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エンドゲーム 常野物語
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エンドゲーム 常野物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全68件 61~68 4/4ページ
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オセロゲームのように、「裏返し」合いを果てしなく続けている二つの勢力の暗闘! かつて父親が連れ去られ、今また旅行先で母も倒れた。意識なく眠り続ける母を取り戻すべく、 時子は活動を開始する‥。 ‥という物語。 主人公たち4人の目を通して、こもごも語られる当人だけの真実。 我われは、ものごとにはすべて複数の側面があることを、頭の中ではわかっているが、 自分の見た目にとらわれ、客観的に全体を見通すことの難しさもまた、経験上知っている。 真実とは一体何なのか。「事実」と「真実」とはどう違うのか。 いずれにせよ、信じているものが否定されたとき、自己の存在理由そのものに関わるとき、 一人ひとりが真実だと思っていたことが覆されることの恐怖は、はかり知れないほど大きかろう。 自己の存在そのものを危うくする”真実”の否定なのだから。 読み終わったときは素直に「恩田ワールド」にひたっていたのだが、レビューを書いているうちに、 なんだか重くなってしまった。 私も裏返されてしまったようだ。 | ||||
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「あれ」とは何か。そんなことってあるのか。 そんなことは気せず、上下左右分からなくなってしまうような独特の雰囲気の文章に浸って、とにかく読む。 前作までの常野物語の話はうっすらとしか覚えていなかったけれど十分楽しめました。 | ||||
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正体不明の「あれ」に父を「裏返され」、母暎子と「あれ」の存在におびえながら暮らす高校生の時子。しかし、ある日会社の研修旅行先で母が倒れ、意識不明だと連絡が…。「私の身に何かあったらここに電話して」と母が冷蔵庫に貼り付けていたメモがないことに気づいた時子は、その意図を探ろうとする。果たして母は「裏返され」てしまったのか…? 『光の帝国』を読んでから「大きな引き出し」の春田一家と「オセロゲーム」の拝島母子の続編はぜひ読みたいと思っていたので『蒲公英草子』とともに、今回の『エンド・ゲーム』もとても楽しみにしていました。「裏返し」「裏返され」戦々恐々と過ごす日々に終わりは来るのか?行方不明の父親の安否は?そして新しく登場した「洗濯屋」の正体とは? 設定の非凡さについていけない初心者にはまず、『光の帝国』の「オセロ・ゲーム」を読むことをおすすめします。 | ||||
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同じ常野物語でも、一年前に出版された「蒲公英草紙」とは随分雰囲気が異なります。「エンドゲーム」のプロローグ的短編作品である「オセロゲーム」(「光の帝国」に収録)自体、他のエピソードに比べおどろおどろしい感じのする異色作でしたが、今回は更にダークな話に仕上がっているように感じました。「蒲公英草紙」が明治時代の田舎を舞台にした牧歌的な幻想寓話だとすれば、この作品は人間の精神世界を舞台にしたサイコサスベンスといったところでしょうか?(個人的には筒井康隆の「エディプスの恋人」、「パプリカ」を思い出しました。)少々グロテスクな描写があったり、物語終盤で残酷な真実が明らかになったりと、正直読後感は「蒲公英草紙」の方がいいと思います。 けれども、常野物語の新たな分派作品としては非常に楽しめました。「光の帝国」に登場する春田記実子や西岡亜紀子、川添律、ツル先生などが「表」の物語の主人公であるとすれば、この物語に登場する拝島家の面々や火浦は常野一族の異端児であり、「裏」の物語の主人公。 過去の作品に登場した常野一族の面々が、どこか人間離れした聖人めいた人物として描かれていたのに対し、この物語に登場する常野一族達は皆どこか情緒不安定で心に何らかの影を抱えている。 「光の帝国」で、記実子や亜希子が近い将来に来るであろう「大仕事」に向かって一致団結していたのとは対照的に、拝島家や火浦は自分達の存在意義にすら疑問を抱きながら己のための戦いを水面下で孤独に繰り広げる。 ともすれば、温かい涙を流せる「いいお話」の集合体に陥りかねなかった(もちろん私も温かいストーリーは大好きですが)常野物語において、これまでの路線の真逆を突き進むストーリーを敢えて開拓したことは、今後このシリーズを拡大させていく上で非常に意義のあることではないでしょうか。同じ題材から、様々なジャンル、様々なテイストの作品を生み出すことができる恩田さんならではの作品だと思います。 | ||||
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恩田ワールドの基盤となる常野物語の続編。 私は『光の帝国』がやっぱり一番好きだと思った。 今回の『エンド・ゲーム』は『光の〜』に出てた「裏返される」ことにおびえる人たちのお話。 いつものように、「ありそうでなさそうな設定」ではあったけど、 現代が舞台だったためか、入り込めなかったように思う。 正直、複雑すぎて最後はついていけなかった。 (私の理解力が足りないだけかもしれないが) でもハードカバーの表紙がとてもきれいだったし、 最後、「また続くのかな?」と思える終わり方で、 救いようのないわけではなかったので、今後に期待したい。 | ||||
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不思議なカバー装画。シルバーテイストが近未来SFを想起させたが、読了後、見えていなかったものが見えてきた。ハハン、そういうことか。巧い。深く納得。「常野物語」ファンとしては、去年の夏に「蒲公英草紙」(集英社)を読めて、その年末に新作を手にすることができるとは夢にも思わず小確幸。前作は緩やかな丘陵をおだやかに歩いていくような印象を持ったが(読書の手触りは北村薫「スキップ」(新潮文庫)、小川洋子「沈黙博物館」(ちくま文庫)に近いと思う)、今作では一転、ナニモノかに追われるが如く、畳み掛けるような展開にびっくり。かなり複雑なプロットになっているので、頭の中が「?」で埋まる場面が出てくるかも知れない。再読すると合点がいくのかな。 | ||||
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正体不明の存在が見え、それと「裏返す」「裏返される」命がけのゲームを繰り広げてきた親子3人と、それを巡る人々の物語。 主人公の女子大生。幼い頃、父親が消え、そして今度は、母親が眠りにつき、目を覚まさない。そして女子大生に近づく謎の青年。 両親は、「裏返されて」しまったのか?主人公は、両親を「救う」ことができるのか? 両親の謎、正体不明の存在との戦い、常野の人々の能力など、謎が満載、そしてストーリー展開の面白さ、展開される世界の豊かさ、不思議さで、最後まで一気に読みました。「裏返す」ってどんな感じ!?など読み側の想像も刺激する本です。人間の精神ってどうなってるんだろう、モノを認識するとは?など考えさせられる本でした。 けど、一番は、面白い物語を読めて幸せでした。 | ||||
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上記のタイトルに魅せられて予約購入しました。本当は来年発売のはずですが年内に届いて、多忙な中でも一気に読んでしまいました。 「裏返す」という能力のある常野の一族の話なのですが、確か短編集も出ていた一家です。(短編の中ではあまり好きな話ではありませんでしたが、父親が裏返されたまま帰らないので、続きはものすごく気になっていました) 今までのほんわかとした常野の人々とちがっていつも緊迫感のある恐怖の中で戦っている一族ですが、「裏返」されて行方不明になっていた父親の消息がわかり、残されていた母親と娘にも危機が訪れます。 敵との戦いというよりは、己の内側にある敵というか、深層心理の中を探っていくという戦いです。 脳についての未知の分野を探り謎を解いていくといえばよいのでしょうか。 謎解きについてはちょっと不満も残る展開でしたが、最後に主人公たちが一応幸せ??になったので星は4つにしました。 同じ作者の「ネクロポリス」の不完全燃焼な謎解きと結末よりはずっと良かったと思います。 | ||||
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