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ワイルド・ソウル
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【この小説が収録されている参考書籍】
ワイルド・ソウルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全185件 121~140 7/10ページ
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日本へ帰朝する友人から纏めて譲られた中の1冊。期待はおろか作者の名前すら知りませんでしたが、久し振りにストーリーそのものの魅力に圧倒されました。 歴史物、国家・官僚の犯罪という社会派物、テロ又は犯罪を扱うサスペンス、日本人とは全く異種の資質・魅力に溢れたラテン文化論、悩みを抱え、或いは過去に辛酸をなめ尽くした者達の人間ドラマ等々、読む人の興味やツボに応じて多様な楽しみ方が出来る実に間口の広い作品です。 巷間に溢れている荒唐無稽なバイオレンスにも薄っぺらいエンタメにも流れない作者の筆力とバランス感覚、そしてそれを裏付けるストーリーの密度に拍手を送ります。年明け早々、私が本年巡り会うであろうベスト5と確信しました(遅すぎ!)。 | ||||
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ブラジル移住については、いくつかの本を読んで、それなりに知識はあったつもりでしたが、 この本はすごかったです。 とにかく、国なんて信用できないってのが実感としてわかると言うか。 とても長い本ですが、一気に読めます。 で、税金払いたくなくなる(笑 | ||||
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おもしろい。とにかくおもしろい。 登場人物の心理的な描写、行動に至るまでの動機など、全てにおいて読み応えのある大作だった。 久しぶりに一気に読むことが出来たし、小説が終わってしまうのが勿体無いとさえも感じた。 あえてコメントをつけるとすれば、日系ブラジル人の描き方。ブラジルを意識させるためかわざとらしく非日本人的過ぎ。根本的には日本人が飾りをつけたようなやらせっぽいキャラクターになっている。 あと、登場する女性の心理描写。いかにも男の作者がつくりあげたキャラクターだと思ってしまう。 けど、小説が面白いことに変わりはない。 あと、過去に大変な苦労をした日系移民についての知識も同時に吸収できて興味深い。 | ||||
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ド派手で、正に「ワイルド」な犯罪が展開される。そのターゲットは日本国家と外務省。外務省の庁舎をマシンガンでドカドカと破壊したり、元外務省関係の人間を人質に取り総理大臣(=国家)の謝罪を引き出そうとしたり・・・。 この犯罪の動機は、重たすぎる史実がベースとなっている。1950年代、60年代のブラジル移民政策。ブラジルの未開の国土を開墾すれば豊かになれるという国家及び外務省の宣伝により、4万人を上回る国民が現地に渡ったものの、実際に行きついた先はジャングルのように荒れ果てた開墾困難な土地・・・。実情は戦後の食糧難の時代に少しでも人口を減らすための、国家と外務省による「棄民政策」だったのだ。彼らの開墾の努力は度重なるアマゾンの大洪水も手伝って徒労に終わり、ジャングルの中で餓死や病死するか、または都市部に逃げ出したものの乞食や売春婦に身を貶めた。地獄の移民生活の中からまともに生きながらえたのは一握りの人間達。この小説の中で、そうしたブラジル移民一世、二世の生き残り組が、過去の日本国家の裏切りに対して復讐を挑む。その結果不完全ながらもある一定の成功を果たす。そうすることで彼らはやっと自分の精神を縛り付けていた忌々しい悲惨な過去と決別し、自由な地への一歩を踏み出せたのだった。 読後は史実の重みに圧倒されながらも、ある種すがすがしい気分を味わうことができた。 ブラジル、コロンビア、日本を舞台にした地理的側面、犯罪の規模、動機、全ての点においてスケールが大きく読み応えある作品である。 | ||||
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戦後の食糧難時代に端を発した政府の棄民政策という歴史上の事実をテーマに 一貫して重苦しい内容かと思いきや、まさかのエンタメ!! そしてケイという登場人物の存在感!! すべてがカッコイイ!!! | ||||
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おもしろかったが、復讐計画が思ったよりあっさりしていたのがちょっと残念だった。犯人たちの目的が日本政府に謝罪をさせることであれば別の手段でも可能だと思うのだが、あえて回りくどいやり方をしている理由も分からなかった。ただ、ケイと貴子のやりとりはおもしろかった。自分のプライドを傷つけられた貴子はケイに意地悪をするのだが、ケイは素直にそれを受け入れ死ぬ覚悟までする。その覚悟が本気だったのか狂言だったのかは結局分からないが、陽気で嘘をつかないケイの性格にちょっと憧れた。 | ||||
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前作「ラティーノ・ラティーノ」で舞台となるブラジルとコロンビアに 実際行かれて取材されてることには敬服しますし、出来上がった「ワイルドソウル」も素晴らしかったです。 ただ実際行かれたにもかかわらず、作品中に出てくるスペイン語に(きっとポルトガル語も)あんまりな間違いが いくつか出てくるのが悲しいです。そのくらいちゃんと調べて欲しいし、幻冬社の編集さんにも猛省求む。 元ネタとしておいしく使い倒した移民の話しも、日本でのコロンビアマフィアの話しも その重さを作品に利用してるだけで、細かい嘘や誇張も多い。娯楽小説にこんなこと言われても作者は心外でしょうが。馳星周がどこかで推薦していたので読んだのですが、さもありなんと思いました。 とにかく楽しめる事は請け合います。ただ重い事実を商品として美味しく利用するに当たって、脇が甘すぎるのが難点。 | ||||
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上下巻の上巻。冒頭からしばらくは、過去の歴史にページが割かれる。 その描写は、実にリアル。そのリアルさに、読み進めることを躊躇う方も いるのではないか。個人的にも「このままだと強烈過ぎる」 と驚いた。が、本編は、その後に待っている。冒頭の印象だけで本書を判断 するのは、勿体無い。 | ||||
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友達から進められて、 上巻の読み始めは南米移民を題材にとりあげた切ない話なのかなぁ… と感じていましたが、 話がどんどん進むにつれて 展開がどんどん変わっていき、 下巻からはハードボイルドで、 愛があり笑いありの極上エンターテイメントに変わっていきます! 考えさせられるのに笑えて爽快! 読み終えた後もかなり気持ちいいです。 ぶっとい小説ですが、サクサク読めます。 騙されたと思って一度読んでみてください! | ||||
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昔のブラジル移民の大変さをまざまざと見せ付けられ、知らなかった自分が恥ずかしくなりました。ノンフィクションですが、おそらく同じようなことは昔行われていたのだと思います。 我が家で2007年度No1の小説です。 | ||||
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著者の本を読むのは、「午前三時のルースター」に続いて2作目。前作でもストーリーの疾走感と鮮烈な異国文化の描写に感動したが、本作でもそれは全く変わらず素晴らしい。文庫で上下巻に分かれた2部作(しかも2冊とも厚い!)だが、その量を気にすることなく一気に読める。 日本人の血を持ちながら中身は日本人でない二世達の心情をどうしてこうも生き生きと描くことができるのか、著者の筆力に感心する。次の作品にも大いに期待したい。 | ||||
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読みやすく、読後もすがすがしい。 キャラがしっかりたっていて飽きません。 ブラジルに行きたくなりました。 自分が生きているか自問自答しました。 貧乏臭い人生をおくらないようにしなければいけない。 身につまされました。 | ||||
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時間を忘れて読み耽った。上下2巻で1000ページ近い大作だが、冗長なところ、無駄と思えるところはまったくない。最初から最期までスピード感を失うこともない。また、こういったスケールの大きい話になると最後は話が破綻してしまったり、尻すぼみになったりしがちだが、見事な終盤、そしてエンディングになっている。 日本の棄民政策とそれに対する復讐。どう考えても暗いが、爽やかな印象が残るのは、登場人物のキャラクターだ。(いい意味で)エンタメ小説の鏡のような作品。 南米移民の悲惨な歴史で遊ぶなという人もいるかもしれないが、どんな形であれ、その事実を多くの人が知ることができるのはいいことだと思う。また、少しでも移民の歴史を知っている人であれば、「日本という国に対する復讐」という設定が決して大袈裟なものではないと思えるはずだ。 | ||||
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戦後の貧しい時代にブラジルに渡った日本人がいたという知識はあったものの、その数が4万人にも上り、大半の人が約束された開墾地も与えられずアマゾンの奥地で飢えと病気に倒れて失意のうちに亡くなったということは知らなかった。その責任の一端は日本政府(外務省)にあるようで、現地の領事館は現地の実情を知りながらもそれを正しく伝えることをせず、現地で苦境にある移民が助けを求めに来ても冷たく追い払うことまでしていたようだ。 そのような苦境を生き延びた移民やその息子達が、現代の日本に戻ってきて政府及び当時の責任者に仕返しを試みるのが本書の主題だが、その前の移民達の苦境が描かれる前半部分の迫力に圧倒された。中盤以降の現代日本の部分は、主人公の二人の男女のキャラクターが軽めなこともあり、テンポよく進行し、最後まで一気に読める。 重厚な前半に比べて後半のノリがやや軽い点に関しては、個人的には若干の違和感があったが、さわやかな読後感を味わえたという点ではこれでよかったのかも知れない。 この著者の作品は本書が始めてであるが、500頁以上あるにも関わらずストーリー展開が巧みで一気に読ませる力があり、結構気に入った。他の作品も評価が高いようなので挑戦してみようと思う。 | ||||
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理想郷だと信じ込まされやってきたアマゾンの地。しかしそこはまさに地獄の様な世界だった。日本政府・外務省が行った「棄民政策」。次々に死んでゆく仲間たちを見ながら、日本政府への復讐を誓う男がいた。やがて時はたち、その復讐の担い手となった青年たちは、テレビ局の記者をも巻き込み外務省へ復讐を開始する。 なにしろ躍動感あふれるストーリー展開に度肝を抜かされた。最初は文庫本上下巻でかなり分厚かったため、どれほどの時間がかかるかなと思ったが、加速する物語にのめりこみ、一気に読めてしまった。主人公ら3人の男とテレビ局の女性貴子は皆個性的で魅力的だ。 多くの賞を獲得し、このミス・この文庫にも堂々のランクイン。納得の一級クライムノベルである。そしてこの本を読み終わったとき、ブラジルのことがちょっと好きになったのは私だけか? | ||||
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3人の男、そして貴子ちゃん(すべてカバーに出てくるよん)、皆最後は読者の私を満足させてくれました。もっと、彼らのハチャメチャを読みたいw | ||||
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日本政府の駄政策により、だまされるようにアマゾン棄民となり、 絶望と苦悶の末に死に絶えた親兄弟、仲間達。 過去にやり直しは利かないが、あれほどの地獄を忘ることなどできるだろうか? 彼らの復讐心に息が詰まるかのような切迫感と何にも換えがたい目的意識が見える。 それは私達読者を圧倒する説得力と魅力だ。 ケイはこのテの作品に登場するキャラクターとしてはおそろしくキャラ立ちしており、 その一挙手一投足が楽しく読める。彼の陽性ぶり、その軽い言動、ブラジリアンとしての すべては軽薄で浅慮にみえる。 そんなケイの中でどれほどの情念がたぎっているのだろう? 想像しながら読んでみてほしい。 | ||||
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上巻を読んでいたときはそうでもなかったが、 下巻を読み進めるにつれ、ある思いが深まった。 「デビューしたころの船戸与一に似ている。」 大藪春彦賞をとった本書だが、作風は、船戸のほうに似ているようだ。 ただ、終わり方が違うけども。 とにかく楽しい時間だった。 おそらくは、垣根の最もいい瞬間を味わったのだろう。 | ||||
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南米移民について、日本政府の行った棄民同様のひどい取り扱い、実情が判明した後においても、なお、その無作為、無反省、無責任ぶり。現在の国政においてもそれらは少しも変わっていない。第一章は、その告発文と言っていい。できるだけ多くの人に読んでほしいし、特に為政者と、裁判官には、是非読んでもらいたいと思う。 第二章以下の突然の場面転換は感心しない。いままで、真面目な話をしてきたのに、突然馬鹿話に話題を変えたのと同じだ。新登場のキャラクターが漫画的なのに加えて、筋の展開ももっぱら場面の転換に依存し、感情移入の余地がない。エピローグの終わりのシーンなどまさに漫画と言っていい。 | ||||
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たった今、読了した。面白かった。作者がブラジル移民政策に着眼した時点で半分は作品の成功が決まったのではないかな。もちろん作者の技量やセンスの力もある。ケイと云う主人公のオリジナリティ、緻密な取材に拠って生まれるリアリティ。FDの加速に伴って読者はラストまで突っ走る。ただ全面的には絶賛出来ない。はっきり言って文章あんまり巧くない。一部の移民達の辛酸もっと粘っこく描いて欲しかった。しかし日本人が忘れてはならない出来事をエンターテイメントにして幅広い世代に伝える事に成功している素晴らしい作品だと思う。 | ||||
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