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ワイルド・ソウル
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【この小説が収録されている参考書籍】
ワイルド・ソウルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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垣根涼介さんの本です。 1961年、外務省肝煎りの事業として、ブラジルに移民した多くの日本人。 しかし、入植地はアマゾンの密林で、人の住むところじゃねえ、どころの話ではない。抗議しても放置。棄民となったブラジル移民。 衛藤はなんとか身を立てたものの、アマゾンに帰ってみると、野生児となった仲間の息子が一人、残されていた。 ケイは育ち、仲間とともに、日本政府への復讐をすることを決意。現代の東京に帰ってくる…。 基本は、ケイと、コロンビアマフィアに拾われた松尾、冴えないテレビディレクターの貴子、という三人を軸にして、現代の東京での復讐劇ではありますが、 まえふりに、衛藤というケイの養父となる男の、ブラジルでの苦闘が描かれています。 いやー、しかし、ブラジル移民への日本政府の対応のまずさって、言い訳できないですよね。 でも、似たようなことは、満蒙開拓団で既に学習済みなんじゃね?とか思っちゃいます。 日本政府がアバウトなのは、誰でも知っているところでね。 ただ、怨念というか、ブラジル移民の日系人の恨み辛みは、とても感じるところではあります。 | ||||
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外務省襲撃&三人を誘拐し富士樹海へ放置プレイ、はたして、ケイたちの計画はどうなる? 警察は着々と犯人へ迫っている……。 一方、ケイの存在を知っている貴子は、自身にスポットライトがあたるにつれて、自責の念にかられていく…。 うーん、なんか後半にブレーキをかけられている感じというか、雑になっているところが、ちょっと残念な気がしました。 また、一人も殺さないという襲撃だとか、どこかヒューマンなところがなぁ。 かわぐちかいじじゃあるめえし、戦争で一人も犠牲者ださないとか、 そういう優しさって、むしろ墓穴を掘っちゃうと思うんですよね。 また、貴子をめぐる、ケイの行動が、正直、「それ、やる必要あるの?」という奇行になって、いまいち感情移入できんのですね。 とはいえ、なかなか爽やかな終わり方ですし、おもしろいといえばおもしろいのですが、もっとエグく復讐してほしいよなぁ、と思っちゃいました。 引き摺られていく、ということに対する見方が、共感できました。 | ||||
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面白いけど、1つ疑問。 ブラジルの入植地が過酷な事は、日本に全然伝わってなかったのかな??1961年にブラジルへ行った設定だよね? 明治のブラジル入植なら着いてみてびっくり!って分かるんだけど、1961年くらいならブラジル入植=棄民、外務省の宣伝は嘘ばかりって情報はなかったんだろうか…。明治時代からの先人が日本に手紙で実状を伝えてるんじゃないのかなー?と思った | ||||
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なんだかなぁ?出だしは壮大なスケールで始まったと思うんだけど、この手の物は食傷気味。同様にジェノサイド。残念。 | ||||
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上巻の前半、ブラジルでの日系移民の悲惨な生活は本当に鬼気迫るものがあり、引き込まれました。 かつて日本でこんなことがあったのかと悲しくなり、主人公は、この後どうなるのだろう、他の日系移民はどうなるのだろう、とページをめくる手が止まりませんでした。 ・・・・・が、舞台が現代になり、ヒロイン(?)貴子が出てきた辺りから興味が薄れだしました。 この女性、酒に酔った勢いで好きでもない男と寝るわ、日系二世のケイと出会った数時間後にベッドインしているわ、で貞操観念がやや怪しい。その上、怒りっぽいし、「本当の自分を誰もわかってくれない」と常にイライラ、カリカリしている印象。口も悪い。 30前半の美人という設定なのですが、正直好感が持てない。男性はこんな女性が好きなのかな? 日系一世の衛藤の妻はあれほど過酷な状況でも夫を傷つけまいと、黙って耐え忍んだ女性なのに、つまらないこと(好きでもない男が未練たらしく話しかけてきたとか)で激怒するこの貴子が余計わがままに見えてしまい、ケイが、命を捨てる覚悟をするほど本気になる、という設定がどうにも納得できませんでした。 なので、最後のシーンも「ああ、こうなっちゃったか」って感じです。 | ||||
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こういう類の歴史物はもはや山崎豊子の独壇場かと思っていたが、対抗できるくらい、重々しく、丁寧にブラジル移民の悲劇を辿っている。だが、主人公の息子が出てくるあたりから、調子が変わってくる。まるでブラジル移民の悲劇が、枕にふった程度の存在感しかなくなる。読み進めるうちに、読みやすいハードボイルド小説のようになってくる。大雑把に前半(移民一世)、後半(2世)と分けたときに、そのギャップが大きすぎる。後半だけなら、読まないと思う。前半の調子で全編書いてほしかった。 | ||||
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南米移民について、日本政府の行った棄民同様のひどい取り扱い、実情が判明した後においても、なお、その無作為、無反省、無責任ぶり。現在の国政においてもそれらは少しも変わっていない。第一章は、その告発文と言っていい。できるだけ多くの人に読んでほしいし、特に為政者と、裁判官には、是非読んでもらいたいと思う。 第二章以下の突然の場面転換は感心しない。いままで、真面目な話をしてきたのに、突然馬鹿話に話題を変えたのと同じだ。新登場のキャラクターが漫画的なのに加えて、筋の展開ももっぱら場面の転換に依存し、感情移入の余地がない。エピローグの終わりのシーンなどまさに漫画と言っていい。 | ||||
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ん、、、珍しく3賞同時受賞ということで買ってみました。 アマゾンが内包する自然の厳しさというものにあまりに依拠し 過ぎで、復讐に至る動機の描写が少ない。従って、最後には 「何もそんな事まで..」という感じにならざるを得ない。 また、実際にあった話(棄民政策)を準フィクション化するならば、もう少しテーマに関する突っ込みが必要では??? | ||||
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始まったんですよ日本国の愚民騙しは。今もずっとそれは続いてる。搾取される人間とその上にあぐらをかく闇の住人。その構図の膿は出始めてはいるがまだまだ氷山の一角中の一角です。 | ||||
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「移民政策」とは名ばかりで、じつは口減らしのための「棄民政策」だった。ブラジルでの過酷な日々は、衛藤の家族や、一緒に移住してきた家族たちから、大切なものを次々に奪っていく。日本への復讐。衛藤の心にその思いが生まれたとしても、決して不思議ではない。しかし、それを成し遂げたとしても、本当に満足だろうか?悲しみやつらさの記憶は決して消えることはないし、失ったものも戻ってはこないのだ。日本が犯したあまりにも大きな過ち。こんなことが実際に行われていたなんて、とても信じられない。読後、いつまでも苦い思いが残った。 | ||||
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恥ずかしながら、日系移民に対する知識は何もなく、この本のレビューに関心を持って読み始めました。日本政府が行った移民政策ののあまりにずさんな有り様に、呆然とし、そして、それを知らずに生活をしていた自分に恥ずかしさを覚えました。この本のお陰で、移民と言う言葉に興味を持つことが出来たのは、感謝する所ですが、内容的には、特に「ザ・ベスト」ということもなく、あまり強い印象が残りません。特に、作品中の女性キャラクターが、鼻について頂けませんでした。 | ||||
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この作者は、司馬遼太郎に影響を受けたとどこかで言っていたが、スタートは、まさに司馬遼太郎調で始まり、前半は史伝的に日系南米移民のエピソードが語られて行く。ひじょうに重くかつ厚みがあって後半の復讐劇を期待させる。 一方、後半は主人公のラテンなキャラと、ヒロインのぶっ飛んだキャラが軽妙に絡み合ってテンポ良くストーリーが進んで行く。 復讐の動機の重々しさに比べ、復讐の内容が軽すぎに感じ拍子抜けさせられたが、後半だけを独立したものと考えれて善しとすべきか。 また、この作者の特徴として格闘シーンの描写はいただけない。たとえば、スタンガンは瞬時に人を気絶させることは出来ない。 前半の期待と後半の幻滅が混在してしまった作品と感じたが、前半の重厚さ=テーマの選択が大成功につながった作品だと思う。 | ||||
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前半の南米移民の悲惨な状況に戦慄し、読む前に期待したドキュメンタリー、ノンフィクション的な要素は十分あった。しかし、中盤以降のストーリー展開となったとき、登場人物のテロリズム的行動が少々小さくまとまりすぎており、期待はずれだった。主人公の独白にある通り、これが日本人の反抗の限界か? | ||||
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事実に基づく取材や、ストーリー構成がしっかりしており、確かに一気に読める展開ではあったが、それだけに残念さが残るのは、最終の追い込み。警察が出てきてからの追い込みについては、やはり取材不足が否めない。そういう意味では、最近警察ものを書いている作品に比較した際に非常に浅はかに思えてならない。題材の取り上げも、中盤の展開も非常に面白いだけに、最後の警察の追い込みと、主人公たちの心理描写をもっと書けていたらと思うと残念でならない。しかし、とにかく、出張途中の新幹線内でほとんど読みきってしまったのは本当に面白かったから。それだけに、本当に最後の追い込みをもっと書いてほしかった。 | ||||
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