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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数738件
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"探偵"という単語がでてきますが、いわゆる謎とき本ではなくて、
その探偵の奇特さの設定を生かして世のニートや若者の代弁を描いた話でした。 キャラクターが魅力的で、クスっとくるセリフ回しなど明るくてよいですが、 物語を占める根底が結構重いテーマでして、それの反動表現とも感じました。 普段と違った読書ができたのでこれはこれで良かったです。 哀愁漂い、しんみりしました。 |
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このシリーズは、1,2,3作と、相互にリンクし合う世界観作りな為、順番に読むと良いです。
本作はミステリ要素よりも世界観の物語に比重が大きいのですが、 十分に楽しく堪能できました。 1作目のメンバーが戻ってきての物語であるのも一層楽しさを増しました。 事件は、水晶体に閉じ込められていた夜壬琥姫の死体。 その結晶魔術を扱える容疑者の鉄壁なアリバイ。 また、その容疑者は海賊島に匿われた為、どんな裏が動いているのか。 と言った謎で展開していきます。 ファンタジーの世界なので、 新たな魔法の存在があるのか、どう組み合わせたのかなど、 普段のミステリとは違った感覚を得ながらの謎は刺激になりました。 あと、今回はキャラクターをとても大事に扱っていると感じました。 2作目に登場した防御魔法の使い手のニーガスアンガーやら、 1作目に出てきたムガンドゥだったり、 前後の作品で補足し合いながらの活用のされ方は、 1キャラ毎に相当大事に考えて作られているんだと感じます。 魅力的な世界とEDの軽妙な言葉のやり取りも良かったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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シリーズ2作目。世界観や用語など1作目を読んでいる事が必要な作りでした。
300年前の魔女の決戦で建てられた紫骸城。 その中で毎年行われる大会は国の戦争の縮図を模し、世界各国のエリート魔道士が争う。 そこで不可思議な大量殺人が発生する。 300年前の魔女の呪いか、紫骸城の魔導なのか、もしくは魔法による仕業なのか。。 本格ミステリ・クロニクルに掲載された通り、 しっかりとミステリの謎解きが施されており、 この世界観ならではの大トリックが繰り出しているのは見物でした。 ただ、とても面白いのですが、謎の解明の手掛かりの説明不足感が否めず、 勿体無い印象を受けました。 前作にも感じたのですが、謎解きの詰めが甘い気がします。 世界観が好きなので加点。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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奇面館の予告から数年経って念願の発売。館シリーズが読めるだけで嬉しいです。
数年ぶりとは言え、中身は相変わらずの本格物。 Anotherで少し物足りなさを感じましたが こちらは、期待していた新作を納得して読めた満足感がありました。 著者も参加されていた、 ゲームのトリック×ロジックをプレイしていた事により感じる事ですが、 何気ない文章が伏線に繋がり、かつ、それが深読みしすぎてミスリードになる。と言った ゲームっぽい誤真相(仮説)がとても豊富に感じました。 意識しているかわからないですが、 何となく過去作よりも文章の作り方に遊びを感じました。 仮説の数々で結末を描いてもよい所を あえてそうじゃない所に落ち着かせた捻りが効いているのは、 やりすぎて好みから逸れた感じがしましたが、全体的には面白かったです。 コテコテ要素が満載でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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毎年1冊刊行される倉阪先生のバカミス。
事件や物語の内容そっちのけで今年はどんな事をやっているのか、 ついつい気になって本を手に取ってしまう稀有な作家さんです。 もう、この手の本を読んできた人の為のマニア向けの本になっており、 かつ、その人たちは何を求めて本書を手に取るかは、作家さんも意識している為、 一筋縄ではいかないぞと、回を重ねる毎に複雑化してしまった印象を受けます 複雑故、物語に面白味が無いのが正直な所ですが、 事件中の大トリックやどんでん返しは脱力物で、 そことバカミス技巧を毎度繋げてくるのは面白いというよりは感心して、 今年も走り続けたな。。。とどこか遠くを見つめてしまう気分に浸ります。 年に一度の定期購読本ですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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読後は個性的で論述の新しい楽しさを感じて面白かったと思いました。
本書はとても好みが分かれそうです。 亡霊やら妖怪やら漫画のテイストで進行するストーリーは、 中盤までは色々な事が馴染めず苦労しました。 ただ、 妖怪かまいたちの正体は、真空による皮膚の亀裂というのが、 科学的には根拠がないにも関わらず、世に浸透してしまっている。という、 虚構が現実世界の解答となって浸透している例え話が出てきてから、 この本が一気に面白くなりました。 この世に生まれた亡霊の現象を現実的な解答を提示し、 かつそれを聞く観衆に対してどれだけ魅力的に説得できるかという、 法廷ミステリや探偵演説の大団円の舞台を、 世の若い世代に合わせたストーリーで描かれている作品だと思いました。 事件があって犯人がいて、 その真相にいたる唯一無二の回答を導く数学的ロジックと言うよりは、 可能性を連弾して納得させればよいという点で、 この本の扱いや好みが分かれそうです。 虚構である推理ではありますが、 その展開や結末の落とし所は成否関係なく単純に気持ちが盛り上がりました。 シリーズ物になるのかわかりませんが、 1作目ゆえ、キャラクターや舞台設定の説明が多いプロローグの印象も受けたので、 2作目へと続いて物語を見てみたいです。 |
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古き良き海外古典の名作を感じられました。
その時代の新作を読んだかのような不思議な第一印象です。良い作品でした。 翻訳本のテイストが苦手な人は読書が辛く感じそうですが、 この文章が18世紀ロンドンの世界へ導いてくれて、 物語が楽しめるようになってます。 雰囲気も然ることながら、 手足のない死体、死体消失、謎の死化粧など、 ミステリの謎もお約束も序盤から豊富で贅沢でした。 もう、何が起きているやら犯人は誰やら 良い意味で濃密すぎて視界がクラクラしました。 登場する盲目の判事の気分を味わいました。 最後は綺麗に全貌が明かされ収束し 個人的に爽やかな終わりでしたので、 海外翻訳の雰囲気が苦手でなければオススメしたい1冊でした。 表紙も素敵です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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読む時期が遅かった心境です。
美女たちの活躍、妖しい洋館、麻薬事件など時代を感じられました。 また、緻密な展開というよりは感情的に各々が活躍している印象を受けました。 これだけ皆が動きまわり複雑な真相を設けた中で、 ページ数がこのボリュームで読みやすくまとまっているのが良かったです。 ただ、物語に没入できなかったというか、 客観的に離れた位置から物語を眺めたような印象でした。 |
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日本推理作家協会賞を受賞していた先入観から
推理物を期待してしまったのが間違えだと読後に感じました。 女三代にわたる歴史絵巻を見た印象です。 現代編の瞳子が感じたように、その時代に存在しなかったにも関わらず、 戦後からの高度経済成長やバブルの世の中を まるで体験したように情景が浮かぶ物語でした 万葉の時代設定がなんとなく平安時代というか 大昔の物語の非現実世界を漂っていた感覚で読んでました。 (なんとなく竹取物語のかぐや姫と万葉集を連想していたからだと思う。) そんな中、要所要所で1970年、1980年代とリアルな時事も描かれた事によって、 本当にあった激動の日本の物語なんだなと年号によって意識が現実に引き戻される 不思議な体験を得ました。 この作品はミステリを意識して読まないで、 この物語を単純に楽しむのが良いと思います。 その時代毎の人々の思考、世代が変わった時のずれなど、 色々と印象的でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
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著者の本は初めてです。
短編集だからという訳ではないですが、 何か強烈なものを受けたという感覚が得られませんでした ただ、なんと言うかSF、ホラー、ミステリと 多種多様な小説を描いている方なだけあり、不思議な世界観を味わいました。 死後150万年前の死体に関する「更新世の殺人」については、 設定が「星を継ぐもの」を思い出し、SFかな?と思いきや、 ジャンルがバカミスなのもあり、そのまま脱力。 「遺体の代弁者」はSFホラーを感じさせる 記憶を移植した話で、これは設定含めて好みでした。 |
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好みの小説で満足です。
記憶を持ったまま10ヶ月前の自分へ戻れる。 前半はそんなことが本当に可能なのか?と、選ばれたゲスト達が疑心暗鬼にかられます。 ただ、疑いつつも実際に体験したいという人間の心理・欲望が見えるのが面白いです。 恋愛にしても競馬でのお金儲けにしても、物ではなく、 物理的には存在しない情報や経験の重要性を再認識しました。 カオス理論のお話が途中にでますが、 初期動作が変わればどんどん未来が変化していく。 そして何がきっかけか分からないまま、ゲスト達が次々と怪死を遂げていく。 この不安要素の作りが巧くミステリの謎となっています。 この手の小説での既視感はあるものの、 それが変に裏切らない安定した面白さで、結末に至ってもこれは好みでした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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あだ名で呼び合う犯人たち、
トランプのくじ引きで決めた四重交換殺人、 計画の齟齬により2転3転する構成など。 ミステリの読み所が豊富。 4人ものは、登場人物に頭を悩ませないで済むので、 巻き起こる事件のパズルに集中できるのがとても好みです。 ただ、何故だろう・・・。 舞台は巧妙で、驚きの要素が多く凄い作品だと感じているのに、 何かがパっとせず、印象的ではないのが勿体無く感じました。 感情的ではないからか、淡々と理論的な為なのか、文体なのかわかりませんが、 真相が明かされても衝撃が弱かったです。 (もっと凄い作品となりそうな勿体無さを感じてしまいました) 交換殺人、トランプ、などなど、 扱う道具の活用が非常に巧いと感じた本格モノ。 久々に著者の本を読みましたが、とても面白かったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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囁きシリーズや館シリーズで感じていた
著者の雰囲気を十分に堪能できた作品でした。 ただ、いろんなランキングなどに取り上げられた事が 私には余計な期待を持ってしまい、本格物ではなかった印象が、 物足りなさを感じてしまいました。 そんな事を考えた時に、ふと十角館の当時の事を思い出しました。 私は十角館でミステリの小説にハマった口ですが、 その頃、身の回りにいた私よりも年配で乱歩や横溝、 黄金期の海外ミステリを多く読まれていた読者の方が 十角館をあまり好んでいなかった状況がありました。 この時の感覚がそのまま10年単位でスライドしたんだと思いました。 今の若い世代がどういう物が好みかを研究把握され、 それらの事を巧くミステリに取り入れ昇華している。 そんな事を感じました。 アニメやコミックなど複数のメディア展開など、 これを機にミステリが好きな世代が増えればよいなと思う所と、 デビューから20年経った状況で同じ事をやってのける著者の偉大さを感じた気がしました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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自衛隊内の監視が厳しい一室に盗聴器が仕掛けられていた。どうやって?目的は?
大きな起伏なく淡々と進むストーリーで殺人も起こらないのですが、 状況推理で全貌を解けていく流れはミステリを感じました。 謎解きも然る事ながら、普段見慣れない航空自衛官内の内情がとても面白く読めました。 読後、著者の事をwikiで見たら航空自衛隊の方だったのですね。 階級の事や業務内容について、特に空の監視である対空レーダーについては、 普段なにも見えない空でも電磁波が飛び交い、 敵からの妨害電波を監視して国民を守っている自衛隊の業務があるのだと。認識しました。 こんな感想だと固いお国のお話に思われそうですが、 中身は軽妙でユーモアが溢れおり、とても読みやすかったです。 意外な真相や裏切られた嫌な気持ちもなく、爽やかな読後も良い感じでした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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