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ワイルド・ソウル
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【この小説が収録されている参考書籍】
ワイルド・ソウルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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大きな文学賞を三つ同時受賞していることや上下巻あわせて1000頁 にも及ぶことから楽しみに読み進めました。しかし残念なことに私には本書の価値がどのような点にあるのか最後まで分かりませんでした。 上巻のレビューにも書きましたが、ブラジル移民の過酷さが私には伝わりませんでした。また他の方のレビューにありますが、第一の犯行内容が幼稚すぎると思います。ビルから白い垂れ幕をおろすことを大の大人が懸命に計画を練って実行する姿を想像すると何ともいえない可笑しさがこみあげます。そして細かいことですが、実行される直前の描写で何度も曲の歌詞が挿入されますが何の効果も感じません。 さらに、作品全体にいえますが、登場人物の誰もが個性に欠けています。この人物はこういう性格だからこういう発言や行動をするといったちがいが見られません。そのため、読んでいてもただダラダラと平均的な描写や会話が続くだけで小説を読む楽しみがありません。 巻末の宮沢和史さんの文章に興味深い一節があります。作者の垣根涼介さんは「会社勤めを辞め、小説を読みまくった。自分にも書けると思った」と語っているそうです。そもそもの誤りはここにあるように思います。小説は「書ける」から書くものではありません。「書きたい」から書くものです。少なくとも私はそうあってほしいと思っています。もしかしたら垣根さんは悲惨な状況にあった移民たちに対してこれといった思い入れはなかったのではないでしょうか。ただ小説を書く材料としてうってつけだからテーマに選んだのではないでしょうか。この作品が心に訴えるものがない理由がそこにあるような気がしてなりません。 | ||||
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下巻はまだ読んでいません。上巻のみの感想です。 他の方のレビューでは、アマゾンに入植した日本人たちを描いた第一章はおおむね好評のようです。しかし私はこの時点で嫌な予感がしました。読んでいるとそれなりに映像は思いうかびます。でもそれは、本当にフィルム映像を観ている感じで、細かなディテールが伝わってきません。熱さ、匂い、色、手触りなどがまったく分からないのです。作者の垣根涼介さんは本書を執筆する際、当然相当数の資料にあたったことでしょう。でもそれは、勝手に判断するのは失礼のようですが、当時の映像や記事に目を通すだけで、実際に現地を訪ねることも当時の関係者に直接会うこともしていないのではないかと感じます。結果として、読むと状況は理解できるのですが読み手に切迫した印象を与えるには至らない文章に終始していると思います。以上の点で、この作品は序盤から読者をひきこむことに成功しているとはいいがたいと感じます。 また、他の方の指摘通り、本書は後半に突入して貴子が登場した時点で迷走しはじめていると思います。もう少し人物造型の面で何とかならなかったのでしょうか。いかにもゴシップ記事を得意とする週刊誌が勝手につくりあげたような典型的な女子アナ像にすっかり白けてしまいました。しかも貴子をめぐる性描写は何故か妙に綿密で具体的であり、きわめて下品です。貴子のあらわれるシーンだけ官能小説の世界になっており、読んでいると戸惑い、そして不快です。 本書の紹介文には「歴史の闇を暴く傑作小説」というくだりがあります。しかし、上巻を読むかぎりそうした展開は見られません。下巻に期待したいと思います。 | ||||
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評判の割には読み応えの乏しい作品。ブラジルに入植した日本人移民の悲惨な体験に重ねて日本政府(特に外部省)の無能振りを訴えた(この着眼点は良いと思うが)サスペンス小説(?)なのだが、全体のバランスが悪い。日本人移民の想像を絶した体験・苦難を描いた前半(特にプロローグ)の"重さ"と杜撰な犯行計画及びラブ・ロマンスに終始している後半の"軽さ"がミスマッチなのである。 悲惨な体験を味わった日本人移民及び二世が日本政府(特に外部省)に恨みを抱き、その復讐計画を立案・実行するというのは自然な流れである。読者としては痛快な犯行計画を期待したい所だが、その計画が実にショボイのである。実現性・アイデアに乏しく、さしたる効果が上がらないものの上に、どうも、犯行グループ側に"やる気"が感じられないのである。当然(?)警察側の捜査もおざなり。読んでいて、全く求心力を感じなかった。特に、後半の主題が犯行グループ側の一人(本作の主人公と言って良く、ブラジルの明るさと"軽さ"を体現している)と元女子アナのTVディレクター(造形が滅茶苦茶)とのラブ・ロマンスとなっていて、作者の意匠が発散してしまっている。作中に、「日本人は甘っちょろい!」との言辞が出て来るが、その言葉を犯行グループ及び作者に返してあげたいと思った。 最後まで読むと、「束縛や苦境から逃れるために必要なのは、自分自身の心の持ち方だ」という様な<修身>めいた言辞まで飛び出し、益々作者の意匠が不明になると共にゲンナリしてしまった。サスペンス小説ではなくて、ラブ・ロマンスを含めた「心のあり方」を書いた本かと思うと、期待外れの一作という他はない。 | ||||
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平凡な文章 退屈な描写 陳腐な善悪観 プロデューサーや警察官のセリフは読者が既に知ってることを繰り返す 貴子や松尾の独白は同じことを何度も何度も書く 読むというよりは眺めるだけでストーリーはわかる 読み終わるのに2時間だった | ||||
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の方が好き。 歴史は感じたしおそらくは史実なのだろうが作品としてみるとヒネリがなかったか。 | ||||
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第一章アマゾン牢人は非常に面白いのだ。 このアマゾンに送り込まれ妻や弟や友人を失いながらも必死で生き抜き成り上がっていく主人公の話だ。 踏まれたり蹴られたりと主人公は容赦をされずに追い詰められ、人情にほだされ、人として成長していく。 だが、二章以降で主人公が交代してからはどうだろう? 一面的で一方的で薄っぺらい国家等への批判と主人公たちの正当化及び持ち上げというひどさは一章とは大違いと言っていい。 エンタメアクション小説である以上そういったことは仕方が無いのだろうが、それでも残念である。 | ||||
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