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egut さんのレビュー一覧

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レビュー数738

全738件 561~580 29/37ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.178:
(6pt)

パーフェクトフレンドの感想

終盤の真相の落とし所はとても気持ち良かったです。
ただ、作中のアニメキャラやそのネタ色が強すぎて意味が分からないのと、
過去作の「アムリタ」を読んでいる人への要素もあるので、
本作単品としてはちょっと辛い。
仕掛けを味わうなら「アムリタ」は必読。
未読の場合は本作の友達のテーマが楽しみ所と言った印象です。

学ぶ為に学校へ行く必要がないと述べる小学生の天才数学者が、
学校で経験する友達とはなんなのか?に興味を持ち学校へ通うようになる。
人をパラメータ化して解釈したり哲学チックに持論を述べる様は、
著者の描く天才の不気味さが、かもし出ていて面白い。

不安定な展開ながらも終盤の力技のようなまとめ方は好みが分かれる所。
著者の作品傾向を踏まえて読んでいるので、そんなに悪くはないと思う次第でした。

▼以下、ネタバレ感想
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パーフェクトフレンド 新装版 (メディアワークス文庫)
野﨑まどパーフェクトフレンド についてのレビュー
No.177:
(7pt)

いつもながら展開が読めない

著者の本を読んできて、なんとなく分かった事。
それはSFの世界を活用したミステリならSFミステリ。歴史の世界を活用したミステリなら歴史ミステリ。と言った具合に名が付くような感覚でライトノベルを活用したライトノベルミステリ。であること。
つまりラノベに見られるアニメ風の軽いキャラクターやセリフ回しを活用した仕掛けを施してきてます。
あぁそう言えばと、過去作も思い返してミステリの新しい仕掛けの植え所を感じた次第です。

「小説の書き方」を生徒に教える話の流れは、
まったくもってミステリと違う所にいる物語なのですが、
終盤はいつも通り、野﨑まど流の展開でありました。

驚いた!というより、
毎回よく話の雰囲気を変えられるものだと楽しんでいます。

▼以下、ネタバレ感想
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小説家の作り方 新装版 (メディアワークス文庫)
野﨑まど小説家の作り方 についてのレビュー
No.176: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

死なない生徒殺人事件の感想

『死なない生徒』なのに『殺人事件』?タイトルがユニークです。
不死の存在がいる中での殺人事件という事で、
山口雅也の「生ける屍の死」を思い出しました。
生物学的や概念での不死を扱った話の下敷きは既視感を受けた気がしないでもないですが、
本書は学園を舞台にライトなミステリとなっていて読みやすいです。

首切り殺人の謎など、
不死の存在を仄めかした物語ならではの解釈や考察が面白いですし、
真相もなかなか飛んでます。

SFなのかオカルトなのかの作風は著者のいつも通りで、
ここまでくると、なんでもあり。と思えそうですが、
固定概念から外れた発想がとても刺激になって良かったです。

▼以下、ネタバレ感想
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死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~ 新装版 (メディアワークス文庫)
No.175:
(5pt)

舞面真面とお面の女の感想

曽祖父の残した遺言の謎やお面のお話。
可もなく不可もなく読みやすいのでさらっと読了でした。
これと言った刺激がなかった印象です。
ただ、不思議な雰囲気が味わえるのが良いです。

▼以下、ネタバレ感想
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舞面真面とお面の女 新装版 (メディアワークス文庫)
野﨑まど舞面真面とお面の女 についてのレビュー
No.174:
(3pt)

衣更月家の一族の感想

2013年の本格ミステリ大賞候補作。
ミステリー・リーグからの発売も相まって本格物を堪能しました。
個人の好みによるのですが、とても読書感が重かったです。
重いのは内容ではなくて、派手さがないというか、ズッシリと複雑な話です。

1つの手がかりから紐解く展開・・・とは違い、
全体像を掴みながら内容をしっかりと把握して読書をしないと、
ただややこしい。難しかった。緻密だ。固い。と言った印象だけが残り、
真相の驚きを味わえなさそうです。

とてもしっかりした作品なのですが、好みとは違うのでこの点数で。

▼以下、ネタバレ感想
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衣更月家の一族 (講談社文庫)
深木章子衣更月家の一族 についてのレビュー
No.173: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

[映] アムリタの感想

読後最初の一言は、うあ。何だこれ……っと、
個人的に衝撃を受けたので点数甘めで。

表紙と序盤の雰囲気やセリフ回しからは、まったく想像出来なかった展開。
ミステリと言えばそうだろうし、
青春小説ともSFともホラーとも恋愛とも哲学書とも好きなように感じられる。
過去にどんな作品に触れてきたかで、
類似作品をいろんなジャンルから思い当たるのではないだろうか。
それらがたった200数ページのボリューム内に混在している。

作中に出てくる二見が天才最原のコンテに触れた時の表現通り、
この作品は一気に読まされました。

題材の映画を論じる場面にて、
何千万人を感動させるには?そもそも感動とは何か?
どうやって伝えるか。興味深い話がでてきます。
メタ要素もありますが、読後に思った事は、
作者は読者がここを読んだらこんな反応になる。という事を
想像ではなくて確信をもってやっているような気がしました。

表紙やラノベのキャラ色が出ていたり、
ギャグが合わないと思うかもしれませんが、
それもそういう読者の感情を狙って引き出しているとしたら・・・恐ろしいものです。

ミステリと思ったり青春モノと思ったりと、
何かを希望し思いながら読むとその望みは叶わなそうです。
短い小説なので何も意識せず作品に触れてみるぐらいが良い読書な気がします。

作品の作り方、感じさせ方、読者が受け取る感情の多様性。
内容の外側に驚きました。

著者の『2』が読みたいのですが、
その前に過去作を読んでおくのが良さそうなので少し追っかけて読もうと思いました。

▼以下、ネタバレ感想
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[映]アムリタ 新装版 (メディアワークス文庫)
野﨑まど[映] アムリタ についてのレビュー
No.172:
(3pt)

かいぶつのまちの感想

『少女たちの羅針盤』に続く2作目。
前作の結末後の話なのでネタバレなしに1作目は先に手に取られた方が良いです。

前作が好みで期待値が上がり過ぎてしまったか、
今作は謎と登場人物たちの魅力は分散していて複雑さが残った印象でした。

後輩達や先生方など関わる面々がドロドロしており、
なんか足を踏み入れては行けない所に来ちゃった不安だけが残ります。
そんな雰囲気なだけに前作で苦手だった渡見が自分の思いに真摯で輝いて見えました。

羅針盤のメンバーにまた会えたのは嬉しかったのですが、
言い換えれば、夢中になれた読みどころはそこかな。。

作中作の演劇のシナリオの「かいぶつのまち」は面白いと思いました。
演劇のシナリオは魅力があります。
またいつか羅針盤のメンバーが活躍する話を楽しみにしてます。
かいぶつのまち (光文社文庫)
水生大海かいぶつのまち についてのレビュー
No.171: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

密室蒐集家の感想

どの短編も驚きあり、とても楽しい短編集でした。
人物造形や感情などはバッサリ切り落とし、
事件⇒検証⇒解決をテンポよく味わえる構成になっていました。
これは好みが分かれそうですが謎を解くパズルが好きな私はとても満足です。

1つに絞れないのですが
「少年と少女の密室」「死者はなぜ落ちる」「佳也子の屋根に雪ふりつむ」
この3編は違った色をもつ真相の楽しさが印象的でした。

ところで著者の本は5年以上ぶりの久々の新刊です。
間で、PSPゲームの『トリックロジック』にて著者のミステリに触れていたのですが、
その中でゲームの特性、内容の盲点を他の作家に比べて上手く活用していた真相を描いていると感じてました。
その時の問題編、解決編、それに触れる読者が受けるだろう盲点や謎解きの楽しさを
本書の密室蒐集家でも感じる事ができゲームをしている様な楽しさがありました。

あと余談で、密室蒐集家の造形は、
麻耶雄嵩の貴族探偵と伊坂幸太郎の死神の精度を連想してました。
純粋に謎を楽しむ本書の様な本が近年減った印象を受けているだけに、
今後も密室蒐集家が現れる作品が読みたいと思いました。

▼以下、ネタバレ感想
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密室蒐集家 (ミステリー・リーグ)
大山誠一郎密室蒐集家 についてのレビュー
No.170: 8人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

現代でこの作風の本書が出てきた事に嬉しく思いました。

タイトルを初めて見た時の印象は、なんか捻りがなく地味で冗談かと思いました。
本格物という噂を耳にした事をきっかけに、あまり期待せず読み始めたのですが、
読み終わって見ると久々に推理本を読んだ満足感が得られました。

『体育館』の単語があまりに日常に馴染み過ぎて最初気づかなかったのですが、
体育『館の殺人』で、館モノですね。
広々とした体育館で起きる密室殺人。足跡ではないですが雨が降り、
残された1本の傘からロジックを展開していく流れなど、好み満載でした。

アニメオタクの探偵役によるアニメネタが随所にあったので、
ここは好みが分かれそうですが、
ライトノベルが流行っている現代では、このテイストで学園ミステリを扱う本書によって
本格推理の楽しさを若い世代に知ってもらえたら良いなとプラスに感じました。

ロジックの見せ所が豊富でありながら、所々探偵のノリで端折る荒を感じるのは確かですが、
私はそこまで問題にせず若い作者のデビューの勢いを感じる作品でした。

ベテランになるほど荒の出る作品が出し辛く穴を突かれ批判されやすくなる故、
結果こういう推理物の楽しさを感じる作品の出会いが少なくなり、
古典や新本格頃の作品に目を向けてしまいがちでした。
なので現代でこの作風の本書が出てきた事に嬉しく思います。

2作目の期待が高まってプレッシャーになりそうですが、
作者受賞の言葉にある通り、また好きな物を書いてもらいたいなと思います。

▼以下、ネタバレ感想
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体育館の殺人 (創元推理文庫)
青崎有吾体育館の殺人 についてのレビュー
No.169: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

少女たちの羅針盤の感想

殺人者のアイドルが誰かに過去の事件を告発される現在のパート。
始まりの物語。演劇ユニット羅針盤結成の過去のパート。
現在と過去を章仕立てで入れ替える構成はよく見ますが、
本書は効果的で魅せ方がすごくよかったです。ミステリの謎や少女達の物語も面白く読めました。

過去パートでの少女達の前向きで勢いある青春物語を楽しむと同時に、
仲間として笑い合い助けあう4人の羅針盤のメンバーの中で
これから悲劇が生まれる未来が予め提示されているので、
一体誰が誰をどうして?と言った疑問が悲しく付きまといました。

沈む気持ちもあるのですが、
それを補える良さがたくさんある作品でした。

▼以下、ネタバレ感想
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少女たちの羅針盤 (光文社文庫 み 34-1)
水生大海少女たちの羅針盤 についてのレビュー
No.168:
(5pt)

果つる底なきの感想

江戸川乱歩賞作品。個人的にこの賞を受賞する作品は地に足がつくズッシリした内容に感じます。
本書は予想に違わず濃い作品でした。
警察小説やハードボイルドで感じる、組織間の人のやり取り等が銀行を舞台に行われます。
殺害方法などの捜査にページを割くのではなく、お金の流れを調べていき真相に迫る。
銀行の中を知らないだけに、これが新鮮で面白かったです。

▼以下、ネタバレ感想
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果つる底なき (講談社文庫)
池井戸潤果つる底なき についてのレビュー
No.167: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ゲームの名は誘拐の感想

犯人視点の誘拐物の面白さは相手を出し抜く知能戦が見える事です。

佐久間の造形も自信過剰の行動派で弱みもないため、人間味を気にする事無く、
次にどんな戦略を立てるのか?と言った
ゲームの構成を見る事に集中して楽しめました。

ただでは終わらない結末まで良かったです。

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ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)
東野圭吾ゲームの名は誘拐 についてのレビュー
No.166:
(7pt)

檻の中の少女の感想

あらすじからループ物のSFかと思って読み始めましたが全然違いました。
が、これは好みで面白かったです。

自殺した人物が使用していたSNSを軸にセキュリティ専門家の主人公が事件の調査を行う。

著者がネットセキュリティ関係の人との事で、
要所要所で活用されるセキュリティ話やその人間関係、サーバーの存在。
そして自殺コミュニティの仕組み、課金方法、運営者の特定など、
話が現実的で事件の捜査と展開が面白く読めました。
コンピューターが苦手な人もすんなり判るバランスなのが良いです。

島田荘司氏の解説で、本書はハードボイルドとあったのですが、なるほどと納得しました。
個人的な感覚でハードボイルドと言えば、トレンチコート着ての硬派で少し古いイメージが浮かんでしまいますが、
本書はネット犯罪を絡めての現代風で新しいハードボイルドの誕生と言った所でしょうか。

高望みかもしれませんが、謎解きが現実的に進行するので、意外性が弱かった印象でした。
好きな話だったので、他の本も読んでみようと思います。

▼以下、ネタバレ感想
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檻の中の少女
一田和樹檻の中の少女 についてのレビュー
No.165: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

追撃の森の感想

女性保安官補ブリンが凄くパワフル。
殺し屋に撃たれ、逃走中湖に車で落ちても保安官としてのプロ意識と負けず嫌いな強さで立ち向かう。
逃げの状況からの攻めの一手も見もので、
こんな状況ではなければブリンは普段どんな活躍をするのだろうと読後に思いました。

数時間の物語なのに読書の足取が重く緊迫したムードを描いているのは流石で読みごたえあります。
一筋縄ではいかない舞台も良かったのですが結末はサラッと終わってしまった印象でした。

▼以下、ネタバレ感想
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追撃の森 (文春文庫)
ジェフリー・ディーヴァー追撃の森 についてのレビュー
No.164: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

なんと言うか圧倒されました。

久々にボリュームが多い本を読みました。なんと言うか圧倒されました。
何処を紡いで感想を書こうか悩みます。

著者はスウェーデンのジャーナリストであった立場を活かして、
主人公ミカエルを同じジャーナリストの立場に置き、
女性犯罪や市場などの深い闇を訴えるメッセージ性の強い社会派小説を描いていると感じました。

社会派小説と言うとアクの強い読まされる本になりがちですが、
本書はそれを古典ミステリの様に限られた容疑者による孤島を舞台にしたり、
人間消失、暗号、被害者のミッシングリングを演出し、
違った一面では、どんな個人情報でも盗み出すハッカーを加えて現代風に味付けしたりと、
社会的テーマが強烈なのにそれを覆えるほど魅力的なミステリとなっているのに驚嘆します。

ミカエルが孤島に足を運び、ハリエットの失踪事件の依頼を受ける際、
『解決するかわかりません』と後ろ向きかつ、
『容疑者が多くて誰が誰だかわからない』と言ったセリフを述べますが、
私自身も同じく読み始め、この本はどんな話か見当が付かず、
登場人物についても40名を超えて頭に入るか不安な心境でした。
それが、上巻の中盤を超えたあたりから、謎が明かされていくにつれて、深い闇を感じていき、
ミカエルやリスベットの気持ち同様、何が起きたか最後まで知りたい。そんな気持ちの読書でした。

三部作なので時間を見つけて2,3作目と手に取って行こうと思います。

▼以下、ネタバレ感想
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ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
No.163:
(8pt)

カンニング少女の感想

何としても合格したいという目標を持った子に、
仲間たちが知恵を出して支えていく青春ストーリーは爽やかで気持ち良かったです。

デジタル機器などの扱いについて、
本書が2006年出版から6年も経過した事を考えると真新しさを感じないかもしれません。
ただ、本書からは、カンニングの手法や是非を問う話ではなく、
姉の死に引きずられた玲美と教員やそこに関わる仲間達の触れ合いが印象的で、
最後まで十分に惹きこまれました。

内容や意外性などは弱くて物足りなさを感じるかもしれませんし、
ベタベタな要素もありますが、それはそれで単純に好みで良かったです。

人との触れ合いと成長が気持ちよく描かれた作品でした。

▼以下、ネタバレ感想
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カンニング少女
黒田研二カンニング少女 についてのレビュー
No.162:
(4pt)

GOSICK -ゴシック-の感想

タイトルのゴシックに沿う雰囲気とキャラが馴染みなく新鮮で、
たまに出てきた古典ミステリの小ネタ遊びもよいです。
アニメっぽく、とても軽い流れなので、
ミステリを読み始める中高生には、とてもハマると思いました。

著者の作品傾向のイメージが良い意味で変わりました。多彩ですね。
GOSICK  ―ゴシック― (角川文庫)
桜庭一樹GOSICK -ゴシック- についてのレビュー
No.161: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
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毒猿 新宿鮫IIの感想

1作目はそこまで惹かれる作品ではなかったので、続きを読んでいなかったのですが、
各種ランキング本で名前が挙がっており、
新宿鮫シリーズの中での評判が高いので手に取りました。

なるほど。
日本作品なのにアクションやバイオレンス、麻薬やヤクザ、マフィア抗争の裏の部分が描かれていて、
それが描ける『新宿』と言う舞台の混沌に惹かれます。
1作目よりとても魅力的な作品でファンが多い事がわかる気がしました。

新宿を舞台にした小説や漫画、ゲームが思い浮かぶ中、
公開年月日が90年初期の新宿鮫は、
新宿を舞台にした先駆け的な作品だったんだと思いました。

個人的なミステリで好む、推理や意外な真相の要素が無い系統ですが、
人や街の魅力で楽しめた作品でした。
毒猿―新宿鮫〈2〉 (光文社文庫)
大沢在昌毒猿 新宿鮫II についてのレビュー
No.160:
(7pt)

インディゴの夜の感想

表題作含む4つの短編集。
渋谷にあるホストクラブclub indigoの面々が事件に巻き込まれ
素人探偵さながらの活躍をするお話。
創元推理短編賞を受賞した表題作「インディコの夜」が伏線や謎が明かされる様子、
キャラクターの魅力など、所見の印象が相まってとても面白かったです。

2作目以降の「原色の娘」「センター街NPボーイズ」「夜を駆る者」に至っては、
扱う事件が夜の街にありがちな事件で正直な所、新しさはなかったです。
ただ、ホスト達や夜の街など馴染みのない世界を魅力的に描かれている事や、
オーナーの晶、インディコのホストの面々が王道ホストの遠い所にいる存在というよりは、
読者に近い位置にいる砕けた人々なので馴染み易くとても楽しく読めました。

序盤の読書は、頭の中で漫画の夜王などが浮かんでましたが、
それとは違った路線で良い作品でした。

インディゴの夜 (集英社文庫)
加藤実秋インディゴの夜 についてのレビュー
No.159:
(5pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

十三回忌の感想

毎回トリックの連弾が凄く嬉しい小島正樹氏の小説。
島田荘司氏推薦とのキャッチコピーからの連想になりますが、
事件真相に至る、ささいな物事が繋がる様子や
大技のトリックは島田氏を彷彿させます。

本格物の好みの内容なのですが、今作は登場人物達や家系図が複雑で、
誰が誰なのか把握に戸惑い読み進めるのに苦労しました。
文章の作りや読ませ方のテクニックなど作家でないので良くわかりませんが、
毎回、読みやすかったら最高なのに。。と思う所です。

作風は好みなので、残りの本も読んでみたくなりました。

▼以下、ネタバレ感想
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十三回忌 (双葉文庫)
小島正樹十三回忌 についてのレビュー