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絹の変容
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絹の変容の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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虹色に輝く絹織物に取り憑かれた青年が、この絹を産する蚕を求めて、異色の才能をもつ女性生物学者と協力して陣馬山周辺の森で野蚕の飼育を開始する。しかし、この野蚕が変異するにつれ、怪奇な事件が勃発する。 一作ごとに作風を変える才女によるSFといってよいであろう。私の好みとしては、同作者による「鏡の背面」や「弥勒」の方に惹かれるが……。 | ||||
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八王子を舞台として、バイオテクノロジーカイコの変容が恐怖に巻き込む。 カイコというものを題材にした 実に不思議な物語であった。 ちょうど、バイオテクノロジーというものに足を踏み出した頃に読んだ。 カイコの行進のゾワゾワした雰囲気が、実にホラーだった。 バイオテクノロジーの持つ不思議さ。 「幻想」ということに対する、「想像力」「創造力」の大切さ。 康貴は、祖母の形見の、虹色に輝く絹織物を見つける。 康貴は、その特殊な絹に心を奪われ、何とか商品化できないかと、祖母の実家である山梨の某村に向かう。その山中には、特殊な美しい絹となる山繭があった。そのカイコを育てる。 特殊な植物しか食べない蚕を、鶏肉を食べるように改良することに成功した。 その絹は、アレルギーをもつ人間を死に至らしめる恐るべき物だった。 飼育棟で蚕に触れた康貴の妻は死亡する。 絹糸から特殊な美しさの絹織物は出来たが、 それで作った白無垢の打掛を着たファッションモデルは即死してしまう。 そして、カイコは、街に向かって、行進を始める。恐ろしい。 | ||||
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一気に最後まで読めました。虫が苦手な方にはお薦めしません。 気持ち悪さと怖さが混ざった感じのお話です。 | ||||
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一見優美で無害な生き物が人間に牙を剥く…というストーリーは神鳥(イビス)に似ていますが 神鳥はあくまでも幻想的なホラーだったのに対し、こちらはただただグロテスクでおぞましいです…。 動物の皮膚を食い破る巨大蚕が夢に出て来そうな恐ろしさがあります。 美しい糸を作り出すためとはいえ脳を改造し弱い個体を淘汰し肉を食わせるとは 現代版(といっても書かれたのは30年近く前ですが)の蠱毒といった感じで薄ら寒さを感じます。 | ||||
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昔、小学校で蚕を飼ったことがありました。大きな白い芋虫という感じですが、カブトムシの幼虫のようにほとんど動かないので、それほど気持ち悪くなく、触ることもできました。糸を紡ぐところまではとても行きませんでしたが。 この作品で初めて知ったのですが、異種タンパクとの接触ということで、絹アレルギーなんていうものがあるんですね。学校では習いませんでした。 この作品では、美しい絹糸を吐くけれども、肉食の、敏捷な、絹アレルギーも強烈な蚕というものが沢山沢山登場します。どこまで書いていいものやら悩むんですが、ここまで書いていて自分で少し気持ち悪くなりましたので、この作品についてこれ以上は書きません。 着眼点が巧みな、第一級のホラー小説です。 | ||||
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こりゃ気色悪いや 凄いなあ、新人賞でこれって。と、改めて 自分は篠田作品で一番面白く読んだのは「竜と流木」なのですが、「源ここにあり」の感じでした | ||||
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ヒアリが初めて中国からのコンテナから見つかったとき、この本を読んだ時の恐怖をまざまざと思い出し、ぞっとしました。 そして昨日、やはり、ついに、1日に千個の卵を産むといわれる女王アリが2匹見つかったという報道が。 まさにこの本で描かれたのと全く同じ恐怖が現実になろうとしているように思います。 ヒアリの何が問題なのかイマイチピンときてない人には、ぜひこの本を読んでみることをお勧めします。 | ||||
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エボラ出血熱やデング熱、怖い異常な病気が出てきた現在を先取りした本です。 | ||||
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虹色の糸を吐く蚕を増産しようと,遺伝情報を操作し,絹を大量生産使用と試みる.蚕は瞬く間に野生化しその繁殖力故,町をパニックに貶める.この作品では町の混乱に留まっているが,これが世界的に起こるとなると大変であることは言うまでもない.何かのSFに在りそうな展開である.彼女の作品は大変様々な角度から物事を述べていくため引きこまれてしまう.彼女は単なるSFでないと述べてはいるが,果たしてどうだろうか.また.人間の都合だけで環境を変えて良いのだろうか?安全のため?火力発電でどんどん化石燃料を燃やして良いのだろうか? | ||||
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篠田節子、デビュー作にして、この出来ばえ。 その後の彼女のホラー、ミステリーを形作る原型ともいえる小説だった。 幻の絹織物に取りつかれたように傾倒していく若旦那とそこにふっと現れる、理系天才女。 織物に惹かれあい、情愛に溺れる、そしてやってくるとてつもない変異。 世間を巻き込むバイオホラー小説。一気に読めて、面白かった。 | ||||
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直木賞受賞作品とのことで拝読しました。 拝読していて有川浩の話を思い出しました。 荒削りの展開の中に、 絹に対する思いと、 八王子の研究所と 商売という3つの方向性を含む、 文学的要素があることが理解できました。 たいへん勉強になりました。 | ||||
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SF小説にカテゴライズされていますが、むしろホラー小説なんでしょうね。 なじみのある土地を舞台にしていて、こじんまりとまとまってしまい、お手軽に書かれた感じもします。でも十分楽しめます。 塩山に行くのに、「甲府インター」で降りたり、地元の方言が全く違っていたりで、けっこう取材不足・考証不足です。でも十分楽しめます。 遺伝子学な考察もイマイチで、わたし的にはやはりSFとは認めたくない気がします。でも十分楽しめます。 後に次々に佳作を生み出す作家の習作として、意義のある作品だと思いました。 | ||||
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何かは、やはりラストの物足りなさではないでしょうか。 でも、そこに至るまでが実にスムースに、それこそ絹のように滑らかな文章で読ませてくれます。 虫の嫌いな人に特にお勧めですw | ||||
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あとがきにあった、「ハリウッドのパニックムービーを小説で」という意気込みを買いたい。確かに映像化すれば怖い映像が作れると想像された。スケールが小さいとの指摘があるようですが、この分量の本と考えればちょうど良かったかとも思う。まぁ、夏の災厄の方が評価が高そうなので、そちらも呼んでみたいと思います。 | ||||
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包帯製造会社の二代目社長・康貴は、レーザーディスクの様な輝きを見せる絹織物を偶然見つけ出し、その魅力に惹かれ、今ではどうしてか廃れているその絹布をバイオテクノロジー技術で量産しようと試みるが…。 第3回小説すばる新人商事を受賞した、後の「夏の災厄」を想起させるようなパニックもの。 それだけ美しい絹布がなぜ現代まで引き継がれ生き残らなかったのか、という謎。バイオテクノロジーによって、異種と化した蚕の不気味さ。 虫が――特に「いもいも」した感じの虫が苦手な人は、他の人より相当怖く感じられる話だと思う。どうぞお気をつけて。 | ||||
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バイオ・テクノロジーによって養殖された、怪しい光沢の絹糸を紡ぎ出す肉食の蚕。この蚕によるバイオ・ハザードを扱った作品。リアリティがあってとてもおもしろい。しかし、同じくバイオ・ハザードを扱った作品の『夏の災厄』を読んだ後だったので、物足りなさを感じる。『夏の災厄』の半分以下の厚みしかないこの作品に、『夏の災厄』並みにの肉付けがなされていれば、『夏の災厄』以上になったと思う。 | ||||
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さすがに篠田さんの本。面白かったです。大きな蚕なんて想像しただけで、ぞぞっとします・・・。生理的な嫌悪感と恐怖。でも、少し物足りなかったかな。先に「夏の災厄」を読んでしまったからかもしれません。 | ||||
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