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幽女の如き怨むもの
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幽女の如き怨むものの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 1~20 1/2ページ
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刀城言耶シリーズで短編物を除くと唯一読んでいなかった。 本の紹介を読んでもあまり惹かれなかったという好みだけの理由だったけど、同じ作者の別シリーズ「白魔の搭」の解説のなかで、「幽女の如き怨むもの」がシリーズ中で最も巧緻と書かれていたのが気になり手に取った。 読み終わった感想としては、物語としては面白く最後まで飽きさせないところが流石だと思うけど、刀城言耶ファンとしては、彼が現場に登場して事件に巻き込まれながら謎解きをするのではなく、過去の事件の解釈を行うだけというのが寂しかった。 そのためか、彼の推理も冴え渡った感じがなく、一部はおざなりな気もして、元気がない。 肝心の幽女が、タイトルにまでなっているわりに、わき役どころかエキストラ、いや舞台装置程度の存在でしかなく肩透かしだったのが残念で、推理も冴えず元気がなかったのかなと思った。 でも、物語として面白かったのは確かだし、村田修氏のカバーイラストが素晴らしいので星は4つです。 | ||||
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一章は新造の花魁の一人称で書かれていて廓の世界観とあわせてとても引き込まれた。二章は女将の立場で、三章は小説家の立場でだんだん徐々につまらなくなって、あれあれ息切れしてきたなーと思ったが、四章の解決編を読んでなるほどーと感心した。 自分は、推理小説で謎を解くよりも、作者に騙される方が好きなので、そういう人はとても楽しめると思います。 幽女の気配も怖くて怪奇ものとしても楽しめた。 | ||||
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最初はレビューを読んで不安でしたが、トントンと読むことが出来たし、その後でこことここが伏線だったのか!など面白い箇所も多くて2度目に読んでもまた楽しめました。 歴史小説のような感覚でも読めるので、設定も楽しみたいなら読んで見る価値はあり! | ||||
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一人の遊女の波乱万丈の人生を描いたフィクションとしてならバツグンに面白いんだが、惜しむらくはミステリとしても怪談としても破綻してるんですよ本作・・・。 そら「幽霊(死人)よりも怖いのは生きてる人間である」なる現実論を、物語的に体現しちゃってる作品だからして、より遊女たちの苦労が読者の心に染みいるなる本末転倒ぶり(苦笑 次作の、久方ぶりにミステリとしても怪談としても傑作と相成った{碆霊の如き祀るもの}が刊行されるまでだいぶ間があったのも、本作品の反省ゆえにではないかと勘繰ってます、ハイ。 個人的には、シリーズ中で佳作未満の労作と結論させていただきます(礼 | ||||
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遊郭という変わった舞台で戦前・戦中・戦後と三つの時代に渡って起こる身投げの謎。 人為的な殺人事件か、はたまた幽女がおこす怪異によるものか。。。 単純に読み物としても秀逸です。 表紙の印象は取っつきにくいですが、読んでみると面白くてスラスラと読める。夢中であっという間に読み終わってしまいました。 | ||||
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引き込まれて一気に読んでしまいました。 ただ、少し無理があるような気がしないでもない | ||||
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このシリーズは以前読んだが、事件の関係者の扱いがおざなりだったのが不満だった。 怪異を体験する視点人物としてメインで描写され、読者も感情移入していたキャラなのに、事件後のフォローが至らないというかなんともお粗末というか「トリックと犯人はわかったけどそれでこの子はどうなったのそれが気になるのに!」と消化不良でじたじたしたのを覚えている。 本書ではそのモヤモヤがほぼないので満足。 遊郭を舞台にしたホラーとしても面白く、それにも増して遊女たちの嫉妬や裏切り、駆け引きを主軸に据えた愛憎ドロドロの人間ドラマにひきこまれる。遊郭でのみ通じる隠語など、当時の世情も垣間見えて勉強になる。 結局真相がなにもわからないじゃないかと不満な向きもあろうが、思春期の多感な少女が過酷な境遇に抑圧されていたとすれば、事の発端も大体わかるように書かれている。 終盤のどんでん返しは三回名前を変えながら本質は変わらず在り続けた建物と人の歴史がオーバーラップし、なるほど、ちゃんと伏線になってたんだ!と感嘆した。 いわゆる幽霊よりも、生きてる人間の情念や数奇な偶然が怖い系なのだが、遊郭を扱ったエンターテイメントしても完成度が高くそちら方面が好きな方にも勧めたい。 欲を言えば、時代を跨いで遊郭で働き続けた遊女たちのその後をもう少し掘り下げてほしかったが無粋だろうか。 時代や社会に翻弄され続けた女たちの余生は、想像に任せた方が余韻を残すかもしれない。 遊女になる為に引き取られ、同じ建物で寝起きし三年間みっちり教育を受けた緋桜が、あそこまで実情に無知なのが最大のファンタジーである。 | ||||
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ホラーなのかミステリなのかと混乱させられるシリーズですが、今作はミステリとしては希薄です。 トリックがどうこうではなく、必死に生きた人間が様々な巡り合わせのなか、廓の世界だからこそ起こり得たミステリー。 ミステリとしては、薄く感じるかもしれませんが、読み物としては最高の読後感でした。 | ||||
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お決まりの最後のくだりが無くて面白かった。 せっかく楽しく読んでいても解決編で興ざめするのがこのシリーズの常。 しかしこの作品は読みごたえがあって楽しめました。 扱っている内容が内容だけに好き嫌いは分かれると思いますが 今までこのシリーズにあったつまらない部分を全部排除した 作品という感じです。 残念なことにホラー要素も消えてしまっていますが... | ||||
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男達の欲望を満たすために造られた、一見、華やかな異界――花街――に生きた【花魁】と呼ばれた女性たちのリアルな生き様を描いた物悲しくも、謎めいた物語。 エンディングに繋がる人間模様や色々な状況を考慮すると、何故そういう結果にならざるを得なかったのかが切実に理解できました。 刀城言耶のよい所は、変人物書き素人探偵として謎を解き明かしても、常に罪人を【裁くもの】ではないということ。 時には【真相】――悲しく、忌まわしい過去――をそっとそのまま忘却の彼方に埋もれされることを選び、物語を終える。 そういう思いやりも、このシリーズの大きな魅力の一つではないか、とこの作品を読んで思いました。 | ||||
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緋桜という花魁の哀しくも切ない話。 三人の緋桜は、家族の為に身を削って金銭を得る為に遊廓へ……。 ホラー小説とか、ミステリー小説とかは別にして 何とも物悲しい話で切ない思いでした。 ホラー小説、ミステリー小説、と限って言えば物足りなく感じる人もいるかと思いますが、 私は大満足でした。 | ||||
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これまでの推理のための推理、どんでん返しのためのどんでん返しといった、味気ない推理クイズのような要素を潔く整理して、三世代に及ぶ遊女の物語と謎解きを自然な形で融合させた傑作です。 その分、本格ミステリー・マニアからのうけは悪いでしょうが、作者の持ち味でもあり悪い癖でもあった、無意味などんでん返しと、だらだらとして緊張感をそぐクライマックスでの説明調会話による謎解きシーンが整理されて、小説としてとてもうまくなったと感じました。 | ||||
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本作の「はじめに」には、「ここには密室や人間消失も、連続殺人や見立て殺人も、試行錯誤によって齎される多重解決やどんでん返しも、おそらく何もないと思う」と明記され、本格探偵小説を読むかのような楽しみ方は無理だろう、とまで書かれている。 作者が始めから、そう断っている作品なのだ。 そのように読むべきであって、いつもと違うからつまらないなどと言うのは、ガキの感想に過ぎない。 遂に、探偵役としての刀城言耶は、探偵としての限界と向き合う。 小説の探偵役が、事件の謎を解き犯人を指摘し、その結果犯人が逮捕され極刑に処されたとしても、事件の被害者側の怨みや憎しみが消えないのであれば、事件は"解決”したことにはならない。 人の心の中の、怨みや憎しみまでは、解決できないのだ。 そして、その怨みや憎しみこそが”怪異"を生み出すのだとしたら・・・、刀城言耶は、これまでも何も解決できていないことになってしまう。 本作は、名探偵でも解決できない怨み、文字通りの「幽女の如き怨むもの」を描いており、解決に不満が残るとしても当然である。 そして読者もまた、遊郭に売られた少女の長い日記や、遊郭の女将の昔語りに付き合わされるからこそ、解決できない怨みの存在、「幽女の如き怨むもの」の存在を実感できるのである。 そうした意味から言えば、この作品は刀城言耶シリーズの一作として、いつかは書かれねばならなかった作品であり、書かれるべくして書かれた。 小説における探偵役の存在意義に迫っているからこそ、この小説は各種のミステリランキングにも入ったのだ。 わからない人には、わからないだろうなぁ。 | ||||
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シリーズの中では、異色作。 起承転結結結結結・・・!といった、終盤の矢継ぎ早などんでん返しというシリーズ最大の特色であり特長を ぽんっと放り投げてしまっているからです。 しかもぐんとテンポを落としている。それぞれの語り部による各章の語りも、緻密にゆったりと 丁寧に記されています。 テンポが落ちても読み手の集中力を損なわせない書き手の力量を感じる本作。 なるほど、回を重ねてきた今だからこそ出来る熟練の技といった佇まい。 ラストはあまりにあっけないけれども、第一章の初代緋桜の語りを読めるだけでも満点を付けました。 ここまで臨場感のある語りというのも珍しい。刀城言耶シリーズでは首無し〜が一番好きですが、 肝心要の探偵の影を極限まで薄くしても、成立している今作も気に入りました。こういう変化球もすんなり決まるのならば 今後も期待大です。 | ||||
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刀城言耶シリーズ第六長編である。今回言耶が挑むのは金瓶梅楼という遊廓で起こる連続身投げ事件と遊廓に見え隠れする謎の存在、幽女。 他の方はなかなか手厳しい評価をしているが個人的にはかなり好きな作品だ。 そりゃ同シリーズの厭魅や首無に比べれば本格ミステリとしては一枚も二枚も落ちるが前作の水魑が若干マニア向けに懲りすぎて食傷気味だったので単に小説として出来がよい今作はかなり楽しめた。 前五作品がマニア向けで今作は一般向けといったところか。 第四部の切なさを感じるラストの後ににゾッとさせる追記を持ってくるのも流石だ。 さて、次に言耶が相対する怪異は人間の仕業かはたまた常識を越えた存在の成せる業か…今から楽しみでならない。 | ||||
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ミステリとホラーの絶妙なコラボが毎回楽しみな刀城言耶シリーズも、2012年発表の本作品で、長編第6作目となります。 前作「水魑の如き沈むもの」(2009年)は、第10回本格ミステリ大賞受賞ということから察せられるとおり、ホラーよりもミステリに重きを置き、トリックに趣向を凝らしたものでした。 そのせいか、本作品は、ホラー寄りの作風になっています。 そもそも、冒頭で、本格ミステリで扱われる、密室、人間消失、見立て殺人などのアイテムが関わってこないという意味の断り書きがあります。 確かに起こるのは「連続身投げ事件」。 戦前・戦中・戦後の3つの時代に、遊郭を舞台に複数回発生します。 これらを結ぶものがあるとすれば、「遊女」ならぬ「幽女」という怪現象のみ。 これでは、探偵が推理する余地は一見なさそうに思えます。 ──しかし、そこは、ミステリとホラーの融合がウリの本シリーズ、きちんと、ミステリの要素である「意外な真相」は用意されています。 説明のつかぬ怪異で煙幕を張り、真相を見破られないようにするという手法は、ますます磨きがかかっているのではないでしょうか。 物語の前半は、遊郭に身売りされた少女の日記で、人情話の装いもみられますが、もちろん「伏線」が張られています。 解決編を読むと、題名の「幽女」が単なる「遊女」の言葉遊びでないことに気付かされます。 また、「怨むもの」の奥深さも印象的な作品となっていました。 次作はどんな趣向で、読者を圧倒するのか、今後も楽しみなシリーズと言えましょう。 | ||||
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私は民俗学を背景とした伝奇ホラー風味と本格味とを融合させた本シリーズを愛好しているのだが、本作には失望させられた。560頁超という大部ながら、伝奇ホラー風味・本格味共に薄く、読後、徒労感しか覚えなかった。 ある遊郭(幽女=遊女)を舞台に、太平洋戦争の直前、戦中、戦後の三代に渡って起こる、緋桜という名の花魁に纏わる3人づつの身投げ(未遂)事件を扱った作品だが、怖さも無ければ本格ミステリ的解決もお粗末。第一章が初代緋桜の日記、第二章が二代目女将の回想談、第三章が戦後の事件に関わるある怪奇作家の手記、第四章が刀城の推理という全体構成。本シリーズとしては工夫を凝らした構成だが、構想倒れで、作者が望んだであろう効果は全く出ていない。叙述形式に拘るなら、折原一氏の作品を上回る程の出来でないと読む方も困る。特に、第二章である登場人物が不用意な言葉を口走るのだが、それをスルーする作者や他の登場人物達は余りと言えば余りだろう。作者が戦前から戦後に掛けた遊郭の状況を詳しく調べ上げている様子は良く窺えるが、逆に言えば単にそれだけの作品で、これなら伝奇ミステリではなく、風俗史として発表した方がマシだったとさえ思える。「女工哀史」ならぬ「遊女哀史」とか。 本作を読むと、「厭魅」、「首無」の出来が如何に良かったかが身に染みる。シリーズとして一定以上のレベルを保つのは困難だという点は理解出来る(そのための今回の構成上の工夫だと思う)が、それにしても残念な内容。今後も更なる工夫を凝らして、読む者に戦慄を与えてくれる作品を期待したい。 | ||||
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このシリーズが好きな方は、迷わず手に取ると思いますが読後感はかなり微妙。確かに事件は起こるし謎はあるしで一応ミステリー仕立てですが、謎解きより遊郭の歴史がメインにしか思えない。ラストで解決編は用意されていますが、なぜその場所で事件が起き続けたのかはほたらかしです。探偵役の存在感がこんなにない本は初めてで、そういう意味では新鮮でした。 | ||||
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延びに延びた発売だったので 期待しすぎましたね。 回想のシーンばかりで 謎解きが… おどろおどろしい雰囲気はそのままですが もうちょっと意外性と謎解きの楽しさが ほしかったです。 | ||||
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最近、遊郭や赤線建築や風俗史の本を読んでいたので、ついでに読んでみました。 幽女と書いてありますのでつい江戸の遊女を想像するかと思いますが、昭和初期の色街を舞台としたお話です。エピソードはごくごく普通です。悪くはないけれども、文章に情緒もないし、それほどどんでん返しもありません。それなのになぜこんなに分厚いかというと、著者がこの本を書くにあたって調べた内容(昭和の色街の廓言葉やら文化やらのお話)を説明したかったようです。 赤線に関する資料本については有名なものが限られていますので、どうやら私が読んだ数冊と、著者が参考文献とした本がかぶっていたようで、なんとなくこの著者がどこからいろいろな内容をひっぱってきたかわかってしまってちょっと興ざめもしました。 色街文化をしりたいなぁと思っている方でしたら、いくつかの文献(結構固い文献もあります)を当たる手間を考えたらこちらを読むのも早いかもしれません。でも小説としては普通です。つまらないわけではありません。分厚いけど読みやすくて最後まですいすい読み続けられましたから。でも読後感は「へー。」のみです。 | ||||
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