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ワイルド・ソウル
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【この小説が収録されている参考書籍】
ワイルド・ソウルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全185件 161~180 9/10ページ
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小説はエンターテインメントだから面白ければ良い。そうです。売れているようです。嬉しいです。垣根涼介の作品には確かに波があります。出せば売れるからという出版社の要請もあるでしょうが、なぜかは分りません。そんな中で、ワイルドソウルは決して面白いとだけで読み過ごせない作品と思います。急いで書いたと思われるヒートアイランドの続編のような作品には決して見られない垣根の社会性があると思います。ヒートアイランドにももちろんそれがあります。垣根の真骨頂とは何か?それを多くの人に感じ取って欲しいと願っています。そして、年配の人にも読んでもらいたいと思います。このレビューのタイトルをグーグルで検索すると本書の解説をしている大沢在昌との比較で書いた私の独り言が出てくるはずです。若い人ばかりでなく、中高年にもっと読んでもらいたい。カスタマーレビューを書いている人は圧倒的に若いという印象ですが、お父さんやお母さんにも薦めてください。垣根涼介にもうーんと軽いものもあるし、それはしようがない。最新の「僕たちに明日はない」の次の作品を熱い思いで待ちます。 | ||||
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本の厚さに最初は多少の長期戦を覚悟しましたがそんな心配は無用でした。テーマがあまりなじみがなかったので興味を持って読んでみたのですが、前半~中盤はアマゾンでの経験や問題としていることの背景についての描写です。この部分は非常に面白くスムーズに詠み進めることが出来ました。ただ後半がさらっとしていて展開も読めてしまうしあっけない幕切れといった印象を受けました。時間軸が全て統一されているわけではなく、各登場人物によってめまぐるしく場面が変わります。そのテンポのよさが読みやすさを引き出しているのでしょう。アマゾンなど戦後の移民問題について取り上げたこと、この小説のテンポには強く引かれるものがありました。 | ||||
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「移民政策」とは名ばかりで、じつは口減らしのための「棄民政策」だった。ブラジルでの過酷な日々は、衛藤の家族や、一緒に移住してきた家族たちから、大切なものを次々に奪っていく。日本への復讐。衛藤の心にその思いが生まれたとしても、決して不思議ではない。しかし、それを成し遂げたとしても、本当に満足だろうか?悲しみやつらさの記憶は決して消えることはないし、失ったものも戻ってはこないのだ。日本が犯したあまりにも大きな過ち。こんなことが実際に行われていたなんて、とても信じられない。読後、いつまでも苦い思いが残った。 | ||||
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熱き思いと希望を持ってブラジルに渡った多くの日本人を待ち受けていたあまりに過酷な現実。日本政府の「棄民政策」に対する怒りを飲み込み、忘れさせるほどの圧倒的な辛さややるせなさ。当事者でなければ決して理解できないだろうが、垣根氏の文章は冷静かつ力強く、それらを描写している。衛藤、ケイ、松尾、山本。彼ら4人のバックボーンは勿論、彼らの日本政府に対する復讐が着々と進んでいくあたりは、読んでいる時間を忘れた。ともすると重さ一辺倒になりがちなモチーフだが、ケイという日本人にとって特異なキャラクターが作品に異なる彩りを添え、作品の完成度を高めている。文句なしに面白い一冊だ。 | ||||
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さすが垣根涼介、といったところでしょうか。午前三時のルースターを読んで注目していました。ルースターもおもしろいですが、良い意味でやはりデビュー作というか、若い感じがしました。ワイルド・ソウルは垣根涼介の、更に精錬された力強い文章にあふれています。魅力あふれる男性キャラクターを描かせたら間違いなくトップクラスです。なかなか分厚い本ですが、寝る間を惜しんで読みふけりました。はまること間違いなし、面白いです。 | ||||
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上下2段で525頁、装丁から見てもなかなか分厚い最初は時間を要するかもしれないと思わせるが、一度頁を捲ると一気に読破1950~1960年代末にかけてのブラジル移民から始まり現在の2章へと繋がってゆくが、展開が巧みで惹きこまれるアマゾンで文明社会からかけ離れた生活の過酷で惨めな状況から成功を胸に奔走する1人の男衛藤彼の10年間から国家を相手にした国民の小ささを伺える2章から現在に飛ぶが、アマゾンの生き残りと考えられる衛藤はもちろん野口・カルロス・啓一、松尾、山本の4人が何かを企み実行しようとしているが、その全容は決行されるまで掴めないその野口に関わる女子アナの井上貴子衛藤と野口に関わるエルレインなど男女のやり取りにも心憎いやりとりが展開される実験の発端となる移民問題は避けては通れない過去の事実だが国が認めようとしないまま、当時の関係者が段々亡くなって真実が埋葬されてしまうことはあまりにも恥べきことだこの重いテーマを扱いながらも、痛快なテンポが小説の全体を包む展開が予想出来ない二重3重にも用意される仕掛けに読む手を止める事が出来ない読後爽快な気分になれる、なんとも懐の大きな小説だった | ||||
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一気に読んでしまいました。内容については、他の方が書かれている通りすばらしいと思うと同時に自分の無知が恥ずかしい思いがしました。これを読んで思い出したのは、先日のブラジル訪問で「小泉総理カンゲイ(歓迎)」と書かれていたことに対して首相が流した涙です。本当の理由はわかりませんが、政治家として過去の事実は知っているはずですから、当時の人々に対しての申し訳ない気持ちがあったと思いたいです。以前、カナダでブラジル人の女性に会ったことがあるのですが、彼女と私はよく間違えられました。私が彫りの深い顔をしているわけではなく、彼女は日本人でした。日系3世で、両親も、祖父母も日本人ということでした。当時は知らなかったので、「そういえば昔、ブラジルにたくさんの人が移住したって聞いたことがあるなぁ」という程度でした。戦前にブラジルに渡り、大成功した方もいるということですが、同時に棄民政策も行われていた時代です。彼女が産まれてきたことが、彼女まで世代が続いていることが奇跡なのではないかと思うほど、心の痛い小説でした。 | ||||
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恥ずかしながら、日系移民に対する知識は何もなく、この本のレビューに関心を持って読み始めました。日本政府が行った移民政策ののあまりにずさんな有り様に、呆然とし、そして、それを知らずに生活をしていた自分に恥ずかしさを覚えました。この本のお陰で、移民と言う言葉に興味を持つことが出来たのは、感謝する所ですが、内容的には、特に「ザ・ベスト」ということもなく、あまり強い印象が残りません。特に、作品中の女性キャラクターが、鼻について頂けませんでした。 | ||||
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1960年代、ブラジルを“夢の楽園”と信じ。アマゾンの地に降り立った多くの日本人たち。しかし、それは戦後の食料難を回避するための日本政府、外務省の棄民政策(つまりは人減らし)だった。生き残った当事者たちが、40年の時を経て日本国政府、外務省に復讐を果たすストーリー。特にプロローグと第1章の「アマゾン牢人」に描かれるブラジル移住者たちの悲惨極まりない生活には衝撃を受ける。ブラジル移民のことは知っていても、この“事実”を多くの日本人は知らなかったであろう。それだけでも読む価値は計りしれぬほど大きい。序盤でかなり主人公達に共感を覚えるために、後半の復讐劇自体は少し手ぬるいのではと感じてしまう。しかし、それぞれの登場人物が自分の過去にケリを付けるクライマックスは実に爽快である。特にエピローグでの井上貴子がいいね。長編だが一気に読める最高の一冊です。是非読むべし!著者はこの本を書くことで、物語の主人公達に代わって外務省に復讐を果たしたのだ。 | ||||
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日本の歴史の恥部を垣間見た気がしたのと同時に、旧体制の変わらぬ日本官僚の無能さを目の当たりにしたような気分です。はっきり言って、底知れぬ人間描写と作者のこの本に傾ける情熱を感じ取りました。毎晩読んで、1週間で完全読破しましたが、この後にどのような小説を読んだらよいのか・・・ワイルド・ソウルの印象が強すぎて・・・困っています。 | ||||
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久しぶりに読み始めてとまらなかった。1350枚だから薄い本ではないが、最後まで飽きさせなかった。ブラジル移民に対する外務省、日本政府の対応の拙さに対する復讐劇だが、同じような構成で書かれた高村薫の「レディジョーカー」などと比べると、ずっと読みやすく、話の展開も早い。そして何よりも出てくる登場人物が魅力的に描かれている。話としてはシンプルで荒唐無稽なのだが、最後まで飽きさせず読ませる力は、この人物の描写力にあるのではないかと思う。「午前三時のルースター」を読んで、そう感じたが、この作品を読んで確信した。これがこの人の才能だと思う。 | ||||
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かつて外務省による戦後の移民政策で、不毛な地への移住を余儀なくされた日本人が、外務省への復讐を果たすストーリーです。と、書くと重苦しい展開を予想しがちなのですが、内容はシンプルかつ軽快なテンポで進みます。また、シンプルなのに、これだけの長尺な作品になったのは、それだけ登場人物の掘り下げ、描写が凝っているからでしょう。それに、一人称で単純に話を進めるのではなく、登場人物ひとりひとりの主観から多角的に物語を進行させて行く独特の手法を用いているので、それだけ物語全体のイメージを掴みやすい。例えば、ケイという人物の目線から見た復讐劇を、続けて井上貴子という人物の視点から捉え直す。一旦一人の人物の中で終結した物語が、別の目線から展開されることで、「二度読み」と同様の効果が得られるのです。つまり、再読でストーリーへの理解度が上がる状態を、一回の読了で獲得できるのです。読み終えた時の満足度も必然的に高い。面白さと分かりやすさが共存した良書でした。 | ||||
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内容はネタバレになるので書きません。賞を受賞しただけあって素晴らしい作品だと思います。ほかの方の評価も納得できますし、私自身も久しぶりに熱い小説に出会えました。面白い小説ほど、読み終えた後、登場人物たちが、今後どうなっていくか気になって仕方なくなってきます。ついつい、ありもしない空想を思い描いてしまいます。ただ、残念なのが後半の展開は熱い魂を感じる展開だったのですが、多少単調に感じたことです。(それでも一気に読んでしまいましたが…)個人的に真保 裕一さんのほうがストーリーテラーかなぁと思います。どうしても、真保 裕一さんと比べてしまっていて、今後の作品の期待を込めて、星は4個にさせて頂きました。 | ||||
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この作者は、司馬遼太郎に影響を受けたとどこかで言っていたが、スタートは、まさに司馬遼太郎調で始まり、前半は史伝的に日系南米移民のエピソードが語られて行く。ひじょうに重くかつ厚みがあって後半の復讐劇を期待させる。 一方、後半は主人公のラテンなキャラと、ヒロインのぶっ飛んだキャラが軽妙に絡み合ってテンポ良くストーリーが進んで行く。 復讐の動機の重々しさに比べ、復讐の内容が軽すぎに感じ拍子抜けさせられたが、後半だけを独立したものと考えれて善しとすべきか。 また、この作者の特徴として格闘シーンの描写はいただけない。たとえば、スタンガンは瞬時に人を気絶させることは出来ない。 前半の期待と後半の幻滅が混在してしまった作品と感じたが、前半の重厚さ=テーマの選択が大成功につながった作品だと思う。 | ||||
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久しぶりの感覚。寝るのも食べるのも忘れて、一気に読破。トイレに行く時間も惜しい。素晴らしい本に出会えて感謝。文章力に、鳥肌が立つ程感動しました。主人公に肩入れしてしまい、これからどうなる?年甲斐もなく、ドキドキ。未だに続く本質的な問題点をエンターテイメントとして世に送り出した著者の功績は計り知れない。是非、沢山の人に読んでもらい、二度とこうした悲劇を繰り返して欲しくない。そう切に願う。日本に限らず他所の国でも・・・。 | ||||
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文芸賞トリプル受賞、各種ランキングにも軒並みランクインの話題性に惹かれて手に取りましたが、期待を裏切られる事はありませんでした。アマゾンへの棄民政策という重いテーマを扱っていますが、登場人物達にあまり暗いところがなく、特に主人公のケイの明るさによって、重厚になり過ぎる嫌いをうまく回避しているように思います。ただ恨みを晴らす為に関係者を殺しまわるのではなく、無血にこだわった上で、あくまでもフェアに事を成し遂げようとする彼らの男っぷりに、いいぞいいぞと膝を叩きながら読んでしまいました。登場人物達のキャラも良く立っていて、それぞれが己の人生に決着をつけ、心の開放を得るエンディングも清々しくて好感が持てます。全編に溢れるスピード感や国際感覚、リアリティ等は、しいて言えば、逢坂剛や楡周平の作品に通じるものを感じます。最後の警察との駆け引きでもうひと盛り上がりあれば、もはや言う事なしでしたが、欲張りすぎでしょうか。以下、作者HPからの引用ですが、苦労がひしひしと伝わってきて、なかなか感動的です。ヘロヘロになりながらも脱稿しました。(中略)「おれはやった。おれは、やった」と念仏のようにつぶやいていました。おれは、やったぞ、と。 | ||||
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ほんとうに最高の1冊です。車好きにはたまらない箇所も多数あり全く飽きることなくエンディングに向かいます。でも井上貴子、彼女がなんといっても最高です(笑) | ||||
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戦後の一時期、ブラジルに多くの日本人が移民という形で、移住していったという話は聞いたことがありました。僕の中のイメージでは、大きな農場を持って豊かに生活されたのかな?開墾の苦労や、見知らぬ土地でのとまどいはあっただろうけど、日本でいるよりは良かったんじゃないか?って思ってました。 まさか、外務省の移民局に騙されるような形で、アマゾンの未開地に放り込まれ捨てられていたんだとは、思いもよりませんでした。ホント、衝撃的です。役人の自己保身や、関係各所の善良な一市民による無責任が、これほどまでに悲惨な状況を現出させることになるとは。この小説は、もっと多くの人に読まれるべき小説だと実感しました。違う形ではあるけれども、北朝鮮をパラダイスだと信じて、帰国していった在日朝鮮人や日本人妻たちとも、重なってくるようです。 そんな、凄惨な日本の歴史的闇にスポットライトを当てながらも、従来の復讐劇にはない爽快感を味わうことが出来るようになっていて、読後感は解放感ともつながります。主人公たちそれぞれの生い立ちや心情などが詳細に描かれ、彼らの持つ苦悩や人生観に同情したり、共感しながらも、誰一人として陰惨な悪人はいなという事実にホッとさせられます。3賞受賞の傑作というにふさわしい、重厚な物語をご堪能下さい。 | ||||
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怒りを覚える重苦しいテーマを、“ケイ”というキャラクターを登場させることによって、軽快なエンタテイメントに仕上げている。作者のその筆力には敬服せざるをえない。重くて軽い。痛快かつ緻密。読後感が非常に良い。熱い魂、ブラジルの匂い……野生の匂いを感じた。男性はもちろん、女性の方にも是非、読んでほしい。私は女だが、この作品にとても魅了された。現代の日本に生きる女性の多くは、この“ケイ”というラテンのノリの男に魅かれるに違いない。……オススメである! | ||||
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前半の南米移民の悲惨な状況に戦慄し、読む前に期待したドキュメンタリー、ノンフィクション的な要素は十分あった。しかし、中盤以降のストーリー展開となったとき、登場人物のテロリズム的行動が少々小さくまとまりすぎており、期待はずれだった。主人公の独白にある通り、これが日本人の反抗の限界か? | ||||
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