と脱力。

また、その後の作者の努力に驚き、
最終章「もう1つの崩壊」で
物語を別世界に構築した様は色々な意味でゾクっとしました。

▼以下、ネタバレ感想
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新世界崩壊 (講談社ノベルス)
No.68: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

詩的な文芸作品

異文化による価値観の違いが
ミステリと上手く絡んでいると感じました。
世界の景色がうまく描かれていおり、
まるで詩を読んだかのように思い浮かぶ情景がとても綺麗です。

巻頭の「砂漠を走る船の道」より、
砂漠の民が数日間 命がけで砂漠に向かい採取する岩塩。
危険な旅だが、なんと5ドルももらえるからだ。と話すシーンは
本書が扱う異国をより印象付けたと感じました。

また、「叫び」については価値観の違いを巧く扱い、
ダークな雰囲気が引き立つインパクトある作品で
短編ながらもとても重厚でした。

ただ、ラストの「祈り」については、
雰囲気を崩してしまった印象を受けたのが正直な所ですが、
全体的に良い作品でした。
叫びと祈り (創元推理文庫)
梓崎優叫びと祈り についてのレビュー
No.67:
(3pt)

如月透の犯罪の感想

主人公が錯乱したとしか思えず、
置いてけぼりされたまま話が進んでしまった印象です。

小説「如月透の犯罪」と「如月透」自身の犯行が似通っていた理由も
なるほどとは思うのですが、驚くことはありませんでした。
吉村達也如月透の犯罪 についてのレビュー
No.66:
(7pt)

大井松田-御殿場渋滞20キロの逆転の感想

同短編集に収録されている
「君の瞳に恋してる」と同じく不倫している男性視点の話。
舞台の裏側に存在した結末がとても衝撃的でした。

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No.65:

吉村達也

No.65:
(1pt)

鼻の感想

教訓が1つのテーマになっていますが、
何も残らず読み終わりました。
吉村達也 についてのレビュー
No.64:
(7pt)

君の瞳に恋してるの感想

不倫相手の女性が整形手術をする事をきっかけに、
その女性と主人公の心理模様が楽しめた作品。

奇妙な後味で終わる結末がとても良いと感じました。
吉村達也君の瞳に恋してる についてのレビュー
No.63:
(6pt)

時計台は語るの感想

円形に席順が描かれた謎を時計台のヒラメキから解決する訳ですが、
そもそもこの席順表自体の違和感が気になって楽しめませんでした。
ただ、あらすじで最初に述べられている、ラストの衝撃の真相は好みです。
吉村達也時計台は語る についてのレビュー
No.62:
(3pt)

お楽しみはこれまでだの感想

小説中のつまらないトリックを書いた作家に対して
担当編集がお断りを入れる所から奇妙な物語は始まります。

やはり一発ネタですね。

▼以下、ネタバレ感想
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吉村達也お楽しみはこれまでだ についてのレビュー
No.61:
(5pt)

ダイヤモンド殺人事件の感想

表題のダイヤモンドは短編が6つだから名づけられたタイトルです。
一発ネタを奇妙な物語として仕立てられており、
お手軽なサスペンス物でした。

あらすじにある、衝撃のどんでん返しというのは
どれにも感じられませんでしたが、
全ての作品には裏の動きがあり、
最後の数行にそれは何であったか明かされる謎は、
それとなく楽しめました。
ダイヤモンド殺人事件 (講談社文庫)
吉村達也ダイヤモンド殺人事件 についてのレビュー
No.60:
(5pt)

ニュートンの密室の感想

円筒オブジェクトの中での密室物。

密室トリックはとても単純で盲点的な内容ではありますが、
あまり良いものではなく、面白味に欠けました。

が、そもそも仕掛けは二の次であり、
テーマは、
他殺と判っているのに密室にする必要があるのか?
です。

その解答や犯人の動機は歪んでいて、
本作らしい内容でした。

▼以下、ネタバレ感想
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ニュートンの密室 (講談社文庫)
吉村達也ニュートンの密室 についてのレビュー
No.59: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

トリック狂殺人事件の感想

意外な犯人や事件に仕掛けられたトリックの手法は
古い作品と言う事もあり驚きは少ない。

ただ、そうは言っても
こういうお手軽な推理モノは大変好みです。

「トリック卿」という犯人の俗称や
雪の山荘のクローズド・サークル内で起きた
氷付けの死体や人間消失などのコテコテの謎は読んでて面白い。

この雰囲気の作品は現代では出版されにくいのもあり、
この時代の作品ならではの良さを感じました。

▼以下、ネタバレ感想
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トリック狂殺人事件 (光文社文庫)
吉村達也トリック狂殺人事件 についてのレビュー