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egut さんのレビュー一覧

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レビュー数738

全738件 581~600 30/37ページ

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No.158:
(6pt)

神様のメモ帳の感想

"探偵"という単語がでてきますが、いわゆる謎とき本ではなくて、
その探偵の奇特さの設定を生かして世のニートや若者の代弁を描いた話でした。
キャラクターが魅力的で、クスっとくるセリフ回しなど明るくてよいですが、
物語を占める根底が結構重いテーマでして、それの反動表現とも感じました。

普段と違った読書ができたのでこれはこれで良かったです。
哀愁漂い、しんみりしました。
神様のメモ帳 (電撃文庫)
杉井光神様のメモ帳 についてのレビュー
No.157: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

海賊島事件-the man in pirate’s islandの感想

このシリーズは、1,2,3作と、相互にリンクし合う世界観作りな為、順番に読むと良いです。

本作はミステリ要素よりも世界観の物語に比重が大きいのですが、
十分に楽しく堪能できました。
1作目のメンバーが戻ってきての物語であるのも一層楽しさを増しました。

事件は、水晶体に閉じ込められていた夜壬琥姫の死体。
その結晶魔術を扱える容疑者の鉄壁なアリバイ。
また、その容疑者は海賊島に匿われた為、どんな裏が動いているのか。
と言った謎で展開していきます。

ファンタジーの世界なので、
新たな魔法の存在があるのか、どう組み合わせたのかなど、
普段のミステリとは違った感覚を得ながらの謎は刺激になりました。

あと、今回はキャラクターをとても大事に扱っていると感じました。
2作目に登場した防御魔法の使い手のニーガスアンガーやら、
1作目に出てきたムガンドゥだったり、
前後の作品で補足し合いながらの活用のされ方は、
1キャラ毎に相当大事に考えて作られているんだと感じます。

魅力的な世界とEDの軽妙な言葉のやり取りも良かったです。

▼以下、ネタバレ感想
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海賊島事件 the man in pirate’s island (講談社タイガ)
No.156: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

紫骸城事件-inside the apocalypse castleの感想

シリーズ2作目。世界観や用語など1作目を読んでいる事が必要な作りでした。

300年前の魔女の決戦で建てられた紫骸城。
その中で毎年行われる大会は国の戦争の縮図を模し、世界各国のエリート魔道士が争う。
そこで不可思議な大量殺人が発生する。
300年前の魔女の呪いか、紫骸城の魔導なのか、もしくは魔法による仕業なのか。。

本格ミステリ・クロニクルに掲載された通り、
しっかりとミステリの謎解きが施されており、
この世界観ならではの大トリックが繰り出しているのは見物でした。
ただ、とても面白いのですが、謎の解明の手掛かりの説明不足感が否めず、
勿体無い印象を受けました。
前作にも感じたのですが、謎解きの詰めが甘い気がします。

世界観が好きなので加点。

▼以下、ネタバレ感想
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紫骸城事件 inside the apocalypse castle (講談社タイガ)
No.155: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

青の炎の感想

すごい…。話にのめりこんでしまいました・・・。

何というか、推理とか頭を使うような思考ではなくて、
とても感情的になりながら読みました。

絶対悪の存在を示した曾根に恐怖し、
秀一…上手くやってくれ。。と祈るような思い。

入念な計画、家族や友人との触れ合い、
得るものと犠牲にするものの選択の葛藤など、、
読んでいて色々と心を揺さぶられました。

▼以下、ネタバレ感想
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青の炎 (角川文庫)
貴志祐介青の炎 についてのレビュー
No.154: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

本格は楽しい。

奇面館の予告から数年経って念願の発売。館シリーズが読めるだけで嬉しいです。

数年ぶりとは言え、中身は相変わらずの本格物。
Anotherで少し物足りなさを感じましたが
こちらは、期待していた新作を納得して読めた満足感がありました。

著者も参加されていた、
ゲームのトリック×ロジックをプレイしていた事により感じる事ですが、
何気ない文章が伏線に繋がり、かつ、それが深読みしすぎてミスリードになる。と言った
ゲームっぽい誤真相(仮説)がとても豊富に感じました。
意識しているかわからないですが、
何となく過去作よりも文章の作り方に遊びを感じました。

仮説の数々で結末を描いてもよい所を
あえてそうじゃない所に落ち着かせた捻りが効いているのは、
やりすぎて好みから逸れた感じがしましたが、全体的には面白かったです。

コテコテ要素が満載でした。

▼以下、ネタバレ感想
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奇面館の殺人(上) (講談社文庫)
綾辻行人奇面館の殺人 についてのレビュー
No.153: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(3pt)

不可能楽園<蒼色館>の感想

毎年1冊刊行される倉阪先生のバカミス。
事件や物語の内容そっちのけで今年はどんな事をやっているのか、
ついつい気になって本を手に取ってしまう稀有な作家さんです。

もう、この手の本を読んできた人の為のマニア向けの本になっており、
かつ、その人たちは何を求めて本書を手に取るかは、作家さんも意識している為、
一筋縄ではいかないぞと、回を重ねる毎に複雑化してしまった印象を受けます

複雑故、物語に面白味が無いのが正直な所ですが、
事件中の大トリックやどんでん返しは脱力物で、
そことバカミス技巧を毎度繋げてくるのは面白いというよりは感心して、
今年も走り続けたな。。。とどこか遠くを見つめてしまう気分に浸ります。

年に一度の定期購読本ですね。

▼以下、ネタバレ感想
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不可能楽園 〈蒼色館〉 (講談社ノベルス)
No.152:
(3pt)

ディプロトドンティア・マクロプスの感想

帯の『真夏のミステリー』はとても広義のミステリーで捉えます。
ハードボイルドの探偵物を読んでいたら後半は全然違う本になっていた…。
そんな展開でした。

▼以下、ネタバレ感想
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ディプロトドンティア・マクロプス (講談社文庫)
No.151:
(6pt)

霧の迷宮から君を救い出すためにの感想

防犯グッズ販売員の主人公が事件に巻き込まれ動体視力を失う。

動くものが霧のように白く見えてしまう障害を受けてからの短期間で事件を調べていくわけですが、
障害がある設定がないぐらい活動的に行動する展開に
少し違和感がありました。

小説ですし、些細な事なのでそこを気にしなければ、
伏線の小道具が面白くて、あっ…ここで活用されるんだ。
という面白さがありました。

推理物ではなく異常犯罪の物語を読んだ心地でしたが
結果、面白く読めましたので良かったと思います。

▼以下、ネタバレ感想
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霧の迷宮から君を救い出すために (ジョイ・ノベルス)
No.150: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

頼子のためにの感想

事件の事象が明らかになって行くにつれて、
人々の表向きの行動や表情が本当なのか嘘なのかと疑心暗鬼にかられました。

娘が死んだ真相を追う父親手記を発端として、
事件や復讐心など、登場人物たちから滲みでた負の感情を味わった感じです。

そして、シリーズ毎回思う事ですが、
法月探偵の性格の描き方が、暗いというか、後ろ向きというか、
作品に暗く重い雰囲気を加えていると感じます。

気持ちがどんよりしますが、
ページが進むごとに変化する事件模様やラストの真相など、
複雑な物語を苦なく楽しめた作品だったと感じました。

▼以下、ネタバレ感想
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頼子のために (講談社文庫)
法月綸太郎頼子のために についてのレビュー
No.149: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

虚構推理 鋼人七瀬の感想

読後は個性的で論述の新しい楽しさを感じて面白かったと思いました。
本書はとても好みが分かれそうです。

亡霊やら妖怪やら漫画のテイストで進行するストーリーは、
中盤までは色々な事が馴染めず苦労しました。
ただ、
妖怪かまいたちの正体は、真空による皮膚の亀裂というのが、
科学的には根拠がないにも関わらず、世に浸透してしまっている。という、
虚構が現実世界の解答となって浸透している例え話が出てきてから、
この本が一気に面白くなりました。

この世に生まれた亡霊の現象を現実的な解答を提示し、
かつそれを聞く観衆に対してどれだけ魅力的に説得できるかという、
法廷ミステリや探偵演説の大団円の舞台を、
世の若い世代に合わせたストーリーで描かれている作品だと思いました。

事件があって犯人がいて、
その真相にいたる唯一無二の回答を導く数学的ロジックと言うよりは、
可能性を連弾して納得させればよいという点で、
この本の扱いや好みが分かれそうです。

虚構である推理ではありますが、
その展開や結末の落とし所は成否関係なく単純に気持ちが盛り上がりました。

シリーズ物になるのかわかりませんが、
1作目ゆえ、キャラクターや舞台設定の説明が多いプロローグの印象も受けたので、
2作目へと続いて物語を見てみたいです。
虚構推理 (講談社タイガ)
城平京虚構推理 鋼人七瀬 についてのレビュー
No.148: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

グレイヴディッガーの感想

一気読みの作品でした。
殺人鬼のホラー作品かなと思って手に取ったのですが、
スピード感溢れる、アクション映画を見ているような作品でした。

非常に読みやすいテンポで日本が舞台とは思えない。
そして魔女狩りを模した現場が生まれる猟奇的な事件。
場面の違うそれぞれの話が交差していく展開は面白いです。

高望みですが、謎やミスリードの意外性などのミステリ要素が
もっと欲しかったです。

結末へ向けて突っ走っている感が非常に気持ち良く感じました。

▼以下、ネタバレ感想
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グレイヴディッガー (角川文庫)
高野和明グレイヴディッガー についてのレビュー
No.147: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

開かせていただき光栄ですの感想

古き良き海外古典の名作を感じられました。
その時代の新作を読んだかのような不思議な第一印象です。良い作品でした。

翻訳本のテイストが苦手な人は読書が辛く感じそうですが、
この文章が18世紀ロンドンの世界へ導いてくれて、
物語が楽しめるようになってます。

雰囲気も然ることながら、
手足のない死体、死体消失、謎の死化粧など、
ミステリの謎もお約束も序盤から豊富で贅沢でした。

もう、何が起きているやら犯人は誰やら
良い意味で濃密すぎて視界がクラクラしました。
登場する盲目の判事の気分を味わいました。

最後は綺麗に全貌が明かされ収束し
個人的に爽やかな終わりでしたので、
海外翻訳の雰囲気が苦手でなければオススメしたい1冊でした。
表紙も素敵です。

▼以下、ネタバレ感想
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開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)
皆川博子開かせていただき光栄です についてのレビュー
No.146:
(4pt)

マリオネットの罠の感想

読む時期が遅かった心境です。
美女たちの活躍、妖しい洋館、麻薬事件など時代を感じられました。

また、緻密な展開というよりは感情的に各々が活躍している印象を受けました。
これだけ皆が動きまわり複雑な真相を設けた中で、
ページ数がこのボリュームで読みやすくまとまっているのが良かったです。

ただ、物語に没入できなかったというか、
客観的に離れた位置から物語を眺めたような印象でした。
マリオネットの罠 (文春文庫)
赤川次郎マリオネットの罠 についてのレビュー
No.145:
(5pt)

赤朽葉家の伝説の感想

日本推理作家協会賞を受賞していた先入観から
推理物を期待してしまったのが間違えだと読後に感じました。

女三代にわたる歴史絵巻を見た印象です。
現代編の瞳子が感じたように、その時代に存在しなかったにも関わらず、
戦後からの高度経済成長やバブルの世の中を
まるで体験したように情景が浮かぶ物語でした

万葉の時代設定がなんとなく平安時代というか
大昔の物語の非現実世界を漂っていた感覚で読んでました。
(なんとなく竹取物語のかぐや姫と万葉集を連想していたからだと思う。)
そんな中、要所要所で1970年、1980年代とリアルな時事も描かれた事によって、
本当にあった激動の日本の物語なんだなと年号によって意識が現実に引き戻される
不思議な体験を得ました。

この作品はミステリを意識して読まないで、
この物語を単純に楽しむのが良いと思います。

その時代毎の人々の思考、世代が変わった時のずれなど、
色々と印象的でした。

▼以下、ネタバレ感想
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赤朽葉家の伝説
桜庭一樹赤朽葉家の伝説 についてのレビュー
No.144:
(3pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

モザイク事件帳(大きな森の小さな密室)の感想

著者の本は初めてです。
短編集だからという訳ではないですが、
何か強烈なものを受けたという感覚が得られませんでした

ただ、なんと言うかSF、ホラー、ミステリと
多種多様な小説を描いている方なだけあり、不思議な世界観を味わいました。

死後150万年前の死体に関する「更新世の殺人」については、
設定が「星を継ぐもの」を思い出し、SFかな?と思いきや、
ジャンルがバカミスなのもあり、そのまま脱力。

「遺体の代弁者」はSFホラーを感じさせる
記憶を移植した話で、これは設定含めて好みでした。
モザイク事件帳 (創元クライム・クラブ)
No.143: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

リピートの感想

好みの小説で満足です。

記憶を持ったまま10ヶ月前の自分へ戻れる。
前半はそんなことが本当に可能なのか?と、選ばれたゲスト達が疑心暗鬼にかられます。
ただ、疑いつつも実際に体験したいという人間の心理・欲望が見えるのが面白いです。
恋愛にしても競馬でのお金儲けにしても、物ではなく、
物理的には存在しない情報や経験の重要性を再認識しました。

カオス理論のお話が途中にでますが、
初期動作が変わればどんどん未来が変化していく。
そして何がきっかけか分からないまま、ゲスト達が次々と怪死を遂げていく。
この不安要素の作りが巧くミステリの謎となっています。

この手の小説での既視感はあるものの、
それが変に裏切らない安定した面白さで、結末に至ってもこれは好みでした。

▼以下、ネタバレ感想
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リピート (文春文庫)
乾くるみリピート についてのレビュー
No.142:
(4pt)

演じられた白い夜の感想

雪の山荘に集められた劇団員に降りかかる連続殺人。
台本通りに行われる事件の真相は・・・。

っと、新本格の時代に書かれた小説で設定は好みで、推理する楽しみもあります。
ですが、それよりも男女や人間関係のドロドロ模様が印象的で、
これはあまり馴染めませんでした。

▼以下、ネタバレ感想
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演じられた白い夜 (実業之日本社文庫)
近藤史恵演じられた白い夜 についてのレビュー
No.141: 6人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

キングを探せの感想

あだ名で呼び合う犯人たち、
トランプのくじ引きで決めた四重交換殺人、
計画の齟齬により2転3転する構成など。
ミステリの読み所が豊富。

4人ものは、登場人物に頭を悩ませないで済むので、
巻き起こる事件のパズルに集中できるのがとても好みです。

ただ、何故だろう・・・。
舞台は巧妙で、驚きの要素が多く凄い作品だと感じているのに、
何かがパっとせず、印象的ではないのが勿体無く感じました。
感情的ではないからか、淡々と理論的な為なのか、文体なのかわかりませんが、
真相が明かされても衝撃が弱かったです。
(もっと凄い作品となりそうな勿体無さを感じてしまいました)

交換殺人、トランプ、などなど、
扱う道具の活用が非常に巧いと感じた本格モノ。

久々に著者の本を読みましたが、とても面白かったです。


▼以下、ネタバレ感想
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キングを探せ (講談社文庫)
法月綸太郎キングを探せ についてのレビュー
No.140: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

Anotherの感想

囁きシリーズや館シリーズで感じていた
著者の雰囲気を十分に堪能できた作品でした。

ただ、いろんなランキングなどに取り上げられた事が
私には余計な期待を持ってしまい、本格物ではなかった印象が、
物足りなさを感じてしまいました。

そんな事を考えた時に、ふと十角館の当時の事を思い出しました。

私は十角館でミステリの小説にハマった口ですが、
その頃、身の回りにいた私よりも年配で乱歩や横溝、
黄金期の海外ミステリを多く読まれていた読者の方が
十角館をあまり好んでいなかった状況がありました。

この時の感覚がそのまま10年単位でスライドしたんだと思いました。

今の若い世代がどういう物が好みかを研究把握され、
それらの事を巧くミステリに取り入れ昇華している。
そんな事を感じました。

アニメやコミックなど複数のメディア展開など、
これを機にミステリが好きな世代が増えればよいなと思う所と、
デビューから20年経った状況で同じ事をやってのける著者の偉大さを感じた気がしました。

▼以下、ネタバレ感想
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Another
綾辻行人Another(アナザー) についてのレビュー
No.139:
(7pt)

UNKNOWNの感想

自衛隊内の監視が厳しい一室に盗聴器が仕掛けられていた。どうやって?目的は?

大きな起伏なく淡々と進むストーリーで殺人も起こらないのですが、
状況推理で全貌を解けていく流れはミステリを感じました。

謎解きも然る事ながら、普段見慣れない航空自衛官内の内情がとても面白く読めました。
読後、著者の事をwikiで見たら航空自衛隊の方だったのですね。
階級の事や業務内容について、特に空の監視である対空レーダーについては、
普段なにも見えない空でも電磁波が飛び交い、
敵からの妨害電波を監視して国民を守っている自衛隊の業務があるのだと。認識しました。

こんな感想だと固いお国のお話に思われそうですが、
中身は軽妙でユーモアが溢れおり、とても読みやすかったです。
意外な真相や裏切られた嫌な気持ちもなく、爽やかな読後も良い感じでした。

▼以下、ネタバレ感想
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UNKNOWN (講談社ノベルス)
古処誠二UNKNOWN (アンノウン) についてのレビュー