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名探偵に薔薇を
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名探偵に薔薇をの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 21~35 2/2ページ
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推理小説は結構読んだつもりでいたけど、夢中になって夜通し読んだのはこの作品と麻耶雄嵩のデビュー作でした。二部構成でどちらも面白い。おどろおどろしさと、題名のスマートさにやられました。ラストもよめなかった。鮎川哲也系と創元推理文庫に外れはない。著者の他の作品も探したのですが、寡作な方なのかな。 | ||||
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スパイラルや絶園のテンペストの城平先生の小説!! 最初のメルヘン小人地獄は克人の娘、鈴花が殺されるかもしれない緊迫感と小人地獄を知る内容です。 後半の毒杯パズルは三橋が鈴花を自分のものにしようとし、鈴花を汚そうとしたが、みゆきは三橋に説得して三橋を立ち直らせた。 全体的に論理とトリックを使ったり、普通の推理物では味わえない、緊迫感と論理力があって面白かったです。 余談だが週マガの某元編集長も小説を出しているが城平先生には逆立ちしても勝てないだろうね。 | ||||
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城平京の長編ミステリデビュー作にして、第八回鮎川哲也賞最終候補作です。 第一部メルヘン小人地獄と第二部毒杯パズルの二部構成になっています。 マンガにでも出てきそうな隙のない完璧な毒薬である小人地獄や、瀬川みゆきという名探偵の存在、 また事件によって生じる人間関係など、第一部はそういったものを物語に違和感なく潜り込ませるための 第二部への伏線に過ぎなかったことには、その構成力また完成度に驚きを隠せませんでした。 勿論、メルヘン小人地獄単体でも十二分に面白いものになっていてます。 特に犯人があえて限りなく黒に近いグレーという状況を自身で作りだす型にはまらない展開は新鮮でした。 やはり、この物語の肝は瀬川みゆきの名探偵ゆえの苦悩でしょう。 その純粋さ、またそれに伴う脆さには胸を打たれました。 | ||||
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城平さんが原作を担当されている「スパイラル」や「ヴァンパイア十字界」などの漫画が好きで、 「虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)」がとても面白かったので手に取りました。 普段はファンタジー物が好きなので、推理小説どころか現代物は苦手で読まないんですが、 導入の「メルヘン小人地獄」のインパクトが強いので、苦手意識はすぐになくなりました。 どころか、続きが気になって気になって、あっという間に読み終えてしまいました。 ◆◇◆ 前半は、「メルヘン小人地獄」を主軸にした推理もの。 これだけでも徹夜で読みふけってしまうほどに十分面白かったんですが、 それ以上に後半の展開が面白く、驚きと共に引き込まれました。 前半の推理はただの序章にすぎません。後半の名探偵の物語がこの本の主題だったんでしょう。 けれどもちろん、前半よりも派手さはないものの、後半の方が推理も面白いように感じました。 人は死ぬものの後味の悪さはありませんが、推理は解決したはずなのに切なくて仕方ありません。 それがこの物語の主題なんでしょうけれど…。 全体の話の構成も設定も、何より登場人物の魅力が目を惹きました。 城平さんの初期作であるこの「名探偵に薔薇を」ですが、漫画のファンにもぜひ手に取ってほしい一冊です。 私のように推理小説を読まない人、漫画やライトノベルしか読まない人にも、きっと楽しめることでしょう。 | ||||
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斬新な二部構成が特徴の本作。 第一部は、グロテスクな創作童話にもとづく連続見立て殺人。 容疑者の男には鉄壁のアリバイがあり、しかも過去の因縁に より、その男が被害者家族を恐喝するという展開を見せます。 そうした困難な状況に対し、名探偵・瀬川みゆきは、見立てと事件の 齟齬を糸口に、事件の構図を鮮やかに反転させ、真相を導き出します。 また、見立てに用いられた童話に登場する小人の名前や、その小人の殺害方法に込められた犯人 の悪意と企みもそれぞれ秀逸で、第一部だけでも水準以上のミステリとして楽しむことが可能です。 しかし、やはり本作の主眼は、第二部にあるというべきでしょう。 第二部では、冒頭に〈誰が、何のために、ポットに毒を入れたか〉という謎が 掲げられ、使用法さえ守れば絶対に検出されない究極の毒薬を敢えて犯行 が露見する状況で使った犯人の動機について瀬川が推理していきます。 瀬川は、犯人の背後に黒幕の存在を嗅ぎとり、その時々の手持ちのデータ をもとに、二度にわたって仮説を構築しますが、どちらも真相には届きません。 しかも、その挫折のたびに現前する、苛烈な「真相」 に打ちのめされ、苦悩を深めていくことになるのです。 そういった煩悶を、倒錯的なナルシシズムと断ずる向きもあるかもしれませんが、 名探偵という業を自らに課し、厳しく己を律する瀬川の姿はやはり胸を打ちます。 | ||||
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二部構成の作品です。前半は完全犯罪を可能にする毒にまつわる事件。トリックもよく練られていながら単純であり前半部分だけでもよく売れてる推理小説と同等かそれ以上に楽しめる。そして第二部。第一部がすべて第二部のためにかかれたことに気付かされます(実際第二部の方が先に完成しておりそれに第一部を加筆した)。審査員の評価ではすでに使われたことのあるトリックの使用がマイナスに見られていますがトリック云々より名探偵であることの苦悩がひしひしと伝わってくるタイプの小説です。なかなかいい小説でした。 | ||||
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名探偵を、有名な私立探偵、と定義するなら、明智小五郎や金田一耕助 などにしか当てはまりません。 実際は、この定義に当てはまらない、「名探偵」がいくらでもいるわけです。 また、星影龍三などの、一時期には私立探偵をやっていた、とされる、 微妙な存在もいます。 そんななかで、本作に登場する、瀬川みゆきも微妙な存在と言わなけれ ばならないでしょう。 彼女は、第一部では、大学生として現れるからです。 しかし、第二部では、どうやら、探偵的な活動を生業としているようで す(明記されてはいない)。 ですが、それ以上に、彼女は本質的に、名探偵として規定されているよ うなのです。 詳しいことは本書を参照してほしいのですが、この名探偵観を知る事は 『スパイラル』などの他作品を読解する際にも、きっと役立つことでし ょう。 | ||||
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小人地獄。無味無臭にして、一度体内に入れば何の痕跡も残さず速やかに死に至らしめる毒薬の名。著者はこの毒薬を道具として、名探偵の苦悩を描いた。 本書は二部構成になっており、第一部では小人地獄の由来と威力が示され、読者にとっての”現実”として小人地獄の存在を印象付ける。第二部では、第一部で得た知識が謎解きの前提として活用されている。 本来ならば起こるはずもない殺人。一つの事件の動機が明らかにされるとき、また一つの不幸が訪れる… 謎はすっきりと解き明かされるかもしれませんが、読者の心に爽快感が訪れるかは自明ではありません。 | ||||
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ダイヤモンドは言わずと知れたこの世で一番堅い物質。 しかし、それ故圧力が掛かった時に、その力を分散できずにすぐに砕けてしまう。 つまり堅い強い物質ほど脆いものなのだ。 この作品の探偵役『瀬川みゆき』。この人物もそんな存在だ。 天性の才能が有りながら、その過去、その運命に翻弄され苦悩しもがき続ける様子が、ありありと描かれている。 苦悩故の天才。 天才故の苦悩。 それが読む者の心を揺さぶる作品である。 中身は一部作の『メルヘン小人地獄』、二部作が『毒杯パズル』の二部構成。『メルヘン小人地獄』の猟奇的な事件を受けて、その数年後に起こった事件として『毒杯パズル』が描かれている。 一部作が基盤となって、二部作がそれを受けて逆転に次ぐ逆転を見せる誰にも予想できないような結末を迎える推理劇。 けれども、それですらラストの天才『瀬川みゆき』の壮絶なる苦悩の描写を引き立てるアイテムでしかない。 読み終わった後に、あなたは何を感じるだろうか? | ||||
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最初は冬休みの暇つぶしにと思い、この本を読みました。 私は小説はあまり読みませんし、この本もマンガ『スパイラル』の城平さんの作品だからという理由で読んだのですが、じつに面白いです。 物語の中の季節も冬なので、今の時期に読むのがいいかなのとも思います。 内容は二部構成で、第一部は猟奇的ですこし怖い事件でした。しかしこれは第二部の序章のようなもので、この第二部に全てが集約されていると思いました。 また私はこの物語の探偵である「瀬川みゆき」私淑の念を懐きました。哀しさがあり、優しさがあり、勇ましさのあるこの人物に対して言葉では表せない感情が湧いてきました。 私のような素人の読者がとやかくと語ってるのを聞くより、まず読むのがベストだと思います。読んだ人にはこの物語の素晴らしさがきっと解ると思います。 | ||||
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なんとなく、『スパイラル』の城平京だしまあ裏切られんだろ、 と気軽な気持ちで読んでみました。 ・・・・・でもそれが仇となりましたよ、まったく。 なんせ話の筋が奥深いのなんのって。 それにしてもまず名探偵がすごい。 怖いくらいに自分を追い詰め、決して自らを許そうとしない。 その姿勢、その度胸。 こんな人間って、そうそういませんよ。本も、現実にも。 でも、なぜでしょうね、かわいそうだとは全然思わないんですよ、 不思議と。 題名どおり、薔薇を一輪あげたくなったとしても、 私の場合、手を差し伸べようとは思えないんです。 なぜでしょうね。 もう一回本を読み返せばわかるかもしれませんけど。 なんだか当分できそうにありません。 途中でやりきれなくなってしまうんですよ。 ああ、またああなるんだ・・・・って。 むなしいですよ。 でも、そこがまたすごいんですよ、城平京って。 読者にそう思わせちゃうところが。 いや・・・・もうファンです。 マンガ買おうかな・・・・スパイラル・・・・・ | ||||
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この作品は2章から成り立つ。前半部はとある毒物に関わる事件、その謎を「名探偵」が解き明かすという本当に至極真っ当なミステリーである。ここでの魅力は、架空の完全犯罪を成し遂げることが可能な「毒物」を使った犯罪ではなく、それを巡る事件が謎解きの中心となるところである。「完全犯罪が可能な」が免罪符ではなく単なる小道具の一つとして扱われるところが私的に気に入った。後半部は少し毛色が変わる。むしろ本作品のテーマの大部分はこちらに集約される。前半部はイントロダクションでしかない。天才的推理力を持つがが故に、「名探偵」であり続けるという宿命を背負った主人公。ひたすらに苦悩する主人公を描き続ける。これは後の「スパイラル」にも共通するところがある。そしてラスト。なんとも、やりきれない。これはミステリーにおける「名探偵」を描いた本質的な意味での「探偵小説」である。 | ||||
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個人的に、「スパイラル-推理の絆-」…コミックスで身近に親しみのあった作家さんであります。この方は、センスがいい。読みやすい文章、伏線の数々、セリフのテンポなど、うなる部分が多々あります。読者をひきつけるテーマ選び(『小人地獄』に『毒杯パズル』ネーミングも素晴らしい♪)にもそれはうかがえます。久しぶりに一気に読破。興奮を覚えました!もっと城平 京の本読みたいぞ!! 名探偵が自分と同じ苗字だったのも面白い本だけに嬉しかったりします…(^u^) ☆4つは、結末がもうちょい明るければな~と。 | ||||
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東京創元社の第八回鮎川哲也賞の最終候補まで残った(のを改稿した)作品らしいです。二部構成という形態とっているこの作品。第一部「メルヘン小人地獄」では、とある不気味な童話になぞらえられた連続殺人事件が、第二部「毒杯パズル」では、第一部踏まえての、ある不合理な謎を包含する――「本編」とも言うべき――事件が、それぞれ描かれています。そして、この作品の魅力の一つが、主人公の瀬川みゆきという「名探偵」の存在にあると思います。彼女が名探偵という業に悩み、それでも事件に果敢に挑んでいく姿はとても魅力的だと思います。また、鮎川哲也賞の審査では、「他で用いられたことのあるトリックが使われている」とか言われていたようだけど、僕はそっちの本を読んだことがなさそうなので、全然問題なかったです。 | ||||
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第八回鮎川哲也賞最終候補作。二部構成で、第一部と第二部で関連する事件が語られます。第一部。いかにも怪しい犯人がいるが、充分な証拠がない。それをいかにして追いつめるか、という名探偵と容疑者との駆け引きは、その後の漫画原作「スパイラル」シリーズにもつながるものだと思います。さらに第二部では、第一部の事件を下敷きにしてさらなる事件が。真相は二転三転し、最終的に驚きのラストへとつながります。このラストは、正攻法でいてかつあっと言わされるものがありました。 | ||||
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