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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
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【この小説が収録されている参考書籍】
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全172件 41~60 3/9ページ
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この本を初めて読んだのが中学生のときで、二十歳超えて改めて読み直してみました。 改めて読み直してみても、やっぱり内容は怖いなと感じました。 205ページという短いページ数の中に、内容が凝縮されています。 10代の時に読んでも、20代の時に読んでもやっぱりもやもやの感じはぬぐえない。 30代になって読んでみたら、このもやもやが晴れるのかな。 | ||||
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巻数が増していくにつれて徐々に薄味になっていく作品が多い中、 変わらず面白さを提供してくれる素晴らしい作品です。 そろそろ最新刊を買うのは控えようかと思われているあなた、是非購入することをおススメ致します。 | ||||
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苦しくて生きるために必死にもがく少年少女のための小説。 転校生の海野藻屑はトリッキーな美少女というある種ありがちなキャラクターだが、彼女は本当に「残念な美少女」だ。漫画やラノベに登場するような「変わった美少女」とは違って、ちょっとやばいんじゃないの、とひいてしまう奇行をする。しかし彼女の抱える事情を知ると、その奇行はリアリティのあるものとして迫ってくる。 とにかく彼女は痛々しい。まさに人魚姫。 さてこの作品には近年何かと話題に上がる「サイコパス」が登場し、作中にもよく見かけるサイコパス診断問題が出てくる。そのため読んだ当初の感想は、正直なところ「またこれ系かよ……」だった。が、この小説が出版されたのは2004年。当時としては衝撃的で目新しいテーマだったのではないだろうか。 調べたわけではないのでただ印象でモノを語るが、(現在巷に溢れかえっているエンタメ系小説における)サイコパスものの古典といえるのではないだろうか。 と、ここまで書いておいてなんだが、この作品の魅力はサイコパスものの部分よりもやはり、少年少女の生きづらさと、生きるためにみっともないほど足掻くところだと思う。 それこそ数えきれないほど扱われてきた手垢にまみれたテーマだが、それでも今を生きる苦しむ少年少女が手に取って、この本と痛みを共有できることを願う。 | ||||
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読めばわかる人にはわかると思うが 桜庭一樹の書く本はどれも幼稚で現実離れしていて妄想が痛々しい 有り体に言えばそれが彼女の作風であり そこにはまれる人であれば、にやにやしたり眉根を寄せながら楽しく読めもするが はまらなければ失笑ものだ 失笑ですめばいいが、立腹して壁に投げつけられたっておかしくはない 彼女はそういう本を書いている そんな中でもこの作品だけは不思議と力を持っている 幼稚なことに変わりはないのだが、引力に近い訴求力をもってして読者を引き込む ありえないものだらけの世界の中のどこかに真実の一片がひそんでいる おそらく、どんな作家にもこういう一冊があるのだろう 桜庭一樹を読もうと思い立った人には、まずこの一冊を読むことをおすすめする これが駄目なら他も駄目、とはいわないが、試金石ぐらいにはなるだろう | ||||
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静かな、じめじめしてるけど清潔感のある文章 全体から著者のエネルギーを感じる。 | ||||
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この作品は200ページ足らずと、短い。 しかし、ページ数以上の重みがある。 たぶん、一切の無駄がないからだ。 章構成や段落はもちろん、文章や単語に至るまで、同じ方向を向いている。 小説でしか描けない物語を、小説でしか用いることのできない技術で描いたような、そんな小説だ。 子供の読む小説ではないと思う。 かといって大人が読む小説かと言われると、これもまた違う。 きっと、子供から大人になりつつある人が読む小説だ。 こう書くと陳腐な表現だけど、でも、この大人になりつつある人というのは、なにも年齢のことを言っているのではない。 人は二十歳になってストンと大人になるのではなく、子供から大人へグラデーション的に変化していくものなのだと思う。 そんななかで、自分の子供のような部分と、それを押さえつけようとする大人の部分が日々戦っている、そういう「大人になりかけている人」がいる。 そういう、なりかけの大人が読むべき小説だと、僕は思う。 作中の人物の多くは子供だ。年齢的には。 でも、彼らは大人になりかけているし、少数の年齢的に大人である登場人物もまた、まだ子供の部分を持っている。 そして彼らに共通しているのは、必死で子供である自分から脱却しようとしていること。 でも、現実世界でもこの作品の中でも、それは易々と成し遂げられることではない。 いろんなしがらみが纏わり付いてきて、大人になるのを邪魔してくる。 そのしがらみというのは、例えば時間だったり、親や友人などの環境だったり、あるいは自分のなかにいる子供の部分だったりする。 でもこの作品に出てくる人々は、そのしがらみと戦う。 三者三様の戦い方で戦う。 そうやって戦って、勝ったり、負けたりする。 でも、結局多くの場合、大人にはなれる。 そんな彼らを眺めたときに、ふと自分を見つめてみてほしい。 自分はどう戦ったのか。 上手く戦えているか。 戦って目指している場所は本当に正しいのか。 この小説が描いているのは、大人と子供の戦いなのだと思う。 別にいますぐに読む必要はないが、いつか「長ったらしいレビューを書いてたやつがいたな」と、ふとした時に読んでほしいと思う。 繰り返すが、小説としての完成度は非常に高い。 名著だ。 | ||||
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タイトルから内容を想像できない作品。 んでもって、タイトルもそうだけど最後の方の「~できない」「~しない」という否定表現で括られていく所が悲しかった。 非常に現代的なお話。短いから軽く読めるけど内容は重い。 | ||||
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正直前半はあまりおもしろいと感じられませんでしたが、後半から一気に物語が加速していきます。 読み終えたあとは、結局この物語はなんだったんだろうと感じました。なにか社会に問題提起するわけでもなく、最後の最後で救いがあるわけでもありません。大人の庇護下でしか生きられない無力な中学生少女2人の残酷な物語です。 衝撃的だったとか、感動したとか、考えさせられたとか、苦しくなったとか、そういう感想は一切浮かんできませんでした。個人的には何度も読み直したいと思えるような物語でもありません。ただ心に微かだけど、いつまでも残る、そんな物語でした。 友達とかに自信をもって薦められるかと言われると微妙なところですが、興味を少しでも持ったならぜひ一読することをお薦めします。 | ||||
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評価が高いので気まぐれで購入して読みました。 薄い。180P位。 起承転結がテンポよくまとまっているのだろうか、それとも小話程度のある区間のみにスポットを当てた話なのか(実際そうでした)、 と予想しながら読み進めました。 感想としては、 「んー、普通・・・」 です。 読みどころは特に無く、かといって意味不明なストーリーでもなく、唯一腑に落ちないのがタイトルの意味、くらいでした。 個人的な例え話で恐縮ですが、似たような感覚を覚えた事があるので記しておきます。 ↓ 太宰治の「走れメロス」は、大昔から児童文学としても高評価なので、 小学生時代、夏休みの読書感想文の題材として読んでみたけど、全くもって面白くなかった・・・ 的な感じがしました。 いい年こいた大人には味気ないのかもしれませんが、もしかしたらティーン世代には良いのかも? | ||||
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読み終えた後、本作品を調べてみると元々ライトノベルとして発売されていたと聞いて驚いた。 確かに物語の開始早々からライトノベル特有の砕けた地の文と、海野藻屑という奇抜な人物像の紹介がこれでもかと飛び込んでくるのだが、これが全く気にならない。冒頭一ページ目の文章がそれらを緩和しているからだ。 この一ページが山の中を歩く『私』こと『山田なぎさ』の動向を際立たせ、引き金を引くような緊張感を生み、物語を重厚な物にしている。 特異なキャラクター、奇抜な設定に頼り切ってしまって淡泊な印象を受ける作品が多い中、それた以上に物語そのものに説得力があり、読み終わった後に悲しくも心地よい気分になる作品だった。 | ||||
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海野藻屑と山田なぎさの対照的な二人の関係。 なぎさと兄の関係。藻屑と父親の関係。 今の世の中でも起こりうる、残酷で痛ましい現実みを感じる。 藻屑の嘘や空想という名の砂糖菓子の弾丸。なぎさの現実を見据え、お金という名の実弾。 残酷と悲しみ、そして兄のぬくもり。 人間性を突き詰めた、桜庭さん特有の発想で惹き付けられました。 | ||||
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うーん… なんか終始モヤモヤするだけでした。 ですが、皆さんのレビューを見ていると、この作品を読んで特になにも感じない私が駄目なんだと思います。 もっと若いうちに読めば、違う感想を抱けたかもしれない。 | ||||
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後書きで作者自身が述べている通り、なんとも不思議な小説です。 ミステリーでもサスペンスでも青春小説でもどれでもあってどれでもなく、一つのカテゴリにぴったり当て嵌めることができない小説で、本作をこんな小説だよと一言で人に紹介するのがとても難しい。 正直に言って読み始めて5ページ目くらいの時に「ああこれは失敗した」と思いました。ぐびぐびぐびっといった大袈裟な擬音の多用や、常識外すぎて変人の域に達している登場人物たちの多さ、わかりやすさを通り越して砕けすぎている文章など一般小説というよりラノベを読んでいる感覚に近くどうにも白けてしまったからです。 それはラストまで変わらないのですが、中盤に差し掛かる頃には夢中で読んでいました。 本筋の隙間隙間に挟まれる未来の主人公の視点から、このあとの展開はどうなるかというのはだいたい想像がつきます。つくのですが、それでも読むのが止まらない。本作は「読ませる力」というものが非常に強く、グイグイと読み手を終盤まで引っ張り続ける魅力があります。 ひきこもりの兄を持つ主人公が自分を人魚だと言う変な転校生と出会ったところから物語は始まり、どこかメルヘンな雰囲気が紛れる序盤と比べ、それを押しのけるようにリアルな雰囲気が濃くなっていった中盤・終盤の展開が印象的でした。 要所要所で不意に胸に刺さってくる言葉が多く、その中でも藻屑が置かれた環境を知った主人公が「それを知らせて十三歳の私にどうしろというんだ」と嘆くシーンはこちらが息苦しくなるほどの強烈さ。これは学生の時に読んでいたら軽く人生観が変わっていたかもしれません。 最初はあまりに変人すぎて受け入れられなかった転校生・藻屑ですが、読み終わる頃には誰より好きなキャラになっていました。砂糖菓子の弾丸を撃ちまくり、儚く、不幸で、こんな現実は全部嘘だから平気と言い切った藻屑がとても悲しくて愛おしい。 | ||||
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芸能人である父親から虐待を受けている少女・藻屑と、引きこもりの兄を持つリアリスト少女・なぎさの青春模様。 物悲しい結末なのに鬱屈とした印象を受けず、読み終えた時には悲哀、爽快感、やるせなさが胸を去来しました。 あまり類型の無い青春サスペンス作品です。 なぎさが藻屑の心を理解するまでの描写が丁寧に描かれていて、ページをめくる手が止まりません。 買って良かったと思える作品でした。 | ||||
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水中花のように嘘っぽいけど、今日も普通にそこに在る現実。 アドラー先生に読んで欲しいわ | ||||
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文章の書き方が素晴らしくグイグイひきこまれる感じです。読んだ後にも深く考えさせられます。 | ||||
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増田佳江『不規則な部屋』(2009年)を装画に使ったカバーが、情感が有って素晴らしい(カバーデザイン/鈴木成一デザイン室)。富士見ミステリー文庫版は、内容とはちぐはぐな萌え絵が表紙で興醒め。 海野藻屑は「ボク少女」で、ラノベによく有りがちで、食傷気味ですが、萌え系と違って、この子には血が通っています。藻屑は「自分は人魚」だと嘘を付きますが、私の中学時代にも「私は多重人格者だ」と言っていた女の子がいたので、リアルだと感じました。思春期の苦しさを思い出しました。十代の時に読んでいたらどう感じたんでしょうか? 舞台である鳥取県境港市のザラザラした空気感が伝わってきます。これって舞城王太郎にも通じている気がします。 イケメン嫌いな桜庭さんに申し訳ないのですが、友彦に萌えました!映像化・音声化される時は、是非とも石田彰様にお願いします。 辻原登氏の解説も秀逸。 | ||||
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物語の中で殺されるこういう少女が実際にいることを、私たちは本当は知っているはず。 学校の先生とか、自分がそこになるべく関わりたくないから 気づいていないフリをしてるんだと思う。 事件とか、何か問題が起こった後、「私は知りませんでした」と言えば とりあえずは逃げられるから。 私も、そういう大人を過去に何人か知っていたので、 この話を読んだ後、そのことばっかり頭の中によみがえってきてどーっと落ち込んだ。 だけど、それでも、私たちはこういう子供たち、少女たち、少年たちが存在することを 事件が起こる前に知るべきなんだと思う。 現実感がないようで、実際にはリアルに感じられるのは、事件に至らなかっただけで 本当は身近に何人かそういう人がいたから。 たくさんの人に読んでもらって、そういう子供や少年少女のリアルに気づいてあげてほしい。 「ただの変わり者」じゃなく、理由があるんだよ、って。 | ||||
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これはハッピーエンドなのかバッドエンドなのか。 少女達は救われたのか救われなかったのか。 読み終わったあとのもの凄いモヤモヤ感。 でもそれは決して不快感ではありませんでした。 私はこれを社会人になってから読みましたが、もし中高生の頃読んでいたら多分一週間ぐらい眠れなかったと思う。そのくらいインパクトのある内容でした。 登場人物の全員が、一概に善とも悪とも言い切れない。本当に考えさせられました。 表紙から漂うような「甘々」な内容ではありません。「撃ちぬけない」と銘打たれていますが、私は見事に心を撃ち抜かれました。 「ぜひ読んで見てください!」とは言いがたい小説。でも、読んで損はないと思う小説。 本当難しい。読んでる最中も、読んだ後も、そしてこのレビューを書いてる最中も、色々と考えさせられます。 二日間ぐらいぽっと休みが出来たとか、そんな心と時間に余裕がある時、気が向いたら読んでみてください。 | ||||
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序盤からぶっとんだ表現が多く、ずっとこの調子で行くのかと思えば特に読むのを止めることなく最後まで高速で読み進めることができました。 あまり多くのことを書く語彙の力はありませんが、僕の冷めてしまった読書熱を再燃させてくれた一冊だったと思います。 | ||||
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