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エンドゲーム 常野物語
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エンドゲーム 常野物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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常野物語の第三弾。タイトルを見ると、シリーズもこれで終わりか、と思わせますが、その真偽たるや如何に!? ・・・ で内容ですが、今回はどちらかというとモダンホラー的な風合い。 「私たち、誰かに狙われている?」「あいつらが出てきたら、「裏返す」の。分かった?」 みたいな会話がなされたかどうかは分かりませんが、主人公の時子とその母暎子は常野の血を引く特殊能力を持つ家系。 常に「あれ」と戦うことを余儀なくされた血を受け継ぐ母暎子とその娘時子。失踪した夫は「裏返」されたのか、それとも・・・。 失踪した夫の真実とは、夫の残したメモの先はなにか、「洗濯屋」の正体は、夫の家系と結婚に潜む謎等々が次第明らかに。 因みに、「光の帝国 常野物語」所収の「オセロゲーム」からのスピンオフという位置づけ。 ・・・ 今回も恩田氏のモダンホラー的ストーリーテリングにやられて、一気に一日で読了。 常野物語は、通底するテーマが超能力、超常現象、こうした能力の混合や遺伝等々。これは私の大好物分野の一つです。 でも、本作はどちらかというと、もう一つのテーマとして「不条理」みたいなものがあるように思えます。 なぜ、夫は失踪してしまったのか。なぜ我々は「あれ」と戦わなくてはならないのか。なぜ我々は常野の一族と距離を置いているのか。 不条理と併せて、語られない細部にヤキモキするのですが、これを少しずつ、気持ちよく埋めていく語りの作法が気持ちよいです。 能力の持ち主暎子と娘時子に迫る危機。否、これは救いなのか? 「洗濯屋」は味方なのか敵なのか。 最後の大団円ではモダンホラー的要素はすっかり抜けて、むしろファンタジー的なテイストでありました。 ・・・ ちなみにですが、本作で「特殊能力をすっかり失い、そして記憶も失う。だけどその後は普通の人生を生きていける」というような選択についてのくだりがありました。 能力を持った暎子と時子の母子は、その提案に逡巡するのですが、それを読んで感じたこと。 「記憶とはアイデンティティそのもの」 自分を失うという事は具体的にどういうことか。つまりは記憶を失うということなのでは、と思います。 それまでの良いこと悪いこと、頑張ったこと悲しかったこと等すべてひっくるめて今の自分が形成されているのですが、それを「はい、リセットしまーす」と言われて即座に「賛成!」といえる人は少ないと思います。やはり自分の自我・自己に愛着が少なからずあるのではないでしょうか。でも、この自我の記憶が無くなったら、どう感じるのでしょうか?不安じゃないですか? ・・・ そういうことを考えると、痴呆や認知症というのはどういう状況かと。 自我・自己の記憶が辺縁から崩れつつあるのを、時に認識しながらも、何とか生きていく、そういう状況なのかな、と。 ビーカーという「自己」に水という「記憶」が入っており、割れたビーカーの底から水が漏れている。水が漏れるに従い、ビーカーのイメージがどんどん消えてゆき、水が無くなった瞬間に暗転。そういう状況なのでしょうか。 あるいは記憶喪失。記憶喪失はビーカー「自己」に傷も割れ目もないのに、水が一滴も入っていないようなイメージなのでしょうか。 痴呆が進み過食が進行中の父親。彼に思いを馳せつつふと考えた事柄でした。 ・・・ ということで常野物語の第三弾でした。 モダンホラー、超能力系が好きな方でしたら楽しんで読める作品だと思います。 | ||||
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前作「オセロゲーム」から常野物語として違和感を覚えるエピソードだった。私が個人的にこのシリーズを、人よりすぐれた超能力者の味わう悲哀を描いてると思っていたせいかも知れない。「裏返す」能力が、一般人には何の影響も及ばさず、正体不明の敵と戦っていると言う設定が理解不能だった。この異能が何の役に立つと言うのか。この書き方だと超能力者と言うより精神障害者だろう。 筆力ある作者なので、スリリングなストーリーを最後まで読まされたのだが、読み終わってもモヤモヤが晴れず、一寸残念な読後感想を抱いてしまった。 | ||||
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常野物語シリーズは好きで第1作、第2作ともに読みました。 今作は第1作短編のオセロ・ゲームの拝島一家の物語でした。オセロ・ゲームが非常にスリリングでおもしろく、世界観も好きだったので期待して読みました。 中盤まではオセロ・ゲームと序盤の伏線の回収があり、わくわくして読み進められましたが、終盤に差し掛かって感情移入し難い登場人物の行動が多々あり、もやもやしてしまいました。展開が読めないことは楽しさのひとつですが、私にとってはあまりにも登場人物の行動がありえないもので、序盤のワクワクを最後まで継続できませんでした。 著者あとがき記載がありましたが、ラストが特にシニカルで、私にとっては全く腑に落ちないものでした。今作をたびたび振り返りますが、あまり理解もできません。突飛な展開でした。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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「裏返す」力を持つ家族が主人公となった長編だ。拝島時子と、その母である瑛子の物語が、交互に語られ、一本になっていく。 ここでは、「裏返す」「包む」「洗濯する」というのが、キーワードになっている。通常の意味合いとは少し違う、特別な行為を示す。 裏返されて、裏返された、なにが表だったのか。 正直なところ、よくわからなくなった。結局、何が起きたのか。 あの大きな建築物から出たときに、裏返されたのは誰なのか。 裏返されなかった人物は、本当に裏返されていないのか。 あらゆることが曖昧になる。ここから先、どんなことが起こるのか。 最後にざらりとした感触が残る。 ざわりと、胸底でなにかが身じろぎするような。 これまでのシリーズでも語られてきた暗い時代の予感が今こそ現実になる。 | ||||
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いつも感じることだが,この作家は状況を規定するのがとても巧みだ. そして,その中で物語を動かすのも実に上手い. ところが,登場人物たちには深さが感じられず薄っぺらい借り物のように思える. また,結末はきわめて凡庸なところに落ち着く. 詰まる所,物語はいつも竜頭蛇尾の印象がぬぐえない. 魅力を携えていた物語が,終わってみればただの凡庸なお話,というのが私の恩田陸への評価だ. この作品はそういう意味では驚かされし,ラストがダークに終わるのは個人的には面白かった. ただし,途中で精神世界の描写辺りで中弛みを感じたのと,登場人物たちに強い個性を感じはしなかった点から,結局いつも通りの凡作となってしまった. シリーズの今後に期待したい. | ||||
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久しぶりに恩田陸が読みたいな、と思って手に取りました。ところが、以前の“ノスタルジーと叙情”はなく、全編が暗い話。かなりがっかりしました。 これからの「常野物語」の有り方についての恩田陸の“宣言”なので、かなり重要だとは思うのですが、はっきり言って面白いとは思えませんでした。 | ||||
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本書は、「常野物語」シリーズ第1編『光の帝国』に所収されている『オセロ・ゲーム』の続編である。 しかし、何というか、ただのエスパー物語(常野一族をエスパーと呼ぶのが妥当であるならばであるが)に過ぎず、それも拝島親子たちの内面世界だけのできごとで、常野物語が今後どのような展開をするかはともかくとしてもシリーズ全体からすれば、前作『蒲公英草紙』同様、番外編の観は否めない。 また、前二作のような感動も余韻もなく再読しようという気はしない。あってもなくてもどっちでもいい作品である。 ただ、「柱の共鳴」やその柱に吸い込まれるシーンは萩尾望都の『スター・レッド』そのままで、さすが萩尾ファンの作者と感心した。 時子を『スター・レッド』の星・ペンタ・トゥパール(強力な超能力を持つ火星人の末裔)、火浦を同じくエルグ(火星人の超能力を調整しようとする異星人)と見なせば、全体の構図が似てくるしね。 | ||||
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常野物語の3作目。長編としては2作目ですが、前作「蒲公英草紙」が過去の話になるので、純粋に「光の帝国」で記された話の続きが書かれたのは初めて。 「光の帝国」に収録された「オセロ」に登場した拝島親子のその後が描かれます。誰かに「裏返される」ことに立ち向かって、相手を「裏返す」ことで闘ってきた拝島瑛子。物語は瑛子の娘、時子の元に、母・瑛子が目を覚まさなくなったという電話がかかってくることで始まります。 父の失踪と母の眠り。見えない敵に「裏返された」のかどうか、分からぬまま戦いに引き込まれていきます。 他のレビュアーも書いているように前半は拝島親子の敵がどういうものか分からないままグイグイと読み進めさせられます。中盤部分からぼんやりとした不安が浮かんできて、終盤にくると「なんだこれ?」という気持ちになってしまいます。 失速というのとは違うのですが、前半の高揚感が感じられなくなってくるんです。 常野一族の誰もが善人とは思っていませんし、むしろマイノリティの一族をこれからどう描いていくのか興味深く感じています。ただ、この一作は常野一族の闇の部分を描いたものとしても、ちょっと物足りなく感じました。 | ||||
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常野物語シリーズの一作でなかったら星四つです。 具体的に書くとネタを割りますのでごく簡単に。この手の、ミステリ界では使い古されたやり方で、物語の裏の「システム」を、しかも第三人称で書いてしまっていいのだろうかと不安になります。次にどのような展開を持ってくるのか、注目していきましょう。 | ||||
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恩田陸さんの常野物語の第三弾で、文庫最新刊になります。 人にまぎれて生きる常野の一族は、その特殊な能力により人々の間にひそむ「何か」を相手に裏返したり裏返されたりという人知れず戦いを太古から続けてきました。一族同士の血の禁忌を避け、できるだけ固まらずに、できるだけ普通の人々と結婚し、子供を為し、広がっていました。 この話も、そうした一族の、しかも圧倒的な力をもつ、父と母、タブーを破ってでも一緒になった二人の血をひく最強の申し子として生まれた女性が主人公のお話です。小さい頃に敵に「裏返されて」いなくなった父親、二人きりの家族だった母が敵にやられたのか意識不明の昏睡状態になった時、彼女ははじめて一族と連絡を取ろうとするところから物語は始まります。。。。 あらすじ・ネタバレで言えば、書けるのはここまで、後は読んでいただいての皆様の反応待ちですが、、、正直この巻は救いがないというか、混沌としているというか、自己中心的な人ばかりというか、読んでいてとても苦しい話でした。一族の中でも新しい能力の持ち主たちとして「洗濯屋」が出てきたり、「つつむ」という新概念も出てくるんですが、なんででしょう、人々をまもる精神性の高い一族と見えてきた常野の一族が急に変なことになってしまったような気がします。それは敵の一族たちの明らかになった事のせいでもあるんでしょうが、なんでだろう、すっきりしませんでした。 前作の「蒲公英草紙」、或いはこの「エンド・ゲーム」の前段にあたる「光の帝国」収録の「オセロゲーム」と比べると、ちょっと残念な感じでしょうか。常野一族にヒロイックなもの、聖人的なものを求めすぎていたのかも知れませんが、個人的には今ひとつ。 ただし、一族が全員光の側のものであったり、聖人であるはずもなく、異端児達の物語として読めばそれはそれでサイコサスペンスものとしてありだとは思います。作品としての評価が低いのは個人的な好みかも知れません。 | ||||
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人間の意識の深層とか、超自然などのテーマが根底にあるシリーズであるので、今回も懐かしのサイバーパンクっぽい多層的な意識の世界であるとか、章によって時間軸が前後したり、など、技巧に技巧を凝らしています。さすがに物語り匠の著者らしい。 でも、技に溺れてない?読者を裏切り続けてサプライズを呼び起こすことに傾倒し過ぎてない? 個人的には常野の人々の血縁の強さとか同志愛、家族の暖かみなどをテーマにした前作の方が、好きだ。 今回も親子という題材はあるけど、あまりに抽象的だし、「血」が感じられない。 まだまだシリーズは続けるという著者の言葉を信じて、次回はもっと暖かいドラマを期待したいと思う。 | ||||
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光の帝国での拝島親子の物語のつづき。 光の帝国は全編通して好きなお話だったけれど、 その中でもこの拝島親子の話は特に続きが気になっていた。 前の話と同様、全編を通して異色かつダークな感じ。 「裏返す」だの「洗濯する」だの 具体的に何がどうなるのかわからない言葉がいっぱい出てきて、 でも、その言葉について読み手が想像して話を読むわけだから、 より一層不気味な感じがするところは以前と同様。面白い。 ストーリーとしても母の失踪からはじまり、 誰が敵か味方かわからない、息つく暇もない展開で、 ぐいぐい読ませられる。ページを繰る手が止まらない。 が、惜しむらくはその最後。 「えええええ、そんな終わりでいいのっ」と なんだか納得できない種明かしというかなんといか・・・。 ばーーーっと読ませられるので、 理解が追いつかないぶん腑に落ちなかったのかもしれないけれど・・・ もう少しじっくり読めばわかるのかもしれないけれど・・・ いまいちおなかにすとんと落ちてこない最後で消化不良な感じだった。 もうちょっと最後がよければなあ!というのが率直な感想。残念。 | ||||
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この作品を読んで一番最初に思った事は、「これは読者が望んでいた『オセロゲーム』の続きではないんじゃないか?」という事です。 作品としては決して悪くないと思う。だけど、なぜか違和感を感じてしまう。 「光の帝国」という作品に対して、思い入れが強すぎたせいかもしれません。 特にラストを読んで、すごく突き放されたような、悲しい気持になってしまった。 | ||||
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光の帝国を先に読みました。 物語のあらすじは他レビュアー様によってなされているので、 純粋に感じたことを。 後半から、あまりにだれすぎている。 辛辣になってしまいますが、これが一番感じた点です。 そして、ネクロポリスでも感じたことなのですが、 謎の壮大さに、謎解きが「おいついていってない」、といったもどかしい感覚。 残念でなりません。 名探偵が不在のミステリーを書かせた場合、 恩田陸に双肩しうる作家はそうはいません。 謎は壮大、煽って煽って、それこそ名探偵にでも 華麗に解かせれば良いような舞台設定の中、 謎解きはあくまで読者と、登場人物の目線を通して行われ、 それが臨場感や共感、納得を生んでいる、と今までの著作を読んで感じてきました。 謎解きに「しょぼさ」を感じたことなどなかったのですが…。 中盤までの…拝島一家の娘、時子と火浦が共に「寺院」(に似ているらしいのでそう記述します)に入るまでは、 それこそ手に汗握る感覚で楽しめたのですが。。。 それから先が、どうもわかりにくいのです…。 主人公一家の過去にふれ、それぞれの根に関わる部分のパートが、 どうも薄っぺらく感じてしまいました。 光の帝国がそれこそ光輝いていたのに比べて、 蒲公英草紙は「ほっこり」とさせるような暖かい光を。 そしてこのエンドゲームが、「影」の部分を表している、のでしょうが…。 好き嫌いは分かれると思いますが、「常野の影を書きった」、とは私には思えません。 続編が出たら納得するのかもしれません。 ですが、絶対に出して欲しくありません。 そんな「後付設定」は悲しすぎるので……。 | ||||
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私はこの常野物語はエンドゲームしか読んでないんですが、かなり静かに進んでいきますね。 でも、いろんな展開にいっちゃうし、いろいろと分からなかったりするので、、、★3つです。ハッピーエンドなんだか良く分からない感じで、まだまだ続きそうでした。 個人的には火浦が謎でいいです。ミステリアスで非現実が好きな人にはいいと思います。 | ||||
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読み終わるまでそんなに時間はかかりませんでしたが。 少し微妙です。 理解が少しできません オセロゲームみたいな感じというのは分かりますが 『あれ』とはなんだろう。など。 ちょっと理解困難でした。 けど。 面白いです。 | ||||
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光の帝国の中の短編の続き的な作品で、短編の中で謎だったことが 分かるのでは無いかと言う期待を持って読み始めました。 序盤のほうは謎や、期待感で読み進みましたが、 中程あたりから、幻想的な世界になってきて、現実から浮き始めて、 分かりにくくなってきたように思いました。 個人的には、短編のほうが、まとまっていてよく出来ているように思います。 | ||||
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煙に巻くのがうまいと昔は感じたものだが、今は改行してページ数を稼ぎ、ストーリー展開を遅々と匍匐前進させ、あげくの果てに登場人物たちが疲労困憊しているので妥協策として、一件落着風に片を付けるという趣きが強くなってきた恩田陸の作風。多作は散漫なストーリー展開を余儀なくし、スープの素を薄めるがごとき才能の浪費、無駄遣い、徒労を感じさせ、哀しくなる。 「夜のピクニック」以降、納得できる作品に出会わない。ライトノベル風の「常野物語」「光の帝国」は子供用TVのSF作品の原作みたいで最初から好みではなかったが、今回もその延長に過ぎなかったような気がする。強いて言えば、昔の「七瀬」シリーズが支離滅裂に神様レベルに話を持っていったような感がある。(圧倒的な力を持つ老婆の存在等) こういう持って行き方はエンドゲームにして、「新しいハイブリッドな展開」を切に望む。 | ||||
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常野シリーズの最新刊です。光の帝国の中の拝島親子の続編(過去・未来)です。 不思議な能力を持つ常野一族の中で拝島家は、普通の人には見えない敵、『あれ』との戦い、裏返すことを続けなくてはいけないことを宿命としている。そのため、いつどこでその敵と会うかも分からないことを恐れ人ごみを避け、群衆の中に埋没するように生きなくてはならない。 この話の中で、拝島一家の秘密、過去が語られていく。そして、あれを返し続け、戦い続けなくてはならない彼女たちの未来は。。。 拝島家の過去を辿る辺りは、現実味というか、物語の展開(洗い屋の存在等)として面白いが、父親が拝島母娘から去った理由は、母娘の生きてきた厳しさと比べると弱くつかみ所のなさを感じさせられました。 また、使われる言葉が、『返す』『洗う』『包む』など抽象的、物語の最後の部分の異空間の辺りも言葉から想像しなくてはならないことも抽象的、読みながら場面をイメージするのに苦労しました。確かに、抽象的な部分が物語の最終部のぼんやり感(読んだ方には分かるとおもいます)につながるのかしら?とも思います。 | ||||
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