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死者の書
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死者の書の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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表紙が現物と変わっていたけど、こっちのほうが気に入ってます。 | ||||
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長いこと積読状態になっていたジョナサン・キャロル、久々に手を出したらハマってしまい、改めて1作目から読み返しています。 キャロルのデビュー作であるこの本を最初に読んだのはもうはるか昔の20代の時でした。あらすじはだいたいおぼえていましたが、ラストは記憶が曖昧。そんな状態で再読したのですが、初読時同様のショックを持って読み終わり、ああこれはやっぱりすごいと再認識しました。 こちらでの評価は賛否両論のようですね。日本ではキャロルは売れないらしく、本国では新作が順調に出版されているのに日本での翻訳は途中で止まったままで残念です。 怪奇、幻想、ホラー、ファンタジー、そして残酷童話的なお話が好きな方はまず気に入ると思います。論理ではなく感性で書かれた物語なので、足が地について現実に即した筋道立った話が好きな方は受けつけないかもしれません。 キャロルの作品はダーク・ファンタジーと呼ばれ独特の不気味さが持ち味ですが、表現は結構ユーモラスでとてもアメリカンです。個人的に受けた印象ですが、アメリカ人という出生と、育ったのが陰影あるヨーロッパの古都ウィーンというのがいいバランスでミックスされているような気がします。 「死者の書」も、最初はいかにもアメリカ的な地方都市を舞台に、ごく普通の日常が描かれます。偉大な童話作家マーシャル・フランスの伝記を書きたいという野望を持って教師の職を休職し、ガールフレンドと共にフランスの故郷であるゲイレンという小さな町へ向かうトーマス。 偏屈だと聞いていたフランスの娘アンナに会いますが、意外にもすんなり受け入れられます。ゲイレンでの住まいも決まって何もかも順調に進んでいると思えた日々に、少しずつおかしなことが起き始めて・・・。最初は気のせいだと思い込もうとする主人公。けれどとうとう違和感を無視することができなくなって・・・。 じわじわと増加してゆく得体の知れない雰囲気、そして真相が見えてくると同時に話はだんだんとスピードアップ、怒涛のラストでは世界が変容し死者の匂いが漂ってくるようでなんとも言えない不気味さです。さらに最後のオチで意外な人物が現れたことを思うと、主人公自身の変容とこれからの人生が暗示され、愕然とします。 これが処女作というのはすごいです。新作の翻訳再開もなんとかお願いしたいです。 | ||||
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主人公とある女性と二人でのロードムービーのような感じで物語は進んでいきます。 そしてあるのどかな田舎町に・・・ 本当に終盤までのどかな雰囲気で最後までホラーだと気づきません。 というか、読後感もホラーという印象はないのですが、 よく考えてみるとじわじわと怖くなってくるという感じで、 かなりユニークなホラーだと思いました。 | ||||
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関連書籍で出てきて、こちらにあるレビューを読んで興味を持ったので購入しました。 へんてこりんなお話です。でもとても不気味。そして私もみなさん同様、主人公が好きになれませんし、サクソニーがかわいそうでなりません。 彼女はいったい彼にとって何だったんでしょうね? 終章で、トーマスは一人のはずなんですが「僕ら」と言っています。一緒にいるのは、誰?もしかしてトーマスもフランスと同じ力を持っちゃったの??などなど、謎は残ります。 これを読んでキャロルが好きになるか、とんでも本として本を投げたくなるかは、読者次第。私はほかの作品も読みたくなりました。 | ||||
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ジョナサン・キャロルの邦訳第一弾。 キャロルはホラーに分類されるのかな。 最近死んだ、とある作家の伝記を書こうとした青年は、作家の住んでいた町を訪れる。 その小さな町では、気さくな人々が暮らし、作家の娘も健在で、伝記は好調に書き始められた。 ところがある日、町の住人の一人である少年が、自動車事故で死亡してしまう。 他の住人は、その悲しいはずの報せを聞くと、「あの子は、死ぬときに笑っていましたか?」と的外れな質問を返してきた。。。 常識的な世界が、小さな事件をきっかけにガラガラと崩壊し、それまでとは違った側面を見せはじめる。 そして、この日常崩壊の様子の描きかたこそキャロルの本領だろう。 キングなどのホラーを読む人にも、そうでない人にもお勧めできる作品。 個人的には、最後のオチは蛇足だったような気もしますが。。。 | ||||
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ある作家の作品に夢中になった主人公がその伝記を書く為にある町に赴くが・・・というお話。 物語の中盤くらいまでは割とリアリズムを基調にした小説に思えますが、中盤以降に怪異な現象などが起こり始め、ファンタジーやホラーっぽくなるという展開の作品でした。その中盤以降の展開が結構薄気味悪い感じで居心地の悪いファンタジー、或いは悪意に満ちたファンタジーという感じでなかなか読ませる作品になっているように思えました。この薄気味悪さ,蟻走感のような居心地悪さを楽しめるか、不快に思うかで本書に対する評価が割れるのではないかと思いましたがどうでしょうか。私の場合、根暗世代の鬼畜系という事で楽しめましたが。 著者のジョナサン・キャロルは父親がハリウッドで脚本を書いていた名のある父親を持つ人だということで、作中映画に関する逸話や挿話が沢山出てくるのもこの辺の事からなのだと思います(因みに瀬戸川猛資はその脚本家の父の事が好きで、この人の作品を読んで父には及んでないと評されてました)。 イヤミスに分類されるかもしれない不気味なファンタジー。機会があったらご一読を。 | ||||
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ホラーの巨匠にして、米国の小説界の大御所である、スティーブン・キングをして「私のような、卑しい物書きが、あなたにお手紙を出すのは~」と絶賛したらしい。とてもこれが処女作とは思えない、できばえである。私は「笑いの郷」、「緑の犬嘆き」、「桃の実色の影」という、マーシャル・フランスなる作家の本をぜひ読みたい。実はその様な作家も本も実在しないのだが、「猫あかり」なるものとは何かしりたい。 何故この本が、映画化されなかったのだろう?J・キャロルもそれを望んでいたに違いない。今だったら、かなりテクノロジーでカバーでき、面白い映画になると思う。世の中のプロダクションは何をしているのかと歯がゆい思いをさせる、一冊である。浅羽莢子氏の翻訳も実にうまい。彼女が指摘しているがごとく、J・キャロルは日本人の感性を持っているがごとくの、季節への情感の描写がこの小説を只者ではなくしている。(ついに、アマゾンで取り寄せ原書をよむことまでした。)表紙のデザインはいまいちでしたが、浅羽氏の翻訳は見事でした。 | ||||
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Jonathan Carrollの『The Land of Laghs』(1980年)の翻訳。 著者の長編デビュー作である。 ホラー小説というかファンタジーというか。 どことなく不気味で、しかし、温かな雰囲気のなかで物語が進んでいき、衝撃的なラストを迎える。 物語と現実世界の融合がテーマとなっているのだが、先の展開が読める中で、じわじわと不安が募り、ページを繰る手を止めることができなかった。 結末が気が利いていていい。 | ||||
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何気ない日常にちょっとした異変がからみ、次第におかしな方向へと進んでいく話です。 ちょっとおかしな主人公と、これまたちょっとおかしなサポート役の女性とのコミュニケーションが、またおもしろいのですが、旅先での出来事が、徐々に狂っていく感じなどは、違和感なく読み進められました。 読み終わって、後で考えると、なるほどと思えるシーンがたくさんあるので、ミステリー好きな人も読みやすい作品だと思います。 登場人物がシンプルかつ個性的で、親しみの持てる人物から、かなり憎らしく感じる人物まで幅広く、おもしろいです。 | ||||
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ジョナサン・キャロルの本は初めてです。読み終えてネットで調べるまでは著者が男なのか女なのかわかりませんでした (ジョナサンじゃないかと思うかもしれませんが、本を読むとそんな気分です)。 読んでいて退屈する部分がない本です(そんな本って少ないでしょ)。内容が充実しています。プロットよりも、キャラクターに魅力があります。 題名ほど怖い本ではありません(なんであんな題名?)。質の高い面白さが長く続く感じです。最後にS評価をとるのではなく、A評価がずっと続く感じです。全然タイプが違いますがフロスト警部シリーズと同様です。個人的に好きなタイプの本です。 著者の知名度が上がり、近所の本屋でも買えるようになるといいのに。 | ||||
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なんとキャロルの処女作がこれというのは、驚愕するしかありません。それほど、巧みで、したたかでさえある文の運び、 全体に流れる不気味なニュアンスに魅せられました。もっと若いころ出合いたかった。 また、マーシャル・フランスの作品が読めないもどかしさ、残念さもありますね。主人公がちょっとだけ挙げる、 フランスの物語の断片が素晴らしい。タイトルもまたそそられます。作中作「笑いの郷」「星の湖」「緑の犬の嘆き」 「桃の実色の影」・・・。 とにかく全編に満ちる空気感が尋常ではありません。ダークで電気を帯びたような街の描写が続くうちに、キャロルの描く ゲイレンに引きこまれていきます。 主人公トーマスは愛する作家マーシャル・フランスの伝記を書くために作家が終生愛したゲイレンという街を訪ねます。 フランスの家には彼の一人娘アンナがひっそりと暮らしている。 そこに滞在することを許されトーマスは恋人のサクソニーとともに、フランスの足跡をたどり始めます。 アメリカの片田舎の町ゲイレン。ぱっとしない小さな町。しかし、住んでみると何か不可思議な謎がありそうな、 どこか歪んだレンズをのぞいているような、そんな妙な街なのです。 前半のゆったりした展開から一転、後半は謎が明かされホラーファンタジー的な展開になり物語もどんどん進んでいきます。 そしてラストまで、一分の隙もない筆の運びで、驚愕の終幕を迎えます。 キャロルの処女作にして代表作。 | ||||
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十年以上前になんの予備知識もなしにこの作家のデビュー作にぶつかった時にもあまりに衝撃的過ぎてただただ圧倒されましたが、今回も同じでした。何回読み返してみても、ストーリー展開もさることながら、プロットに、描写力に、巧みな言葉遣いに、そして独特のタッチに、やっぱりただただ凄い、才能ってこういうことをいうのだなと絶賛の言葉以外に送る言葉が思いつきませんでした。完璧すぎます。 ストーリーは、ダークファンタジーの名にふさわしい不思議な物語。有名な映画スターの息子トーマス・アビィは、有名人の息子ということにうんざりし続けていたが、彼にとっての永遠の文学的アイドルにして謎の多い童話作家のマーシャル・フランスの伝記を書くべく、同じくフランスの熱狂的なファンの女性と一緒に彼が終世住み続けたゲレインの町に赴く。町へと行く前にフランスのエージェントだった男からいろいろと情報を仕入れたいた二人は用心深く町へとついたが、いきなりフランスの娘に正体がばれ、状況は思いがけない方向に転がっていく。村人の態度にいぶかしいものを覚えながら、伝記に着手するトーマスはだんだんと何かがおかしい事に気がつき始める。アメリカの田舎町を舞台に展開される不思議な物語。 前半はスロースタートですが、中盤からはページを繰る手をとめさせてくれません。 海外小説を読む愉しみをとことん味あわせてくれる一冊です。最大級のお勧め作品です。 | ||||
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途上で明かされる世界観をどう受け止めるかで評価は極端に別れてしまう作品でしょう。 自分としてはそれをオチ的な扱いにはせず、主人公のドラマや表現へ至るプロットとして活用しているので高評価。 延々と付きまとう不安感は他に類をみない程。 ただ、展開に対するキャラクターのリアクションがどうにも不自然なため感情移入に繋がりにくかった。 心理としてはもっと疑問を持つだろうとか、責めるだろうとか、諦めるでしょうとか、諸々。 ジョナサン・キャロル入門書としては最適(個人的にはキャロル唯一の傑作)。 読者各々の評価は別にしても有意義な読書体験が出来ると思います(映画なんて媒体だとこの内容は難しそう)。 | ||||
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最初は、あまりにゆっくりした展開に、う〜ん・・・と思いながら読み進めるのだが、後半はもう、ページをめくる指が止まらなくなり、瞬きするのも惜しいくらいだ。 ラストの衝撃的なシーンは、自分のなかで映像化され、その恐怖に戦慄が走る。 映画化のオファーがありそう・・・(でも映画化したら、すこし違うラストになりそうで、それはイヤかも)。 若干、ジャパニーズホラーに通ずる感がある。 視覚的とかじゃなくて、感覚的に追い詰められていくようで・・・。 これは、サスペンスが好きな方には、ぜひ一読して頂きたい作品。 心から、オススメします。 | ||||
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何度読み返しても鳥肌が立ちます。一口にホラー小説とくくってしまえない、壮大なプロットの第1作目です。 | ||||
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本作はホラーやファンタジーに分類されていますが、少なくとも前半は、情緒不安定の主人公がアメリカの田舎で自己探求をしていくといったごく一般的な小説の体裁で進みます。後半は不安感をあおる伏線を経てたどりついた結末は前半がややだらけていただけにカタルシスをえられました。後味は良くないのですが、読んだことを後悔させないような不思議な読後感です。 | ||||
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非常に面白い小説です。 | ||||
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この本は、一人の作家にまつわる物語である。その名はマーシャル・フランス。1922年オーストリアに生まれ、16歳で単身アメリカに渡ってからはその生涯のほとんどをミズーリ州のゲイレンという小さな街で過ごした。彼の作品は一作を除きすべてが童話だが、その独特の文体に魅了されたファンは数多く、成人してからも愛好家であるような人も多い。本書の主人公、トーマス・アビイもその一人。彼がフランスの伝記を書こうと思い立ったところから物語は動き始める。作中にはフランスの作品名やそこからの引用が頻繁に登場するが、そのどれもが余りにも魅力的で、しかも愛情に満ちた扱われかたをしている。読者の多くが、「これが終わったらマーシャル・フランスだ」と思わされることだろう。しかしなんと、この作家は実在しない。実在しないばかりか直接登場することすらない人物を、こんなにもいきいきと描き出すキャロルの手腕には舌を巻くばかりだが、この描写があってはじめて、後半の物語の核心部分が説得力をもつことになる。創造と創作の関係。このテーマはキャロルの後の作品にも繰り替えしあらわれるものだが、ここでの現れ方は最もストレートなものだ。物語半ばで「謎」が明らかになることに、戸惑いを覚える読者もいるかもしれない。しかし気を抜いてはいけない。突然の悲劇、そして更にそれをも裏切る驚愕の結末。最後の一ページを読み終わった時、読者はそこにいたるまでの伏線が完璧だったことに初めて気がつくだろう。有名な映画俳優であった父の影にしばられ、無気味な仮面を愛好する主人公の精神の不安定さは、現実を、というよりは自らの存在そのものを揺るがされるような結末に相応しい。ボルへスや、「胡蝶の夢」などを含む「夢と現実」の系譜に、異色の才能が加わった、記念すべき第一作。 | ||||
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