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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数745件
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好みの本格ミステリである事と読みやすさが良いです。
『館』の文字の使用を控えて、眼球堂の『堂』を選んだと思いますが、中身は館物でクローズド・サークル。 トリックあり、読者への挑戦ありと、直球の本格ミステリです。この手の本は好みで楽しいです。 少し厄介に感じたのが既視感が多い所です。 人物設定やトリックなど新本格時代の本を好んで読んでいる人には触れているだろう定番本のネタをいろいろ取り入れています。 が、それが悪いかというとそうではなくて、うまく組み合わせて作品を作ったなと思う次第です。 新鮮な驚きではなく、感心という気持ちでした。 ミステリ好き同士で感想を話すと、ここってこの作品のここだよね。こっちの設定はこの作品だよね。 と、他作の作品名はネタバレになるので言えませんが、そういう風に感じる本でした。 天才が集まる必然性が弱かったり、「ザ・ブック」と発言する主人公は数学者を超えたイタさを感じるなど、ひっかかる部分はあるのですが、本格が好きな気持ちと楽しさが伝わり良かったです。 次回作も楽しみです。 |
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警察小説、3億円事件。社会的で硬質漂うので、あらすじを読んだ印象では好みに合わない感じでした。ですが、評判で気になって読んだ所・・・当たりです。これは食わず嫌い本でした。
自殺とされた事件が殺人の可能性をおびて、時効寸前の前日に調査を再開。関係者を集めて過去を聞きだし真相を探っていく。 時効寸前というタイムリミットと、警察内の雰囲気がとても緊迫感をだしています。 容疑者達から過去の物語を聞いていくのですが、何が起きていたのか分らないもどかしさも重なって、ミステリの謎が気になる。という好奇心ではなく、真相がわからない事による『焦り』の雰囲気が巧かったです。 謎や伏線に至るミステリの面白さに、警察小説の雰囲気や人間模様などうまく絡んでおり、警察小説も悪くないと思わせる作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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日本推理作家協会賞受賞作ではありますが、ミステリの要素は低いです。
絵画であれば、この絵にはどんな美が存在するのだろうか。と言った謎を提示するところが、 ミステリっぽいと言えばそうなのですが、本作は美に関わる人々の気持ちに触れて相手を思う。そんな作品でした。 芸術、音楽など、文章中に扱われる単語の多くが心地よいものなので、物語だけでなく文章作りの美も感じます。 頭を使わず雰囲気に触れている様な作品で、そこが求めている好みと違った点でした。 |
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いやはや。今回も楽しませて頂きました。この方の作品凄いです。
推理物のミステリとは違う小説ですが、『知るとは何か?』をミステリの謎と言うより哲学的に問いかけるSFよりな作品です。 堅物な作風だと頭が痛くなるような専門用語や論述をライトノベルの作風を使ってとても読みやすくしているのは毎回凄い所。 テーマの感じさせ方もうまく、読後余韻に浸り、いろいろと考えさせられました。 まず感じたのは『情報格差』です。 脳に付与された機器によって、得られ、隠せる情報制限を人々にランク付けさせる世界。 一般人はランク2。官僚はランク5。社会適性がないものはランク0で個人情報筒抜け。 コンピューターの進化や超情報化社会に発展する未来において起こり得る格差世界を体感させられます。 脳とコンピューターが接続する世界において知識とは、事前に知っている必要はなく、瞬時に検索してアウトプットできれば同義になるなど、未来における考え方の変化も興味深いです。 現代でもすでに知らない事はネットを活用して瞬時に回答を得られる能力があれば事足りる状況もあるわけで、その世界においての『知っている』『知らない』『知りたい』とは何なのかを感じる読書でした。 人間の生きるとは何なのか、全てを知るとはどういう事なのか、深いテーマを掲げて、 脳とコンピューターのSF世界をライトに楽しめる作品はそうそうないです。 ネタバレは後述するとして、作者の考え方の仏教や宇宙など巻き込んだ思考の到達点はかなり痺れました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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バカミスから著者の本を読むようになった為、昔の本書を読むにあたってはその手の先入観を感じながら読みました。
シリーズ3作目ですが、本書が初めての読書です。 話は、死なない吸血鬼の主人公が時間を持て余しているので5万枚のミステリーを書こうと思い、何を書こうかと、つらつら述べていく所から始まります。 序盤から『この事件は時が解決してくれる!』それ、探偵の名前が(とき)さんって人じゃないですよね?とか、 『密室は嘆いていた』それ、(ひそかむろ)って名前の男がいる叙述じゃないですよね?とか、 ユーモアなやりとりでクスっとさせられながら、昔からこんな話を書いてたんだと感じていました。 ですが、作中作「青い館の追憶」が現れた辺りは、氷の館に住む女王と7色の氷人である賢者の幻想小説になり、その本を書いた人を調べていく中で、顔の溶けた幽霊が現れる現実のマンションに出くわし、ホラーテイストから話が繋がっていくミステリへ変容していきます。 吸血鬼が主人公なので、氷の女王やら幽霊やら不思議な現象も作品の設定として感じてしまう所ですが、結末へはそれらを必然的にうまく繋げていくんだなと思いました。 バカミスに特化、ホラーに特化。と、1ジャンルに洗練させているのではなく、色々な持ち味を混ぜ込んでいる所に今と昔の作風の変化を感じられました。 |
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いやはや。久々に頭使って読みました。かなり重厚です。
久々の翻訳物を読んだ為か名前や人物の把握に苦労しました。 中盤までは登場人物ページをいったりきたりしていました。 ピア警部に至っては、最初勝手に"警部"だからと、男の印象で読み進めてしまっていて、 女性警部と把握した時は、日本の警察小説で女性の階級が高いものって少ないな。と、国の違いを感じていました。 著者に関しても男性作家だと思っていたのですが、 読書後に著者を調べたら女性作家だった事に驚き、 それで、女性のキャラが生き生きしていたのかと合点。 などなど、名前に然り、ドイツの事をまったくもって把握していない自分を改めていました。 そんな自分に対して、本書がドイツのご当地物といいますか、情景・歴史がよく描かれているのでかなり学ばされた本でした。ミステリを通して他国を感じられるのは良いです。 かなり緻密な構成でストーリー展開は良い意味で混乱。 全容が分かる後半は、もうなんか凄い事になってるな。と感じるしかなかったです。 オリヴァー とピアの関係も素敵で好み。人物把握が慣れた所で、他のシリーズを読もうと思いました。 個人的には本書はシリーズの雰囲気・下地を把握する魅力的な体験版と言った感じでした。 |
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これは好みの作品ですね。埋もれてました。
冒頭から始まる『無重力空間での墜落死』という不可解な状況の提示は魅力的です。 宇宙ステーションが舞台なのでSFとなりますが、何でもありの奇想のSFではなく、ほんの少し先の未来が舞台である現実的な世界を描いてます。 また、理系用語豊富ですが教養範囲。特殊なものは丁寧に説明されています。 ライトノベルも描く方なので、キャラの気持ちも入りやすい。 本書は初心者から楽しめるSFミステリだと感じました。 なんとなく、森博嗣『すべてがFになる』の設定や雰囲気を色々と感じましたが、 S&Mシリーズが好きな方には本書も好まれると思いました。 事件の魅力も然る事ながら、テーマ性もよかったです。 『ミラーワールド』と表現された、現代で言うインターネットのバーチャル空間においての相手との対話。 相手は人なのか人工知能なのか。人の死後、その人の情報はネット中にどのように存在し続けるのか。と、語りかけられるテーマに面白く触れられました。 2作目の『海底密室』にも話題として出てきましたが、ネットと言う新たな世界での『人の存在』を意識させられました。 SFを読みなれていないのもあって、宇宙での表現方法が新鮮でした。 気に入った所を引用しますと、 >舞依の瞳から、涙がこぼれた。地上に比べて、ほんの少しだけ、ゆっくりと流れ落ちるその透明な液体を、凌はとても綺麗だと思う。 重力の違う宇宙空間にいる事を感じさせる表現が素敵です。 シリーズをもっと読みたいのですが、無いのが残念。 よい作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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500Pを超えると読むのを躊躇ってしまうのですが、著者の本は読みやすい安心感があり手に取りました。本書も苦なく読めたので巧さは健在。
序盤から『何かの事件が起きた後』の事情聴取やインタビューの場で、登場人物達の供述でストーリーが進みます。 読者が質問者になったかのように、会話が一方的にこちらに話しかけてきます。 例えば、他人が携帯電話で誰かと話しているのを横で聞いているような印象を持ちました。 ですが、内容がよくわかる。片方の会話文が無いのに話がわかるのです。これはとても凄いと思いました。 不思議な構成や文章で読み進め、結局何が起きたのか?を悶々と考え、もどかしさを感じながら最後まで読んでしまいました。 読んでいて苦はなかったのですが、読み進めて行く最中に頭に過る、『何か』の想像を脱した結末ではなかったのが少し好みと逸れました。これは話のボリュームが長く、色々考える時間があった為です。もう少し話が短くて、心の準備をする間が無かったら違った印象を受けていたでしょう。 岡嶋二人作品で、話を短くシンプルにして勢いよく真相をぶつけてくる。あの感じを求めていたのかもしれません。 さて、長いから悪いとかそうではなくて、驚きよりも物語作りに唸ります。 顔が醜く社会と断絶していた人物が、とあるきっかけでモデルに心を奪われストーカーと化していきます。 『醜さ』が幾度となく表現され、それは見た目の顔だったり、歪んだ考え方だったりするわけですが、 『醜い』というのは相手があって初めて感じる表現なわけで、映像ではなく、文章で作っていった所の巧さを感じます。 構成のインタビュー形式にしても、相手の存在をなくして、独りで話していたりします。 ストーカーの一方向な思い込み、ビートルズの評論で自身の存在を認めていくのも然り、個の表現が不思議と目に留まりました。 いろいろな見方ができて面白い作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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深海4000メールの実験施設で起きる密室殺人。
SFミステリまで空想ではなく、理系ミステリと言った所です。 ミステリの舞台からしてシチュエーションの新鮮味を受けます。 外界から閉ざされたクローズド・サークルものであり、 犯行方法も然る事ながら何故ここで殺人を犯さなければならなかったのかの議論も魅力です。 登場人物達は施設にいる研究員なので、状況把握、思考回路も理路整然していているのもよいです。 事件が起きても他に影響されず、行動は自分で何事も判断。研究を続ける。個人の問題。無関心。 光が無い深海の冷たさ同様、『個』が強調されているのが魅力でした。 本書には地球の資源問題や深海を研究する上での土地問題、生物や食糧問題の解決、エネルギー問題の重要性などのメッセージ。 コンピュータが発達してネットワークでコミュニケーションが取れるようになった今、 人の繋がりを求める場合、物理的に同じ空間に人は必要なのか? コンピューターに映し出された文章に人を感じるなら、感情をもった人工知能が人の繋がりを代用できるのか。など、 人との触れ合い、孤独とは何かのテーマ性を色々と考えさせられました。 ミステリとしても、テーマ性にしても特徴的で面白く、 また、それらが巧く融合された作品となっています。 理系のミステリが好きなので満足でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
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事件の生存者、梢絵の疑問、
なぜ私は襲われなければならなかったのか?という犯行の動機から始まり、連続殺人のミッシングリンク、推理によっては犯行現場が密室や犯人消失模様になって混迷する真実など、序盤に事件の概要が展開されたあとは、ひたすら推理する作品です。 ロジカルな思考に触れる展開が好きなので面白かったです。 ただ、推理場面は良いですが、題材の謎自体の魅力が弱く、 惹きこまれて先が気になるような展開ではなかったのが残念です。 事件がサスペンスドラマな印象で、もっと不可解な怪奇性があれば良かったと思いました。 推理だけの本と思いきや、ミステリの要素はかなり豊富です。 盛りだくさんの要素を巧く組み合わせた、技巧的な作品でした。 |
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読み所が豊富で、1冊読んだだけなのに何冊も読んだ気分です。
冴えない二流作家のハリーはSF,ミステリ,ヴァンパイア,ポルノを描く時にそれぞれペンネームを使い分ける。 ペンネームをコロコロ変えて自分固有の名前で出版しないのは自己ができてなく自信が無いないからなど、作家ハリーの人柄がとても良く感じる事ができました。 著者近影を母親や友人に頼んだりと、自身をとにかく伏せているのですが、これらが相まって読後にふと思った事。 本書の著者デイヴィッド・ゴードンは何者なのでしょうか? 映画監督や実験新作などで使われたりしますが、著者はハリー同様に自身を伏せた名のある作家の別名義なのかもしれないと勘ぐってしまいました。 作家や作品作りの思い、 推理小説が一番面白いのはページの最初の方だ。というミステリの考え方。 (例えが多く、かなりのミステリ好きだと感じさせる雰囲気もある) 著者の様々な思いを登場人物達に語らせている所が興味深く面白かったです。 あと翻訳がとても凄いと思います。 キャラや物語など色々と詰め込んで盛りだくさんなのに、 それぞれの表現が分かりやすいし気持ちが伝わる。この感覚は久々でした。 |
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恋愛や友人関係、家庭事情、思い詰めての自殺願望など、
日常生活に入り込んでしまった歪んだ感情を"ノイズ"と表現している所が感慨深かったです。 闇に染まってしまう悪い感情もあれば、 よくよく考えると相手を思って生まれていた恋愛的なノイズもあるわけで、 複雑な寂しさや悲しさの感情が漂う作品だと思います。 さて、そんな世の中のノイズから耳をふさいでいるのか、 表紙に描かれたヘッドフォンを装着した少女が探偵役。 超頭脳で瞬時に解き明かす真相の流れは気持ちがよいです。 ヘッドフォンなどで外音をしっかり遮断した場合、 自分の血流のノイズを感じたりするわけで、 この少女が耳にしているものは自分自身の回想なのかと思いました。 連作集最後の『静かな密室』。 これはミステリとして、また、恋愛物としてもラストを飾るのに良い作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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好みのデス・ゲームもの。
『殺戮ゲーム』のタイトルと中身は違う印象で、PRを意図した刺激的な単語を使ったのかな?と印象を持ちました。 よくある賞金の為に互いを殺し合うのではく、 謎の主催者? vs 突然密室に閉じ込められたサークルメンバー の構図で、 メンバーは仲間。だけどこの中に犯人(魔物)がいるのか?と疑心暗鬼になるサスペンスです。 一夜明けるごとに仲間が殺されていく状況を解決するべく、 理論的に推察を試みる展開があるのですが、 そんな事より性格がどうだこうだから、お前が怪しい。など、 感情的になり推理に至らない展開がよくでます。 ミステリの視点では残念ですが、妙なリアリティを感じる事ができて、場の収拾が付かない もどかしさが良く出ていました。 伏線や驚きの要素がもっと欲しかったですが、 読みやすさと、デスゲームの面白さ・わかり易さが良いですし、 舞台の設定、人々の心理や結末など巧く作られていると感じる好みの作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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久々の大ボユームな本を読書しました。
1000年後を舞台に描くSF作品ですが呪力の存在が空想世界のファンタジーを醸し出し、普通ではない世界を体験できました。 新世界の未来においても止む事のない戦争と平和の模様が印象に残ります。 定番のSFなら人間vs宇宙人。ファンタジーならvsモンスター。 本作の1つのジャンルに属さない世界での表現に面白さを感じました。 ただ、個人的な問題でこの大ボリュームを読むタイミングが悪かったかもしれません。 どこも苦手だったり悪い所がないのですが、作品に没頭できない自分がいました。 世界観を把握したうえでもう一度読むと様々なテーマを考えながら感じられそうです。 |
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人気がある本は何故か手に取らなくなってしまう傾向があり、
読み漏れていた作品でしたが、、、食わず嫌いは勿体ないですね。とても良かったです。 倒叙ミステリのように序盤で毒殺を扱う所が描かれますが、 そこから誰が、どうやって?の謎を最後まで飽きさせず展開するのは見事過ぎました。 毒殺なんて古くからミステリで見慣れた要素なのに、古臭く感じさせません。 それは、科学捜査や、晩婚や不妊など社会的な内容を混ぜ込んで、 現代をしっかり描き活用しているからだと感じました。 人気シリーズはそれなりの理由があると再認識します。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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消失物のミステリ。
刊行後、出版社が倒産してしまって本書自体も消失しかねた面白い曰くがある作品。 読後に"バカミス"扱いになっている事を知りましたが、 列車消失、出現する奇妙な死体など、本格思考の魅力的な要素が いくつも散りばめられていて面白い作品でした。 ただ、文章内容や人のセリフ、事件が起きた時の感情や説明など総じて軽く、 笑いに変えているセンスなどが相まってバカミスとなっていると思います。 本書で扱われている事件や真相について、 例えば島田荘司が描いたら、かなりの作品になりそうな事を勝手に想像しました。 何故、島田荘司が浮かんだのかと言うと、似たようなトンデモトリックでも 事件背景が色濃く描かれ、不思議な納得と魅力で壮大に感じられるのですが、 本書の傾向はその反対側にあると思ったからでした。 ちょっとセンスが合わなかったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ホームズとワトソンの立場を議員と秘書に置き換えた日常の謎の連作ミステリ。
政界という日常では滅多に触れられる事がない舞台にて、 ユニークなキャラ達が活躍するのは読んでて楽しかったです。 バカと天才の紙一重である議員の漆原翔太郎と、 それに振り回されるサムライ秘書の雲井進の葛藤が面白い。 翔太郎の自由奔放な行動は国民の為なのか自分の為なのか、 真意は分からずとも謎は氷解し最後は落ち着く所に落ち着く。 話が繋がる伏線の張り方も面白く なかなか爽やかで楽しいミステリでした。 TVドラマ受けしそうな話だとも感じました。 |
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読後にまず思った事は、同じ講談社の青い鳥文庫から発売すれば
小・中学生のターゲットにぴったりハマると思いました。 作品のキャラクターや軽い雰囲気、数学の内容も 高校・大学頃には触れている内容なので大人が読むと凄さを感じさせ辛い。 とすると読者のターゲットは小・中学生が向いていると思った次第です。 ただ、「殺人」が発生している事から小学生には不向きなのかもしれませんね。 殺人と言っても事件発生の用途で使用しているだけで、 「誰々が死にました」と、報告レベルであり、陰鬱な表現はありません。 殺人にしないで誘拐程度にすれば、小・中学層へ広げやすいかなと思いました。 数学の豆知識から事件の発生・攻略の手がかりとする話作りは面白いです。 読みやすさも良かったです。 『0』を扱う『悪魔との約束』は、物語・謎解きに至るまで数学がわかり易く活用され、好みでした。 |
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読中は色々と揺さぶられて良い本だとは思いますが点数は好みの問題で。
なんと表現したら良いか複雑ですが 真理子に起きた年齢がスキップしてしまった現象は、 第三者視点の読者と文章により、 綺麗で前向きに感じさせられてしまいますが、 我に返って考えれば、これは相当な悲劇です。 家族や関わる仲間たちに恵まれている暖かさを強調し、 全体的に柔らかで光が差し込むような心地よい印象を持たせてますが、 私にはそれが強がった仮面のような印象を受けてしまいました。 もっと真理子がパニックになってドロドロしていれば好みかと言えば違うのですが、 何と言うか他人事な気分で読まされた感じだった次第です。 疎外感はあったものの、 物事の教え方や学内の雰囲気はとても良い印象でした。 これは、著者が国語の先生という事もあり、 とても温かみのある言葉や感情がよかったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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