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なめくじに聞いてみろ
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【この小説が収録されている参考書籍】
なめくじに聞いてみろの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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バーの描写とか主人公と取り巻く男女の関係とか雰囲気は大人の小説。ストーリーは語り(落語的)のような流れですんなりと入り込める。会話が多く、テンポも速い。 ただし、殺し屋が天才科学者・桔梗信輔が発明した奇抜な殺人方法を操るのだが、奇抜すぎてイメージが湧きにくいというのもあるしその方法は科学者が発明したと言えるのはどうかというものもある。 題名については作中で、「聞かれても教えられないという意味でなめくじに聞いてみろ」という意味を書いているがあまりしっくりこない。別著になめくじ長屋捕物さわぎがあるが都築さんなめくじが好きなのか。 | ||||
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良かった | ||||
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宣伝文句ほど面白くなかった | ||||
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500頁を超える長編と思いきや、13章から成る短篇連作といった趣き。各章ごとに趣向を凝らした殺人方法の殺し屋が登場して、それを主人公・桔梗信治が退治していくという話。007の小道具みたいな、荒唐無稽な殺人道具を駆使したり、一筋縄でいかない殺人方法と、それに対抗する桔梗信治の機知が楽しめる。何より、殺し屋バスターの桔梗をはじめ、それを助ける大友ビル、お竜さん、鶴巻女史といったレギュラー陣がいい感じ。各章もそれとなくつながっているので、どんどん読めてしまう。本の帯に、本格推理+活劇小説の最高峰とか、活字のジェットコースターなどとあるが、自分はそういう絢爛な小説とはちょっと違う印象。なんとなく、ヘンテコで面白い、昭和のエンタテインメント小説!!というのが私のキャッチコピーでしょうか。本書は、2021年に装丁、本文組みを変えた新装版で、たいへん読みやすい。解説は、映画化作品「殺人狂時代」を監督した岡本喜八さんです。 | ||||
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1979年に刊行されたものを、本文組みなど行い新装版として刊行されたものです。 天才科学者の父親が育てた殺し屋を、父亡き後、息子が順々に殺していくという、如何にもエンターテインメントたっぷりのアクション小説。 とにかく細かいことは気にしないで、繰り広げられる主人公や殺し屋たちの奮闘ぶりややり取りを楽しめるかどうかで評価が分かれるところです。 ちなみに帯などに本格推理とありますが、論理的な推理といった類のことではありません。 | ||||
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すみません。人に進められて小説書きの勉強のために読んでみたのですが、私には面白さが全く分かりませんでした。 ただ、昭和のアクション小説の名作として高い評価を得て映画化もされているということなので、多くの方がこの話に惹き込まれたということであり、その点をきちんと学んで自作の改善に反映したいと考えています。 私がピンと来なかったのは、荒唐無稽さというこの小説最大の魅力が私にとってはアレルギーでしかなかったからだと思います。殺人の通信教育というナンセンス設定で、父の教え子を殺すと言われても「はあ、勝手にやれば」と全く感情移入できませんでした。街角で偶然出会った人に殺し屋はどこにいるかと尋ねて、ここにいるよとすぐに教えてもらえるというご都合主義も肌に合いません。そういうもんだとスルーしながら読むのが正しい読み方なのでしょうが、そこで引いてしまったので、後はダメでした。 それから、キャラ造形の弱さ(桔梗信治は最初はボーっとしている感じなのに後半は男前で戸惑いました)、なぜ勝ってなぜ負けたのか理由が不明確なことが多く、桔梗信治の強さをいまいち実感しきれない点、説明が足らず、勝負の場の一瞬の交錯で何が起こったのかよく分からないことが多かったことなど、挙げればキリがないのですが…… それでも名作ってことになってるんだよなぁ! これが面白いって人がたくさんいるんですよね! 私はどんな小説を書けばいいんだろう? | ||||
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裏づけはとっていませんが、もともとは雑誌連載だったようです。 そのためか、最初と終わりのほうでは雰囲気が変わっているように思いますが、面白さを損ねるほどではないと思います。 ストーリーの骨子はいたってシンプルで、変わった道具を使う殺し屋と主人公の対決が続くというものです。単調にならないように、いろいろと工夫がしてありますが、一番の読みどころは殺し屋たちの風変わりな殺し方でしょうか。 いまと風俗が大分異なる、一昔も、二昔も前の物語ですが、却ってこれくらい時代が開いたほうが、戦後というには時間が経っていて、でもいまとは大分様子の異なる昭和の時代を偲ばせるこの物語を楽しめるのではないでしょうか。 | ||||
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都筑センセの文体は大好きなので、待ち時間に読む用として病院に持って行きました。主人公や子分のセリフがカッコつけ過ぎで、でもあの時代だな〜、と思いながら、すらすら読めました。展開の妙がキモの小説で、映画にしたらさぞ面白かろう、と思いながら読んでいたら、解説が岡本喜八監督でした。初出は週刊誌連載(文庫本に掲載誌などのデータ無し)、1962年か63年に「飢えた遺産」の題で出版、岡本監督のもとで仲代達也主演「殺人狂時代」として映画化されたそうです。1960年代という時代に興味があるならとても楽しめる小説だと思います。映画も是非見たいですね。 | ||||
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岡本喜八監督が作ったカルトムービー「殺人狂時代」(1967年)の原作小説です。しかし、「殺人狂時代」が好きだから、ついでに原作の方も読んでおくか、程度の軽い気持ちで手に取ったりすると、ヒドい目にあってしまうでしょう。 つまらないからじゃなくて、「殺人狂時代」に負けないぐらい面白すぎるからです。(以下、ネタばれ全開) まず、映画ではあっさり倒されていった殺し屋たちが、一章一人のペースで登場し、そのアクの強いキャラや殺人テクニックがたっぷり描写されている点に引き込まれます。映画オリジナルの設定かと思われた大日本人口調節審議会や溝呂木博士も中盤からきちんと登場した時は、をを!と声を出してしまうはずです。しかし、何よりも映画ファンにショックなのは、小説のみ登場の女スリ・佐原竜子の存在でしょう。なぜ、このキャラも映像化してくれなかったのだ、と思わされてしまうこと間違いなしです。 映画では未使用の殺人テクニック(農薬カプセルや闇凧など)も拝めます。大ボス(溝呂木博士)のあと、ラスボスもいる事は、映画を観ていたら、すでに分かっていますので、そのへんの展開は新鮮に楽しめないかもしれませんが、代わりに、小説では、ラスボスのあとに、さらに、あのブルッケンマイヤーが、まさかの裏ボスとして参戦してきますので、最後まで意外性に驚かされながらは読めるかもしれません。 私は、この原作を読んでから、「殺人狂時代」は拝見しました。原作の面白さを知っていながらも、映画の方も全く見劣りは感じませんでした。原作小説、映画、ともに最高傑作です。 | ||||
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昭和のど真ん中に書かれたミステリー小説です。古さも滲みでますが・・・そこもレトロな雰囲気で良い感じです。 都筑先生の小説の入門書しては絶対お薦め本です。時代を超えて読み継がれる本と思います。面白さではベスト3に入ります。 復刻してくれましたが・・・現在品切れ中・・・良書をもっと広く読んでもらいたいので再販を強く望みます。 | ||||
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父親の遺してしまった「負の遺産」を 清算するためにその息子が 12人の弟子を「抹殺」すると言う 異色作品です。 ちなみにこの息子と言うのは… 見た目非常にへっぽこそのものです。 どう見ても弱そうにしか見えませんが… そうではないのです。 いざと言うときにはターゲット以上の 強さを誇りますので。 12話もあるので 多少マンネリを感じることもありますが、 最後の最後には思わぬ形での 意外な事実が提示されます。 手法としてはありがちなことではありますが まさか!!と思わされることでしょう。 異色の作品が読みたい人に お勧めです。 | ||||
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著者のアクションものは、「暗殺教程」でも同様だが、実にヴィジュアルで、かつスピーディーである。 本作は連作短編集という、同じ主人公が、次々と違う相手との対戦を繰り返していく、という体裁のものである。 その相手が、それぞれの必殺技を有する暗殺者集団である。 ということは、その必殺技をいかにして破るか、というのが読みどころとなる。 そう、主人公が負けるわけがないのだから。 そして、この手のストーリーの典型として、相手の技はどんどんとインフレする。 つまり、どんどん相手は手強くなる、という必然の設定となる。 だから後半では、主人公が何度も負けそうになったりする。 そこに、スリルがある。 タイトルに、そう深い意味があるわけではない。 しかし、このタイトルは、一度聞いたら忘れられないであろう。 かつて東都ミステリーでの刊行に際して、「飢えた遺産」というタイトルに変更された。 確かに、内容を良く表すタイトルではあるが、印象には残り難い。 「なめくじ〜」のほうが、ずっと印象深いし、のちの「なめくじ長屋」とも重なる。 特に関連はないのだが。 かつての日活アクション映画を思わせるような、お気楽アクションものである。 東宝で映画化されたが、上出来ではなかった。 著者の作品の映像化は、実は大変むずかしい。 「なめくじ長屋」の2時間ドラマ版、「雪崩蓮太郎」の1時間ものなど、いくつか見たことがあるが、いずれも今ひとつの出来だった。 そのくらい、著者の作品には観念的な描写があるということだ。 だが、本作はアクションものだけに、その手の描写は少ない。 気楽に読める作品である。 この「昭和ミステリ秘宝」版が直近の版なのだが、それでも入手は難しいだろう。 再刊されて、広く読まれてほしい作品である。 | ||||
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新宿の交番にふらっと男が現れる。桔梗信治と名のるその男は、警官に対しておかしな質問をする。 「東京でいちばんぶっそうなところはどこしょう」。出羽の山からでてきた彼には、ある壮大な野望が あったのだ…。 都築道夫の小説『なめくじに聞いてみろ』は、科学者の父の遺した殺人術と、それをあつかう凄腕の 殺し屋12人をこの世から抹消する使命のもと東京を降り立った男の繰り広げる、ハードボイルド長編 だ。 この作品最大の魅力は、個性的な殺人術をあつかう12人の殺し屋たちと、主人公が彼らと毎回繰り 広げる一対一の決闘だ。自然科学や物理法則をほとんどガン無視した殺人殺法の数々はあまりに突 飛で、トンデモ的な笑いを誘う。今にして思えば、時代的にはスポ根マンガのエッセンスも入っている のかもしれない。しかしそれでもページをめくる手がペースダウンしないのは、そのような理屈を並べら れる隙を作る前に、力技で押し切ってしまおうというエネルギーがこの作品に満ち溢れているからだろう。 本書の魅力をもう一つ上げると、主人公と「大友」「竜子」「啓子」たちとの洒落た会話だ。それはタイトル にも表れているけれども、作中で信治はこの二人の美女(推定)にモッテモテなのだけれど、ベッドイン する前と後にちょいと気の利いた会話がなされるたびに、童貞のぼくちん、もうコーフンしっぱなしでした! | ||||
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都筑さんは「なめくじ長屋捕物さわぎ」シリーズのようなミステリも面白いが、「殺人教程」やこの「なめくじに聞いてみろ」といったアクション映画のようなスリルとスピードあふれる冒険活劇も本当にうまい、と思う。このタイトル「なめくじに聞いてみろ」の「なめくじ」は、言及はされていないが「なめくじ長屋」の面々のことを指しているのだろうな、と思われる。答えたくない、あるいは答える必要がない質問に対して、主人公が「なめくじに聞いてみろ」と答えるシーンが特徴的だ。 主人公の桔梗信治は、田舎から出てきたらしいぱっと見はあまりさえない男だ。 だが、彼の父親は殺人技術の開発では天才という人物で、彼の弟子が東京周辺で暗殺や殺人を仕事にしているという。父親の死を期に、彼は東京へ出てきてその父親の「血に飢えた遺産」を処理することを決める。 (一応)殺人は素人の主人公と、プロの殺人者たちの対決がはじまる。 主人公を取り巻く個性豊かな脇役たちも面白いが、父親の弟子である殺し屋たちの殺人技術も奇想天外で読者を飽きさせない。また、殺し屋たちとの息詰まる対決シーンの合間には、ちゃっかりと女性と絡んでいたりするところがハリウッドのスパイ映画のよう。ストーリー展開や主人公のキャラクタは、「殺人教程」とかなり通じるところがあり、展開が予想できるにもかかわらず、それは物語の楽しさを減じさせるものではまったくない。 短い言葉で情景を美しく描き出すのが都筑さんの文章のすごいところで、息の詰まるようなスリルあふれる、そしてスピード感あふれるストーリーと同時に、非常に巧みにさまざまな情景が編み込まれており、まるで濃い映画を見たかのような読後感である。 | ||||
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都筑さんは「なめくじ長屋捕物さわぎ」シリーズのようなミステリも面白いが、「殺人教程」やこの「なめくじに聞いてみろ」といったアクション映画のようなスリルとスピードあふれる冒険活劇も本当にうまい、と思う。 このタイトル「なめくじに聞いてみろ」の「なめくじ」は、言及はされていないが「なめくじ長屋」の面々のことを指しているのだろうな、と思われる。答えたくない、あるいは答える必要がない質問に対して、主人公が「なめくじに聞いてみろ」と答えるシーンが特徴的だ。 主人公の桔梗信治は、田舎から出てきたらしいぱっと見はあまりさえない男だ。 だが、彼の父親は殺人技術の開発では天才という人物で、彼の弟子が東京周辺で暗殺や殺人を仕事にしているという。父親の死を期に、彼は東京へ出てきてその父親の「血に飢えた遺産」を処理することを決める。 (一応)殺人は素人の主人公と、プロの殺人者たちの対決がはじまる。 主人公を取り巻く個性豊かな脇役たちも面白いが、父親の弟子である殺し屋たちの殺人技術も奇想天外で読者を飽きさせない。また、殺し屋たちとの息詰まる対決シーンの合間には、ちゃっかりと女性と絡んでいたりするところがハリウッドのスパイ映画のよう。ストーリー展開や主人公のキャラクタは、「殺人教程」とかなり通じるところがあり、展開が予想できるにもかかわらず、それは物語の楽しさを減じさせるものではまったくない。 短い言葉で情景を美しく描き出すのが都筑さんの文章のすごいところで、息の詰まるようなスリルあふれる、そしてスピード感あふれるストーリーと同時に、非常に巧みにさまざまな情景が編み込まれており、まるで濃い映画を見たかのような読後感である。 | ||||
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ハードボイルド・エンターテイメント・ミステリーといえるような粋で楽しい小説。桔梗のタフガイぶりや大友の子分ぶり、竜子や啓子のボンドガールぶりが回を重ねるごとに板についてくる。内容もさることながら、昭和の雰囲気や描写がよくでていて、どことなくノスタルジーを感じさせてくれる。昭和ミステリ秘宝シリーズにはもっとこのような埋もれてしまった昭和の名作を発掘して欲しい。 | ||||
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死んだ父親が奇抜な殺人方法を編み出しては、大勢のプロの殺し屋に伝授していた事を知った主人公の青年は、父親の血塗られた遺産を精算するため、殺し屋たちを片っ端から退治しようとする…という奇想天外・荒唐無稽・マンガチックな冒険活劇。よくもまあこんなヘンテコリンな話を考え付いたものだとあきれてしまうが、それをまた大真面目に描いているので、なおさらおかしい。主人公が正義感をふりかざしたり、良心の呵責に悩んだりせず、淡々と殺し屋たちを葬っていくのが、理屈抜きに楽しめる。当意即妙の会話のやりとりも、とても楽しい。主人公と殺し屋たちとの戦いが次から次へと展開されるが、各殺し屋の手口はどんな奇抜なものなのか、主人公はそれをどう防ぎ、どう相手を倒すのか…がポイント。全編これの繰り返しなのだが、毎回毎回の対決に趣向が凝らされていて、なかなかおもしろい。1冊の本で読むよりも、シリーズ物のTVドラマで見てみたい気がする。主人公のお気に入りのセリフ「なめくじに聞いてみろ」も、1冊の本の中で何度も何度も何度も繰り返されると、正直しつこく感じるが、水戸黄門の印籠のような、TVシリーズ物の”お決まり”と思えば悪くない。ただし、主人公は絶対にカッコ良くなければならない。別にハンサムである必要はないが、言動がキビキビしていて、とにかくカッコ良いと感じさせる男でなければならない。 | ||||
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主人公は、死んだ父親の負の遺産、通信教育で育て上げた殺し屋たち(!)を抹殺しようとする青年。と、設定からしてすでにブッ飛んでいる。しかもこの殺し屋たち、銃での狙撃やナイフを使うなどというありきたりな方法でなく、カードを使ったりマッチを使ったりと、ちょっと変わった方法で仕事をする連中。主人公に協力するのは美貌の女スリや才色兼備の情報会社の女社員に自動車泥棒と、これだけそろって大騒ぎが起こらないハズがない!という、超おもしろアクション小説です。いまから40年ほど前に書かれたということもあって、風俗描写などには古臭さも感じますが、さっぱりとした文体にスマートで小粋な会話など、今でも充分に読むに耐える作品です。暗く重苦しい雰囲気、眉間にシワをよせてウーンと考えさせられるようなミステリも良いものですが、この作品のような、何も難しいことを考える必要のない、ただただ楽しむだけのミステリというのも良いものです。復刊してくれた出版社に感謝!! | ||||
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初期の007シリーズや旧「ルパン三世」の、荒唐無稽でいながらどことなく冷酷な雰囲気が好きな人なら、必ず気に入るに違いない快著。次々と現れる殺し屋の突拍子もない殺人技も楽しいが、ほとんど徒手空拳で飄々と彼らを葬る主人公のとぼけぶりと、その底に隠された毒が素晴らしい。気障なセリフの洪水も心憎い。こんな垢抜けた娯楽作品が、1961年の日本で書かれていたとは! | ||||
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