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絹の変容
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絹の変容の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 1~20 1/2ページ
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虹色に輝く絹織物に取り憑かれた青年が、この絹を産する蚕を求めて、異色の才能をもつ女性生物学者と協力して陣馬山周辺の森で野蚕の飼育を開始する。しかし、この野蚕が変異するにつれ、怪奇な事件が勃発する。 一作ごとに作風を変える才女によるSFといってよいであろう。私の好みとしては、同作者による「鏡の背面」や「弥勒」の方に惹かれるが……。 | ||||
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ある地域でしか捕獲できない野蚕を繁殖させて、そこから特殊な絹を作ろうとしたところ、実は蚕は特異な毒性を持っていて……という形で始まるSF。200ページに満たない作品であるため、物語の展開が早すぎるとか、主人公の長谷康貴の行動に首尾一貫性が見出しにくくて感情移入しづらいとか、さらに蚕の始末のつけ方については説明不足な感があるなど、欠点は多い。一方で有田芳乃の佇まいが不思議に印象強くて、むしろこちらを中心にして書いて欲しかったと思うほどではある。 | ||||
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対応は、迅速でした。本は、まま奇麗でした。 | ||||
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珍しい蚕を見つけ、虹色の反物を作る夢を抱いた男から始まるSFパニックホラー。ロジック的には噛み合わない部分が散見され、気になる。主人公にも感情移入しづらく、発端として突き放して描き主人公にするべきではなかったのではと思う。過去のSFには科学の夢と希望と功罪、人の生き方を問うものもあったが、この作品にはどれほどあるだろうか。とは言えテーマ選択は魅力的で、こういう作品が発展してほしい。 | ||||
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八王子を舞台として、バイオテクノロジーカイコの変容が恐怖に巻き込む。 カイコというものを題材にした 実に不思議な物語であった。 ちょうど、バイオテクノロジーというものに足を踏み出した頃に読んだ。 カイコの行進のゾワゾワした雰囲気が、実にホラーだった。 バイオテクノロジーの持つ不思議さ。 「幻想」ということに対する、「想像力」「創造力」の大切さ。 康貴は、祖母の形見の、虹色に輝く絹織物を見つける。 康貴は、その特殊な絹に心を奪われ、何とか商品化できないかと、祖母の実家である山梨の某村に向かう。その山中には、特殊な美しい絹となる山繭があった。そのカイコを育てる。 特殊な植物しか食べない蚕を、鶏肉を食べるように改良することに成功した。 その絹は、アレルギーをもつ人間を死に至らしめる恐るべき物だった。 飼育棟で蚕に触れた康貴の妻は死亡する。 絹糸から特殊な美しさの絹織物は出来たが、 それで作った白無垢の打掛を着たファッションモデルは即死してしまう。 そして、カイコは、街に向かって、行進を始める。恐ろしい。 | ||||
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一気に最後まで読めました。虫が苦手な方にはお薦めしません。 気持ち悪さと怖さが混ざった感じのお話です。 | ||||
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一見優美で無害な生き物が人間に牙を剥く…というストーリーは神鳥(イビス)に似ていますが 神鳥はあくまでも幻想的なホラーだったのに対し、こちらはただただグロテスクでおぞましいです…。 動物の皮膚を食い破る巨大蚕が夢に出て来そうな恐ろしさがあります。 美しい糸を作り出すためとはいえ脳を改造し弱い個体を淘汰し肉を食わせるとは 現代版(といっても書かれたのは30年近く前ですが)の蠱毒といった感じで薄ら寒さを感じます。 | ||||
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オシラサマで検索したら、こちらの書籍もリストアップされたので、期待して購入したのですが、いざ読んでみるとオシラサマと通ずる箇所は蚕ぐらいでしょうか。 ギリギリで「おきぬ様」信仰の話が、本当にさらっとしか書かれてないので、肩透かし以上でした。 話は蚕によるバイオハザードで、描写は昔のホラー映画『スクワーム』を思い出しました。 毒蚕という題材は斬新だっただけに、「おきぬ様」を信仰する集団と、生きた毒蚕である御神体が暴れまくるような話を読みんでみたかったです。 因習が絡む伝奇モノの方が、話の幅が少しは広がったのではないかなと思いました。 | ||||
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昔、小学校で蚕を飼ったことがありました。大きな白い芋虫という感じですが、カブトムシの幼虫のようにほとんど動かないので、それほど気持ち悪くなく、触ることもできました。糸を紡ぐところまではとても行きませんでしたが。 この作品で初めて知ったのですが、異種タンパクとの接触ということで、絹アレルギーなんていうものがあるんですね。学校では習いませんでした。 この作品では、美しい絹糸を吐くけれども、肉食の、敏捷な、絹アレルギーも強烈な蚕というものが沢山沢山登場します。どこまで書いていいものやら悩むんですが、ここまで書いていて自分で少し気持ち悪くなりましたので、この作品についてこれ以上は書きません。 着眼点が巧みな、第一級のホラー小説です。 | ||||
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色々な意味で「夏の災厄」の習作のような感じ。あまりに気色悪いので寝れなくなる人もいるだろうから注意しましょう。 | ||||
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まさに篠田節子の世界の気味悪さに 最後まで読めるか? 結末を知りたい欲望に駆られて 読み切りましたが、この気味悪さは好き嫌いが分かれるかもしれません。 私は、 ここに出てくる小さな生き物が、何よりも苦手で嫌悪するのです 本当にその描写が 見事すぎて・・・。ミステリー仕立ての 絹織物のお話ではあるのですがね。 | ||||
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こりゃ気色悪いや 凄いなあ、新人賞でこれって。と、改めて 自分は篠田作品で一番面白く読んだのは「竜と流木」なのですが、「源ここにあり」の感じでした | ||||
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ヒアリが初めて中国からのコンテナから見つかったとき、この本を読んだ時の恐怖をまざまざと思い出し、ぞっとしました。 そして昨日、やはり、ついに、1日に千個の卵を産むといわれる女王アリが2匹見つかったという報道が。 まさにこの本で描かれたのと全く同じ恐怖が現実になろうとしているように思います。 ヒアリの何が問題なのかイマイチピンときてない人には、ぜひこの本を読んでみることをお勧めします。 | ||||
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エボラ出血熱やデング熱、怖い異常な病気が出てきた現在を先取りした本です。 | ||||
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虹色に輝く絹織物を目にした長谷はこの織物を再現しようと蚕の専門家と研究を重ねる内にとんでもない蚕を生み出してしまった。 遺伝子操作ではないにしろ爆発的な肉食そして雑食化して人々を恐怖に陥れる。 それほどの大作ではないがSFパニック小説としては十分な内容だ。 一般文学通算880作品目の感想。2014/09/07 10:45 | ||||
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虹色の糸を吐く蚕を増産しようと,遺伝情報を操作し,絹を大量生産使用と試みる.蚕は瞬く間に野生化しその繁殖力故,町をパニックに貶める.この作品では町の混乱に留まっているが,これが世界的に起こるとなると大変であることは言うまでもない.何かのSFに在りそうな展開である.彼女の作品は大変様々な角度から物事を述べていくため引きこまれてしまう.彼女は単なるSFでないと述べてはいるが,果たしてどうだろうか.また.人間の都合だけで環境を変えて良いのだろうか?安全のため?火力発電でどんどん化石燃料を燃やして良いのだろうか? | ||||
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篠田節子、デビュー作にして、この出来ばえ。 その後の彼女のホラー、ミステリーを形作る原型ともいえる小説だった。 幻の絹織物に取りつかれたように傾倒していく若旦那とそこにふっと現れる、理系天才女。 織物に惹かれあい、情愛に溺れる、そしてやってくるとてつもない変異。 世間を巻き込むバイオホラー小説。一気に読めて、面白かった。 | ||||
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直木賞受賞作品とのことで拝読しました。 拝読していて有川浩の話を思い出しました。 荒削りの展開の中に、 絹に対する思いと、 八王子の研究所と 商売という3つの方向性を含む、 文学的要素があることが理解できました。 たいへん勉強になりました。 | ||||
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SF小説にカテゴライズされていますが、むしろホラー小説なんでしょうね。 なじみのある土地を舞台にしていて、こじんまりとまとまってしまい、お手軽に書かれた感じもします。でも十分楽しめます。 塩山に行くのに、「甲府インター」で降りたり、地元の方言が全く違っていたりで、けっこう取材不足・考証不足です。でも十分楽しめます。 遺伝子学な考察もイマイチで、わたし的にはやはりSFとは認めたくない気がします。でも十分楽しめます。 後に次々に佳作を生み出す作家の習作として、意義のある作品だと思いました。 | ||||
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何かは、やはりラストの物足りなさではないでしょうか。 でも、そこに至るまでが実にスムースに、それこそ絹のように滑らかな文章で読ませてくれます。 虫の嫌いな人に特にお勧めですw | ||||
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