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家守綺譚
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家守綺譚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全134件 81~100 5/7ページ
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個人的にはすごく面白かったです。大好きな本の一つになりました。古き良き日本の情緒を感じさせる単語や表現、季節感、当時の生活感、人々の知恵、そしてちょっとした「怪談」的な要素(怖いのではなく、不思議な生き物や出来事が淡々と普通の日常に織り込まれているところが最高)など、心にやすりをかけてくれるような作品でした。そして、文体や発想だけではなく、主人公の志の良さに感動します。最後の方で決め台詞のようなものがあるのですが、胸を打たれました。いい本だと思います。 | ||||
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“ハリーポッター”や“指環物語”にそこまで入り込めない私は、ファンタジーが苦手 なんだと思っていた。しかし、それは背景のちがいなんだとわかった。 本書に登場する日本のファンタジーになら容易く馴染めたからだ。 掛け軸を媒介にあの世とこの世を行ったり来たりする亡き友を筆頭に、人間に恋心を抱く サルスベリやら、徳の高い犬、河童など、本書には不思議な生き物がたくさん登場する。 アメリカでヒットするホラー映画を観ても全然怖くないが、日本の怪談に背筋が寒くなったり 五感には風土と切っても切れぬ深い関わりがあるのだと実感する。 それは百年昔の物語であっても何ら変わるところはないのだと思う。 −最近筆が進まなかった。執筆にはペンとインキを用いているのに筆が進まないとは。 しかし、ペンが進まないと云うより、筆が進まないと云う方が、精神の在り方に即している ような気がする。(中略)文明の進歩は、瞬時、と見まごうほど迅速に起きるが、 実際我々の精神は深いところでそれに付いていってはおらぬのではないか。− とは、日本人の根幹をなす部分をズバリ言い当てられたようで、ストンと胸に落ちた。 『村田エフェンディ滞土録』とシンクロしているところも楽しい。 | ||||
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批評も理屈も余計な事!共に其処にあるのだから。当たり前に素敵な出来事がいっぱいで、とてもやさしい気持ちになれます。この本は、不思議な事が大好きな人は大好きになる、きっと。 | ||||
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小説の舞台は、私の住んでいる、京都の山科。 この本を読んでいると、自分の周りが幻想的な世界に思えてくる。 ホントに、この地に昔こんな話があったのかも・・そんな風に思えてくる。 私にとっては不思議な小説。 ついつい贔屓目になってしまうけど、★★★★★ | ||||
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駆け出しの物書きである綿貫征四郎は、学生時代亡くなった親友である高堂の家を管理することになる。 あるとき「庭のサルスベリがおまえに懸想している」という忠告と共に死んだはずの高堂がボートに乗ってやってきて…… 季節折々の自然とそこに在る怪異をごく自然に描いてくれる短編集です。 短編、とは言ってもそれぞれの話が巧妙につながり、ところどころで接触しながら読ませてくれました。 高堂にからかわれながらも、常にまっすぐで素直な綿貫のキャラクターもよかったです。 個人的には「ふきのとう」から登場する小鬼がかわいくて好きだったのと、サルスベリが健気な一方、ときたま人間らしい艶かしさや嫉妬を見せるのが魅力的でした。 | ||||
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読み始めてすぐに「これはヤバイ」と思った程、いい本に出会ってしまった。 本好きサイトでも絶賛されていたので早く読んでみたいと思っていましたが、 大勢の方が感想を述べている通り確かに心に染みる作品でした。続きを読むために この本を手に取る時、自然と心が安まりました。家守綺譚に出てくる草や花という ホームページがあったので、どんな植物かわかってすっきりしました。 見た目にも個性のある植物が多いですね。 最後のほうで征四郎が葡萄を食べない理由を語ったシーンが最高です。 これで作品が引き締まった感じがしました。 文庫にすると380円という安価ですが、読む価値は計りしれません。 | ||||
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疎水の近く、山の手の住宅地。山を越えれば湖。 関西弁は一切出てこないが、舞台は京都東山辺り。舞台と言語のズレが、異世界めいた味わいを増す。 どこか自然に、不思議な者達が息づいていた景色。かすかに懐かしく、驚きに満ちた生活。 物語の筋を追うよりも、日記を読むように、世界の空気を味わった。 その家は、彼岸と此岸の交わる場所、過去と未来の重なる仮屋。平気で矛盾を背負い込む健康な衆生ではないものの、避難場所。 滅びの予感は雨のようにしっとりと降り注ぎ、やがて滋養となるのだ。 疎水べりの桜を愛でながらそぞろ歩いた思い出も、胸苦しい。心の奥深いところにしまった景色を彷彿とさせる、まさに珠玉のような小説だった。 | ||||
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四季の情景などが、感覚的に描かれていて、本書を眼ではなく、感覚で読んだ。 あくまで理屈ではなく、感覚だ。 季節感豊かな、この作品の情景に、自然と入ってゆける。 サルスベリとの会話、まるで乾物の様な河童の話、花鬼などに違和感を感じない。 そして、季節は盛夏からススキ、啓蟄、満開の桜へと移りゆく。 すぐに、それらの季節に同化出来る。 読む度に新しい発見がある。 物語は題材別に短く区切られているので、読み返しやすい。 そして、読む度に、季節感豊かな情景に浸る事が出来る。 心が洗われる。 | ||||
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文庫の表紙もすてきですがこちら雰囲気。装丁買いした一冊。「えらばれた」家守の身のまわりにおきる不思議な出来事。淡々としていていながらどこかゆらゆら。たくさんのなかから掬いだしたほんの短い文章が活きています。 | ||||
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風景の描写、季節感など、ストーリーも素晴らしいが何よりそっちに夢中になってしまいました。目をつぶったらありありとその景色を思い描けるし、澄んだ空気も感じられそうなほどです。キャラクターも個性的で、なんとなく可愛らしい。夕暮れ前に縁側で読みたくなるような一冊です。 | ||||
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亡くなった友人の家の家守をする主人公に、庭の前栽、里山の草木や動物たちが、懸想をし、悪戯をし、語りかけてきます。 一編ずつは数ページの短いものですが、それらは互いに関連し合い、大きな一幅の作品となっています。 身近な自然との交歓を、ほとんど散文詩のような文体で織りなしてゆくさまは、幻想的な水彩文人画を思わせます。 色彩はあくまでも淡く、それでいてまなざしはあくまでも瑞々しく、その上死者さえも活き活きと描かれています。 一編ずつ慈しむように手の中で転がして鑑賞したくなる作品です。 | ||||
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ハードカバーをもう持っていたのですが、綿貫の随筆を読みたかったのと外出先でも読みたかったので文庫版も購入しました。文庫が出て、人にすすめやすくなったのも嬉しいです。綿貫の随筆には溜め息をつかせる物がありました。いい意味での溜め息です。ちゃんと最後に読んでもらいたい。連作なので、通勤通学の間に読んだりするのにいいかもしれないが、不思議と次々と読みたい気持ちにさせる。ただ穏やかな空気ただようこの物語に、どうしてそんな力があるのか上手い説明は出来ない。どこか愉快で温かみがあり、惹かれるものを感じてしまう、物語の中に息づく人々。時代も曖昧な中でさも当然な顔をして存在する不思議。純粋なエンターテイメントとしても申し分なく、美しい日本の風景の描写は、美しい。けれど、それ等だけで終わらせたくない何かがある。安易なエンターテイメントとして終わらせたくない。好き、何度もページをめくってしまう、感慨深い一冊。 | ||||
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とても面白く読めました。 書店に平積みされており、何気なく手に取り購入し、電車の中で読みました。 これがなかなかいいんです。 ぶらぶらしている小説家がいて、 自宅に友人が遊びに来たり、 季節の移り変わりの度に花鳥風月を愛でるという、 志賀直哉のような日本の私小説的エッセイのフォーマットを使いながら、 友人が死人だったり、物の怪だったり、動物だったり、 時代、地域をちょっぴりあざとくぼかすことで、 日本的なファンタジーになっています。 また飼い犬のゴロー、サルスベリ、ダァリアの君、和尚、隣家のおかみさんといった登場人物のキャラクターがとてもかわいらしいのです。 それらの脇役も含め、登場人物が過剰に何かを語ることがなく、 それは漫画版「陰陽師」に通じるものを感じました。 セックスや残酷さ等は上手に回避しているので、 若干の物足りなさがありましたが、 それは梨木さんという方の作風なのでしょう。 彼女のことは全く分からないのですが、 すごく才能のある作家さんではないでしょうか。 | ||||
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文学青年!!この甘美な響きが似合うお話でした。 各話に出てくる不思議な生き物もステキで、雰囲気も抜群です。 主人公がちょっとドライな感じがしたのですが、まあそういう性格なんでしょうな。 話の筋はありがちなんですが、それを感じさせない作者の文章表現はさすが!です。 個人的には犬好きの人にも読んでほしいなぁ。 作中に出てくる犬がかなり変わっていて面白いです。 | ||||
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日本語がとても美しい。丁寧な文章は読んでいて気持ちが落ち着いてくる。日常にはないはずの不思議な世界が、でも日常のすぐ隣に存在しているのだと自然に信じられる。草、木、犬、河童…さまざまな登場人物(!?)と主人公とのやりとりに、ほっと心が温められる。 | ||||
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本当に綺麗な日本語だと思いました。 亡き友人の家守をしていると、その亡き友人が掛け軸から出てきたり庭の池に河童が流れてきたりするわけですが、それを否定したり恐れたり、そういう無粋な事はしません。 文庫の解説にも書かれているように「理解はできないが受け容れる」のです。しかも難なく。 そして他の梨木さんの作品にも見られるような、植物の描写。何だかお庭の匂いが香ってくるようで、本当に和みます。 健康的な和食をおいしくいただいた、と言うような読後感でした。 | ||||
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湖畔の疎水から取り水を引き込んだ池のある亡くなった友人の家に家守として住むことになった文筆家の綿貫。 彼のぐるりをさまざまな人間・植物・動物・霊・異形のものたちが入り交じり、多層に重なる空間で彼を取りまいてうごめいている。それらのものたちとの日々の交わりが季節の移ろい中に綴られていく。 湖中の水底で暮らす優雅な理想の生活をきっぱり断った綿貫。その潔さに作者の気持ちを重ねてしまいました。 「貝母」の段の最終行など、散文とはこうあるんだろうと堪能しました。 | ||||
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亡き友人の家守を任された征四郎の、徒然の記。サルスベリに懸想されたり、河童が庭の池に流れてきたり、小鬼がいたり狸に化かされたり・・・ほんの百年と少し昔の、不思議な者たちが似合う頃の日本の物語。 「ヒツジグサ」が一番好きです・・・。思わず笑ってしまった。 文体も、昔風にしてあって、いかにも当時(明治末期?)の文筆家が記した感じになっている。でも読みやすく、無駄がない。会話文が"「 」"ではなく、"ー"になっているのがとてもいい。 四季折々の、古きよき日本。 ゆったりとした時間が流れる。 春には佐保姫、秋には竜田姫。 いろいろな怪異がありつつ、いかにも日常を徒然に記している自然さがまた素晴らしい。読んでいて、こんな時代に生きてみたいと思わせる。 現代人が忘れてしまったものが、この本の中には生きている。 一つ一つの物語が数ページずつなので、朝の10分間読書にもいいかも。 | ||||
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冒頭の「サルスベリ」が凄い、鳥肌が立った。 とにかく文章に無駄が全く無く 「静と動」を梨木独特の文体で美しく描いています。 繰り返すように言いますが、 「サルスベリ」たった6ページ、これだけでも読む価値あり。 | ||||
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装丁もあわせて、イイです。この一言に尽きます。 多くの人に読んで欲しい。 梨木さんにしか書けないものがここにあります。 最初は図書館で借り、読んだのですが、 どうしても欲しくなって買ってしまいました。 | ||||
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