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きのうの世界
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きのうの世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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さて、前半から読まれている皆様、お疲れ様です。後半はもう少し読みやすいと思います。 何しろ事件の全貌が見えてきてますからね。 街に隠された歴史とそれを取り巻く人間たち。すこしずつ詳らかになる謎。ここにきてやはり恩田氏の技巧が唸るというものでしょう。 ・・・ 町の建築に代々携わる謎の建築企業新村グループとそれを統括する老女志津。 その秘密に気づきつつある高校生の和音。 偶然にも和音と同様、亡くなった吾郎の死に不振なものを感じる高校生修平。 こうした人間関係が絡まりつつも物語を展開させます。 ・・・ そして何より印象的なのは吾郎の死、ではないでしょうか。 魂が肉体から離れるとどうなるか。自分の肉体が腑抜けになっている状態が見える。同時に肉体では感覚が失われる。 これはもう、あたかも臨死体験をしたかのような書きぶり。 更には、自我・私、という気持ちが薄れ世界と一体化してゆくという。 なんか・・・死ぬときに本当にこうだったら、死ぬことって多分全然怖くないんだろうな、と思いました。吾郎が、ちょっぴり寂しいけど、みたいな発言をしていたのですが、そこがまたリアルでしたね。 ・・・ ということで恩田氏の新聞連載小説でした。 下巻はどんどん読みやすくなると思います。死を意識しちゃっている方とかには最後の最後はとても印象深い終わり方だったと思います。 えも言われぬ読後感でした。 | ||||
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恩田氏独特のクロスオーバー的作品だった気がします。 殺人事件、地方史伝奇風味添え、そして最終的に死者のエンディングスピーチ。みたいな。 ・・・ 前半部分はやや入り込めなかったです。 まるで催眠術師に語られるかの如く「あなたはふとそこで気づきます。何かがおかしいと」、という感じの自分の行為を第三者に説明してもらうかのような描写はすこし取っつきづらかった。 また視点が頻繁に切り替わるのは、思考の一貫性をやや妨げるきらいはありました。ただしあとがきで本作が新聞連載であることを知り合点がいきました。 ・・・ 謎の殺人事件も、とにかく前半はモヤモヤしますが、何とか頑張って頂きたく。後半はもう少し視界が晴れてきます。なかなか面白くなりますよ。 ただ言ってしまうと、やはり恩田ファン向けの作品かなあと思います。 | ||||
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恩田さんの作品を初めて読みました。 他の方のレビューにも書かれている通り、前半はひたすら、ばらばらに情報が小出しにされて頭の処理が追いつかなくなり混乱する一方でした。中盤から一気に点が線に繋がり始めると、それまで我慢して溜めてたストレスが一気にワクワク感に変わって、ページを捲る手が止まらなくなります。それだけにラストは本当に物足りない気持ちになってしまいました。 初めの二人称視点は新鮮味があって個人的には好きでした。 | ||||
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恩田陸らしい、ノスタルジーは弱め。 でも、好き嫌いの分かれるふわっとした終わり方は健在。 自分は3月とかネクロポリスのほうが好き。地味だけど、コレが好きという人もいるでしょう。 | ||||
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他の方も書いていますが伏線が回収しきれていないってのはちょっとねぇ… 恩田さんの作品を読むのは実に6〜7年ぶりで、 「不調か?」と思ってしばらく遠ざかっていたのですが、 書店でしばらくぶりにみかけ、「復調か?」と思い読んでみました。 上巻で「復調だ〜^^」と思っていたのですが、 下巻からの急展開な失速ぶり()に「えーん;;」となって終わりました。 最近読んでないのでわからないんですが、いつもこんな調子なんだろうか? こんなに魅力的な文章が書けるのに、勿体無くて男泣きしたくなる。 世界観はすっごい好きなんですけどねぇ。 せめて球形の季節みたいなのでいいからちゃんと終わってほしかった。 | ||||
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取り敢えず、読み終わるにあたって頭の中に浮かんだのは「良くも悪くも「恩田さんらしい」作品だなぁ」ということでした。 私見ですが、恩田作品の多くは、途中まで「作品に惹き込まれてしまってページをめくる手が止められない」という状態が物語終盤まで続くのですが、肝心のラストになると「こういう終わり方は有りなのか?」と感じてしまう事が多いように思います。 しかし、恩田さん好きな私にしてみたら、この作品は「どちらかといえば「有り」だな」と思えるような終わり方になっていると思います。もっと言えば、終わり方が個人的に「綺麗だなぁ」と思えるような出来になっていると思います。 とはいえ、核心部分の謎については「ふぁんたじー」に頼ったようなものであったことに加え、結局「主人公格の女性の死の真実」「被害者の弟」「駅のステンドグラスの鋏と雲の謎」といった伏線を回収できていないようにも思えたので、評価は☆3つですね。 …でもまぁ、この「伏線を張り巡らせ過ぎて回収しきれなくなる」といった辺りに一番「恩田さんらしさ」が出ているかなぁ、と思えなくもないのが恩田クオリティーですね(苦笑) | ||||
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一人の男性が塔と水路が象徴的な町の外れで刺されて死んでいた。 雨が降ったときにしか水が流れない場所に掛かった「水無月橋」で。 その死体からも近くからも凶器は見つからず、そしてその男は1年前に失踪してから死ぬまでの間、どうしていたのか分かっていなかった。 いかにも恩田陸さんの作品らしい作品。 章ごとに視点が入れ替わり、一人の男の死と、3本の塔と水路がある地方都市の不思議を奇妙に織り交ぜながら、それぞれの登場人物が囚われている何かを淡々と描き出す。 ミステリだと思うと消化不良に感じるのは他の恩田陸さんの作品と同様。伝奇的なファンタジーだと思うと「3本の黒い塔」など、シンボリックな出来事につい何かを考えさせられてしまう。 良い意味でも悪い意味でも恩田陸さんらしい作品、読む人を選びます。 | ||||
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恩田陸さん得意のパラレル感が味わえます。 いつも、はぐらかされて終わってしまう話が多い中、 この作品は、起承転結してますね。 なんで、どのように死んだのか、はっきりしていて、すっきりします。 いつもの考えさせるようなラストではありません。 願うなら、本作に出てくる男のように死にたいものです。 | ||||
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最初からとにかく謎・謎・謎!!! しっかり読んでいるんだけど、うまくこの世界観に入り込めなくって、 置いていかれてるような不安感は最初から最後までありました。 けど、このどうしようもない不安感と不安定さが恩田陸の得意とするところ。 まったく関連性のないようなパズルのピースを不安いっぱいではめ込んでいくようなそんな心地のする作品でした。 が・・・。町で起きた殺人事件の謎をひも解いていくお話だったはずが、 意外な方向に転がっていってしまい、最終的に「とんでも系」な結末が待っていた・・・ さすがにこの結末は想像してませんでした。 ・・・・てか、500ページ近くも読んできたのにあまりの突拍子のなさに脱力。 長いわりにはすっきりとしないモヤモヤの残る作品でした | ||||
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秘密を抱えた街、 謎めいた来訪者、 不可解な事件。 魅力的な装置や巧みな心理描写は万全、 半ば以上はそれだけで読み進めることができるが、 終盤になるとその回収をSFで放棄している。 半ばまで楽しめたので「面白くなかった」とは言えないが 読み終わって満足とは言い難い。 ユージニアでは解消されない謎の余韻が うまく奏功していたがこれはいかんでしょう。 力のある、好きな作家なので 「雰囲気」だけで書いて放り出す癖をなんとかしてほしい。 | ||||
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とある町の橋の上で命を落とした「市川吾郎」。彼の死の謎を解明するのがこの物語。 町は不思議な雰囲気に包まれ、町自体が謎に包まれている。 死の真相はなかなか解明できない。 全体を包む不安な感じは、よく知る恩田陸の世界。 これは決して嫌いではない。 全体を俯瞰で見て、語る目線が次々変わるのはよくある手法なのだが なんだか今回は少々登場人物に入り込めないというか 何ともいえない違和感を感じるのだ。 読んでいる自分も俯瞰で見過ぎて夢中になれないような感じ。 後半は徐々に雰囲気も変わり、ストーリーに入っていけるのだが 500ページ近いボリュームなので前半はちょっと苦しかった。 謎は「おお!」と驚くモノ。 しかし死の真相はミステリー好きを満足させるかどうかは疑問。 | ||||
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冒頭の第一章から、かなり特徴がある。ある町の風景を、通常の小説のように鳥瞰図のように客観的に説明するのではなく、訪れた人物の目線を追う形で語る。これが、個人的には非常に読みづらかった。もちろん、この部分は物語の重要な部分なので、しっかりと読まなければならないのだが、ここで、なんだか、不思議な感覚に襲われる。更に、語り手がどんどん変わり、しかも、超常現象的なテーマも含まれ、物語はどんどん拡散してゆくような印象を与える。いわゆる「殺人」「謎解き」というつくりではなく、謎は舞台となる町の存在自体へと拡大してゆく。 後半、一気にすべてが展開し、最後にすべてが明らかになるが、謎解きの部分はスッキリと腑に落ちる、という感じではなく、読んだあとの爽快感もない。事件が終わったあとに、何が残るのかというと、何も残っていないようにも感じられる。 作者の引き出しの多さがよくわかる。ただ、よくできてはいるけれど、好き嫌いが分かれる作品ではある。 | ||||
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