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きのうの世界
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きのうの世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 1~20 1/2ページ
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さて、前半から読まれている皆様、お疲れ様です。後半はもう少し読みやすいと思います。 何しろ事件の全貌が見えてきてますからね。 街に隠された歴史とそれを取り巻く人間たち。すこしずつ詳らかになる謎。ここにきてやはり恩田氏の技巧が唸るというものでしょう。 ・・・ 町の建築に代々携わる謎の建築企業新村グループとそれを統括する老女志津。 その秘密に気づきつつある高校生の和音。 偶然にも和音と同様、亡くなった吾郎の死に不振なものを感じる高校生修平。 こうした人間関係が絡まりつつも物語を展開させます。 ・・・ そして何より印象的なのは吾郎の死、ではないでしょうか。 魂が肉体から離れるとどうなるか。自分の肉体が腑抜けになっている状態が見える。同時に肉体では感覚が失われる。 これはもう、あたかも臨死体験をしたかのような書きぶり。 更には、自我・私、という気持ちが薄れ世界と一体化してゆくという。 なんか・・・死ぬときに本当にこうだったら、死ぬことって多分全然怖くないんだろうな、と思いました。吾郎が、ちょっぴり寂しいけど、みたいな発言をしていたのですが、そこがまたリアルでしたね。 ・・・ ということで恩田氏の新聞連載小説でした。 下巻はどんどん読みやすくなると思います。死を意識しちゃっている方とかには最後の最後はとても印象深い終わり方だったと思います。 えも言われぬ読後感でした。 | ||||
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恩田氏独特のクロスオーバー的作品だった気がします。 殺人事件、地方史伝奇風味添え、そして最終的に死者のエンディングスピーチ。みたいな。 ・・・ 前半部分はやや入り込めなかったです。 まるで催眠術師に語られるかの如く「あなたはふとそこで気づきます。何かがおかしいと」、という感じの自分の行為を第三者に説明してもらうかのような描写はすこし取っつきづらかった。 また視点が頻繁に切り替わるのは、思考の一貫性をやや妨げるきらいはありました。ただしあとがきで本作が新聞連載であることを知り合点がいきました。 ・・・ 謎の殺人事件も、とにかく前半はモヤモヤしますが、何とか頑張って頂きたく。後半はもう少し視界が晴れてきます。なかなか面白くなりますよ。 ただ言ってしまうと、やはり恩田ファン向けの作品かなあと思います。 | ||||
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ミステリーと思って読んだのが愚かだったのか これほど読後に虚無感が残る作品は初めて | ||||
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この作ではのどかで小さな街の秘密が語られるが、物語に厚みがあって面白い。 下巻中盤までの焚き火のシーンは下手なホラーより怖く、こんなのも書けるのだと感心もする。 その場面も後から見るとモヤモヤ感が残るのは否めないが、謎解きも見事で、のどかで小さな街を突然スケールの大きいパニックの舞台に変えてしまうのは作者の真骨頂だ。 ただ、他の方も言う通り伏線の回収が不十分で、本来の主人公かと思われた「あなた」がどこかへ消失してしまったり、謎解きに名乗りを上げる他の登場人物達も中途半端で不可解な気はした。 元が連載小説らしいので原稿の都合でこうなってしまったのか? そういうことに目をつぶれれば(そういう大らかさを持って読めれば)、物語としてはちゃんと終わってるので、安心して最後まで読んみてほしい。 なお、表に出ないエピソードだが、特殊能力者の苦悩というのはどこまで本当なのか分からないが、凡人の私には興味深い内容だった。 | ||||
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いかにも恩田さんらしい不思議な物語でした。恩田さん作品は読んでいるとその世界に入り込んでしまい、もうどこにも行きたくなくなってしまいます。 ある地方都市にふらっとひとりの男がやってきて住みつきます。人当たりがよくいかにも善人だけど、印象が薄く記憶に残らない顔。そんな男が意外にも殺人事件の被害者になり、しかも犯人はいつまでたってもみつからないまま。しかも彼は東京で失踪していた人物だということがわかってきます。会社の上司の送別会に普通に出席し、翌日無断欠勤してそのまま消息を絶ってしまった、そして家族が誰もいないという人物。 ”あなた”とここでは二人称で書かれる人間が、この町に事件の真相を調べにやってきます。この人物が出会う様々な町の人々。彼らはみんな何かを隠しているように思える。物語は時に過去にさかのぼり、男が生きていた頃に戻って昔のエピソードが展開します。 何のためにあるのかわからない不思議な3つの塔。男が亡くなっていたのは係争地になったこともある隣の市の飛び地の丘。その丘を監視していたらしい元学校教師の老人。大昔から土地の水路を管理してきた職能集団の一族・・などなど謎めいた要素がいっぱいです。いつもの不穏で不可思議な雰囲気がどんどん増していくのがとてもいいです。 ただ、残念なことに、ラストが納得がいきませんでした(今回はしっかりオチがありますが)。恩田さん作品では人は死にますが、本当に悪どい人間はあまり出てきません。たとえば「訪問者」でもそうでしたが、振り返ってみれば結局みんな善人だった?ということが多く、恐ろしげな雰囲気の盛り上がりが半端ではないため、そこがなんだか肩透かしになってしまうことがよくあります。この作品もそうでした。最後までものすごく惹きつけられたのに、真相がわかるいちばん最後の1章「水無月橋の殺人事件」だけが納得いきませんでした。 町の秘密も恐ろしいものではなく、”あなた”と称された主人公とも言える人物も、陰謀が裏にあったかのようにハラハラさせておきながら、あんなにあっさり消えてしまうなんて。殺された男の弟さんはどうなったのか?このあたりも中途半端でちょっと残念でした。最後の章に至るまでは文句なしに星5つなんですが。なので上巻が星5つ、下巻は星4つにしました。 | ||||
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恩田陸ワールドを堪能できる作品でした。「上」のレビューでも書きましたが、最後の章に至るまでの緊迫感、不可思議さと不穏さ、謎めいた雰囲気がすばらしいです。ただ、最後の真相と結果が・・。今回はしっかりオチはあるのですが、真相の内容にあまり納得できず・・そこだけが残念でした。 いつも思いますが、恩田さん作品はミステリという売り方はやめた方がいいのでは。そうなると当然ミステリを期待して読む人が多くなるので、毎度同じ「オチがない」という不満が読者から出てくるような気がします。”この人が犯人で悪者でした””こういうトリックでこういうオチです”というはっきりくっきりした作風ではないので。 強いてジャンルを言うなら、たとえば幻想的スリラーみたいな言い方の方が誤解が出ないのでは。フランス幻想文学ほど訳がわからなくはない、娯楽小説寄りの幻想小説といったところでしょうか。 個人的にはとても好きな作風です。女流で誰が一番好きかといわれたら、私はやっぱり恩田さんです。 | ||||
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その日のページをめくるたびにこの本のタイトルを忘れてしまっていた。 移動中の電車の中で読むために購入したこの本。 水脈に行く浮かんだ街の風景と歴史、そこで起きた事件、そしてそこに折り重なるように、関心をもった人たちが吸い寄せられていくそれぞれの世界が、自分とこの本の間に浮かび上がってくる。 小説のマジックのようなものを感じた。 恩田陸さんの作品を手にとったのは、『蜜蜂と遠雷』を少し前に読んで、その時の“音(ピアノの旋律)のイメージの世界”を想像させてくれたこの小説家が、「きのうの世界」という“?”をどう描いて、私がそれを感じとるか。 差し迫った仕事のないこの時間に味わってみようと思ったからだけど。 私には、話題になった『蜜蜂と遠雷』よりも良かった。 | ||||
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サスペンス小説だと思って最後まで読んで、「何じゃこれは?」と思いました。 これは殺人事件?の原因や犯人や動機を解明していく小説ではなく、主人公が 殺された?M町の恐るべき?秘密が明かされていくという物語です。 そのM町の恐るべき?秘密にしても、悪魔とか人食い種族とか特殊な宗教団体 とかが支配していたといったものではなく、「神が降臨する場」だと言い伝えら れている3本の柱は、実は「〇〇(ある自然現象)で町が崩壊しないようにする ための先人の知恵だった」という結末でした。 「内容紹介」に書かれているような、殺人事件の謎を解いてゆく物語だと思って 読むと、肩透かしを食わされたような気分になります。 また、「あなたは~」という章がいくつかあります。「あなた」とはこの本を 読んでいる読者のことなのでしょう。読者をこの物語に引き込もうという意図 なのだと思います。でも、「読者である私」がこの殺人事件?に興味を持って 調査するとしたら、「私だったらこうは思わない」「私だったらこんな言動はしない」 と思うところも少なくなく、かえって違和感を持ってしまいました。 | ||||
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恩田さんの作品を初めて読みました。 他の方のレビューにも書かれている通り、前半はひたすら、ばらばらに情報が小出しにされて頭の処理が追いつかなくなり混乱する一方でした。中盤から一気に点が線に繋がり始めると、それまで我慢して溜めてたストレスが一気にワクワク感に変わって、ページを捲る手が止まらなくなります。それだけにラストは本当に物足りない気持ちになってしまいました。 初めの二人称視点は新鮮味があって個人的には好きでした。 | ||||
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きのうなど 忘却の彼方に追い払い 今日から又新しい日が 始まるのだとしたら、、、。 そう考えた時 吾郎の嬉しさが わかるような気がしました。短い日々ではあったけれど…。忘れたくない記憶だけがあればいい…。記憶って重さがあるかも 。 | ||||
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恩田陸らしい、ノスタルジーは弱め。 でも、好き嫌いの分かれるふわっとした終わり方は健在。 自分は3月とかネクロポリスのほうが好き。地味だけど、コレが好きという人もいるでしょう。 | ||||
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ファンタジーな、やさしい感じで読みやすいけれど、内容がはっきりいってショボイ。。。残念。 | ||||
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他のレビューにもありましたが、 最初の行がわかりづらく、長く、誰のことを指しているのか さっぱりわからず。 同じオトコを、同じ表現で、何度も繰りかえしているので なんだか聞きあきた感じにも。 結局、主人公は誰?で終わってしまいました。 | ||||
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書き出しの不思議な文体が新鮮で、初めて恩田作品を手に取りました。 文体に慣れるまでは読みづらいですが、徐々に慣れてきて面白くなってきます。 どんな謎が待っているのかとワクワクしながら読み進めましたが…。 中盤以降の展開がゆっくりというか、同じような内容が繰り返されてばかりで、ちょっと退屈。 きっと後半に面白い謎解きが待っていると信じて下巻を読みました。 結果は…下巻の方がしんどかったです。 あとがきによると、連載していたものだということなので、 その都度説明っぽい事が必要なのかもしれませんが、上巻に輪を掛けた展開の遅さ!! さらに頑張って読んだのにこの結末かっ、と言いたくなる終わり方でした。 伏線はほったらかし、意外性のあるどんでんがえしもなし。 書き出しの文体もだんだん無視されて、誰にも感情移入できずに終わり。 独特の世界観なのでしょうが、私は次回作を読もうとは思えませんでしたね。 辛口で失礼しました。 | ||||
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他の方も書いていますが伏線が回収しきれていないってのはちょっとねぇ… 恩田さんの作品を読むのは実に6〜7年ぶりで、 「不調か?」と思ってしばらく遠ざかっていたのですが、 書店でしばらくぶりにみかけ、「復調か?」と思い読んでみました。 上巻で「復調だ〜^^」と思っていたのですが、 下巻からの急展開な失速ぶり()に「えーん;;」となって終わりました。 最近読んでないのでわからないんですが、いつもこんな調子なんだろうか? こんなに魅力的な文章が書けるのに、勿体無くて男泣きしたくなる。 世界観はすっごい好きなんですけどねぇ。 せめて球形の季節みたいなのでいいからちゃんと終わってほしかった。 | ||||
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恩田さんの書くものは、個々のエピソードや雰囲気が私好みなので、読んでいる間はとても楽しいのですが、きちんとした起承転結がある訳でもなく、読後に爽快感やカタルシスを得られる訳でもないので、実は読後感がイマイチです。(『夜のピクニック』は珍しくさわやかでしたが) そういう点で、私にとっては「何度も行く旅先」のようなものです。旅している間は楽しいのですが、帰っきてからはそんなでもないような。 ただ、一回行ったらもう行かないであろう有名観光地のように、どんなに読後感が素晴らしくてもオチが分かっていると再読する気にならない作品がありますが、恩田さんの作品はオチにあまり重きを置いていない(ように感じられる)ためか、何度読んでも、よく行く旅先を再訪したかのような喜びを感じることができます。 さてこの作品ですが、文庫化にあたり読むのは3回目になりました。相変わらず魅力的なエピソードと不思議な雰囲気、そして変(?)なオチで、読んでいる間はどっぷり物語の世界にひたることができます。ベストセラーにはなり得ないとは思いますが、またしばらくしたら、4回目の読書をしたいと思います。 ちなみに最も気に入ったエピソードは、「焚火の神様」です。 | ||||
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取り敢えず、読み終わるにあたって頭の中に浮かんだのは「良くも悪くも「恩田さんらしい」作品だなぁ」ということでした。 私見ですが、恩田作品の多くは、途中まで「作品に惹き込まれてしまってページをめくる手が止められない」という状態が物語終盤まで続くのですが、肝心のラストになると「こういう終わり方は有りなのか?」と感じてしまう事が多いように思います。 しかし、恩田さん好きな私にしてみたら、この作品は「どちらかといえば「有り」だな」と思えるような終わり方になっていると思います。もっと言えば、終わり方が個人的に「綺麗だなぁ」と思えるような出来になっていると思います。 とはいえ、核心部分の謎については「ふぁんたじー」に頼ったようなものであったことに加え、結局「主人公格の女性の死の真実」「被害者の弟」「駅のステンドグラスの鋏と雲の謎」といった伏線を回収できていないようにも思えたので、評価は☆3つですね。 …でもまぁ、この「伏線を張り巡らせ過ぎて回収しきれなくなる」といった辺りに一番「恩田さんらしさ」が出ているかなぁ、と思えなくもないのが恩田クオリティーですね(苦笑) | ||||
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不思議な二つの塔と(こわれたもう一つの塔と)水路に囲まれた小さな町。そこの水無橋の上で一人の男が殺されていた。その男は一年前に不意に失踪した男だった。わずか十数分の間に誰がその男を殺したのか。そして近くのバス停に落ちていた犯行現場を示すメモは? ということで、ひさびさの恩田陸は殺人ミステリです。 しかし、さすがに恩田陸。一筋縄ではいきません。普通の小説なら、少しずつ少しずつ小出しに出されていく情報と状況描写で、本来ならどんどん物語の輪郭が絞り込まれていくはずなんですが、この小説では情報はひたすら物語の輪郭を大きく曖昧にしていきます。端正な文章を読んでいるうちに、物語は深い霧の中に広がっていきます。下巻でどんどん物語は収束していくとは思いますが、非常にミステリアスな、恩田陸らしい小説です。 ネタバレにならないように、上巻の紹介としてはこのあたりで。 | ||||
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恩田陸の本はほとんど読んだけど これが一番いらつくな。。。 視点が多過ぎて、ほんと勘弁してください。 | ||||
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一人の男性が塔と水路が象徴的な町の外れで刺されて死んでいた。 雨が降ったときにしか水が流れない場所に掛かった「水無月橋」で。 その死体からも近くからも凶器は見つからず、そしてその男は1年前に失踪してから死ぬまでの間、どうしていたのか分かっていなかった。 いかにも恩田陸さんの作品らしい作品。 章ごとに視点が入れ替わり、一人の男の死と、3本の塔と水路がある地方都市の不思議を奇妙に織り交ぜながら、それぞれの登場人物が囚われている何かを淡々と描き出す。 ミステリだと思うと消化不良に感じるのは他の恩田陸さんの作品と同様。伝奇的なファンタジーだと思うと「3本の黒い塔」など、シンボリックな出来事につい何かを考えさせられてしまう。 良い意味でも悪い意味でも恩田陸さんらしい作品、読む人を選びます。 | ||||
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